キタダケキンポウゲ(キンポウゲ科)
北岳山頂付近の砂礫地に生育する多年草である。花期は7~8月。ミヤマキンポウゲに比べるとかなり小型で、花弁と花弁の間に隙間が生じて華奢な感じがする。根元近くの葉は3裂してさらに裂け、カエデの葉のような形をしている。生育場所は極限られているが個体数はそこそこにある。 キタダケキンポウゲ 平成29年7月 北岳で撮影 キタダケキンポウゲとハハコヨモギ 平成29年7月 北岳で撮影...
View Articleミヤマアケボノソウ(リンドウ科)
高山のやや湿った岩石地や草地に生育する多年草である。花期は8~9月。山梨県では八ケ岳に生育しているが近付き難い急斜面の草地の中に隠れるように咲いている。個体数はあまり多く無い。 ミヤマアケボノソウ 令和1年8月 八ヶ岳で撮影 同上 急斜面の草地の中に点々と隠れるように咲いている。 同上 200㎜望遠でやっとこの程度の距離 トリーミング画像...
View Articleハルリンドウ(リンドウ科)
山野のやや湿り気のある草地や沼地のほとりに生育する2年草である。花期は5~6月。天気の良い陽の当たる時間帯しか花を開かず、それを逃すと周辺の草に同化して探すのが難しい。山梨県では八ケ岳・清里周辺に生育しているが個体数は少ない。 ハルリンドウ 令和1年5月 八ヶ岳で撮影 同上 水辺を好んで生育している。 同上 開花時に根生葉が残るが、草に埋もれていて見えないことが多い。...
View Articleムラサキセンブリ(リンドウ科)
日当たりの良い山野の草地に生育する2年草である。花期は9~10月。薄紫色の上品な感じのする花は和風の美しさがある。山梨県では富士山麓周辺に生育しており、個体数は比較的多かったが、食害や踏み荒らしにより減少傾向にある。 ムラサキセンブリ 平成26年10月 東部富士五湖地方で撮影 同上 薄紫色の上品な花 同上 同上 和風な美しさがある。 平成28年10月...
View Article甘利山椹池を再訪する 令和2年10月1日
本日は中秋の名月である。身延山に登ればパール富士が見られるがロープウェイが午後3時までしか動いておらず仕事を終えて午後から出発したのでは間に合わなそうである。場所を変えて展望が良くて簡単に行ける甘利山に行ってみることにするが、その前に少しの時間だが椹池の周辺を散策してみた。 椹池。紅葉はまだ始まっていないが秋の気配が漂い始めている。...
View Articleヤマヒメワラビ(ナヨシダ科)
亜高山帯の水気の多い砂礫地の草地に生育する夏緑性のシダである。石灰岩地を好むとされているが山梨県の生育地は北岳を除くと石灰岩地では無い。生育場所は少ないが生育地では群生している。裂片の辺縁部に大き目の円いソーラスを付ける。 ヤマヒメワラビ 令和2年9月 奥秩父山系で撮影 同上 同上 群生している。 同上...
View Article山梨県の絶滅危惧のシダ類一覧
2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のシダ類は以下の通りである。 山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR) ヒメスギラン(ヒカゲノカズラ科) (2005山梨県CR 環境省-) チシマヒカゲノカズラ(ヒカゲノカズラ科) (2005山梨県CR 環境省EN) スギラン(ヒカゲノカズラ科) (2005山梨県CR 環境省VU) マツバラン(マツバラン科) (2005山梨県EW...
View Articleキンセイラン
山地のスギやヒノキ林の林床を好んで生育する黄色いランである。2018年版山梨県レッドデータブックでは数個体しか発見できず調査不足(DD類)となったが、発刊された直後に新たな自生地が見つかった。 キンセイラン 令和1年7月 東部富士五湖地方で撮影 同上 キンセイランの花 同上 令和2年7月 東部富士五湖地方で撮影 同上...
View Article乙女高原とその周辺を散策 令和2年10月3日
昨年秋に見つけたサトメシダらしきシダがどうなっているか見ておきたいことと、今年の春先に見つかったフジシダの群落がその後どうなっているのかも見ておきたい。最近興味を持って見ているトリカブトも見ておきたい。主に車で移動して乙女高原界隈を巡り歩いてみる。 谷地坊主と呼ばれているスゲの仲間。山梨市の天然記念物に指定されている。 トリカブト、だが、これは何トリカブト?...
View Articleセンブリ(リンドウ科)
日当たりの良い山野に生育する2年草である。1年目は根生葉で生育し、2年目に茎を伸ばして上部で分岐する。花期は8~10月。山梨県では広範囲に分布しているが意外と見かけることは少ない。土地開発や自然遷移、薬用採取などにより個体数は減少している。 センブリ 平成26年10月 竜ヶ岳で撮影 同上 センブリの花。花弁に薄紫色の線が入る。 同上...
View Article山梨県の絶滅危惧のスミレ科植物一覧
2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のスミレ科植物は以下の4種類である。 山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR) キスミレ(2005山梨県EN 2017環境省-) 山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN) ミヤマスミレ(2005山梨県DD 2017環境省-) 山梨県絶滅危惧Ⅱ類(VU) コミヤマスミレ(2005山梨県EN 2017環境省-) 山梨県準絶滅危惧種(NT)...
View Articleイナツルデンダ(オシダ科)
亜高山帯の岩の隙間に生育する常緑性のシダである。ツルデンダの小羽片が深く切れ込んだような形をしており、時として茎の先端部に無性芽を付ける。イナデンダとツルデンダの交雑のシダで、山梨県で生育が確認されているのは1ヶ所のみ、日本国内でも数ヶ所のみである。不思議なことに生育地の周辺にはイナデンダが見つかっていない。 イナツルデンダ 令和2年9月 奥秩父山系で撮影 同上...
View Articleヒメスミレサイシン(スミレ科)
山地帯の落葉広葉樹林下に生育するフォッサマグナ地域に分布するスミレである。花期は4~5月。山梨県では御坂山系、奥秩父山系など広範囲に分布しているが生育地での個体数はあまり多く無い。白い花はシコクスミレに似るが花が開花した頃にはまだ葉が展開していない特徴がある。 ヒメスミレサイシン 平成27年4月 黒富士で撮影 同上 同上...
View Article南部町のシダを探索 令和2年10月4日
天気予報では本日は雨の予報で、朝起きると小雨が降っていた。ゆっくり寝て9時過ぎに起きた頃には雨は上がっていたが午後にはまた降って来そうである。山に登るにも渓谷を探索するにもあまり良い天気では無い。確認しておきたいシダがいくつかあったので、あまり歩かなくて済む場所を選んで南部町に出かける。 南部町内船にある内船寺(ないせんじ)の参道。この界隈にはいろいろなシダが茂っている。...
View Articleコミヤマスミレ(スミレ科)
山地の林下に生育する多年草である。沢沿いを好んで生育している。山梨県では主に県南部に生育しており生育地での個体数はそこそこにある。スミレの中では花期は遅めで5月ごろに咲く。 コミヤマスミレ 令和1年5月 南部町で撮影 同上 この場所の個体は葉に斑が入るタイプである。 同上 フイリコミヤマスミレとでも言うべきなのだろうか。 渓谷に咲くコミヤマスミレ...
View Articleナガバノアケボノスミレ(スミレ科)
ナガバノスミレサイシンとアケボノスミレの交雑のスミレである。ネットで調べる限りでは今回の撮影地の他に大月市のほうにも生育地があるようである。個体数はそこそこにある。 ナガバノアケボノスミレ 平成31年4月 市川三郷町で撮影 同上 花はアケボノスミレに似るがやや紫色がかっており、葉はアケボノスミレよりも細長い。 同上 群生していて個体数はそこそこにあるが、生育面積は狭い。...
View Articleキスミレ(スミレ科)
日当たりの良い山地の樹林下や林縁、草地に生育する多年草である花期は4~5月。山梨県では富士山周辺の山域を主に生育しているが個体数は少ない。登山道の脇や登山道内に咲いていることが多く、踏み付けや斜面崩落による個体数の減少が懸念される。 キスミレ 平成25年4月 竜ヶ岳で撮影 同上 同上 キスミレの花 同上 この場所は生育地斜面の崩落が続いており個体数は減少している。...
View Articleミヤマスミレ(スミレ科)
山地のブナ帯の林床に咲く小型のスミレである。花期は4~5月。大菩薩・小金沢山系、奥秩父山系、富士山周辺、櫛形山などに生育しており、生育地の個体数はまちまちである。 ミヤマスミレ 平成29年5月 乙女高原で撮影 同上 乙女高原周辺では群生するミヤマスミレの姿が見られる。 同上 同上 濃い赤紫色が鮮やかなスミレ。 平成29年6月 櫛形山で撮影 同上...
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