Quantcast
Channel: 山梨百名山から見る風景
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2934

今度こそスギラン 富士山麓の山  令和3年1月2日

$
0
0
 年末・年始の休みに入ってから2度訪れている山であるがどうしてもスギランが見つからない。休み中に再訪するかどうかは迷っていたのだが、近傍までダイヤモンド富士の撮影にやって来たのでしつこくまた登ってみることにした。今回はいつも登っている尾根と反対側の斜面を登ってみることにする。今回は前日に花仲間から送っていただいた画像を詳細に検討し、陽の射し込んでいる角度からおそらくは木の東面、あるいは北東面に着生していると予想されたので、そちら側から木を眺めてみることにする。かつ、スギランの生育している場所には苔が生えているので高い位置で苔が生えている木を探すということである。これで見つけられなければ、次は花仲間に案内してもらうしかない。


    今回はルートを変えて登ってみる。裾野までは林道があるが途中で消失する。


    倒木の平坦地。GPSで見ると元々はこの倒木の中にルートがあったようだが現在は荒れていて見当たらない。


    ここからは道の無い急な斜面。


    大きな木を見上げて探し物が着生していないか見ながら登る。


    こんな苔の生えた大木の上の方に居るはずだが・・・見つからない。


    途中に展望の良い斜面があった。


    本栖湖と南アルプス


    短絡して楽しようと思ったら茨の中に突入してしまった。かき分けながら強行突破する。


    現地到着。木を見上げながら探す。

 12時に現地到着した。ザックを置いて双眼鏡片手に木々の上の方を覗き込んでみる。この時間だとちょうど側面から陽が当たっている場所、かつ苔が生えたところに付いているはずである。2~3本大きな木の上を覗き込んだところであっさりと見つけることが出来た。さらに周辺の木も探してみるが、見つかったのはその1個体のみだった。


    何か着いている。


    間違いない。


    これこそが探していたスギラン。かなりの大株である。


    角度を変えて撮影。


    思った通り東側に着生していた。今までは午後に到着して探していたが、既に陽が当たっておらず探しにくかったようである。


    トリーミング画像。茎のところに付着している貝殻のような胞子嚢が見える。無性芽は確認出来ず。超望遠でこれだけ撮影できていれば上出来である。

 年末・年始の課題であったスギランの撮影はやっと果たすことが出来た。これにてミッションクリアである。軽食をとって午後1時には下山開始するが、斜面を下りながら怪しい木を覗き込みながら下りてみる。すると・・・!


    こんな木に着いていそうだが・・・居ない。


    この木は・・・何か変なものが付いている。


    これは・・・!


    初めて自力で発見したスギラン。やはり木の東側に着生しており、午後になるともう陽が当たらない。


    さらにもう1株発見。

 1株目を発見したおかげで生育環境が分かってきたこともあり、下りでは2株発見することが出来た。おそらく探せばもっとあるのだろうが、複数の個体が着生している木は見つからなかった。個体数がきわめて少ないことは確実であるが、ではこのシダはこれだけ離れた場所でポツポツと生育していてどうやって交配しているのだろうか?おそらく無性芽でも増殖するのであろうが、無性芽が風に飛ばされてどこかに着生するとは考えにくい。きわめて低い確率で、風に飛ばされた胞子が木の上で交配するのかも知れないが、だとすれば個体数が少ないのでその確率はきわめて低いということになる。不思議なシダである。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2934

Trending Articles