ヨウラクラン
沢沿いの木や岩壁などに着生している小型のランである。山梨県では身延町よりも南の県南部に生育している。樫の木や梅の木の幹に着生している姿を目にすることが多く、個体数はそこそこにある。 樫の木に着生したヨウラクラン 平成27年7月 南部町で撮影。 同上 同上 花は既に散って落花してしまっている。 令和1年6月...
View Articleイチヨウラン
亜高山帯から高山帯の針葉樹林帯に咲く白いランである。唇弁には青紫色の斑紋が入り、ホクロが付いているように見える。八ヶ岳、南アルプス、富士山周辺など広く分布しているが盗掘や環境の変化により減少傾向にある。 イチヨウラン 平成23年7月 八ヶ岳で撮影 同上 このような群生はあまり見かけなくなった。 平成30年5月 北岳で撮影。ここでの個体数は少ない。 平成29年6月...
View Articleクマガイソウ
丘陵から山地の林内やブナ林、竹藪などに生育しているが、自生していたものは移植等で減少し、ほとんどが移植された保護地内で生育している。自生地は少なく、個体数も少ないうえに、環境の変化や食害により花が咲かないことが多い。 クマガイソウ 令和2年5月 東部富士五湖地方で撮影。これは移植された個体群である。 同上 同上 同上...
View Articleカリガネソウ咲く 甲斐市 令和2年8月30日
もう日没近い時間であるがなんとか観察できそうな時間である。カリガネソウがひっそりと咲く場所に立ち寄ってみる。 見ごろを迎えていたカリガネソウ カリガネソウ。咲いた花は綺麗であるが臭いは強烈。嗅がないほうが良いかと・・・。 カリガネソウの花 同上 釣竿を下ろしたような不思議な形の花。 個体数は10株に満たない。山梨県ではとても貴重な花。...
View Articleサンショウモ(サンショウモ科)
里山~山地帯の水田に生育する1年生の水草である。シダのようには見えないが、水中にある根のように見える水中葉の真ん中に胞子嚢を付けて胞子で増殖する。水田では雑草として取り扱われ、農薬を使うと減少してしまう。 サンショウモ 令和2年8月 甲府市の水田で撮影 同上 同上 根のような機能をしている水中葉は地面に着かず浮いている。...
View Articleマツラン(ベニカヤラン)
山地の針葉樹と広葉樹の混合する樹林帯で木の幹に着生するランである。主にハウチワカエデの古木に着生している。4月から5月ごろに紫色の混じる黄色ないし黄緑色の花を咲かせるが6月になると紅色に変わる。これが別名ベニカヤランなる名前の由来である。山梨県では富士山麓に生育しており、生育地は限局しているが生育地での個体数は比較的多い。 まだ蕾のマツラン 平成29年4月富士山麓で撮影 同上...
View Articleホソバショリマ(ヒメシダ科)
山地上部の丘陵部に茂る夏緑生のシダである。流線型をしたやや小型のシダで、葉質は柔らかく鹿の食害を受けている。全国的にも局地的に生育する珍しいシダで、山梨県では県南部の1ヶ所でのみ生育が確認されている。 山上に生育するホソバショリマの群生 令和2年6月 南部町で撮影 同上 根元に近い部分の葉が次第に小さくなり、全体的に流線型をしている。...
View Articleシダを探索に行くが失敗 石割山 令和2年9月2日
古い写真を見ていたら花の脇に何やら絶滅危惧種のシダらしきものが写っていた。山梨県レッドデータブックの分布域を確認してみると、その山域に生育しているらしい。これは確認に行かなければと思い、残り1日の夏休みをとって探索に出かけてみる。 久しぶりに登る石割神社に至る長い階段。 キバナアキギリが咲いていた。 石割神社の下に群生していたこのアザミは?...
View Articleツリシュスラン
山地帯の苔生した木に着生する常緑性のランである。7月から8月ごろに垂れ下がった花茎を出し、先端が半曲して白い花を総状に付ける。山梨県では富士山麓に生育しており個体数はきわめて少ない。 ツリシュスラン 平成28年8月 富士山麓で撮影 同上(トリーミング画像) 唇弁は赤紫色をしている。 同上 別角度から撮影 同上 垂れ下がった花茎の先端部が反転して花を付ける。...
View Articleコクラン
暖地性の広葉樹林の林床に咲くその名の通り黒い花のランである。暖地性のランであり山梨県では県南部に生育する。生育地での個体数は比較的多い。 コクラン 令和1年6月 南部町で撮影 同上 群生することがしばしばある。 時として花茎が黒い黒軸タイプを見ることがある。 令和2年6月 南部町で撮影 同上 上向きに立つ緑色の部分は上萼片と思われる。...
View Articleフジシダ(コバノイシカグマ科)
樹林下や渓谷沿いの苔の生した岩の上を好んで生育する常緑性のシダである。葉の先端部には無性芽を付け、環境の良い生育地では群生が見られる。山梨県では奥秩父方面、県南部に限局的に生育している。 苔の生えた岩の上を好むフジシダ 令和2年3月 奥秩父方面で撮影 同上 葉の先端の無性芽と水の雫 全体的な長さは70㎝に達することもある。 令和2年5月...
View Article大蔵高丸周辺に咲く夏の花たち ~渓谷編~ 令和2年9月5日
この季節の大蔵高丸からハマイバ丸に至る稜線はアザミやトウヒレンの仲間たち、マツムシソウなどが咲き誇る花を見るには絶好の季節である。特に保護柵内で復活してきたヒメヒゴタイの大株は目を見張るものがある。午後からは雨の予報で雷が怖いが、焼山沢沿いで確認しておきたいシダがあるので、峠からではなく焼山沢を登って稜線に行くことにする。まずは渓谷で見たシダと花である。...
View Articleハクサンチドリ
亜高山帯から高山帯のやや湿った草地を好んで生育している。ニョホウチドリに似ているがこちらは唇弁や萼片の先端部が尖っておりくちばしのように見える。山梨県では八ヶ岳と南アルプスに生育しているが、いずれの場所でも鹿の食害と環境の変化により個体数は減少している。 ハクサンチドリ 平成29年7月 北岳で撮影 同上。保護ネット内では比較的個体数が多いが、柵の外は危機的な状況である。...
View Articleヒメウラジロ(イノモトソウ科)
日当たりの良い石垣の間や岩壁を好んで生育する常緑性のシダである。裏側は白い粉が一面に付着し白くなっており、ソーラスは葉の辺縁に包み込まれるように付着する。常緑性のシダではあるが冬期は乾燥から身を守るために葉を丸め、枯れているように見える。山梨県では甲斐市や北杜市の限られた場所に生育し、個体数はあまり多く無い。 葉を展開し始めたばかりのヒメウラジロ 令和2年3月 甲斐市で撮影 同上...
View Articleオノエラン
山地帯(主にブナ林)の草地や岩場に生育する白いランである。唇弁の奥には黄褐色のM字の紋が入る。山梨県では主に御坂山系で生育が確認されており、個体数はあまり多く無い。 オノエラン 平成26年6月 御坂山系で撮影 同上 同上 岩稜帯の中にある草地を好んで生育している。 平成29年6月 御坂山系の別の山で撮影 同上...
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