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四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

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     山梨県では数ヶ所の生育地があるがいずれの場所も個体数が少なくなかなか見られないトラキチランである。八ヶ岳に個体数の多い生育地があるが有名になり過ぎて人が入り過ぎている感がある。こちらの生育地も山梨県内では有名で、本来はルートの無い山だが踏み跡らしきものが出来ている。キノコ採りの人たちも入山しているのではないかと思われる。

     この日も朝から小雨が降っていたが明るくなった頃には止んだ。しかし空はどんよりとした雲に覆われて山には雲がかかっている。富士山麓を訪問するのはわざわざ霧と雨の中に突っ込んで行くようなものである。しかし、時期的に今回を逃すと遅くなってしまうであろう。傘とカッパを覚悟で現地に行くが、途中の精進湖あたりでは土砂降りの雨になってしまった。しかし鳴沢まで行くとほとんど降っておらず富士山に向かって林道を進むと青空が見えてきた。どうやら雨は局地的に降っただけらしい。


        林道脇に咲いていた大型のアザミ。


        富士山だけにフジアザミ。富士山だけに咲いているわけでは無く、あちらこちらにある。


        ヒメミヤマウズラはもう終わっている。これはもう遅かったのでは?


        咲き残っていた小さなヒメミヤマウズラ。

     GPSの過去の登録データを見ながら斜面を右往左往しながら登って行くが過去にあった場所には見つからない。さらに上に行ってみると固まって咲いている株を発見したが・・・残念ながら終わっていた。


        やっと見つけたトラキチランだったが既に花は終わっていた。


        近くに咲いていたもの。


        咲き残りをマクロレンズで撮影。

     さらに上へ登るが見つからず、下降しながら探すとようやく見頃の株を1本発見できたが、見つかったのはこれだけだった。


        ようやく見頃の花を発見。


        下から覗き込む。風に揺れてなかなか撮らせてくれない。


        なんとか見ることが出来たトラキチラン。

     この場所はもっと個体数が多いところだと思っていたのだが花仲間の話を聞くとここ数年は数本見つかれば良いほうだそうである。かつてはもっとあったと聞いているがおそらくは減少傾向にあるのだろう。ここだけでなく、県外の生育地も減少の傾向にあると聞く。訪問者の踏み荒らしもあるのだろうが、温暖化による環境の変化も関係しているのではないかと思う。

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     一時は青空が見えた富士北麓だったが、再び霧に巻かれて小雨が降り出した。本降りになりそうな様子は無かったので今度は草原に移動する。2週間前にも訪れているが見たかったアザミはまだ蕾だった。そろそろ咲いている頃だと思う。しかしこの草原は道が複雑で、一人で車を運転するとまず一度で目的地に到着できない。今回も大きく回り込んで目的地に接近したがわからないうちに通り過ぎてしまい1周半してやっと到着した。その間にそれらしき花が咲いていそうな草地を2~3ヶ所歩いてみたが目ぼしいものは見つからず、雨に濡れた草でズボンがびしょ濡れになっただけだった。


        天気は悪い。時折小雨が混じる。


        マツムシソウはまだまだ咲いている。


        この草原で最も良く見かけるアザミ。トネアザミ(別名タイアザミ)


        ようやく見つけたヒメヒゴタイは食害でほとんど食べられていた。(あるいは人害?)


        小さな株しか残っていないヒメヒゴタイ。鹿の好物らしい。


        こちらはあまり食害を受けていない。


        今回のいちばんの目的の花 キクアザミ。


        ほとんどが蕾か咲き始めだったが満開の株もあった。


        初めて見る満開のキクアザミ。


        まだ蕾の大株もあった。葉が菊の葉に似ている。


        こちらも期待していたのだがまだ蕾も見えない。ムラサキセンブリ。


        踏み跡の中にぽつりと出ていた草。おそらくこれが皆さんお目当ての松葉の草だと思う。有名になり過ぎて踏み跡だらけ、もはやこの場所で咲くことは無いのでは・・・?

     なんとか小雨で済んでくれたが雨に濡れた草原をかき分けて進んだためにズボンはびしょ濡れになってしまった。お目当てのキクアザミは若干早かったがそれなりの個体数を見ることが出来た。しかし、同じような場所に咲いているヒメヒゴタイは鹿の餌食になっているようで、ほとんど見かけなくなり、あっても小さな株しか無くなってしまった。さらに心配なのは松葉のニンジンである。かつて生育していた場所は昨年から踏み跡だらけとなり、今年は開花した花を見た人はいなかったのではないだろうか?それらしき1本も踏み跡の中に出ていた。おそらく、踏まれている可能性が高いと思われる。今後咲いてくれるのかどうか・・・難しいのではないだろうか?

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     予定では山梨県東部の草原だったのだがメンバーの都合や時間的な制約等で、集合したところで相談のうえ行く先を変更して先週も訪れた富士北麓の草原を訪れることになった。そろそろキクアザミが満開になっている頃だと思う。


        今期3度目の富士北麓にある広大な草原。息の長いヒナノキンチャク。


        こちらも息の長いタチフウロ


        先週見たヒメヒゴタイは花が咲いたが・・・ショボい。これを見るならやはり東部の草原だ。


        満開を期待したキクアザミだったが・・・すべての花が同時に咲くわけでは無いようだ。


        同じ株でも順に開花して行くらしい。


        この界隈だけたくさん生育しているが他の場所はまばらに見かける程度である。


        タムラソウ。青空が広がったが背景の富士山は雲の中。


        モリアザミも探すとそこそこに出会える。


        コウゾリナの黄色い花が鮮やかだったが、大部分の枝は食害、あるいは人害で株が小さくなってしまっていた。


        ヒメイズイ?葉の方向が一定方向を向いており種の付き方も片側のみなので小型のアマドコロではないかと思う。


        ヤマジソは探すとあちらこちらに生えている。


        ムラサキセンブリはやっと蕾の先端が紫色に見えてきた程度。あと2~4週先になるだろう。

     予定外の3度目の訪問となった草原だが、何度訪れても飽きることが無い素晴らしい草原である。ムラサキセンブリが咲く頃にまた訪問することになるかもしれない。

     12時前に解散となり、まだ時間は十分にあるのでこの後ちょっと隣の県まで遠征してみることにした。

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     音楽機器担当者が職場復帰したので上映会が開催できるはこびとなりました。

     下記日程で『山と花と星の奏でる音楽会 ~Autumn 2018~』を開催します。皆様お誘いあわせのうえご来場ください。



     天候不順のためまだイメージ通りの撮影が終了していない画像があり、天候と日程と仕事の都合を照らし合わせながら山の上に撮影に出かける算段をしているところです。本格的な映像編集は10月に入ってから行う予定です。

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     本日予定していた花散策が予定変更となり午前中で散策は終了となった。残りの時間を利用して先日情報をいただいた隣県の森に咲くという稀少植物を見に行くことにする。全く予定していなかったのでその山域の地図は持ち合わせておらず行ったことも無いので全く土地勘が無い。情報をいただいた花仲間とこのあたりを良く歩いている花仲間に連絡をとり、詳細な情報をいただいてから現地に入るが・・・やっぱり初めての場所での花探しは難しい。


        これは山梨の草原でも普通に見かけるアザミ、トネアザミだと思う。


        こちらは?葉が披針形で切れ込みがあまり深く無い。山梨ではあまり見かけたことが無い。おそらくナンブアザミだと思う。


        コシオガマが咲いていた。さほど珍しいわけでは無いが見られると嬉しい花。


        ヒキオコシ。これは草原で普通に見られる。


        良く見ると可愛らしい花を付けている。


        驚いたのがこの黄色い花。こんな感じで普通に咲いているものなのか?


        ナガミノツルキケマン。山梨県ではほとんど見られなくなり絶滅危惧ⅠA類からDD(情報不足)に変わってしまった花。


        さらにこんなのも咲いていた。


        ミツバベンケイソウ。葉が3枚輪生する。山梨県でも稀に見ることが出来る。絶滅危惧種に指定されている県が多く、山梨県もいずれは指定される花だと思う。

     さて、お目当ての花はかなり詳細に場所を聞いたはずだが全く見つかる気配なし。何度も2人の花仲間に電話して聞くがどうにも見つからず、あきらめた頃に・・・斜面にちらりと変なものが生えているのが目に付いた。恐る恐る近付いてみると・・・あった。花期は若干過ぎていたが見られただけでも幸運である。


        探していた甲斐のサカネラン。


        甲斐の名前が付いているが最初に見つかったのが山梨県でその後山梨県内でこの花を見た人は居ない。いつか発見してみたいと思っている。

     本来は石灰岩地に咲くはずの甲斐のサカネランであるが、転がっている岩を見る限りではこの場所は石灰岩で構成されているわけでは無いように見受けられる。一部石灰岩を含んでいるのか、それとも石灰岩地では無い場所にも生育するのかは不明である。訪問者が何人か居るようで斜面の一部が写真撮影のための踏み台のようになってしまっており、花にとってあまり良い環境のようには見えない。他の場所には無いのかと周辺を探してみたが見当たらず、10個体に満たない個体数で生育を維持するのは難しいのではないかと思える。囲ってあげてあまり人が近付けないようにしてあげたほうが良いのではないかと思うのだが、山梨県外なのでそれも出来なそうである。


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     大蔵高丸界隈のヒメヒゴタイとセイタカトウヒレンが見たくて湯ノ沢峠に至る林道を進んだが、台風の影響で崩落があったらしく林道は閉鎖されていた。ならば行く先変更、そろそろ咲き始めた頃であろうコウシュウヒゴタイと思わしき花を見に御坂山系の山に行ってみることにする。


        以前に比べて林道脇のススキがだいぶ茂ってきたように見受けられる。


        鹿の踏み跡と食害の跡も見られる。


        ここには貴重な秋に咲くハハコグサが生育している。


        茎と花の周辺にクモ毛が多いこと、枝分かれすることが特徴である。残念ながらまだ咲いていなかった。


        小さな株は咲き始めていたが、これだけだと遅咲きのハハコグサとの区別が難しい。

     林道を進んで登山道に入ればすんなりと山頂に行けるのだが・・・気が変わった。GPSを持って来ていることだし、尾根に取り付いて直登してみよう。何か変わった発見があるかも知れない。


        適当に尾根に取り付く。カラマツ植林帯とアカマツ、広葉樹林の混合林で、尾根は刈り払われて作業道が付いていた。


        岩がゴロゴロしている場所もあるが巻いて通過すれば問題無し。ついでに岩質をチェックしたが全て玄武岩だった。


        カラマツ植林帯は鹿除けの保護処置が施されていた。


        アキノギンリョウソウ


        標高1250m付近の小ピークにあった三角点(ないしは境界見出し標)

     山頂目前のところで斜面をトラバースするような細い道(獣道か?)があったのでそれを進んでみると、いつものごとく途中で道は消失していた。目指すヒゴタイが咲く場所はその斜面をトラバースした先の尾根にあるので、強引に斜面をトラバースして進むと途中の斜面にもヒゴタイがあったが花は咲いていなかった。ついでに他の植物も探しながら斜面をジグザグに歩きながら進んだが目ぼしいものは見つからなかった。


        まだ咲いていなかったヒゴタイ。


        幸運に1本だけ咲いていた。葉には少し切れ込みがあるがバイオリン型とは言えない。


        上から花を見る。


        総苞片は針金状に開出。数えてみるとおそらく6列だと思う。蜘蛛毛はほとんど生えていない。

     確信は持てないのだが、これらの葉の形や総苞の様子から見て、この花はコウシュウヒゴタイと見て良いのではないかと思う。他の場所の花ももう少し見歩いて比べてみたいと思っている。


        山頂に登り返す。ここは単なる通過点。帰りは普通のルートを下りる。


        ママコナ


        花の根元に付く托葉に棘があるのがママコナの特徴。棘が無ければミヤマママコナになる。


        キバナアキギリ


        シモバシラの花

     別の重要な花を探して何度か歩いているこの山域だが、どの場所を見ても玄武岩質で石灰岩らしき岩は見つからない。石灰岩地を好むその花はおそらくこの山域には生育していないのではないかと思う。

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     高山植物や絶滅危惧種の花は図鑑やネットで調べるのである程度の知識が付いたが、実はほとんど知らない盲点になっているのが最も身近な道端や草地に生えている草花である。敷島町運動公園に隣接する矢木羽湖という貯水池があり富士山の眺望もあり桜の季節には良い撮影地となることを知り周辺の散策に出かけてみた。


        矢木羽湖。池越しに富士山が見えるのだがこの日は曇り空で見えず。池の周辺には桜の木が植えられている。


        池のほとりに生えていたガマ


        こんなところにこんなものが生えている。


        イヌハギ。これは絶滅危惧種。


        道端や荒れ地で普通に見かけるこんな草も実は名前を良く知らない。


        まさしく雑草。オオブタクサ(キク科ブタクサ属)。北アメリカ原産の帰化植物。ブタクサよりも大型で葉の切れ込みが少ない。


        これも普通に見かけるが名前は知らない。


        アレチウリ(ウリ科アレチウリ属)。北アメリカ原産の帰化植物。


        これも大群落を形成している。クズ(マメ科クズ属)。


        これも荒れ地で普通に見かけるが名前は知らず。コセンダングサ(キク科センダングサ属)。帰化植物。


        ノビル(ユリ科ネギ属)の花


        ウド(ウコギ科タラノキ属)。畑で栽培されているものらしいがほとんど放置状態だった。


        普通に生えているが何だか全くわからない。


        ほとんど知らないマメ科植物。たぶんトキリマメだと思う。


        これも良く見かけるが名前は知らず。


        コマツナギ。


        普通に見かけて何度も花の名前を耳にしているはずだが?


        ヤマホロシ(ナス科ナス属)だと思う。


        こっちはちょっと大型で花の色も濃い。葉がギザギザしているように見え、おそらくワルナスビだと思う。


        何じゃこりゃ?種になったナツトウダイ?


        マクロで花を見ると種の他に小さな白い花が付いている。調べてみるとオオニシキソウ(トウダイグサ科トウダイグサ属)という北アメリカ原産の帰化植物。


        エノコログサだと思うが色が黄色っぽい。


        キンエノコロ


        こっちは茶色っぽい。ムラサキエノコロ。


        草むらで良く目にするが?マルバルコウ(ヒルガオ科ルコウソウ属)。熱帯アメリカ原産の帰化植物。

     近場の野原や畑に行って草花を見ると、実は知らない植物ばかりでその多くは帰化植物であることがわかる。絶滅危惧種を追いかけるのも良いのだが、その前に身近にある植物の知識も付けておかなければいけないと感じさせられる。このような場所を歩くと自分のレベルの低さをしみじみと感じさせられる。


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     9月1日、2日に登る予定を立てて日程調整していた北岳だったが雨のため中止となってしまった。9月中旬の3連休も休みがとれたのは良かったが秋雨前線の影響でまたしても天候が思わしく無い。果たして登って大丈夫なものかどうか?山頂に行くだけの目的ならば行けるのだが、目的のひとつはまだ見ていない花を見ること、そしてもうひとつは星空の撮影である。後者はかなり難しい問題で、天候が悪いと撮影は困難、さらに雨が降るとカメラの故障やレンズの結露が起こるので花の撮影もままならなくなってしまう。とりあえずは天候を見ながら登るかどうか決めることにして、小雨の降る中を午後のタクシーに乗って広河原まで移動する。


        だいぶ小降りにはなったが北岳は全く見えそうもない。


        傘を差しながら広河原界隈を散策する。コウシンヤマハッカ。


        こちらは白花。


        目的の花はこれ。


        菌従属栄養植物 アオキラン


        盛期は若干過ぎていたがまだ十分に見られる。


        そこそこの個体数も確認できた。


        トラキチランと同じように半透明の不思議な植物。

     かつては登山道沿いでもかなりの数が見られたのだが草が茂るようになりだいぶ数が減ってしまっていた。鹿の食害では無く環境の変化で、これからも減少して行くのではないかと心配である。

     この日は広河原山荘に泊めていただき、明朝の天気を見ながら登るかどうか決めることにする。5時に夕食をいただき、7時には早々に眠りにつく。

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     前日小雨の降る中を広河原まで移動して、広河原山荘に泊めさせていただいた。3連休ということもあり思っていたよりも小屋は混雑していた。未明に目を覚すとまだ小雨が降っていたが霧雨程度だった。天気予報では次第に天候が回復して晴れ間が見えてくるとのことである。足が遅いうえにゆっくり花散策したいので早朝4時半のまだ暗いうちに広河原山荘を出発してまずは八本歯のコルを目指す。


        朝焼けの空が広がった大樺沢の谷


        大樺沢二又。上のほうはまだ霧が巻いているが頭上には青空が見えてきた。


        アザミがたくさん咲いている。おそらくはホウキアザミ、ないしはミヤマホソエノアザミと思われる。


        こちらは別のもの。ヤハズヒゴタイ、ないしは高山型のミヤマヒゴタイ。


        咲き残りのミソガワソウ


        チシマヨモギ、別名エゾオオヨモギ


        八本歯のコル直下のハシゴ


        八本歯コルの直下から見下ろす大樺沢の谷と鳳凰山。緩そうに見えるが結構な傾斜、かつ沢沿いは石がゴロゴロで歩きにくい。


        紅葉が始まった北岳バットレス


        八本歯のコルから見る八本歯の頭と右に富士山

     予報通りに天候は回復し青空が広がった。北岳山頂はずっと雲が巻いていたが一時ではあるが雲海に浮かぶ富士山も姿を現した。これくらい天候が回復してくれれば上出来である。時刻は10時40分、この八本歯のコルから先が花探しの本番である。おそらくもう終わってしまっている花が多いであろうが咲き残りを期待して、時折ルートを外れて岩の間や岩の下の隙間を覗き込みながら久しぶりに訪問する初秋の北岳の花たちを存分に楽しむことにする。


        キンロバイがまだ咲き残っていた。


        イワインチン。これも咲き残りの株。


        ちょっと期待していたキタダケトリカブトだったが残念ながらほとんどが結実していた。来年の山岳レインジャー説明会で使う写真が撮りたかった。


        キタダケヨモギ


        ミソガワソウと左の赤っぽい葉がヤナギラン。北岳の標高2,800m付近に咲いているヤナギランだからキタダケヤナギランだろうと思っていたのだが全くの別物。


        タカネイブキボウフウのブーケ。紅柴色の蕾が美しい。


        初夏に見かけるミヤマシオガマよりも株が小ぶりでちょっと違う。


        タカネシオガマ


        見たかったのがこの小さなリンドウ。


        初めて出会う花、サンプクリンドウ。まだだいぶ咲き残っていた。


        こちらはほぼ満開状態。


        ヒメセンブリ


        想定していた以上にかなりの数に出会うことが出来た。


        岩の間や下を覗き込んでいたのはこんなシダを探すため。


        これこそ探していたキタダケデンダだと確信して撮影してきたのだが・・・


        胞子嚢。帰って来てから調べてみるとこれはタカネシダ(別名クモマシダ)。しかしこれでも山梨県絶滅危惧種ⅠB類の稀少なシダである。


        こんなところにタンポポが・・・何タンポポ?


        高度感があって怖そうに見えるトラバース道だが歩いてみるとさほどでも無い(と思う)。


        ウラシマツツジの紅葉が始まっている。

     北岳山頂近くまで探してみる予定だったのだが霧が多くなったことと4時半から歩き出した疲れも出てきて3時半に北岳山荘に入り受付をする。既に満室状態のようで1つの布団に2人で寝ることになりそうな気配だった。夜中に星の写真を撮りに行きたいことを話すと入り口の近くの寝床を確保してくれた。かつ、幸運なことにひとつの布団に一人で寝ることが出来た。

     夕食は5時40分からで少し時間があり、水場のあたりまで下りてみようかとも思ったのだがそんな元気は出ず、食事まで布団に横になって休み、夕食後は消灯前の7時半には眠りについた。明日は未明に中白根山まで行って北岳の上で廻る北天の空を撮影する予定だが・・・就眠の頃には空は雲に覆われ何も見えず、風も強くなってきた。さて、どうなりますか?

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     北岳山荘に宿泊させていただき、前夜は7時半に眠りについた。目を覚ましたのはほぼ予定通りの未明2時半、3時に目覚ましをかけたがその前に目が覚めた。外に出てみると霧が深くて視界は10mほどしか利かず、かなりの風が吹いている。これで星が見えるのか?しかしスマホで天気予報と雲画像を見てみるとさほど悪い天気でも無さそうである。どうやら山の上にかかった雲のようだ。ひょっとしたら一瞬だけでも星が見えるのでは?夜明けには雲を纏った北岳が姿を現すのでは?という期待を抱いて3時過ぎに北岳山荘を出発して撮影予定地の中白根山に向かう。霧が深くてルートがわからず、一度は間違えたがGPSを頼りにルートに戻って登る。私を追い越していった若者4人組もその先でルートを間違えて戻ってきて、修正して先に進む。

     稜線は強風吹き荒れ、先に進むのも大変だったが4時過ぎになんとか中白根山に到着した。その後も次々に間ノ岳を目指す登山者が暗い霧の中を登って来た。皆それなりに大変そうだった。私は中白根山までだったのでそこで一応は三脚とカメラを取り出すが、周辺の景色どころか空を見上げても星は全く見えない。ほぼ絶望的な中を日の出の5時半ごろまで待ったがとうとう何も見えずに撤退となる。


        霧の中を登って来る登山者たち。向こうには北岳がみえるはずだったが・・・


        こっちには富士山が見えるはずだったが・・・


        夜明け前の中白根山。星空も景色も絶望的。夜明けの5時半に撤退して北岳山荘に戻る。

     残念ながら星空も景色も見ることは出来なかった。さらには恐れていたレンズの結露が起こってしまい、結露を拭き取らないと撮影が出来なくなってしまう。さらに悪いことにレンズの内側にも結露が起こりそのレンズでは撮れなくなってしまった。Eos80Dはザックにしまい込みもう1台のEosM2を取り出すがこちらもすぐに結露が始まり使い勝手が悪い。


        霧に巻かれる北岳山荘。中に入って弁当をもらいながら、小屋主さんとしばし情報交換させていただいた。

     北岳山頂を越えて下山するか、それとも八本歯を下りるか?稜線は風が強いのでとりあえずは中腹の分岐点まで行って天候の様子を見て決めることにして出発する。


        途中でシコタンハコベの群落に出会う。強風とレンズの結露でうまく撮れず。


        ブレまくりのシコタンハコベ。


        霧と強風の北岳稜線。


        分岐点まで来た。ここから山頂までは20~30分くらい、山頂を越えても八本歯に下りてもコースタイムはさほど変わらない。

     山頂側の稜線は強風と霧だが八本歯側の斜面は風が少ない。山頂に行く意味もあまり無いのでここは八本歯のコルに下りて下山することにした。ひょっとしたらもう1種類、探していたアカイシリンドウがあるのではないかと思ったのだがどうやらもう終わっているようだ。


        八本歯のコル。風は弱くて稜線に比べると歩き易いが霧は深い。


        二又から見る鳳凰山。ここまでの途中はレンズが結露して全く撮影出来ず、別のレンズに変えた。


        北岳を見上げる。思っていた通り雲がかかっているのは上のほうだけだ。

     二又からは御池小屋経由で下山することにした。途中にオヤマボクチの群落があったので撮影しようとすると・・・??シャッターを切った後にエラーが出る。レンズを変えても電池を変えても同じ現象が起きてしまい、どうやらカメラ本体が霧で故障してしまったらしい。再びEos80Dを取り出すが1本のレンズは結露したままで使えず、残るレンズは星撮り用の超広角レンズしか無い。広角なのは良いがもともと星用なので接写が出来ないという難点があり思うようには撮れないがこれも止む無し。近付けるところまで近付いて花を撮ることにする。


        オヤマボクチの群落


        葉に切れ込みが無いのが特徴。山梨県では絶滅危惧種。


        トリカブトだが葉の切れ込みが深い。しかし幅は比較的広い。ホソバか、それともヤマか?標高2,200mなのでホソバトリカブトで良いのではないかと思う。


        セリバシオガマの群落


        登る時からずっと気になっていたのがこのアザミ。葉の切れ込みが深いものとあまり切れ込んでいないものの2種類があるように見受けられた。


        こちらは葉の切れ込みが浅いほうのタイプ。総苞片が長く先が尖っておりセンジョウアザミと思われる。


        御池小屋のお花畑もアザミがいっぱい。


        葉の切れ込みがやや深く葉が細めだが、総苞片の形は先ほどのものとほぼ同じで毛が生えている。おそらくは同じくセンジョウアザミと思われる。


        こちらは前日撮影したアザミ。葉の切れ込みが深くて幅が細い。


        総苞片の形はほぼ同じに見えるが茎に毛が生えていない。ミヤマホソエノアザミではないかと思う。

     北岳界隈で普通に見かけるアザミはセンジョウアザミ、ホウキアザミ、ミヤマホソエノアザミの3種類があるらしい。ホウキアザミは総苞片が細めで外皮片が短いのが特徴らしく、今回撮影した写真にはそれらしいアザミは写っていなかった。しかしミヤマホソエノアザミとの区別が難しくもう少し観察を繰り返さないと判別は難しいのではないかと考えている。今回はシダを含めて予習が足りなかったことは否めない。


        御池と鳳凰山。こちら側は晴れたが北岳は相変わらず暗い雲の中だった。


        白根御池小屋。登山者がたくさん、おっさんは少なく若者が多い。

     バスは2時半のはずだったので最後はちょっと急いで2時20分に広河原に到着した。ちょうど乗り合いタクシーが待っているところだったので乗せてもらう。同乗したグループが前日見学させていただいた北岳山荘の向かいにある北岳診療所の学生さんと看護婦さんたちだった。山の話や診療の話をしながら楽しく会話しながら帰って来ることが出来た。学生さんたちの熱心さと接客態度の良さにはとても感心させられ、こちらも大いに刺激を受けた。出来るならば山の診療所で一緒に仕事をしてみたいとも思わされた。


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     当初は9月初旬に行く予定だったのだが夏が暑かったために秋の花は若干開花が遅れると予想して日程を変更した。山岳連盟の希望者とともに総勢7名で観察に出かける。林道を少し奥まで車で入って時間短縮を目論んだが入り口からわずかのところで道がえぐれているうえに倒木が横たわっておりほとんど距離を稼げずに歩くことになってしまう。しかも雨が降ったばかりで道が湿っており、車を下りた林道脇からもうヤマヒルが襲ってくる。


        ホトトギス満開


        シラヒゲソウは若干時期を過ぎていた。


        川の対岸のシラヒゲソウ群落


        シラヒゲソウ群落


        白い髭が可愛らしい花


        現地に到着して唖然。この場所は岩壁の苔ごと脱落してしまっていて株数が激減していたうえに咲いた花がほとんど見当たらない。大ピンチ!


        さらに沢の奥の自生地に行ってみる。こちらはいつもと変わらず綺麗に咲いていた。


        岩壁に垂れ下がる姿が美しいスルガジョウロウホトトギス。ちょうど見頃。


        鮮やかな黄色、花の中には茶色い斑点がある。


        別の場所。


        イワシャジンと一緒に咲いていた。


        この場所もたくさん咲いていた場所は苔と一緒に脱落して激減してしまっていた。


        しかしずっと上のほうに咲いている株は増えているように見える。

     岩壁に咲くジョウロウホトトギスは岩や苔の脱落とともに落ちてしまう運命にあるのだろう。着生植物と同様にこのような植物の宿命なのだと思う。これは自然の遷移で起こるものなので防ぎようが無いように思う。長い間そのような遷移を辿って来たのであろうから、このまま消滅ということはそう簡単には起きないであろうと考えている。今後も見守りつつ経過観察が必要であろう。

     帰り際にちょっと立ち寄りした。


        サルオガゼ?櫛形山のものとはちょっと違うように見えなくもない。


        ムギラン


        マメヅタラン

     一人でヤマヒル20匹撃退が目標だったがわずかに及ばず。足元はメンバー同士で気を付けながら歩き、ヤマヒルが付いたらすぐにアルコールスプレーで撃退したので誰もやられなかったが、ストックから昇って来たのか一人だけ手首に吸い付かれた人が居た。上半身に着くヤマヒルは防御が困難なのではないかと考えている。




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     前日は山梨県のスルガジョウロウホトトギスを見てきたが今度は静岡県のスルガジョウロウホトトギスである。山梨県に咲くもののほうが位置的に南側にあり静岡県に比べてやや遅く咲くので、もう既に遅いであろうが別の花も見ておきたかった。

     前日は当直の疲れが抜けないうちに早起きして出かけたことがあり、この日の朝も疲れが抜けずに寝床から起き上がるのが辛い。10時に起き出して出かけたので既に時遅くどこまで登れるか分からない時間である。歩き出してみるとやはり体調が思わしく無い。気温が上がったには上がったがそれにも増して汗がほとばしり、呼吸が苦しい。これはとてもではないが上まで行くのは難しいだろう。滝の脇に咲くジョウロウホトトギスを見たかったが難しそうなので比較的簡単に行けるほうの沢に入って観察することにする。


        何日か雨が降ったがあまり増水していない。


        こちら側にある滝の脇にも咲いているのだが数が減っている感じがする。真ん中下に見える葉はイワナンテンで、こちらのほうが目立つ。


        台風の爪跡か、倒木あり。


        倒木の脇に生えていたイワナンテン。まだ開花した花を見たことが無い。


        目的地はこのあたりだがあまり見当たらない。


        望遠レンズで覗き込むと遥か向こうの岩壁にぶら下がっている。


        スルガジョウロウホトトギス。ほとんどが結実しておりやはり遅かった。


        近くに咲いていた花。


        少し痛みかけている。種があまり付いていないところを見ると今年はあまり咲かなかったようだ。そのうえ株数も減っているように見える。


        下からのぞき込む

     あまり無理して遡上せず、双眼鏡と望遠レンズを使って観察してみたがやはり訪問時期が遅かった。さらには花付きがあまり良く無かったことと、全体的な個体数が減っているように見受けられる。盗掘は無いと思うのだが、こちらも自然の遷移と訪問者が増えたことが影響しているのかも知れない。

     登山道が途中で崩落したと聞いたので野次馬根性でその場所まで行ってみた。


        もともとロープが張られて通過しにくかった場所が崩落していた。向こう側の崩落地を登るのは困難で左側の大岩の下を巻いて登るとなんとか通過できる。


        河原に咲いていたフジアザミ。毛無山の山頂には雲が巻いていた。

     この日は毛無山の山頂からやや大見岳寄りの付近にかけてパール富士が見られるはずだった。天候が良ければ頑張って登る予定だったのだが天候も悪く富士山は見えず、さらには体調も不良で途中でリタイアしていたかも知れない。バリアンスルートの沢の中に咲くクサノオウバノギクも見たかったのだが今年は叶わなそうである。

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     昨日の毛無山山塊で見たかったのはスルガジョウロウホトトギスともうひとつがクサノオウバノギクだったのだが、後者は出発時間が遅かったうえに体調不良で現地まで行けず見ないで終わってしまった。ならば山梨県に咲くクサノオウバノギクはどうだろうか?毛無山塊に比べるとまだ歩く距離は短く訪問し易い。現地に11時到着して出発する。


        沢沿いに咲いていたシラネニンジン


        これはヤマハッカか、それともコウシンヤマハッカか?


        葉の先が尻尾のように伸びている。コウシンヤマハッカはカメバヒキオコシの変種とされている。


        この葉っぱの様子からするとこれはコウシンヤマハッカだろう。


        レイジンソウ


        シロヨメナだと思う。


        ダイモンジソウ


        岩場で近付けず100㎜マクロで撮影。


        目的の花、クサノオウバノギク。


        少し早いかと思っていたのだがちょうど見頃だった。


        奇怪な葉の形をした小さな野菊。


        可愛らしい花。


        そしてもうひとつ、是非とも見ておきたかったのがこの花。


        ミツバベンケイソウ


        あまり見かけない花だと思っていたのだが、岩の上にごっそりと咲いていた。


        クサノオウバノギクとミツバベンケイソウ


        クサノオウバノギク、トリカブト、コウシンヤマハッカ、シロヨメナ、シラネニンジンと豪華な花の揃い咲き。

     ピークを越えてその向こう側の森も探索してくる予定だったのだがこの場所を訪問しただけで十分に満足した。まだ体調もあまり思わしく無く、ピークの途中までで引き返して撤退してきた。苔と一緒に脱落して減少してしまった場所もあるのだが、この場所のクサノオウバノギクは個体数を維持するのに十分な数が確認された。さらには数は少ないだろうと思っていたミツバベンケイソウもかなりの数があるのがわかった。出来ればいずれの花もこの場所以外の場所で発見したいものである。

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     出張で旭川に行く機会があった。折角だから十勝岳か旭岳あたりに登って行こうと登山装備を持って出かけたのは良かったが・・・? レンタカーを借りる予定で到着したホテルで荷物を確認してビックリ仰天!!免許証を忘れた。もはやバス移動かタクシーしか移動手段が無い。さてどうしましょうか?タクシー運賃を調べてみると十勝岳登山口の望岳台も旭岳ロープウェイもいずれも片道15,000円くらいかかる。ならばバス移動でということで、午前中の講演を聴講した後に青い池まで行ってみることにした。お昼過ぎのバスに乗って青い池の前で下車する。そして池に行く前に帰りのバス時刻を確認に向かい側の停留所に行くと・・・1本逃すと次は午後4時過ぎのバスしか無い。次の目的地までに移動する時間が足りなくなってしまう。止む無し、いちばん早いバスは乗って来たバスが折り返して戻って来るまでの30分しか無い。急いで池に行ってささっと写真を撮ってバス停に戻るという忙しい訪問になってしまった。


        赤抜けた旭川駅。ここから青い池までバス移動約1時間半。


        青い池を訪れる。静かに見えるが観光客がいっぱいで三脚を立てるにもちょっと待たなければならないほど。しかも滞在時間はわずかに30分。


        紅葉にはまだ早かった。


        雨の後だと青く無い日もあるらしい。さらに青空の日のほうが青くなるらしい。


        この日は曇だったがこれくらいの青さならば十分。


        ちょっと物足りなさを感じつつも急いでバス停に戻る。

     バスで美瑛の駅まで移動する。美瑛駅から旭川空港まで移動してそこで別のバスに乗り換えるのだが時間が2時間ほどあり、旭川空港まで移動するバスも1時間後である。近くに東屋が立つ小さな丘があるのでそこに移動して遅い昼食をとっていると、ポツポツと雨が降り出した。かと思ったらさらに雷鳴が轟き出す。周辺の空は青空が見えるのにこの場所だけ夕立のようだ。30分ほどで雨は止み太陽が現れ出したかと思ったら、ラッキーなことに虹が出てくれた。


        美瑛駅北側。


        空港行きのバス停は南側にある。


        夕立と雷の後に美瑛の町に虹がかかった。


        虹のかかる美瑛駅

     15分ほどで虹は消えてしまった。バス移動のおかげで良い景色に出会うことが出来た。その後10分ほどで旭川空港に行くバスが来たので移動する。空港で乗り換えて次なる目的地は旭岳温泉である。予定ではレンタカーで移動して朝1番のロープウェイに乗るはずだったのだが、免許証を忘れてレンタカーが借りられなくなってしまったので旭岳温泉に前日から泊まる作戦に出た。しかし、これまた宿泊予定のホテルまで行って大トラブルが・・・!!(続く)

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     前日に美瑛町の青い池を訪問してから旭川空港乗り換えで旭岳温泉行の最終バスに乗り夕方の5時30分に旭岳温泉に到着した。本日の宿はまだ使い慣れていないスマホを使って初めて予約してみたのだが、確定までしたはずだったのに・・・確認メールを職場のパソコン宛にしてあったのが失敗だった。宿まで行ってネット予約した者だと伝えたが予約が取れていなかったのである。宿のパソコンを借りて自分のメールを開いてみると、予約に失敗したようで確認メールが届いていなかった。もはや旭川に戻る最終バスの時間には間に合わない時間である。宿が取れなければタクシーで旭川空港か美瑛駅まで戻って旭川に帰るか、はたまたビバークシートを被ってロープウェイ駅軒下でビバークするか?なんとか頼み込んで部屋を用意していただき、一家6人で泊まれそうな大きな和室に一人で泊めさせていただくことになった。ここに泊まれなければ明日の登山は難しくなり山頂無しの観光巡りになってしまったであろうが、泊めてくれたホテルに大感謝である。これで朝1番の6時半の旭岳ロープウェイに乗ることが出来る。

     バイキングの夕食をこれでもかというくらいに腹に詰め込み、10時には眠りにつく。明日の天気予報は晴れ、早朝には星が輝いていることを期待して目覚まし時計は4時半にかける。目が覚めたのは4時を少し過ぎた頃だった。薄明の空に星がちらほらと見えてはいるが薄雲がかかっているようで美しい星空にはなっていなかった。星空の撮影はあきらめて部屋に戻って休み、5時にホテルを出て周辺を散策しながらロープウェイ駅に向かう。


        夜明けの空に輝く月


        お世話になったホテルベアモンテ。泊めていただいて本当に助かりました。


        朝もやのかかる旭岳温泉


        旭岳ロープウェイ駅と旭岳

     ロープウェイは6時半に始発の予定だったが6時前には既に20人ほどの乗客が並んでおり、始発時間より30分ほど早い6時に動き出した。朝一番のロープウェイに乗って旭岳に出発である。


        ロープウェイの窓越しに見る旭岳と紅葉の森


        ロープウェイ姿見池から見る旭岳。偶然にも帰りのロープウェイとバスでご一緒した方が写り込んでいた。


        凍り付く池。山麓はもう氷点下になる。


        チングルマの紅葉と噴煙を上げる旭岳


        姿見の池と朝日

     朝日の昇る姿見の池を見たところで本日のコースを考える。時間は十分にあるので黒岳までの縦走も可能であるのだが・・・今回の最大の目的は紅葉の旭岳である。裾合平側のナナカマドの紅葉を期待しているのだが、この日の出の角度だとこれから裾合平に向かっても逆光になってしまうだろう。むしろPLフィルターの効果が期待できる午後3時ごろのほうが撮影には適している。天気はきわめて良好だし、夕方まで持つはずだ。先に旭岳に登り、間宮岳を経由して中岳分岐から裾合平に下りる周回コースを選択する。まず目指すのは旭岳山頂である。


        眼下に雲海が広がった。


        見下ろす姿見の池


        トムラウシから十勝岳の稜線。いつかは歩いてみたいコース。


        十勝岳連邦。紅葉はいまひとつのようだ。


        旭岳を見上げる。薄雪を被った右側が山頂。姿見の池あたりから見える尖ったピークは左側の山。


        噴煙のあがる谷を見下ろす


        同上


        見上げる旭岳山頂。


        黄色い苔の生えた岩


        トムラウシ山から十勝岳の稜線と眼下に広がる美しい谷


        トムラウシ山を遠望。紅葉しているがいまいちに見える。


        ここを登れば旭岳山頂。


        山頂到着。

     さほど急な傾斜も無くちょっと心配していた雪もほんのわずかでアイゼン装着無しで全く問題無かった。三脚をずっと担ぎっぱなしで写真を撮りまくって登って来たため、到着は10時になった。


        これから向かう間宮岳から中岳方面。


        向こうの黒いゴツゴツした山は白雲岳。

     前日までの曇り空が嘘のように晴れ渡ったこの日は山を楽しむにはこれ以上無いというほどの絶好の天候となってくれた。急いで歩くのはもったいない。旭岳山頂まで4時間かけてゆっくり登って来たこともあるのだが、さほど厳しいルートも無くほとんど疲れも無し。賑わっている山頂は苦手なので記念撮影して休憩せずに間宮岳側のルートに進む(続く)。

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     朝一番の旭岳ロープウェイに乗り姿見池駅周辺を散策しながら約4時間かけて旭岳山頂まで登って来た。かなりのゆっくりペース(というよりも写真ばかり撮っていて先に進まず)で登って来たのでほとんど疲れも無い。山頂はそれなりに混雑していたがそれ以上に私を追い抜いて行ったたくさんの登山者たちはどこに行ったのだろう?周回ルートか、あるいは黒岳への縦走ルートを進んでいるのだろう。私はあまり来ることが無い北海道の山を存分に楽しんで行きたいので、下山のロープウェイも最終の5時半と決めていた。どうせ旭川まで戻るバスも夕方6時なのでそれに間に合えば良い。この先も三脚を担ぎっぱなしで間宮岳から中岳分岐方面に向かって進む。


        大雪山旭岳山頂。間宮岳・黒岳方面に下るが、そちら側はザラついたスリップしそうな急斜面だった。


        雪渓と旭岳山頂を振り返る。緩そうに見えるが結構急斜面である。


        ゴツゴツした山は熊ヶ岳。間宮岳はその裏側になる。裾野の平坦地がキャンプ指定地になるようだ。


        旭岳を振り返る。北海道最高峰だが裏側から見ると穏やかな山容である。


        熊ヶ岳(右)と旭岳(左)


        左が忠別岳、右がトムラウシ山。真ん中のピークは化雲岳の北東側にあるピーク。少し霞が強くなってしまった。


        稜線の間宮岳・中岳方面(左方向)と松田岳・北海岳方面(右方向)の分岐。黒岳はどちらからでも行ける。


        平坦なピークの間宮岳。ここで休憩(といっても写真を撮りながら休憩してばかりいる)。


        間宮岳から見る御鉢平。


        角度を変えて中岳分岐付近から見る御鉢平。


        中岳分岐に到着。

     中岳分岐に12時到着。ほぼ予定通りの時間である。このあたりの稜線は歩く人が少ないのか、それとももう皆さん通過した後なのか、あまり人に会わなかった。中岳分岐を左折して中岳温泉を経由して裾合平に向かう。


        沼の平に続く稜線、比布岳(右)と安足間岳(左)


        裾合平を見下ろす。雄大で美しい景色が広がる。


        硫黄の臭いがしてきたと思ったら下に人だかり。これが訪れてみたいと思っていた中岳温泉。


        岩の間から熱い温泉が湧き出しており、川の水と混ざってちょうど良くなる。


        足湯を楽しんでいるお嬢様たちを後ろから無許可隠し撮り(失礼しました)。手だけ洗って先に進む。


        黄緑色の苔が生えた岩


        間もなくチングルマの海が広がる裾合平に到着。広大なお花畑が広がる。


        青空を映す青い池塘と比布岳山塊。


        綿毛のチングルマと旭岳


        チングルマの海は至るところで広がっていた。花の咲く季節に訪れてみたい。


        綿毛になったチングルマ。向こうのナナカマドはほとんど赤く染まらずに葉が散ったらしい。


        少しだけ残っていたチングルマの紅葉。しかし期待していたナナカマドはほとんど散っておりしかも葉が茶色い。今年は外れだったようだ。


        咲いていた花はこれだけだった。


        遅咲きのミヤマリンドウだと思う。この季節に見られただけでもラッキーである。


        もう終わってしまっているがエゾオヤマリンドウだと思う。咲いていれば素晴らしい景色だっただろう。


        大雪山旭岳を映す鏡池。美しい風景である。


        さらに隣の摺鉢池。

     摺鉢池まで来るともう姿見池ロープウェイ駅は目の前である。時刻は午後4時20分、下車して山麓駅でゆっくり休むことも出来るのだがいずれにしてもバス時間は午後6時である。青空が広がる好天気、かつ日が沈む西側の空にもほとんど雲が出ていない。待っていればきっと見られるはず・・・。1日中天候に恵まれて素晴らしい景色を見て回ってきたがきっと最後にもっとドラマチックな景色が見られるだろうと期待して、ロープウェイ最終時間に間に合うギリギリの5時15分まで鏡池で待つことにする(続く)。
        



    0 0

     朝一番の大雪山旭岳ロープウェイに乗り約10時間かけて旭岳山頂、間宮岳、中岳温泉、裾合平と周回し、午後4時20分ごろに鏡池に到着した。一日中天候に恵まれて大雪山の素晴らしい景色を楽しんできたが、期待していた紅葉がいまひとつだったことが残念である。さて、ロープウェイの最終便は5時半なのでまだ1時間ほど時間がある。下りて山麓駅で休むことも考えたが折角の好天気、かつ西側の空にはほとんど雲が出ていない。この天候ならばきっと・・・。日没は5時15分ごろのはずだが標高が高い分だけ少し遅くなるだろう。移動時間を考えてギリギリの5時15分まで鏡池のあたりで夕暮れを待つことにする。その前に、ロープウェイ駅までの移動時間をあらかじめ歩いて計っておき、さらに移動し易いようにザックはロープウェイ駅に置いて来た。10分あれば十分に到着できる。


        大雪山旭岳を映す鏡池


        午後5時、太陽が沈み始めて期待通りに旭岳が染まり始めた。


        次第に赤みを増して行く旭岳


        これくらい染まってくれれば上出来。


        時刻は5時15分になった。もう少し待ちたいところだがもはやここまで。三脚を担いでロープウェイ駅に急ぐ。


        夕陽が沈んで行く。


        最後に摺鉢池で撮ったカット。

     あと5分あれば残照の旭岳が見られたであろうが初めて訪れた旭岳でこれだけの景色が見られれば上出来である。これから日が短くなって日没時間が早くなり残照の旭岳が見られるようになるだろうと思っていたのだがそうでは無いようで、ロープウェイの最終時間が5時に変更になるようだ。きわめて幸運な日に訪れたことになる。

     予定通りに5時25分にロープウェイ駅に到着した。鏡池で途中まで並んで写真を撮っていた若者も駅の近くでカメラを構えていたそうだ。さらに一緒にロープウェイに乗られた札幌から来られた方と仲良くなり、帰りのバスも隣に座らせていただき写真談義や撮影地や旭川のおすすめラーメン店などいろいろと情報を提供していただいた。旭川は山頭火ラーメンが有名だが教えていただいた一蔵ラーメンにその日の夜に寄らせていただき、たいへんおいしかった。

     さて、明日は甲府に戻るのだが台風24号が上陸して簡単には戻れなそうである。午後4時半の羽田行き飛行機を予約してあるが着陸できない可能性が高い。午前の便に変更しようとしたがJALは全ていっぱい、ANAがわずかに空席があったので予約しようとしたがスマホに手こずっている間に満席になってしまった。かくなるうえは・・・函館まで移動して新幹線が確実である。翌朝は6時半の札幌行きの電車に乗り12時半の新函館北斗発北海道新幹線に乗り、無事に5時半に東京に到着した。まだ雨も風も穏やかで予約していた4時半の飛行機も無事に飛んだらしい。ところが・・・中央線が午後5時で高尾から先が全面運休になっており高速バスの予約を試みたがそちらも満席である。止む無し、新宿に宿をとって泊まることにする。今度はスマホから無事に予約が取れて一安心・・・とは行かなかった。台風が通り過ぎた翌朝は青空が広がったが中央線は相変わらず全線運休で高尾から先は全く復旧の目途が立っていなかった。止む無し、高速バスを使うことにするがもはや午前の仕事時間には間に合わず休むことになってしまった。新宿バスターミナルには7時半ごろ到着したが10時45分のバスしか取れず、1時ごろにやっと甲府に到着した。免許証を忘れたことから始まり、宿の予約失敗、さらには台風とトラブル続きの北海道だったが大雪山の良い景色も見られたし、講演会の必要ポイント数も取得出来たし、それなりに楽しい旅が出来た。何よりも救いだったのはガラケーからスマホに電話機を換えてあったことだった。これが無ければ天候の変化や電車の乗り換え時間など調べるのに多大な時間を費やしていたことは間違い無く、下手をしたら甲府に戻るのが1日か2日遅れた可能性もある。まだ使いこなせないところが多いがそれでもスマホは今回大いに役に立った。

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     台風24号の影響で中央線が運休となってしまい甲府に到着したのは午後1時になってしまった。この日は午後3時に内科受診の予約がありなんとか間に合った。台風一過で朝から青空が広がったこの日、午後になっても富士山や南アルプスがスッキリと見えている。ずっと撮れないでいる北天を廻る星空はこんな日でなければ撮影は難しい。北海道から帰ったばかりで疲れはあるものの、山に登らなければ撮影は出来そうである。こんな条件の良い日を逃すわけには行かない。行く先は清里にある丘の公園、あるいは八ヶ岳大橋あたりが良さそうなので内科受診後に中央高速を使って移動する。ちょうど日没の頃に八ヶ岳大橋に到着する。橋の上から八ヶ岳を狙おうと一旦は三脚を構えたが・・・強風が吹き荒れるうえに車の振動で橋が揺れてカメラがブレてしまう。止む無し、橋の上は止めて駐車場の裏側でカメラを構えるが駐車場の街灯がやや邪魔でライトに照らされた木が画角に入ってしまう。これも止む無し。


        八ヶ岳大橋


        橋の上から見る八ヶ岳。ポジションはまずまずだったが強風と車の振動でカメラがブレてしまう。


        八ヶ岳大橋と夕暮れの南アルプス。甲斐駒ケ岳の右上に金星が輝く。


        八ヶ岳の上に輝く北斗七星


        南アルプスの上に天の川が立ち昇ったが橋の明かりが明る過ぎて負けてしまう。


        場所を移動して駐車場の後ろ側で三脚を構える。街頭で照らされた木がやや不自然に見えてしまうが止む無し。


        夕暮れとともに八ヶ岳には雲がかかってしまった。


        八ヶ岳の空を廻る星空。約1時間撮影した185コマを比較明合成。

     1時間半から2時間くらい撮影を行う予定だったのだが風がさらに強くなり、気が付けば三脚が倒れていた。八ヶ岳にかかる雲も多くなり赤岳は完全に隠れてしまっている。本日はここまで、撤退する。満足な撮影とはならなかったが、なんとかスライド上映会には使えそうなくらいの画像が撮影出来た。

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     暑かった夏に続いて台風が通り過ぎ、まだ紅葉には早い山梨の山はだいぶ葉が落ちてしまったようである。北海道の紅葉がいまひとつだったことからも今年の紅葉はあまり期待できないように思える。そろそろアザミ類も終わりに近づいている頃であるが山梨県北部の草原を訪れてみた。


        色の濃いヤマラッキョウが花盛り。


        ヤマラッキョウ


        マツムシソウの残り花


        リンドウは天候がいまいちでほとんど開いていない。


        リンドウ


        終盤のノアザミ。


        最後の花を惜しむかのように虫がたくさん吸蜜していた。


        草原はススキが生い茂りすっかり秋の景色である。紅葉にはまだ早いが葉がだいぶ散ってしまっているように見える。


        見たかったのがこの華奢な花。


        台風の影響か、ほとんどが倒れてしまっている。


        花も痛んできているうえに株数も今年は少ないのが心配。

     華奢なツル性のリンドウは昨年に比べるとだいぶ数が少なくなっており、9月に来た時に見かけた数本は台風で飛ばされてしまったのか今回は見当たらなくなってしまっていた。先行きが心配である。

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     8月の八ヶ岳も9月の北岳も星を狙って登ったものの空模様が悪く星空は現れなかった。台風24号が去った1週間前も一時的に晴天の日が続いたが、今度は台風25号が日本海側を通り過ぎて行った。3連休初日の10月6日は強風と悪天候が予想され入山する気にはなれなかったが、翌日の10月7日、天気図から予想して午前中は強風が吹くであろうが次第に収まって天候が回復してくると予想される。その日の夕方から朝にかけては星空を見る絶好の機会になるだろう。こんな日を逃すわけには行かない。早起きして朝一番の芦安5時出発のタクシーに乗り広河原に入る。星撮りのためのいつもの装備であるがカメラ2台に三脚2本、レンズは軽いもの3本を含めて全部で5本持って行く。愛用していたEosM2 は前回の北岳で故障した後、電源が全く入らなくなってしまい修理も考えたのだが星撮りのためには水平照準が内蔵されているカメラのほうが好ましく、EosM5 に新調して出かける。


        広河原から見上げる朝の北岳は雲の中。風が強い。


        紅葉の大樺沢だが、あまり色付きは良く無い。


        大樺沢の紅葉。だいぶ葉が落ちてしまっている。


        振り返って見る鳳凰山高嶺。向こうはまずまずの紅葉のように見える。


        色付いたナナカマド

     3時間かかって二又に到着する。朝一番のタクシーだったが後発のバス乗客にもほとんど追い抜かれたようで、後ろにはあまり人が居なくなった。時刻は午前10時、4時半までに到着すれば良いと思っているので撮影しながらゆっくり登っても十分に時間は足りるはずである。随所で三脚を立てながら右又を登って北岳肩の小屋を目指す。


        右又から見る鳳凰山


        紅葉の右又を見上げる


        次第に風が止み、青空が広がった。北岳が見えるようになってきた。


        空には虹色の彩雲が広がった。


        小太郎山分岐の稜線に出る。小太郎山とアサヨ峰が見えているが甲斐駒ケ岳はまだ雲の中。


        ウラシマツツジの紅葉と仙丈ケ岳。ウラシマツツジの紅葉はほとんど終わっていた。

     小太郎尾根分岐で時刻は午後1時半だった。あと1時間もあれば肩の小屋に到着できるが、ここからは岩の間を覗き込みながら別の課題に取りかかる。9月に訪れた際に見つけられなかった高山性のシダがどこかに隠れているはずだ。大きな岩があるとルートを外れて登って岩の間を覗き込む。変なところを歩いている私を見てルートを間違っていると思った登山者も居たことだろう。しかしながら、なかなか成果は上げられず、午後3時、予定よりだいぶ早く肩の小屋に到着した。飲み物を1本注文すると何度かお会いしている小屋主の森本さんがサービスだと言って1本おごってくれた。

     小屋に入って寝床を準備し外に出ると甲斐駒ケ岳が雲の間から顔を出していた。眼下に雲海が広がり予想を遥かに超える素晴らしい景色が見え出した。


        雲間から姿を現した甲斐駒ケ岳


        雲に巻かれた白い甲斐駒ケ岳。雪を被ったような白い斜面、形の良い三角錐、格好良い。ミラーレスカメラ用の55‐200㎜望遠レンズは軽いながら解像度は十分。


        雲海の仙丈ケ岳と甲斐駒ケ岳


        もうすぐ雲海の中に夕陽が沈む。


        雲海に浮かぶ仙丈ケ岳

     もうすぐ夕陽が沈むというところで夕食の順番の5時10分となりコールがかかる。この日の肩の小屋は混雑しており夕食が3回に分かれて振舞われるために遅れて夕食の席に着くと次の順番の人たちに迷惑がかかってしまう。もう少し・・・と思ったがここは三脚をたたんで夕食の席に着く。食べ終わって外に出た頃にはもう太陽は沈んでいたが、赤く染まった水平線が美しかった。


        日没の甲斐駒ケ岳


        夕暮れの仙丈ケ岳


        もうすぐ星が輝き出す。

     さて、日没を過ぎて暗くなった頃、これからが本番である。まず狙うは夕方の6時ごろから甲斐駒ケ岳の山頂を越えて飛ぶはずの国際宇宙ステーションISSである。手帳を確認するとほぼ6時ジャストから8分間見えるはずなので、6時2分前から連写モードに設定してシャッターを切りっぱなしにする。


        ISSが飛んだ138コマを比較明合成。緩い弧を描いている白い筋がISS。上の直線は飛行機。


        7時40分にもう一度チャンスがあった。左下から真ん中に向かう白い線がISS、真ん中の赤い点線は飛行機。他にも縦の白い線とISSと交差している線も別の人工衛星。

     7時40分のISSは途中で先細りに光跡が消えているが、そもそも人工衛星は自分で光を発しているわけでは無く太陽の光を反射して光って見えている。途中で消えているのはその先はもう太陽の光が届かない夕闇の中ということなのだろう。それなりに貴重な画像が撮れたと思う。


        夕空に見え始めた天の川。他にも良い星がたくさん写っている。北岳の左上に輝くオレンジ色の星は火星、右上、天の川の中に輝くのが土星、さらにアンタレス、木星と続く。


        北岳に立ち昇った天の川。


        甲斐駒ケ岳に輝くカシオペア座(右上)と北斗七星(左下)。北極星はちょうど甲斐駒ケ岳の真上になる。

     想定していた以上の素晴らしい星空となった。しかも雲海のおまけまで付き、そのおかげで町灯りの光害にあまり邪魔されない凄い星空となった。明朝は午前4時までには北岳の北峰に登りたいので登る時間を考えると未明の3時前には出発したいところである。狙っていたISSと天の川は予定通りに撮った。そしてもうひとつ、どうしても撮影しておきたいのが甲斐駒ケ岳の上で廻る北天の空である。7時にカメラをセットしてインターバル撮影を開始したが消灯の8時までだと撮影時間が短すぎる。待っていると睡眠時間が無くなってしまう。迷いに迷った挙句、睡眠薬を8時に飲んでカメラはそのまま撮影しっぱなしで置いておくことにした。深夜のうちにはメモリーカードがいっぱいになって撮影が止まっているはずなのでそれまで放置することにして、8時半にに寝床に入って寝ることにする。(続く)


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