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Channel: 山梨百名山から見る風景
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ふたご座流星群の夜 山中湖きらら  平成30年12月14日‐15日

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 既にこの日の2日前からウィルタネン彗星と一緒にふたご座流星群を追い始めており、数は少ないながらも何個か撮影に成功している。この流星群は3日間くらい飛んでくれるが、極大日を過ぎた後は急速に数が減るのが特徴である。12月14日夜に星見隊を山中湖に集結させ、翌日の未明が見ごろとなるふたご座流星群を狙う。

 今回は流星群の他にも撮りたいものが目白押しである。まずは日没後5時35分ごろから現れる国際宇宙ステーションISSが富士山を越えて飛んだ後月と火星の間を通り過ぎて行く。さらに夜の9時半ごろにはその月が富士山の山頂付近に沈んで行く・・・はずだった。天気予報では晴れだったのだが山中湖まで行くと富士山は完全に雲の中で見えそうもない。他の場所のライブカメラを見てもほぼ全滅である。これでは前半の部のISSと富士山に沈む月は絶望的だろう。睡眠薬を飲んでさっさと寝て未明1時ごろに起きることにする。


    12月14日夕方の富士山。雲に巻かれて見えない。右側の雲間の白い筋が国際宇宙ステーション。

 目が覚めたのは深夜の12時半だった。富士山にはまだ雲がかかっているが空はだいぶ晴れてきた。これならば流星群は見えるはずだ。


    未明1時の山中湖と富士山。少しずつ雲が晴れて富士山が見えてきた。これから回復してくるはずだ。


    11㎜広角レンズ。雲間を流れた流星。右のプレアデス星団の左下にうっすらと小さな緑色の光が輝いている。ウィルタネン彗星。


    ウィルタネン彗星。1秒追尾×6枚をコンポジット。


    富士山頂に落ちた流星。右側のプレアデス星団の斜め下に緑色のウィルタネン彗星が輝く。この程度しか写らず、やはりあまり絵にならない。


    おうし座アルデバランを流れた流星。低空の霞と光の中に彗星が入りもはやあまり見えない。


    富士山の上を流れた流星


    2個流れた流星


    シリウスの下を流れた流星


    同じ流星

 星見隊メンバーはるたんさんとのぞむ先生の2人が撮影に現れたがそのほかのメンバーはぐっすり眠ってしまっているようで、未明4時のオリオン座が富士山の右に沈みかけた頃に起こして撮影に加わってもらう。前年に比べると霞と雲が多くて流星の写りは悪く、果たしてどれくらい写ってくれたかどうか?

 3台目のカメラは赤道儀に乗せて冬の大三角形の追尾を行った。予定ではふたご座が南中する頃にセットするはずだったのだが雲が多くて追尾撮影出来るような状態では無く、オリオン座が富士山を越えて西に傾いた頃から撮影を開始した。1分間の追尾でひたすらシャッターを切り続けるのだが・・・最初の段階で回転角度の計算(といっても適当に合わせただけだが)を誤り、オリオン座が富士山の裾野に沈む頃に水平位置になっているはずだったのだがその頃にはもう大きく傾いて半分近くが湖面のがぞうになってしまった。昨年は赤道儀が電池の接触不良で起動せず失敗。今年は撮り始めの角度のセッティングを誤りまたしても失敗である。


    簡易赤道儀スカイメモSで60秒追尾し、2個の流星が写っている。オリオン座がもうすぐ沈み出すこの頃に水平位置になっているはずだったが既に大きく傾いている。


    流星の写っている画像8枚を比較明コンポジット合成。


    これに水平位置で撮影した富士山をフォトショップで加工して合成する。いくつかの流星は富士山の裏に隠れてしまった。

 適当に目分量で追尾撮影するのは難しいようで、角度を計算しないとうまく行かないようである。しかし何となく感触はつかめたので、いずれはうまく撮れる日が来るだろう。


    薄明の空。もはや流星の撮影は困難。


    山頂が赤く染まる。


    紅富士。PLフィルター装着しコントラスト強調。


    たくさんのカメラマンが訪れていた。

 今年は若干霞が出て雲が多かったこともあり流星は昨年に比べるといまひとつだったと思う。あまり大きな流星を捉えることは出来なかったがそれでも3台のカメラで50個程度の流星を撮影することが出来た。赤道儀による追尾撮影や彗星をいかに撮るかなどまだ課題はたくさんあるが、それなりの成果が上がったふたご座流星群だったと思う。次はまだほとんど撮れていない四分儀座流星群だ。どこからどう狙うか、これから考える。

月光の田貫湖とウィルタネン彗星  平成30年12月17日

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 朝は雲に巻かれていた富士山だったが午後になるとスッキリとした姿を現した。ウィルタネン彗星は地球に接近し現在最も光度を上げているのだが上弦を過ぎた月が照らすために撮影条件はあまり良く無い。かつ、夕暮れの富士山の上に昇る頃にはかなり高い位置まで昇ってしまっている。しかし昨日から3日間はプレアデス星団に接近しており探すのは容易な位置に居る。夕暮れの富士山頂で輝く姿が見られる位置を探し、田貫湖に出かける。


    上弦を1日過ぎた月が照らす。


    富士山の上にプレアデス星団とおうし座アルデバランが昇る。


    プレアデス星団の左下にうっすらと緑色の光が見える。


    25秒追尾、5枚をコンポジット合成。


    なんとか彗星の輝きが見える。もう少し追尾したかったがシャッターボタンの調子が悪く止まってしまった。


    プレアデス星団とおうし座アルデバランとウィルタネン彗星。別のカメラで赤道儀追尾しコンポジット。


    プレアデス星団とウィルタネン彗星。手製の特殊フィルターを装着してプレアデス星団に8角形の光芒を出す。


    右にオリオン座、左にふたご座が昇る。


    さらにおおいぬ座シリウスが昇り始め、冬の大三角形が姿を現す。

 ちょっと撮ってすぐに撤退するはずだったのだが、赤道儀で追尾するのに操作を何度も失敗し、結局は3時間ほど撮影時間を費やすことになってしまった。ウィルタネン彗星はこれから少しずつ暗くなって行くうえに明るい月が邪魔して撮影は難しくなる。好条件で撮影できるのはこれが最後になるかも知れない。

今期初の高下ダイヤモンド富士  平成30年12月18日

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 カシミール3Dからの計算では12月14日から高下のダイヤモンド富士が始まっている。空が晴れたこの日、早朝5時に起きて高下に出かける。現地でGPSを取り出し、本日の白山岳で割れるダイヤモンド富士の登録場所を探すと・・・この日は丁度木の間に富士山が隠れてしまい撮影の出来ない日だった。止む無し、若干太陽の昇る位置が右にずれるがうまくすれば割れるかもしれないギリギリの位置でカメラをセットする。レンズ前面装着型のフィルターが使えるのかどうかもテストしておきたい。


    朝焼けの雲が流れた。


    朝焼けの雲の中に影富士が映る


    ボーグ570㎜望遠レンズ。前面に光芒を出すための手製フィルターを装着してあるが、ピントがうまく合わないようだ。


    だいぶ低くなった影富士。ダイヤの時間が近付く。


    太陽が現れたが予想通り右に外れた。


    同上。雲に邪魔されて綺麗な光芒は出ず。


    570㎜望遠レンズは光芒は出ているがフォーカスが合わないのがいまひとつ。


    雲に邪魔されているのでどれくらい光芒が出ているのか評価出来ないが・・・


    レンズ後部装着型のフィルターを使ったほうが無難な気がする。


    ひとまずは高下のダイヤモンド富士撮影に成功。割れるダイヤはおあずけとなる。


    73㎜望遠


    虹色のフレアは好みによるだろうが想定していた方向と反対側にフレアが出た。

 年内中の高下での割れるダイヤモンド富士は既に位置を計算してGPSに登録済みである。あとは天候に恵まれるかどうか?気温が暖かく雲が多い今年は難しいかも知れない。

割れるダイヤはまたしても失敗 増穂町高下  平成30年12月19日

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 昨日にも増してこの日の未明は空が晴れ、富士山ライブカメラでもくっきりと富士山が見えていた。前日と同様に朝5時に起きて高下に出かける。本日の割れるダイヤモンド富士の位置をGPSに登録した座標で探すと、ちょうど伸びた杉の木に視野が邪魔されてしまう場所だった。右に寄るか、左に寄るか?これはもはや運試しである。左にずらして視野の開けた側にカメラを構える。距離にして2~3mのずれなのでこの位置でも十分に割れてくれるはずである。


    空には金星が輝く。左側の杉の木で隠れてしまう場所が本日の撮影ポイントだったが、木が避けられるもっと左側のポジションでカメラを構える。


    前日前面装着型フィルターを装着した570㎜望遠レンズはピントが合わなかったので高峰装着型の絞りに変える。今度はキッチリとピントが合う。


    もう太陽が現れているはずだが、今回は雪煙に邪魔されてしまう。白山岳右側に小さく光芒が出ており、左側は雪煙に邪魔されているが太陽が見えているはずである。


    位置的にはちょうど良かったと思われるが、残念ながら割れるダイヤは雪煙のため輝かず。


    もう昇ってしまっているだろう。


    失敗。


    使い慣れたボーグ200㎜。白山岳右側は2つか3つ光芒が出ているように見える。


    しかしやはり雪煙のため輝かない。


    やはりそう簡単には撮らせてくれない高下の割れるダイヤモンド富士。


    いつものダイヤモンド富士。

 一方、キャノンの200㎜望遠レンズに前面装着型フィルターを装着して撮影を試みたがこちらは想定していた以上にとんでもない画像になってしまった。前面装着型フィルターはレンズの絞りを使うとそちらの光芒が重なってしまうため基本的には絞り開放にしないと使えない。そうすると今度は露出オーバーになってしまうのでNDフィルターを装着して減光する必要がある。理論的にはこれで撮れるだろうと思ったのだが、シャッタースピードの調整を誤ったうえにとんでもないことが・・・


    可変式NDフィルターを暗くし過ぎたためにシャッタースピード 1/5secになっているのを気付かずにシャッターを手押ししたためブレまくり。


    かつ、このレンズはゴーストが出てしまうのだが想定外にとんでもないゴーストが出た。しかも八角形の光芒はほとんど出ず。

 どうやらこのキャノンのレンズと前面装着型フィルターは、ダイヤモンド富士を撮るには相性が悪そうである。しかし星を八角形に輝かせる時には威力を発揮することは既に証明済みである。前面装着型フィルターを改良すればもっと長い光芒が出せるのではないかと目論んだのだが、そう簡単には行かなそうである。まだ試みは始まったばかり、さらに工夫をしてチャレンジしてみたいと思う。

割れるダイヤもISSも失敗 増穂町高下  平成30年12月20日

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 衛星からの雲画像を見て、おそらくこの日は雲が広がりダイヤモンド富士は無理だろうと予想していたのだが、前日深夜の富士山ライブカメラを見ると以外にも良く見えている。そして早朝4時に目を覚まして再度富士山ライブカメラを見るとやはり見えていた。この日の高下はダイヤモンド富士だけでなく早朝6時ごろに富士山の上をかすめて飛ぶ国際宇宙ステーションISSが見られる日だった。ちょうど富士山の上に昇った木星と水星の間をISSが通過して行くという構図も良い。この日も懲りずに高下に出かける。


    未明5時半の富士山と金星。薄雲で光が拡散していることもあるが、撮影した金星は月のように明るい。富士山の左脇の雲間に明るい星が2つ昇って来ている。


    トリーミング画像。下が木星、上が水星。この2つの星が富士山の上に昇った頃にISSがその間を通過して行く。


    しかし雲が厚くなり木星は雲の中に隠れてしまう。


    ちょうどISSが2つの星の間を通過している頃だが・・・雲に阻まれ見えず。

 期待していたISSだったが、雲が厚くなり全く見えなかった。これでは割れるダイヤも絶望的である。いつもなら2台のカメラで白山岳から昇る太陽を狙うのだが今回は1台だけセットしてもう2台は雲を透かして昇って来た太陽が富士山の真ん中あたりで輝く場所に構えることにする。


    空には綺麗なうろこ雲が流れた。


    朝焼け空の富士山


    雲を透かして昇るダイヤモンド富士


    同上


    これはこれで、美しいダイヤモンド富士だった。


    白山岳で割れるはずだったダイヤだが、やはり全く光芒が出ず。


    うっすらと円い太陽が透けて見える。


    真ん中に登った頃。これはこれで良しとしよう。

 狙っていたISSも白山岳で割れるダイヤも失敗には終わったが、雲を透かして見るダイヤモンド富士もなかなか美しかった。これで3日間連続で失敗ということになるが、今年は雲が多くて止む無しといった感じがする。ちなみに1昨年は7度通ってそれなりに割れたのは2度、昨年は6度通って2度であるが、昨年の良い画像が撮れたデータを元に同じ軌道で撮影すれば高確率で割れることがわかっている。今年の最大の敵は天候ということになるだろう。撮れるのは12月30日までである。チャンスはやって来るのだろうか?

4日連続の高下ダイヤモンド富士 今度こそは・・・?  平成30年12月21日

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 今年は撮影条件が悪くなかなか撮らせてくれない高下の白山岳で割れるダイヤモンド富士である。前日の夜、忘年会が終わって空を見上げると月明りに負けないくらいの星空が広がっていた。天気予報でも穏やかな晴れの予報である。これは行くしかないだろう。しかし起きられるかどうかが心配だ。3日連続の早朝4時半起きで連日眠くて夢遊病者のようである。しかしここを逃すと次はいつチャンスがやって来るか・・・3連休は天候が思わしくなさそうである。気合を入れて5時に起床して出発する。


    快晴の空が広がった高下の富士山。今日こそは・・・。


    朝焼けの空。しかし、若干霞がかかっている。

 そろそろ大勢のカメラマンが押し寄せて来るのではないかと思っていたのだが、以外にも割れるダイヤを狙う東側の駐車場のほうは2台しか車がおらず、昨年に比べるとずいぶん静かな高下だった。ほとんどのカメラマンが冬至の頃に富士山真ん中から太陽が昇る西側の駐車場に押しかけているようだ。


    またしても雪煙が出てしまった。しかしこのくらいなら良い方だ。


    割れるには割れたが・・・霞と節煙の影響で光芒が小さい。


    トリーミング画像。3つか4つくらいに割れているように見える。


    位置的にはぴったりだったが・・・


    満足の行く割れるダイヤにはならず。


    こちらは570㎜望遠レンズ。


    位置は良かったが光芒はいまいち。


    雪煙で太陽の形が透けて見える。


    もう白山岳頂上を越えている。


    一方、現在テスト中の前方装着型フィルターをBorg300mmに装着してみる。フィルターだけならばピントは合う。


    しかし、減光のために可変式NDフィルターをこれに加えると・・・フォーカスが合わない。


    可変式NDフィルターを外してシャッタースピード最速の1/8000秒で撮影するが、やはり明る過ぎる。光芒は一応出ているように見える。

 昨年の撮影データと位置情報を元に割り出した本日の撮影場所はほぼピッタリの位置だった。快晴の天気で条件も良かったのだが、それでもなかなか思うような光芒は出てくれない。さらにテスト中の前方装着型フィルターは可変式NDフィルターに問題があることがわかってきた。何をどうすれば最も有効か、テストを重ねてみたいと思う。今年はあと何回チャンスが来るのだろうか?来週の週末は寒波が襲来するらしい。空がスッキリと晴れてくれることを願う。

渾身の剣ヶ峰パール富士 まかいの牧場  平成30年12月21日

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 4日連続で早朝から増穂町高下にダイヤモンド富士撮影に行っていたおかげでこの日も眠い。夕方は月齢14のパール富士が待っているのだが眠過ぎて行く元気が出なかったが、午後になってもずっと快晴の空が広がっている。ここで行かなければきっと後悔する。栄養ドリンクを飲んで気合を入れ直してまかいの牧場に向かう。

 パール富士の1時間前、3時半に現地到着すると既に三脚がずらりと並んでいる。ほとんどの人が富士山剣ヶ峰に昇って来る月を狙っており望遠レンズを装着している。駐車場の外れのポジションに三脚を立ててカメラ3台をセットする。


    夕映えの富士山。月が昇って来るのは日没後5分くらい。


    残照が終わった数分後に月が昇り始める。


    剣ヶ峰の脇から昇って来た月。


    月の4分の1が残ったところで剣ヶ峰の上に月が乗る予定通りの構図である。


    同上


    剣ヶ峰に乗る月


    あっという間の天体ショー。


    ここまでで撤退。

 ここまではいつも撮っている朝霧高原のパール富士と何も変わらない。では何が渾身の剣ヶ峰パール富士なのか?それは初めて月の撮影に使ったボーグ570㎜望遠レンズにエクステンダーを装着して1140㎜超望遠で月を捉えることに成功したからである。今までこれだけの望遠レンズを使うとシャッターを切る時にブレてしまい鮮明な画像が得られなかった。そこで今回はカメラとレンズを2本の三脚で固定して撮影を試みた。


    2本の三脚で固定して1,140㎜超望遠で撮影した剣ヶ峰の建物。センサーのゴミに直前に気付き、センサークリーニングを数回行ってゴミを飛ばす。


    昇って来た月


    同上


    この位置にキッチリと昇ってくれるかどうかが心配だったが、どんぴしゃり。ブレもほとんど目立たない。


    富士山剣ヶ峰の黄金の月


    剣ヶ峰から月が離れると画角から月が切れてしまう。

 1,140㎜超望遠での撮影は画角の大部分が月になるため、撮影位置を少しでも誤ると月が画角の外に出てしまう。きちんと入ってくれるかがまず心配だったが、それ以上に画像がブレてしまうことが心配だった。シャッター連写は無理であろうが静音シャッターで撮影するならば三脚2本で固定すればそれなりの撮影が出来る。山に持って行くことを想定したあまりガッチリした三脚ではないが工夫すればそれなりの画像が撮れるものである。

剣ヶ峰に昇るダイヤモンド富士 竜ヶ岳  平成30年12月24日

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 竜ヶ岳の山頂から剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士の撮影が可能となるのは冬至を含めて前後3日間のみである。今年は都合良く3日間とも休みになったのは良いが天候が悪く可能性があるのは3連休最終日の24日のみだった。早朝起きられないとまずいので前日は精進湖湖畔に車中泊する。夜10時半に精進湖湖畔に到着し、速攻で寝るはずだったが・・・翌日のダイヤモンド富士撮影のためのレンズ調整を行っていると睡眠薬を飲んだのになかなか寝付けず結局寝付いたのは12時になってしまう。翌朝は朝4時20分に起床し、富士山の左上に昇って来た金星を狙う。4時45分ごろに一緒に写るはずだったものがあるのだが・・・写らない。何故??


    富士山の左上に昇って来た金星。


    狙っていたのは富士山を貫いて金星の近くを飛ぶはずだった国際宇宙ステーションISS。後に軌道を再度調べてみると日付けを1日間違えていた。

 ISS撮影に失敗し、急いで竜ヶ岳登山口の本栖湖キャンプ場に向かう。準備は前夜にしておいたつもりだったが、出発は5時25分になってしまう。山頂でダイヤモンド富士を迎える時刻は7時45分、急がないと間に合わない。2ヶ月ほど登山から遠ざかっているこの足で間に合うのか?とにかくひたすら山頂を目指して歩き、なんとか7時20分に山頂に到着した。上出来である。急いで2台のカメラをセットするが、今回は新たにボーグ天体望遠レンズを400㎜望遠に調整しそれにエクステンダーを装着して800㎜望遠で剣ヶ峰を狙うはずだった。ところが準備してきたはずのエクステンダーが入っておらず、止む無く400㎜で狙うことになる。三脚2本でレンズとカメラを固定するため、今回はカメラ2台に三脚は3本という重装備である。


    途中の東屋付近で手持ちで撮った富士山と金星。三脚を出す時間的余裕が無かった。


    空は晴れたのだが冬型の気圧配置で風が強く、大きな雪煙が出てしまった。


    雪煙に邪魔されて上側に光芒が出ないが剣ヶ峰左に太陽が現れていると思われる。


    完全に昇って来ている・・・はず。


    400㎜望遠。絞りを強めに改造し直してある。


    右側からも光芒が現われる。


    同上


    位置的には良かったが残念ながら雪煙に邪魔されて剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士は撮影成らず。


    同上


    残念。


    普通に剣ヶ峰ダイヤモンド富士

 おそらく位置的には狙い通りだったと思う。エクステンダーを忘れて800㎜望遠にはならなかったが、新しく調整した絞りの効果も以前のものに比べると光芒は出やすくなったようである。昨年、一昨年と何度となく失敗を重ねてきた剣ヶ峰ダイヤモンド富士であるが天候に恵まれれば高確率で割れるダイヤが撮影出来るレベルに到達出来たと言って良いと思う。残念ながら本日を最後に、今後は笹薮の中からでなければこの割れるダイヤは撮影出来なくなってしまう。天候に恵まれれば年末年始に再挑戦である。

5度目の正直? 増穂町高下の白山岳ダイヤモンド富士  平成30年12月25日

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 今期5度目となる高下のダイヤモンド富士である。前日は精進湖で車中泊し寝不足、かつ早く寝れば良いものを下町ロケット最終回や週末の録画してあったドラマを見て寝たのは12時、絶対に目を覚ますはずが無いとこの日の高下は諦めていた。ところが目を覚ましたのは未明3時。スマホの富士山ライブカメラを見ると少し雲が出ているものの月光に照らされた富士山が見えている。また寝て次に目が覚めたのが奇跡的に5時20分だった。高下のダイヤには十分に間に合う時間だ。折角目が覚めたのだからこれは行くしかないだろう。途中の南アルプス市から見える富士山は中腹に雲が巻いているものの山頂はくっきりと見えている。今シーズンで一番空気が澄んでいる。


    本日セットするカメラ3台は全てボーグレンズ。使い慣れた200㎜。空気は澄んでいたが残念ながら雪煙が出てしまった。


    白山岳左右から光芒が出現したところだが雪煙に邪魔されて輝きはいまひとつ。


    右側の輝きが大きくなる。


    満足とは言えないが白山岳で割れるダイヤの撮影は成功。


    ポジションは正確だったと思う。


    こちらが新たに絞りを改造した300㎜。うっすらと影富士が映る。


    左右から光芒が出現したところ。


    右は3つに割れて見える。全部で光芒が4つ。


    白山岳山頂を越える直前。


    もう越えて光が融合している。


    富士山真ん中に昇った朝日


    そしてこちらが1,140㎜超望遠。センサーのゴミが多過ぎる。


    左右から光が現われたところ。光芒の出方はいまいち。


    右側は4つに割れているように見える。


    光が融合する直前。

 5度目にしてようやく割れるダイヤモンド富士撮影に成功した。これでようやく昨年苦労して割り出した軌道データが正しく再現性があることが証明された。さらに次のスライド上映会を目指して1,140㎜超望遠での撮影も試みているが、こちらはレンズの絞りをもう少し工夫する必要がありそうだ。もう1回チャンスがあるかどうか?高下の割れるダイヤモンド富士は12月30日までである。

割れないダイヤモンド富士 今季最後の高下へ  平成30年12月28日

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 冬型気圧配置となり空がスッキリと晴れた。しかし風が強く割れるダイヤモンド富士を撮るにはあまり条件が良いとは言えない。しかしこれほどスッキリと晴れる日はそうめったに来るものでは無い。この日も早朝5時半起きで高下に出かける。激混みとまでは行かないがそこそこにカメラマンが来ている。しかし割れるダイヤのポジションには誰も居らず楽勝で場所を確保できた。準備していると冬用の重装備の服を纏ったお嬢様(??)が近付いて来た。るたんさんが撮影にやって来ていた。前日の夜にメールを送ってくれていたようだが気が付いたのが深夜10時半だったので返事をしていなかったのだがこの好天の機を逃さずにやって来た。


    空気の透明度が良く(とこの時は思った)、今日のダイヤはいただき!と思ったが・・・


    雪煙も思ったほど出ていないように見える。

 例のごとく3台のカメラをセットするが、1,140㎜超望遠レンズはセッティングに時間がかかりダイヤの約2分前にようやくセットが完了する。さて、今日こそはきっちりと割れてくれる・・・かどうか?


    使い慣れた200㎜。雪煙はあまり出ていないように見える。


    しかし・・・ダイヤの輝きがいまひとつで上方に光芒が出ない。


    割れるには割れたが光芒がいまいち。


    本日も満足な画像は得られず。


    絞り改良した300㎜。左右から光芒が出始めた頃。


    やはり上方への光芒は出ない。


    雪煙が出ているようだがそれ以上に富士裏側に薄雲がかかっていて光り方が少ないようだ。


    さらに1,140㎜超望遠。


    これで見ると結構な雪煙が出ている。


    かつ、後ろ側に薄雲が出ていて透明度が悪いようだ。ファインダーを覗いて様子を見てみたところ、ダイヤが輝かず太陽の形が見えていた。


    輝いて見えるのはダイヤでは無くて太陽の輪郭。

 目で見る限りでは澄んでいるように見えた空だが、どうやら薄雲か水蒸気が広がっていて透過性が悪く太陽が輝かなかったようである。今期いちばん期待した朝だったが今回も割れるダイヤは失敗である。あと2日間チャンスはあるのだが明日からの高下の割れるダイヤは混雑するポジションの中に入ってしまうので、3台のカメラをセットするのは他のカメラマンの邪魔になってしまう。本日で高下は撤退することにする。また来年。


    本日のベストショットはこの普通のダイヤモンド富士。これで見ると後ろ側に薄雲が広がって太陽の輝きが減弱しているように見える。

   

富士川町林道からの剣ヶ峰ダイヤモンド富士  平成30年12月30日

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 高下から白山岳ダイヤモンド富士を狙うことも出来たのだが、混雑しているであろうからさらにその上にある林道まで足を運ぶ。この林道は途中が凍っているので運転には細心の注意が必要である。現地に近付くと一番展望の良い場所には数人のカメラマンが三脚を構えていた。私の狙う剣ヶ峰ダイヤモンド富士はさらにその奥なので通り過ぎようとすると声を掛けられ、車を止めて顔を見たら写真仲間だった。地元の方なので私と同じように混雑する高下を避けてこちらに来られたのだろう。またしても到着時間がギリギリで2台のカメラをセットするのがやっとで、すぐにダイヤモンド富士の時間を迎えてしまう。


    富士川町まで来ると570㎜望遠レンズでうまく富士山が納まってくれる。


    太陽が出てきたのは・・・想定外に右側。


    シャッタースピードを速くし過ぎたのもあるが光芒があまり出ず太陽の形が見えてしまっている。


    それでもなんとか2つには割れてくれた。


    これだけ距離を離すと空気の層が厚くなるのでチカリと輝くダイヤはなかなか撮れない。


    光芒が出やすい200㎜望遠レンズ。


    こちらのレンズは光芒が出る。


    右側の光が大きいが・・・それでも十分に格好良い割れるダイヤモンド富士。


    位置は失敗だったが今回は撮影場所がここしか無かった。


    それなりに満足だった剣ヶ峰ダイヤモンド富士。


    撮影地から見下ろす釜無川、笛吹川と甲府盆地。向こうの山並は大菩薩連邦。


    もうひとつ目的があって、ゲートの先にある伐採地の展望とGPSログを確認に行く。


    伐採地は保護ネットで囲われている。


    その一番上まで登ると予想していた通り、富士山の良い眺望得られる。

 高下からだと剣ヶ峰まで太陽がやって来ないがこの林道からだと剣ヶ峰ダイヤモンド富士のチャンスが数回訪れる。しかし平日に当たってしまうと職場の始業時間に間に合わないためここからの剣ヶ峰ダイヤモンド富士を撮影するのは難しくなってしまう。しかしながら年始にこの先の伐採地からだと剣ヶ峰ダイヤモンド富士を狙うことが可能となる。今回の撮影でこの距離からの剣ヶ峰ダイヤモンド富士の軌道がわかったので、次は軌道修正して位置を割り出し狙うことになるだろう。天候さえ許せば次こそはきっちりと撮れる・・・と期待したい。


    本日の撮影地からの太陽軌道

剣ヶ峰ダイヤモンド富士ならず 富士本栖リゾート  平成30年12月31日

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 今年もこの日で終わりである。最終日くらい良い写真を撮りたかったがなかなかそうは行かないものである。

 富士山の剣ヶ峰は北側に回り込むほど尖って見え、剣ヶ峰で割れるダイヤを撮るにはできるだけ北側に回り込み、かつ少し距離を離したほうが有利である。そのうちの1ヶ所が冬至の頃の竜ヶ岳山頂、そしてもうひとつが今回訪れる富士本栖リゾートである。標高が低い分だけ竜ヶ岳よりも北側に回り込めるので撮影には有利であろうと見ているのだが、残念ながら冬至の頃にはこの場所は営業していないために入れない。この場所から剣ヶ峰ダイヤが狙えるのは12月27日から1月1日まで、かつ池のほとりからの剣ヶ峰ダイヤが狙えるのは28日から30日までの3日間となる。予定では29日と30日の2日間だったのだが29日は起きられず30日は空気が澄んだので距離の遠い富士川町林道を選択した。元日は混雑するので避けたいので、本日がこの場所から狙う剣ヶ峰ダイヤの最終日となる。

 精進湖のあたりで雲が朝焼けに染まり始め本栖湖ではかなり赤く焼けていた。急いで本栖湖湖畔の展望地に向かったのだが駐車場は車があふれ返りとてもではないが止められない。車が止められそうな場所を探して移動しているうちに朝焼けの雲は終わってしまった。折角の空だったのに残念、完全に出鼻をくじかれた感じで富士本栖リゾートに向かう。


    少しだけ残っていた朝焼けの空。富士本栖リゾート駐車場から。


    この雲では湖面に映るダブルダイヤは難しいだろう。ましてや剣ヶ峰で割れるダイヤは絶望的。湖畔は止めて後ろ側にある展望台でカメラを構える。


    本日の剣ヶ峰ダイヤはこの展望台あたりで撮れるはずだったが・・・


    まあ無理でしょう。


    70㎜レンズ。


    剣ヶ峰が輝き出す。


    たぶんもう日が出ている。


    もう完全に昇っている。


    200㎜望遠レンズ。剣ヶ峰の左が光っているように見える。


    さらに右も?


    やはりこの雲で割れるダイヤは無理がある。

 次の機会に備えて位置情報のデータだけでも取れればと思ったのだがそれもままならず。園内のコースをちょっとだけ散歩してGPS軌道の軌道だけは記録してきた。


    手前の富士山と向こうの富士山でダブル富士ダイヤになるかと思ったのだが・・・光度の差があり過ぎて不可。

 ここから南側にある敷地や草むらの中からは何度か割れるダイヤの撮影を試みているが一度も成功したことが無い。太陽の大きさと剣ヶ峰の大きさのマッチングが悪いのではないかと思っており可能性があるとすればこの富士本栖リゾートだろうと思っている。また来年挑戦である。

月と金星接近 朝霧高原  平成31年1月2日

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 新年早々に細い月と金星が接近して未明に東の空から昇って来る。細月に負けないくらいに明るい金星なので月と金星を撮影するだけならば問題無いのだが、これに富士山を重ねようとするとそう簡単ではない。なにせ朝霧高原から見上げる富士山でも月が昇って来るのが早朝の4時15分である。まだ薄明の空は始まっておらず、真っ暗な富士山の上に月が昇って来る時間帯なので、月に合わせると富士山が消え、富士山に合わせると細月が消えて明るい月になってしまう。かつ、200㎜以上の望遠レンズで撮影するとシャッタースピードを長くすると折角の月が流れて変形してしまうという問題もある。金星を輝かせるために前面装着型フィルターを駆使して今回の月と金星を撮ってみようというのが狙いであるが、果たしてうまく行くのかどうか?

 未明2時半起きで自宅を出発したが朝霧高原に到着した時間が4時になってしまい、もう富士山の山頂が輝き出している。急いでカメラをセットするが2台目をセットしている途中で月が出てしまう。急いでピントを合わせてシャッターを切る。


    前面装着式特殊フィルターを装着したボーグ300㎜望遠。


    シャッタースピード2.5秒にすると月が少し流れてしまう。


    シャッタースピード1.6秒、Iso1600でようやくこの程度。


    金星が現われた。前面装着フィルターは効果良好。金星が見事に8方向の光芒を放つ。これならばダイヤモンド金星富士の撮影も可能だろう。


    一方、ダイヤモンド富士撮影用に八角形の内部絞りを装着したレンズは富士山が全く写らず。


    遅れてセットが完了した70㎜レンズ。絞り開放だと金星の輝きがいまひとつ。


    F3.5に絞ると金星の周りに光芒が出て少し星っぽくなる。


    車のライトが草むらを照らした。月と金星が接近して輝く風情ある景色となった。

 予想していた通り、まだ薄明が始まる前の月は富士山と一緒に撮影することはかなり難しい。あと30分ほど遅い時間ならば富士山の輪郭がもっとはっきりと写ってくれるかも知れない。

朝もやの立つ本栖湖  平成31年1月2日

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 朝霧高原で見た月と金星は富士山から離れてしまった。夜明けの空で富士山の上に輝く月と金星を撮影するため本栖湖に移動する。トンネル手前の展望台は混雑するであろうから、今回は本栖湖を廻る道路の途中から湖畔に下りることにする。ヘッドライト点灯して湖畔に下降を試みるが下りる場所を間違えて回り込むことになってしまい、茨の藪に突っ込んでしまう。新年早々に本栖湖の湖畔で藪漕ぎである。


    富士山頂に昇る月。この撮影だと金星は月の明かりに負けて見えなくなってしまう。


    同上。富士山の左に昇っているのは木星。


    水平線が明るんで来た。


    夜明けの明かりに月明かりが消え出すと金星も見えてくる。


    薄明の月と金星


    同上


    もうすぐ消えそうな月と金星


    日の出が近付く


    湖面には朝もやが湧き立つ。


    日の出


    同上


    レンズが結露し奇怪な光が出る。これも有りか?


    朝もや燃える


    同上

 いちばんのお目当ては富士山頂に昇った月と金星だったのだが、湖面に朝もやが湧き上ったために想定外の幻想的な景色となってくれた。高下をはじめとして年末から思うような写真が撮れなかったが、朝もやに朝日が差し込んで湖面が燃えるような景色になってくれて、ようやくそれなりの写真が撮れたように思う。

新年恒例の竜ヶ岳ダイヤモンド富士  平成30年1月3日

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 昨年は元日に訪れた竜ヶ岳だが、今年は混雑を避けてこの日に登ることにした。もちろん剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士も狙ってはいるのだが、もうひとつ、この日は金星と木星の間に細い月が輝くという注目の天体現象が起こる日でもあった。それなりの混雑が予想されるので早めに歩き始める予定だったのだが、目覚まし時計を止めてから2度寝してしまい気がつけばもう4時になっていた。急いで出かけるが登り始めは5時15分になってしまい、これではいつもと変わらない。しかも、本栖湖のキャンプ場を通り抜けたあたりで気付いたのだが、GPSを車の中に置き忘れてきてしまった。もはや取りに戻る時間は無く、剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士は諦めることになる。おおよその場所はわかっているが、幅約5mの範囲内に正確にカメラを構えないと撮影は難しい割れるダイヤモンド富士は、適当にこのあたりからと撮影しても撮れるものでは無い。本日は焦らずにゆっくり登って適当な場所でダイヤを撮ることにする。


    金星と月と木星が輝く富士山。休憩ベンチから。


    夜明けの空に輝く月と金星・木星


    夜明けの地球照の月


    もうすぐ消えそうな月の輝き。東屋から。

 東屋のあたりからダイヤモンド富士が撮れるはずだが、おそらくこの位置だと左に寄るはずだ。もう少し上へ、しかし山頂まで行くには時間が足りなそうである。出来るだけ上まで行って時刻が7時半に近くなったところでカメラを構えることにする。途中で三脚を構えている人に聞いたところ、昨日もう少し上から狙ったら右に寄ったので今日はこの位置から狙うと言っていた。ならばその近くで良いのか?もっと上だと思うのだが??と思いつつも時刻は7時20分となり眺望の良い場所でカメラ2台を構える。


    裾野まで見渡せるこのあたりで、とカメラを構える。


    構図的にはいまいちだが、フレアを避けるために山頂を視野のど真中に持って来る。ずいぶんと左側が輝いている。


    もう1台は割れるダイヤ用のボーグ200㎜レンズ。雪煙が出ているが山頂の上にうっすらと笠雲のような雲が出ている。


    これは完全に左寄り。


    想定外に左からの日の出となった。


    それでも、それなりに美しい竜ヶ岳のダイヤモンド富士。


    もう1台のカメラ。


    トリーミングすれば・・・それなりのダイヤモンド富士。

 位置は大きく外したがそれでも天候に恵まれてそれなりのダイヤを見ることが出来た。器械に頼りっきりの撮影をしているので、GPSが無ければこんなものである。本日はこれで十分に満足である。


    花見隊御用達の笹の中の展望台はすっかり笹薮になってしまっていた。


    山頂に立ち寄る。それなりに人が居たが続々と下山して行った。


    南アルプスと八ヶ岳には雲がかかって来ていた。

 例年ならば凍えるほどに寒い新年の竜ヶ岳だが、冬型の気圧配置で寒くなったとはいえそれほど寒さを感じない。登山道は凍っているものの雪は全く無くアイゼンも今のところ不要である。これも温暖化の影響なのだろうか?

 今シーズンは高下に続いてこの竜ヶ岳も満足な割れるダイヤを撮影することなくシーズンを終えてしまう。とりあえずは昨年12月24日に訪問した際に割れるダイヤの軌道は正確であることが確認されたので、次のシーズンに期待したいと思う。

四分儀座流星群は流れたか? 精進湖  平成31年1月4日

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 過去に何度か狙ったことがある四分儀座流星群であるが、ペルセウス、ふたご座と並ぶ三大流星群に数えられているもののあまり流れたのを見たことが無く撮影したカットも少ない。調べてみると四分儀座流星群を発生させる宇宙の塵は分布が地球の軌道とほぼ垂直に交差しているらしく、短時間で活動が終わってしまうらしい。今年の四分儀座流星群のピークは1月4日の午前11時ごろである。狙うならば1月4日の明け方4時ごろからが良さそうである。かつ、金星と木星が輝いている空に5時半ごろには細い月が昇って来るという天体現象も加わる。これだけでも十分に良い景色であるがそれに四分儀座流星群が加われば・・・期待に胸ふくらませて前日の夕方に精進湖湖畔に車で乗り付け車中泊する。1月4日は仕事始めなので寝ておかないと翌日の仕事に支障が出てしまう。この夜は撮影も然ることながらいかに寝るかも重要な課題である。


    富士山頂に輝くシリウスと四分儀座流星群。前夜寝る前に仕掛けたカメラで撮影したもの。850カット撮影してまともに写ったのはこの1カットのみ。


    未明からの放射点追尾撮影のために簡易赤道儀をセットしておく。ついでにウィルタネン彗星を撮影する。現在5等の明るさ。60秒×9枚をコンポジット。

 1時間ほど撮影を行って1台のカメラはインターバル撮影を行ったまま車の中で寝る。なかなか寝付けず9時過ぎにようやく眠りについたが熟睡できずしばしば目が覚めてしまう。目覚まし時計は未明2時半にかけておいたが2時前に目が覚めてしまい、そのまま起きて撮影を開始する。


    赤道儀に乗せて北斗七星と北極星のあたりを追尾撮影。約2時間追尾したが写った流星は3個のみ(1個は人工衛星か?)。流星雨になるはずだったが全く期待外れ。


    金星が昇って来た。拡散フィルターを使うと明るい金星は不自然に大きく写り過ぎる。


    それっぽいのが写ったが残念ながらこれは人工衛星。


    拡散フィルターを外して撮影。しかし、こちらのレンズは微妙に全てピンボケだった。


    もう1台のカメラ。小さいが今度は本物の四分儀座流星群。


    富士山右上を流れた流星。広角レンズだとさらに小さく見える。


    これもそれっぽく見えるがおそらく人工衛星。


    何故ならば次のカットにもその続きが写っている。このように、時として流星のように部分的に輝く人工衛星がある。


    比較的大きな流星。この流星は肉眼でも確認した。金星、木星、さらに月が昇り、狙っていたのはこんなカット。


    もう1台のカメラもしっかりとこの流星を捉えたが残念なことにピンボケ。さらに月を追尾していた3台目のカメラもピンボケ。


    薄明の富士に輝く金星、木星、細月。十分に良い情景だったがこのカットは流星を意識し過ぎて湖面に映る富士山頂が切れてしまっている失敗作。


    こんな感じで撮ったほうが絵になったと思う。


    地球照の月


    日の出を迎える。これを見て速攻で撤退し出勤。

 3台セットしたカメラで実に2,700カットも撮影し、写った流星は10個ほどだった。自分の目で見た流星も3個ほど、いちばん大きかった流星は頭の上を流れ、カメラの視角の外だった。ふたご座流星群に比べて四分儀座流星群がいかに飛ばず、効率が悪いかということがわかる。しかし、流星の撮影とは運試しのようなもので、狙った構図の中を1個でも飛んでくれればバンザイである。月と金星と木星が昇ったところを流れた流星は狙い通りの今回のベストショットと言える。しかし3台のカメラのうち2台がピンボケとは大失態である。1台はレンズのネジが緩んでガタついているところを自分で締め直したのだが、周辺収差が大きくなっており光軸がズレた可能性もある。

月齢28.8の細月は写るのか? 富士川町林道  平成31年1月5日

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 月齢28を超える細い月は過去に何度か撮影に挑戦しているが、富士山の上にこの極細の月を出そうとしても夜明けの空に負けてしまい撮影は困難だった。撮るには撮ったがいずれも富士山の山腹に出た月である。今回は距離を離して富士川町の林道の上にある伐採地からこの極細月を狙ってみた。しかも今までに無く細い月齢28.8という月である。予想では日の出の約30分前に富士山頂に姿を現すはずである。十分に撮れるだろうと思うのだが・・・。


    先日下見をしておいた富士川町林道沿いの伐採地から見る富士山。残念ながら山頂に雲が巻いてしまった。


    同上。


    肉眼では全く見えなかったが・・・


    ブログの画像でも良く見えていないが・・・


    400㎜望遠レンズ。雲を抜けて右端に・・・


    極細の月が写っている。


    トリーミング画像

 この日は富士山の山頂に雲がまいてしまったことと、薄くもやがかかっていて空気の透明度が悪かった。かつ、この雲の厚みを抜け出てきた月は実際に富士山頂に月が現われてから5分を経過している。この時間の5分というのは空の明るさにかなりの差が出る長さである。おそらく条件が良ければ、富士山の山頂でひっそりと輝く極細の月が撮影出来たのではないかと思っている。なかなかうまく行かない難しい撮影ではあるが、可能性は十分にあると確信した。

 この日は天候さえ恵まれれば同じ場所から剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士も狙える日だった。しかしこの雲では困難なので伐採地の出来るだけ左に寄って雲を抜け出てくる朝日を出来るだけ中央に寄せようと試みる。


    裾野と雲が赤く染まる。


    光のストライプが出る。


    同上


    朝日が現われたのは想定していたよりも右だった。


    思っていたよりも富士山頂にかかった雲は厚みがあるようだ。


    ダイヤモンド富士とは言い難いが・・・


    それなりに楽しめた雲上に昇る朝日


    この場所からはまだ真ん中から出るダイヤの撮影は可能だが、剣ヶ峰から昇るダイヤはこの日で終わりである。

 富士川町林道からの剣ヶ峰で割れるダイヤは次のシーズンに持ち越しとなってしまった。今期の割れるダイヤは満足の行くものはほとんど撮れずに終わってしまいそうである。昨シーズンが良過ぎたのであろう。


    別の場所にちょっと立ち寄る。


    林道の途中から見る笠雲が彩雲になっているように見えたのだが・・・わずかに染まっているのみ。

 また挑戦。

雲に阻まれた部分日食 甲府市舞鶴城公園  平成31年1月6日

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 今年は1月6日と12月26日の2回部分日食を見ることが出来る。1月6日の部分日食は北に行くほど欠ける面積が大きく12月26日は逆に南に行くほど欠け、シンガポール、グアムまで行くと金環日食が見られる。今回の部分日食は東京での最大食分が0.42(直系の42%まで隠れる)、面積にして約30%が欠ける。欠ける面積が少ないので空は暗くはならないが観察するのには面白く、かつ将来撮影に出かけるであろう日食撮影の良い練習になる。予定では富士山を入れた構図での撮影だったのだが夜が明ければ富士山は完全に雲の中、富士山に近付くほど雲が多くて観察条件が悪い。前景になる良いものがある場所を考えて甲府駅界隈と舞鶴城公園で撮影することにする。1台のカメラは簡易赤道儀に400㎜望遠レンズをセットして太陽を追尾するのだが、そもそも日中なので北極星が見えず極軸が合わせられない。アストロレーサーという簡易装置を使うのだが正確に軸を合わせるのは困難なので太陽の位置がずれるのは必須だが、それでもカメラに付きっきりで視野を合わせて撮影するよりは遥かに手間が省ける。もう1台は完全に固定して日食の行程を撮影する予定だが、これは雲が多くてほぼ絶望的だ。もう1台は適当にあちらこちらを撮影して歩くという、今回も3台のカメラを駆使しての撮影を行う。


    400㎜望遠レンズ。雲が切れて太陽が現れた頃にはもう太陽が欠けていた。


    最大食の10時10分ごろ。雲の切れ間からなんとか見えた。


    想定はしていたが太陽の位置が次第に視野の下に移動。そのまま放置してあちらこちらで撮影していたらこの後は視野の外に出てしまっていた。


    位置を直した頃にはもう日食が終わりかけていた。全行程の撮影は出来なかった。


    固定撮影していたカメラは露出が合わずほとんど欠けた太陽が写っていなかった。しかも、天守閣の上を越えるはずだった太陽が天守閣の屋根に隠れてしまうという位置のミスもあり。


    雲に隠されて見えた部分日食の太陽


    上の2枚を合成するとそれなりの画像が出来上がった。


    別のカメラ。天守閣の屋根をズーム。


    城壁と部分日食の太陽。可変式NDフィルターで光量調整しながら撮影したが太陽と景色の両方に光量を合わせるのはほぼ困難だった。


    甲州夢小路にある古風な建物と部分日食


    建物を撮ると光が拡散してしまう。


    日食に合わせると建物は全く写らず。これだけ光量の差があると合成も難しい。


    城壁と日食の太陽


    同じく日食の太陽。もうすぐ終わりそうだ。


    もうすぐ終わりそうな部分日食


    トリーミング


    このカットを最後に部分日食は終わりを告げる。

 30%欠けた程度の太陽だと明る過ぎるために景色と一緒に1カットで撮るのは困難である。むしろ雲が出てくれたおかげで撮影出来たと言っても良いかも知れない。可変式NDフィルターは使い始めの時はうまく使えなかったが後半になってからようやく要領がわかってきた。雲が無ければ画像の合成は難しく無いかも知れないが雲があると形や光り方がそれぞれ違うためなかなか合成するのは難しいように思う。簡易赤道儀の極軸修正の方法も撮影を終えてから方法が分かってきた。画像自体は満足なものが撮れなかったが、次回に向けて大きな収穫があったと思う。

キャッツアイならず 石老山ダイヤモンド富士  平成31年1月9日

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 以前から狙っていた石老山のキャッツアイだが日程的な問題と微妙に位置がずれることがあってなかなか行けずにいた。この日は午後から時間が空き、さらには朝は雲が少し巻いていた富士山もお昼近くにはすっかり晴れて今までに無いスッキリとした姿を見せている。石老山から見るダイヤモンド富士は午後4時20分ごろのはず、山頂まで2時間と見て午後2時にスタートすれば間に合うはずだ。中央道を使って登山口の相模湖病院駐車場に1時45分に到着し、2時を少し過ぎた頃から歩き出す。上にある顕鏡寺まで参道があると思っていたのだが・・・いきなりルートを間違えたようでずいぶん細い道だなと思っていたら途中で道が消失、強引に突き進むと車道に飛び出した。GPSで位置を確認すると顕鏡寺に至る途中の車道だった。これを歩いてお寺に至り、石老山登山道に進んだ。


    相模湖病院駐車場。病院の駐車場内に登山者用の駐車場が7~8台確保されている。


    いきなり道を間違えた(半分は故意)が無事に顕鏡寺に到着。ここから石老山登山道に入る。


    小天狗岩


    吉野岩(弁慶の力試し岩)


    擁護岩(雷電岩)。登山道沿いには奇岩がたくさん散在している。


    八方岩と高塚山(石老山の東にある山)


    シュンラン?


    もう花芽が出始めている。

 道を間違えたうえに奇岩の撮影に時間がかかり、時計を見ればもう午後3時である。まだ行程の半分も来ていない。少し急がないとカメラのセッティングの時間が足りなくなってしまう。三脚を担いだまま道を急ぐが展望地があるとついつい立ち寄ってしまう。なんとか4時5分に山頂に到着した。


    休憩ベンチのある融合平見晴台。


    相模湖が見える。


    石老山山頂(ダイヤが終わった後に撮影したもの)。


    カメラ2台のセットが終わった頃にはもう太陽が富士山の山頂に近付いていた。


    もう1台はボーグ400㎜。

 カシミール3Dの計算では本日のダイヤモンドは約2~3割が沈んだあたりで富士山山頂真ん中にかかるはずだ。そして山頂から右に30mくらいの場所でキャッツアイになるはずだが山頂の展望地からだとギリギリ割れるかどうかの位置になるはずだ。右寄りの展望地を探してみたが残念ながら木に邪魔されて良い展望は得られず山頂から狙うことになる。先客が2人居たがカメラマンでは無くダイヤを眺めに来られた方だった。許可をいただいて一番良さそうな場所にカメラを構えさせていただいた。


    富士山山頂にかかる夕陽


    計算通りの約3割が山頂に隠れる。


    白山岳に夕陽が傾く。


    キャッツアイなるか?


    残念。わずかに左に沈んだ。


    少しは割れてくれるだろうと思っていたのだがなかなかうまく行かない。

 やはりこの日にこの位置からのキャッツアイはわずかな位置のずれで難しかった。しかしこれほど好条件でこの距離からのダイヤモンド富士が見られることは滅多に無いわけで、それなりに素晴らしい景色を見られたことは良かったと言うべきだろう。

 陽が沈むと急に寒くなってきた。先客の2人はダイヤを見てすぐに下山して行ったが私はもう少し夕暮れを待つことにする。


    ちょっと周囲を散策。地図上だと隣に小ピークがあるように見えるのだが、その場所には三角点が置かれていた。残念ながらこの場所は眺望無し。


    待っていたのは月齢3の三日月。


    夕空に輝く三日月


    地球照の三日月


    暗くなって地球照の月が写りにくくなったところで撤退。

 5時50分まで山頂で月を眺めて下山した。下山時は中腹で分かれる桜道ルートを下り、夜景を眺めてから下山した。


    桜山展望台。


    さがみ湖リゾートプレジャーフォレストの観覧車。


    東京都の町灯り。真ん中が新宿高層ピル街だと思う。

 顕鏡寺からは登りに予定していた参道を下った。この参道もいろいろと奇岩があったり小滝があったりと面白い道のようだったが真っ暗な中を下ったのでほとんど何も見えず。抜け出たところは病院の脇、駐車場の一段下のところだった。7時10分に無事下山した。

 石老山は道の整備されたハイキングコースと聞いていたがところどころ段差が大きかったり木の根が張り出していたりと、ルート的には竜ヶ岳よりは歩きにくいように思う。夜中に歩こうというのならばあまりナメてかからないほうが良いのではないだろうか。キャッツアイ成らずとも抜群のダイヤモンド富士を眺めることが出来た。

今度こそキャッツアイ 二十曲峠  平成31年1月11日

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 何度か成功している農道公園から二十曲峠、石割山にかけてのキャッツアイだが、雲に阻まれたり霞で光が拡散してしまったりと満足な画像はととんど撮れていない。午後からのキャッツアイは雲が広がり易くなかなか良い条件にはならないのが最大の難点である。この日は朝は雲が広がっていたものの、午後からは真っ青な青空が広がり絶好のダイヤモンド日和となった。二十曲峠でキャッツアイになるのは既に調べてあったので急いで出かける。先客は2人で予定のポジションは楽勝で確保でき、3台のカメラをセットする。


    太陽が富士山頂に迫る。


    改造絞りを入れたBorg200mmだが、シャッタースピード最速の1/4000で切っても明る過ぎる。このレンズに装着するNDフィルターは持っておらず今後検討が必要。


    さらにもう1台のBorg300mm。こちらも光が強過ぎるのでNDフィルターの代わりにPLフィルターで減光する。


    二十曲峠のダイヤモンド富士。今までに無い好条件だ。太陽の光が強過ぎて拡散してしまうためNDフィルターを装着した。


    白山岳に太陽が迫る


    同じく200㎜


    同じく300㎜


    ど真中のキャッツアイ撮影に成功。


    ほんの数秒で終わる。


    300㎜。減光したほうが太陽の形は良く見える。


    今度こそ綺麗に分かれた。


    あっという間に終わり。

 良さそうな雲が流れて来たので彩雲にならないかと期待しながら眺めていたのだが・・・彩雲にはならず、西の空に出た雲で太陽が遮られたためにあまり焼けることなく日没を迎えてしまう。


    富士山頂付近に雲が流れて来た。


    彩雲を期待したが染まらず。


    夕焼けの雲もあまり染まらずに暗くなる。

 何度も通っている二十曲峠、石割山界隈のキャッツアイだが、今回がいちばん良い条件で撮影出来たと思う。しかし難点は富士山との距離が近く、猫の目が小さいことである。山上から狙うのならばやはり丹沢山系がベストだろうと思っているのだが、南側に回り込んでしまうと今度は白山岳が後ろ側に隠れてしまうために撮影が難しくなってしまう。撮れるのは3月3日の大山までだろうと思っている。週末に日程が当たってくれて天候が許すならば、丹沢山系からのキャッツアイに挑戦したいと思っている。
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