櫛形山の稀少植物 令和2年9月13日
今回の櫛形山周回はお花畑だけが目的ではなく、昨年山梨県で初めて見た花とまだソーラスを確認していないシダを見ておきたかったことがある。いずれの植物も確認は出来たのだが、酷い食害に遭っていて昨年以上に個体が小さくなってしまっていた。 見たかったのはこの花。...
View Articleムカゴソウ
低山~山地帯のやや湿った日当たりの良い草原や林縁に生育している背の高いランである。緑色の花は草地の中に溶け込んでおり保護色をしていて探しにくい。山梨県では富士山麓およびその周辺の山域に生育している。個体数は少ない。 ムカゴソウ 平成28年8月 富士山麓で撮影 同上 緑色のランで草の中に保護色で溶け込んでいて探しにくい。 同上...
View Articleキンモウワラビ(キンモウワラビ科)
日当たりの良い田や道路の石垣に生育する夏緑生のシダである。根元付近には茶色くて長い鱗片を密生させ、キンモウワラビの名前の由縁となっている。山梨県では北杜市界隈に限局して生育しており、個体数は少ない。 キンモウワラビ 令和2年7月 北杜市で撮影 同上 石垣の隙間から生えている。 同上 根元には茶色くて長い鱗片が密生し、まさに金毛(キンモウ)である。 同上...
View Article山梨県の絶滅危惧のシダ類一覧
2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のシダ類は以下の通りである。 山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR) ヒメスギラン(ヒカゲノカズラ科) (2005山梨県CR 環境省-) チシマヒカゲノカズラ(ヒカゲノカズラ科) (2005山梨県CR 環境省EN) スギラン(ヒカゲノカズラ科) (2005山梨県CR 環境省VU) マツバラン(マツバラン科) (2005山梨県EW...
View Articleホソバノアマナ(ユリ科)
山地帯の草地や広葉樹と針葉樹が混合する林床や林縁を好んで生育している多年草である。富士山周辺、御坂山系、南アルプス、八ヶ岳などに生育している。場所によって個体数はまちまちであるが、全体的に減少傾向にある。 ホソバノアマナ 平成29年6月 南アルプスで撮影 同上 同上 保護柵で囲われたこの場所は安定して花が咲いている。 平成29年6月...
View Article山梨県の絶滅危惧のキンポウゲ科植物一覧
2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のキンポウゲ科植物は以下の通りである。 山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR) オオサワトリカブト(2005山梨県CR 2017環境省CR) リュウキンカ(2005山梨県CR 2017環境省-) チチブシロカネソウ(2005山梨県CR 2017環境省-) キタダケキンポウゲ(2005山梨県CR 2017環境省EN)...
View Articleオオサワトリカブト(キンポウゲ科)
富士山亜高山帯の草地や林縁に生育する多年草である。ホソバトリカブトに似ているが葉の裏面の葉脈上に開出毛(ホソバトリカブトでは屈毛)がある点で異なる。 オオサワトリカブト 令和1年9月 富士山で撮影 同上 草地に生えたオオサワトリカブト 花 花柄には開出毛(直毛)が密生している。 葉の形はホソバトリカブトによく似ている。...
View Articleキタダケトリカブト(キンポウゲ科)
高山帯の砂礫地の草地に生える多年草である。北岳周辺に特産する。ホソバトリカブトに似て葉が細く切れ込むが、キタダケトリカブトは背丈が20~30㎝と小型であること、花柄と萼の外側に屈毛が生える(ホソバトリカブトは直毛)ところで異なる。 キタダケトリカブト 平成30年9月 北岳で撮影。一眼レフカメラ電池切れでスマホで撮影した画像。 同上 葉は細く切れ込み背丈が低い。 同上...
View Articleアマナ(ユリ科)
里山から山地帯の日当たりの良い草地や田畑の土手、林縁などに生育する多年草である。山梨県では広い範囲に分布しているが個体数は多くは無く、土地開発や踏み付けなどにより減少傾向にある。 アマナ 平成31年4月 北杜市で撮影 同上 準絶滅危惧種であるが私はほとんど出会ったことが無く、この画像しか持ち合わせていない。 ➡山梨県の絶滅危惧のユリ科植物一覧に戻る
View Articleイワヘゴ(オシダ科)
山地の林内で沢の水が流れるような場所に生育する常緑性のシダである。山梨県では主に県南部に生育し、分布限界種である。個体数は少ない。 イワヘゴ 令和2年2月 身延町で撮影 同上 かつてのワサビ田の脇に生育していた個体。 同上 同上 ソーラスは中軸から辺縁に向かって不規則に付着する。 生育地も個体数も少なくまだ数個体を見たのみである。...
View Articleテバコワラビ(メシダ科)
標高の高い山地の林内でやや湿り気の多い場所に生育する夏緑性のシダである。葉質は柔らかく鹿の食害を受けており個体数は少ない。山梨県では限局的に数か所の生育があったが、2020年現在確認されているのは1ヶ所のみである。 テバコワラビ 令和2年7月 南アルプスで撮影 同上 葉質は柔らかい。 同上 鱗片は薄い。 令和2年9月 同じ場所で撮影。 同上...
View Articleキタダケソウ(キンポウゲ科)
北岳の砂礫地の草地に生育する北岳に特産する多年草である。6月中旬から7月初旬の雪解けの頃に最初に咲き出すのがこの花で、舞茸のように葉は細かく切れ込むのが特徴である。個体数は比較的多い。 キタダケソウと残雪の間ノ岳 平成19年6月 北岳で撮影 同上 キタダケソウ 平成19年6月 北岳で撮影。雪が解けたばかりの早い時期に咲き始める。 同上...
View Articleウサギシダ(ナヨシダ科)
山地から亜高山帯の林下に生育する夏緑生のシダである。葉質は柔らかく傷み易い。富士山の青木ヶ原樹海の中に生育するものは下から2番目の羽片に葉柄を持ちアオキガハラウサギシダとされていたが、本種に含まれることになった。山梨県では奥秩父、南アルプス、富士山で生育が確認されているが個体数はあまり多く無い。 ウサギシダ(アオキガハラウサギシダ) 令和2年5月 富士山麓で撮影 同上...
View Article奥秩父山系のシダを巡る 令和2年9月16日
昨年も歩いているコースではあるが何だか分からなかったシダがたくさんあるうえに見落としてきたものも多々あるようである。今回はシダの師匠にご案内をいただいて渓谷から稜線を巡り歩いてみる。特にヘビノネゴザときわめてよく似ているイワイヌワラビというシダの違いはどこなのか、勉強してきたいと思っている。...
View Articleミスミソウ(キンポウゲ科)
山地の樹林下に生育する常緑性の多年草である。花期は2月下旬~3月で、数本の花茎を出して小さな白い花を咲かせる。山梨県での生育地は限られておりいずれの場所も地元の人たちが保護を行っている。 ミスミソウ 平成28年3月 市川三郷町で撮影 この場所は山梨県の自然記念物に指定されて保護されている。 平成28年3月撮影 葉は浅く3裂し先端部はやや尖る。...
View Articleフクジュソウ(キンポウゲ科)
広葉樹林の日当たりの良い林床や斜面沿いの草地、土手などに生育する多年草である。山梨県での分布域は甲府盆地よりも南側に限られている。生育地での個体数は比較的多い。花弁が濃い黄色であることと萼片の長さが花弁と同程度くらいに長いところがミチノクフクジュソウと異なる。 フクジュソウ 平成31年2月 早川町で撮影 同上 同上 この場所は比較的個体数が多い。 同上...
View Articleミチノクフクジュソウ(キンポウゲ科)
里山や山地の林縁、土手の草地などに生育する多年草である。山梨県では甲府盆地よりも北側に生育しており生育地での個体数はそこそこに多い。花弁の色はやや薄い黄色(クリーム色)で萼片の長さは花弁の長さより短く半分程度である。 ミチノクフクジュソウ 令和2年3月 北杜市で撮影。まだ咲き始めたばかり。 同上 萼片の長さは花弁より短く、半分程度の長さである。 上記の10日後に再訪する。...
View Articleキクザキイチゲ(キンポウゲ科)
山地の林下に群生ないしは点々と生育する多年草である。葉は菊の葉のように羽状に裂ける。生育地での個体数はあまり多く無い。 キクザキイチゲ 平成29年4月 長者ヶ岳で撮影 同上 登山道脇の林床に小群落を形成して点々と咲く。 同上 朝陽を浴びるキクザキイチゲ 同上 並んで咲いたキクザキイチゲ 時としてピンク色の花を見ることがある。 平成25年4月...
View Articleアズマイチゲ(キンポウゲ科)
山地の林床や日当たりの良い土手などに咲く多年草である。花はキクザキイチゲに似るが葉は浅裂するのみで先端は丸い。群生することが多いが生育地での個体数はまちまちで、多いとは言えない。 アズマイチゲイチゲ 平成30年4月 韮崎市で撮影 同上 この場所は森林の伐採と林道工事によって個体数は減ってしまった。 同上...
View Article山梨県の絶滅危惧のリンドウ科植物一覧
2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のラン科植物は以下の通りである。 山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR) サンプクリンドウ(2005山梨県CR 2017環境省EN) アカイシリンドウ(2005山梨県CR 2017環境省EN) ヒメセンブリ(2005山梨県CR 2017環境省VU) ホソバツルリンドウ(2005山梨県CR 2017環境省VU)...
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