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Channel: 山梨百名山から見る風景
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八ヶ岳を再訪する(後編)  平成30年7月14日

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 寝過ごしたうえにあちらこちらで花の写真を撮りながら歩いたたために目的地であった山頂までは行けなくなってしまった。今回山頂まで行きたかったのは重要な課題があったからなのであるが、幸運にも目的としていた花は途中の岩の上で咲いているのを発見することが出来た。


    今回の重要な課題とはこの花。八ヶ岳ではなくとも御坂山塊で普通に見られる。ハコネコメツツジ。


    来年の山岳レインジャー活動説明会の際にどうしてもこの花の画像が必要だった。


    山梨県絶滅危惧Ⅱ類、フォッサマグナ要素の花である。問題としているのは雄しべの数である。ハコネコメツツジは雄しべが4本、一方チョウジコメツツジは5本である。

 ハコネコメツツジは山岳レインジャー調査の上での指定種になっており調査報告がなされている。問題なのはハコネコメツツジとチョウジコメツツジの違いである。聞くところによると南八ヶ岳ではハコネコメツツジ、北八ヶ岳の北横岳あたりだとチョウジコメツツジになるらしい。そしてハコネコメツツジとして山岳レインジャーの報告がなされている南アルプスのコメツツジはどうやらチョウジコメツツジである可能性が高く、画像を撮りながら確認に行く必要がある。

 羅列になるが課題の他にいろいろな花に出会うことが出来た。


    笹に飲み込まれながらも辛うじて咲き残っている株を数株発見。


    ケブカツルカコソウ。


    コバノイチヤクソウ。ほとんどがまだ蕾だった。


    笹原の中にコウリンカ


    イブキジャコウソウは所狭しとあちらこちらに咲いている。


    ヨツバシオガマ。今年はたくさん咲いてくれた。


    ヒメハナワラビは成長して胞子が大きくなっていた。前回は2株見つけたが今回はこれしか見つからず。


    ヤマブキショウマ。


    タカネニガナはもうすぐ咲きそうである。

 慣れた山域なので5時を過ぎるまで山の上をブラブラして下山開始する。駐車場に到着したのは7時半になってしまったが、暗くなってきた登山道で私の少し前を歩いていた人が居たのにはちょっと驚いた。しかし、その人はさらに後ろを歩いていた人が居たことにもっと驚いたことだろう。


富士北麓の原生林を彷徨う  平成30年7月15日

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 山梨県側の富士山麓は1合目から3合目あたりにかけて大部分がツガの植林帯になっている。その中に残っている広葉樹の原生林には貴重な植物、特に着生植物が生育している。今回訪問してみたのは植林が行われずにそのまま残っている(はずの)富士山原生林である。ほとんど訪れる人は居ないであろうからルートも無いはずだ。GPSを頼りに入山する。


    途中まで林道があるのだが壊れていてこれでは林道として機能しない。


    フジイバラ


    林道の終点を過ぎて枯れ沢を渡り原生林の奥深くまで入る。


    明瞭な道は無いがところどころに赤テープが付いている。


    咲き残っていたツルシロカネソウ。


    お目当てのカエデの木が多く生える森に到着するが・・・想定していたような大きなカエデの木は少ない。


    大き目のカエデの木。しかし、苔が少なくシダが着生していない。


    こんな木ならば着生植物が居るかと思ったが・・・


    着生していたのはソバナ(だと思う)。


    木の幹が朽ちている大きなカエデの木だが、やはり目ぼしい着生植物はほとんど居らず。


    ようやく見つけたのはヤシャビシャク一本くらいだった。


    この谷を越えてその向こうはもう県境の大沢崩れだ。ここまでで引き返す。

 航空写真でチェックしていった通りに広葉樹林の原生林が残っていた。しかし、富士南麓の森に比べると木があまり太く無く苔があまり付着していなかった。そして探している着生ランが生育し易い東から南側の木の面にはほとんど苔が生着していなかった。ノキシノブ以外はほとんどシダ類が着生していないところから見ても、この森に探しものが潜んでいる可能性は低いのではないかと思われた。もっと高度を上げると今度は本当の針葉樹林帯に入ってしまうはず、もう少し下を探したほうが良いのかも知れない。ちょっと偵察のつもりが5時間も樹林の中を彷徨ってしまった。敗退感が強い富士原生林の散策となってしまったが、ほとんど情報を持っていない中での初回の散策はこんなものだろう。いつかきっと素晴らしい森に出会える日が来るだろう。
 帰りはテープを追いかけて戻ってみたが途中で低木の藪に突入してしまい、抜け出たところで獣道のような細い道に出くわしてこれを無視して進むと草地に抜け出た。GPSで位置を確認すると横切った獣道のような細い道がどうやらルートだったらしい。草むらを踏み進み谷を横切って林道に抜け出た。


    テンニンソウの草むらに抜け出た。すぐ下でバイクのエンジン音が聞こえ、別の林道があるようだ(車は入れないはずだ)。


    林道に抜け出る直前のところに1本だけエゾスズランが咲いていた。


    大きなヤマホタルブクロ。

 時間は5時を過ぎていたが悔しいのでいつもの場所をもう1ヶ所ちょっとだけ立ち寄ってきた。


    もう満開になっていると思っていたのだが、意外とほとんどが蕾だったコイチヨウラン。


    今度は咲いていた。アリドオシラン。少し遅かった。


    リングライト搭載のマクロレンズで接写するはずだったのだが車の中に置き忘れてきてしまった。本日は最後まで失敗。

 今年はもうお目当ての着生ランを探し当てることは困難であろうから、また来年挑戦してみたいと思う。

花咲く北信の山、岩菅山を訪れる(前編)  平成30年7月16日

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 チョウジコメツツジ確認のため黒戸尾根の5合目まで登るか、それとも県外の山に行くか、かなり迷い、当日の朝まで決められずにいた。いずれにしても早起きして出かけなければ登れないので目覚まし時計を4時にかけてさっさと寝た。予定通り目が覚めて起き上がると、前日の富士北麓の森が堪えたようでふくらはぎが痛い。標高差1,500mの黒戸尾根5合目までを往復するには厳しそうである。一方、北信の山ならば場所を選べばさほど登らなくても良い場所もある。候補のひとつが湯の丸高原の池の平湿原である。たぶん、シテンクモキリが見られると思うし、ホームページを見ても見ごろと書かれていた。そしてもうひとつが日本二百名山の岩菅山である。岩菅山から裏岩菅山、さらにその先までの稜線のお花畑が素晴らしいと聞いておりいつか訪れてみたいと思っていた山である。完全フリーとなった3連休なので、ここを逃すと次はいつ行けるか全く分からなくなってしまう。距離は池の平湿原のほうが近いが高速を使うと移動時間は岩菅山も変わらない。ここはあまり行く機会が無いであろう岩菅山に行ってみることにして中央道を北に走る。

 8時に岩菅山の登山口一ノ瀬に到着した。混雑しているかと思ったが止まっている車は4~5台ほどで楽勝で駐車出来た。地図を確認し、GPSも持って出発である。足を心配していたが歩き出してみるとほとんど痛みが気にならない。不審者の如くまわりをキョロキョロして花を見ながら進む。


    一ノ瀬の駐車場。


    いざ、出陣。山頂までは普通に行けそうだがその先の稜線をどこまで行けるか?たぶん自分の足だと裏岩菅山が限界だろう。


    ちょっと登るといきなり出てきたツバメオモトの大きな葉っぱ。さすがは北信の山!


    用水路の脇を進む。


    見たことの無い花が咲いている。花はカラマツソウだが葉が??調べてみたらモミジカラマツという花だった。それと左にある蕾の花は山梨県ではほとんど見られなくなったオオガンクビソウだろう。


    川沿いに咲いていたオニシモツケ。用水路沿いにもたくさん咲いていた。


    向こうの橋を渡っていよいよ尾根に取り付き、本格的な登りになる。

 用水路沿いの道はほとんど水平だが、橋を渡ってからは急な登りになる。しかし登山道は良く整備されており、ところどころぬかるんだ場所が歩きにくい他は快適な登山道である。樹林帯の中ではあるがそれなりに花が咲いていた。


    ヨツバムグラと思って写真を撮っておいたが、後に図鑑で調べるとオオバノヨツバムグラと判明。葉が大きくて3本の筋がはっきりしている。


    樹林帯の中に咲いていたのでキソチドリと思っていたが・・・


    アップで撮った写真を良く見ると距が真直ぐに長く伸びており萼片が反り返らない。どうやらホソバキソチドリのようだ。


    コイチヨウランはほとんど蕾だったが少しだけ咲き始めているものもあった。


    稜線分岐に抜け出る手前でようやく山頂が見えてきた。結構遠くて尖っている。


    ノッキリという稜線の分岐に到着。ベンチに座って大休憩。

 かなりスローペース(というよりも三脚を担いで写真を撮りまくってきた)で来たためにノッキリまで3時間かかった。ここから山頂までは1時間ほどだろうがもともと山頂に立つことが目的では無いのでそんなに早く歩くわけがない。笹薮の中に広がるお花畑を念入りに覗き込みながら、2時間をかけて山頂に登り着いた。


    見上げる岩菅山。予想はしていたが大部分が笹で覆われている。その中に素晴らしいお花畑が広がっていた。


    まだ新鮮なゴゼンタチバナが残っていた。


    クマノミズキ?時々見かけるが名前わからず。


    ホソバノキソチドリはあちらこちらにたくさん咲いていた。


    オオバキスミレの葉か?ネットの記事を見ると変種のナエバキスミレらしい。


    初めて見る花。タテヤマウツボグサ。


    残念ながら少し時期が遅かった。一緒に花の終えたハクサンチドリが混ざっている。


    ハクサンシャジンだと思う。


    タカネアオヤギソウ(ユリ科シュロソウ属)


    カンチコウゾリナはあちらこちらにたくさん咲いていた。


    草むらの中を覗き込んでみるとタカネサギソウが咲いていた。この山の株はきわめて小型。


    小さなリンドウが咲いていた。タテヤマリンドウ。まだ咲き始めたばかりでほとんどが蕾だった。


    シロバナノニガナ。もちろん黄色もある。


    初めて見るアザミ。花が下を向いていて茎が太く、葉は丈夫で痛々しい。オニアザミ。


    シラネニンジンがたくさん。


    エゾシオガマ。見るのは久しぶりのような気がする。


    山頂間近。


    層状になった露岩。ここの地質は堆積岩。同じ岩を隣の根子岳でも見た。


    やっと山頂。

 8時過ぎに一ノ瀬登山口から出発したのに山頂到着は午後1時15分になってしまった。毎度のことだからかまわないのだが、あまりゆっくりしていると自宅に到着する時間が深夜になってしまう。なにせ甲府まで220㎞くらい距離がある。日没の7時までには下山したいところなので、この岩菅山山頂を4時に下山し始めれば十分なはずだ。裏岩菅山までなら行けそうなので小休憩して出発する。(後編に続く)



花咲く北信の山、岩菅山(後編)  平成30年7月16日

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 かなりゆっくり歩いて草むらの中を覗き込んでは写真を撮って登って来たので、予定では12時に到着するはずだった岩菅山山頂は1時間以上もオーバーして1時15分到着となった。ゆっくり休んで居られる時間では無くなってしまったので小休止して裏岩菅山を目指すことにした。しかしその先の稜線もお花畑が広がっており全く足が進まずさらには暑さと3連登の疲れも出てきて裏岩菅山山頂目前でバテバテである。


    岩菅山から見る裏岩菅山。近そうにも遠そうにも見える。標高は向こうのほうが高い。なにせ志賀高原最高峰である。


    クルマユリが点々と咲いている。


    クルマユリ


    そしてこちらの稜線もホソバノキソチドリがたくさん咲いていた。


    ホソバノキソチドリと裏岩菅山


    コバイケイソウと岩菅山の稜線


    コバイケイソウと奥志賀の山並。正面は大高山か?


    コバイケイソウとシラネニンジンのお花畑


    西側はスキーゲレンデのたくさんある焼額山。


    裏岩菅山に到着。時間は3時10分。

 途中で小分けに食事をとっていたが裏岩菅山でやっとまともに食事をとり、20分ほど休憩した。時刻は3時半となり、ずっと抱えて歩いて来た三脚をたたんで下山である。しかし戻りながら見る岩菅山への稜線の景色はまた登りの時とは一味違って素晴らしく、ついついシャッターを切るために立ち止まりなかなか足が進まない。約1時間かかって岩菅山に戻った。時刻は4時半、予定よりも30分ほどオーバーしているが道は明瞭なので夕暮れを過ぎたとしても下山は問題無い。


    岩菅山山頂にある避難小屋。


    なかなか快適そうだが水場が無いのが難点。


    下山しながら見つけたヨモギ。あまり見慣れないヨモギだが、調べてみたらヒトツバヨモギというものらしい。たぶん山梨県には無い。


    日没迫る頃に用水路沿いでまたまた珍しい(北信では珍しく無い?)花を発見。オオレイジンソウ。薄暗くてシャッタースピードが遅いので三脚を出した。

 途中で電話がかかってきたりしてやや時間を費やしたが、ヘッドライト点灯するギリギリの7時10分に登山口に到着した。残っていたのは当然の如く私の車だけだった。さほどの移動距離ではなかったが11時間も山の中に居たことになる。残念ながらいちばんお目当てだった花は全く見つかりそうな気がしなかったが、山梨県では見られない花にたくさん出会うことが出来て、かかった時間以上に有意義な山行だったと思う。高速を飛ばして10時前には甲府に到着した。


 こんな花にも出会えた。


    ここで出会えるとは思わなかった。さすがは北信の山!


    ほとんど蕾だったが咲き始めた新鮮な株もあった。


    山梨では富士山麓でしか見たことが無い貴重な白いラン、アリドオシラン。北信では普通にあるのだろうか?1ヶ所だけだったが数は結構あった。


    何これ?できそこないのヤマアジサイか?と思ったが・・・


    トリーミング。先端が少し白く開いているものがあるが、これで花が咲いている状態らしい。初めて見るヤマシグレ(スイカズラ科ガマズミ属)という花。


    こっちは少しブレている。もっときっちり撮っておくんだった。

冨士北麓山岳レインジャー活動  平成30年7月21日

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 山岳レインジャー活動と言っても遭難者の救助を行うのではなく、活動内容は植物の調査とシカ食害調査である。所属している山岳会に冨士北麓レインジャー活動の分担が当たっていたのだが探索調査と言って特に場所の指定は無い。そこでまだ山岳会で調査に入った事の無い場所を巡ってみることにした。といっても特別な場所では無くて自分自身では何度も巡っている主に着生植物の生育する場所である。予定では林道の上と下に車を置いて歩く予定だったのだが、猛暑の中を長い距離を歩くのはちょっと大変である。作戦変更して車で2ヶ所を移動することにして1ヶ所は時間を見ながら行けるところまで行くことにした。

 もう花は終わってしまっているだろうが、まずはフガクスズムシソウが生育する森を訪れる。


    林道脇に咲いていたセイタカスズムシソウ。花はもう散り始めていたが、初めて見る植物である。


    まだ蕾のオニノヤガラ。この形はまさに鬼の矢である。


    双眼鏡で何本も木を見上げてやっと発見。


    フガクスズムシソウ。やはりもう花が散ってしまっている。


    苔とシダの中に隠れるように生育している群落。


    こちらはかろうじて咲き残っていた。


    たぶん白花の株だが、散ってしまう直前。


    この場所はもう少し株数が多かったと思ったが?木の地肌が露出している部分が自然脱落してしまったらしい。着生植物の宿命だろう。


    こちらはヤシャビシャク。イガグリ状の種はほとんど付いていない。


    この木にはマツノハマンネングサが着生していた。


    マツノハマンネングサ。白っぽい蕾が付いているが花は黄色い。


    真ん中にあまり見かけないシダが付いている。イワオモダカ(ウラボシ科ヒトツバ属)。絶滅危惧種ではないが、上下に付いているオシャグジデンダというシダは絶滅危惧種。


    イワオモダカ。

 四苦八苦して木を見上げながら探していると、幸運なことに師匠と仰ぐ大先生が人を案内してやって来られ、混じって半分案内していただき、効率良く見ることができた。ご病気になられてもう歩いていないのかと思っていたのだが、想定外にお元気そうでなによりだった。

 さて、車に戻って移動し、もう1ヶ所訪れてみる。


    コイチヨウランはようやく見ごろを迎えた。


    アリドオシランはほとんど散っている。今年はツルアリドオシがほとんど咲いていないように見える。


    ベニカヤラン。結実した細長い種が付いているだろうと思ったのだがまだ種は熟していなかった。


    ツリシュスラン。昨年は花を咲かせなかったが今年は3本出た。


    1,140㎜望遠で見ると、暑さでなんとなくぐったりしているような気がする。あと2週間もすれば咲きそうである。


    おまけのタマゴタケ親子。保護区の中なので採取してはいけません。

 目的の花だったひとつにキバナノショウキランがあったのだが、5人で探したが一株も見つけることが出来なかった。一昨年も一株しか見つからず、おそらく激減してしまっているのだろう。コアツモリソウが咲くあたりまで行くつもりだったのだが遠雷が轟き始め少し近付いてきているように感じる。天気予報でも午後から夕立があるかも知れないという予報である。時刻は午後4時だが無理せずに本栖第1風穴、第2風穴を巡って撤退となった。

 それにしても今年の夏は暑過ぎる。花もこの暑さにまいってしまっていることだろう。

チョウジか?ハコネか?南アルプスのコメツツジを確認に行く 黒戸尾根  平成30年7月22日

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 黒戸尾根の刀渡りの岩場にコメツツジが咲いているが、山岳レインジャー報告ではハコネコメツツジとなっていた。しかし、南アルプスに生育しているコメツツジはチョウジコメツツジでハコネコメツツジは無いはずだという話を耳にした。これは確認に行ってみるしかないのだが、なにせ標高差1,500mほどある長い尾根を往復するには気合を入れて行かないと行き着けない。しかもこの猛暑の中を登るとなると水も多めに持って行かななければならない。撮影時間と花探しの時間を考慮して往復12時間を想定して約2.5リットルの水を持って朝7時から黒戸山を目指す。


    竹宇駒ケ岳神社を通り過ぎていざ出陣。


    トリアシショウマだと思う。トリアシ、ヤマブキ、アカのショウマ類の区別がいまひとつ自信無い。


    横手山付近のジンバイソウは数が減っており花穂がほとんど出ていない。出ていてもこのようにちぎれているものがあり、食害かも知れない。


    気の早いタマガワホトトギスが咲いていた。


    標高1800m付近で広葉樹林から針葉樹林の森に移行して行く。


    針葉樹林帯に入るとこの花が現われる。キソチドリ。


    ヒメミヤマウズラの花穂。一瞬マッチ棒、ことミスズランかと思って驚いた。


    山梨県では富士山麓でしか見たことが無いこんな花も咲いていた。


    アリドオシラン。出会えてビックリ!

 5時間ほどかかって午後1時過ぎに目的地の刀渡りに到着した。岩の間を探すと容易にコメツツジを発見することが出来た。花期を少し過ぎて痛み始めているが十分に観察可能である。さて、雄しべの数は何本だろうか?


    目的地、刀渡りのコメツツジ。


    花弁の先端はあまり開いておらず、形から見てもこれはチョウジコメツツジだろう。


    花弁の中を覗き込んでみると・・・予想通り雄しべは4本である。


    別株。やはり雄しべは4本。これはチョウジコメツツジである。

 これで課題はクリアであるが、その上の黒戸山ではそろそろコイチヨウランが見ごろを迎えている頃だと思う。途中にもたくさん咲いていたが固まった群落は黒戸山のほうが圧巻である。予定通りに黒戸山まで足を延ばしてみる。


    厳しい刀利天狗への登り。


    黄色いママコナ、タカネママコナ。


    登山道脇に咲いたキソチドリ


    刀利天狗の界隈にもコイチヨウランがたくさん咲く。


    刀利天狗。ここから先は傾斜が緩くなるが、黒戸山の尾根筋は距離が長い。


    ギンリョウソウ


    山盛りのコイチヨウラン


    コイチヨウラン群落


    コフタバラン満開だが、数は少ない。


    これも目的の花のひとつだったがちょっと遅かった。オサバグサ。


    イチヨウラン咲き残り。標高2200m付近だが白花では無かった。


    確認しておきたかったのがこのミヤマフタバラン。


    葉の数は結構あるが今年は花芽がほとんど付いていない。ハズレ年なのだろう。

 ミヤマフタバランは花芽が出ていないだけでなく他の場所は葉もあまり出ておらず、GPSで登録してあった場所を探したが見つからない場所もあった。黒戸山周辺は距離が長く、想定していた以上に時間がかかり午後4時に折り返して下山開始する。


    刀渡りの岩壁に咲いていた花。アカショウマだと思う。

 登りは足が疲れないようにかなりゆっくり登ってさほど堪えた感じではなかったが、下りは膝と足首に堪えた。入山時間が12時間を超えて水もそろそろ無くなりかけ、日没後の午後8時半にやっと駐車場に到着した。想定していた通りにヘロヘロ、かなりの脱水状態になったようで、帰りの車の運転で両手の親指が攣ってしまった。体重は3.5㎏も減っていたが、もともとの体重が重いので割合にすると大したことは無い。水を飲めば3~4日で元に戻ってしまうだろう。毎度大変な思いをする黒戸尾根であるがそれに見合うだけの魅力的な尾根だと思う。 

Super Mars 地球に接近した火星  平成30年7月31日

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 7月に入ってから夕暮れの南東の空でオレンジ色の輝きを放ちひときわ輝いていた火星がこの日地球に最接近し、一段と明るく輝いた。7月下旬から富士山頂に昇って来る火星を捉える機会を狙っていたのだが夕方はほとんど雲に覆われて富士山が見えてくれなかった。地球に最接近する7月31日、日中は雲に隠れていた富士山だったが日没が近くなると少しずつ姿を現してくれた。カシミール3Dで場所を確認し、富士川町の林道を訪れてみた。しばらくぶりに取り出すBorg300mmレンズだが、組み立ててみると富士山に焦点が合わない。鏡筒の長さが合っていないようで2~3度調整してようやく合うようになった。さらに星が8角形の光芒を出すようにフィルターを装着するのだがこれがまたうまくセットできない。そんなことをやっているうちにふと富士山を見ると、もうオレンジ色の光が富士山の上に出てしまっている。ほんの1∼2分の差でセットが完了できずに火星の出を迎えてしまう。


    カメラのセット完了した頃にはもう火星が現われてしまった。


    改造フィルター装着で8方向の光芒を放つオレンジ色の火星。予定では富士山の真ん中から火星が現われ、ダイヤモンドスーパー火星富士になるはずだったのだが失敗。


    別のカメラ。


    広角レンズ装着した別のカメラ。


    あっという間に月は富士山から離れて行く。霞と雲が広がる空で星も富士山も見え方はいまひとつだが、この季節見えているだけましだろう。


    11㎜超広角レンズ。右側にさそり座が寝そべり、うっすらと天の川が見える。


    17㎜レンズ。霞んだ空にも負けずに火星は明るく輝いた。


    もう少し遅い時間。空気があまり澄んでいないので天の川の写りはいまひとつ。


    別の場所から。右下が火星、真上に輝くのはわし座のアルタイル。

 なんとか富士山が見えたこの季節にしては好条件の日だったが、狙っていたダイヤモンドスーパー火星富士の撮影は失敗に終わってしまった。しばらくは明るい火星が見られるので、天候を見ながら別の場所から撮影を試みてみたいと思う。使い慣れたレンズでもしばらく使っていないとうまく使えないものだと反省させられた。

深山のフタバランを探して山梨県北部の山へ  平成30年8月5日

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 2週間前の黒戸尾根下山時に尾白川までもう少しというところで浮石を踏んで右足首を捻挫した。その時はあまり痛みを感じなかったのだが下山した翌日から足首を動かしたり荷重をかけると痛みがあった。湿布でもしておけば数日で引くだろうと思っていたのだが2週間過ぎてもまだ痛い。幸か不幸か先週予定していた瑞牆山山頂から狙う甲斐駒ケ岳に沈む月食の月は台風に阻まれて中止となり、ほとんど歩くことも無く静かにしていたのだがそれでもまだ痛みが改善しない。長時間を歩くには不安があり、あまりきつくない場所を選んで花探しに出かけた。花仲間からいただいた情報では山梨県北部の山にも深山のフタバランがあるそうで、時期的に見ごろを迎えていることと思う。

 さほど長距離を歩くつもりは無いので10時に登山口駐車場に到着すると、予想はしていたが路上までずらりと車が止まっており、300mほど手前の路上脇スペースに車を止める。


    稜線に抜け出ると、雲が巻いていたが富士山がなんとか見えていた。


    種になったバイカオウレン


    セリバオウレンもあった。


    まだ蕾だが、総苞片が黒っぽく数本の花を付けている。ヤハズヒゴタイか?タカネヒゴタイか?


    花の咲いている株を発見。標高は2,400mを越えておりタカネヒゴタイと思われる。

 標高の高いこの山域は日の当たる場所こそ暑いものの、樹林帯の中は下界とは比べ物にならないほどに涼しく快適である。気温は22℃くらいではないだろうか。苔の生えた針葉樹林帯の中を目的の花を探しながら目を凝らして進むがなかなか見つからない。


    コイチヨウラン。盛期を過ぎて終わりかけていた。


    この場所は10株以上固まって咲いていたが逆光でうまく写らず。


    フタバランがあったがこれでは無い。コフタバラン。


    コフタバラン群生

 想定していた場所では残念ながら目的の深山のフタバランは発見できなかった。場所を確認のため情報を提供してくれた花仲間に電話してみると・・・なんと!こちらではなくて反対側の山らしい。急いで戻って移動すれば行けない距離ではないが・・・。おそらくこちらにもあるのではないかと登山道を外れて森の中をさまよってみると・・・やはりこちらの森にも咲いていてくれた。


    やっぱり居ました。深山のフタバラン。


    針葉樹林の苔の生えた森の中を好んで生育している。


    少し離れた別の場所でも数株出会えた。


    マクロ接写。この株は唇弁にギザギザがある。


    登山道の脇を念入りに覗いてみると、少し奥まった場所に2株咲いていた。


    ミッション達成。こんな立ち枯れの森を前景に天の川流れる星空を撮りたいと思っており、下見もしてきた。

 目的の花に出会うことが出来たので、もうひとつの山は立ち寄らずに帰ることにした。実はもう1ヶ所、夕暮れの7時半ごろに瑞牆山山頂を貫いて国際宇宙ステーションが飛んで行く場所に撮影に行く予定をしていた。近くまで行ったのだが夕暮れの北の空は雲が広がって星が輝きそうに無く、途中で引き返して撤退となった。

 右足首は普通に歩くには問題無さそうだが強く踏ん張るには不安がある。来週はペルセウス座流星群、既に山小屋は予約した。機材を担いで頑張って登りたいと思う。


ペルセウス座流星群は流れたか? 権現岳  平成30年8月11日‐12日

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 ペルセウス座流星群が極大を迎えるのは8月13日の午前中、従って観察するならば13日の未明が良いのだが平日なのでなかなか撮影に出かけるのは難しい。1日早い12日の未明を狙って権現岳の山小屋に宿泊して狙ってみることにしたのだが、天気予報は曇で望みは薄い。しかし、未明の一瞬の晴れ間を期待して登ってみることにした。カメラ2台に三脚2本、さらには花の撮影も考慮して交換レンズは5本(といっても3本はマイクロ一眼レフ用の軽いレンズだが)を担いで8月11日に観音平から編笠山山頂を経由して権現岳に登った。編笠山まではそこそこに良い天気だったが青年小屋を過ぎたあたりから雲が湧き出し、権現岳小屋に到着した午後3時半ごろには小雨が降り出してしまった。5時半に夕食をいただき、8時ごろに夕空を見上げたが雲に覆われて全く何も見えない。明朝はどうなるのだろうか?


    編笠山から見る権現岳(右側)。左側の阿弥陀岳には雲がかかっているが権現岳は見えていた。しかし、この後雲に巻かれてしまう。


    トウヤクリンドウと霧に巻かれた権現岳小屋。

 深夜12時半、ふと目が覚めて窓から外を見ると星が見えていた。三脚をカメラを取り出して外に出るとオレンジ色の明るい火星が南東の空で輝き、天の川もうっすらと見えていた。撮影の前にちょっとトイレに・・・と用を足してくるともう霧に巻かれてしまい何も見えなくなってしまっていた。10分ほど待ったが星は見えそうもないので再び寝て今度は未明3時に起床して外に出る。空はほとんど雲で覆われていたが沈みかけた火星の輝きがはっきりと見えた。そして遂に、満天の星の輝く空が現れた。


    編笠山の遥か向こうに沈みかけた火星のオレンジ色の光が見える。


    左手の雲が光っている。稲妻は見えないが雷雲の中の稲光。


    そして遂に、星空が現われた。権現小屋の上に輝く星々。小屋の真上にプレアデス星団が輝いている。左端の明るい星がカペラ、その上がペルセウス座の一部。

 喜んで撮影予定地だった権現岳小屋の上にある展望台に登る。しかし到着した頃には・・・またしても雲に巻かれてほとんど何も見えなくなってしまう。狙っていた北側の赤岳・阿弥陀岳の方向は厚い雲に覆われて全く景色は見えそうもなかった。しかし、時折雲の切れ間から権現岳の山頂とその上にわずかに星が輝くことがあり、結露するレンズを拭き取りながら権現岳山頂側に狙いを定めてシャッターチャンスを待つ。


    霧に巻かれた権現岳山頂。時折星空が見える程度でほとんどが真っ白(夜だから真っ暗)な霧の中。


    オリオン座が昇って来た。


    薄明に昇るオリオン座


    もうすぐ夜明け。星の輝きは消えてしまった。一瞬だけ見えた南アルプス。

 夜明けとともに完全に雲に巻かれてしまい、もはや権現岳山頂が姿を現すことは無かった。残念ながら肉眼でペルセウス座流星群を確認することは出来なかった。

 しかし、撮影してきた画像を良く見てみると、小さい(あるいは霧のために小さくなった?)流星が数個写っていた。人工衛星の可能性もあるのだが、この2個は先細りした形と飛んでいる角度から見てペルセウス座流星群と思われる。


    トリーミング画像。権現小屋の屋根の上を飛んだ流星。


    同じくトリーミング画像。権現岳とペルセウス座流星群。雲の中で無かったならば肉眼で確認できたと思う。

 残念ながら今年のペルセウス座流星群も満足な画像は得られなかった。そもそも、まともにペルセウス座流星群を見たことは一度も無い。夏のこの季節は雲が多くて空が晴れず、なかなか好条件の日には当たってくれない。懲りずにまた来年挑戦である。眺望抜群の権現岳、ここから見る流星群をいつか撮ってみたいと思う。

編笠山から権現岳へ 編笠山に咲く花たち  平成30年8月11日‐12日

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 権現岳小屋泊りで編笠山山頂を経由して権現岳に登ったが、目的はペルセウス座流星群だけではなく昨年の9月に訪れた際にもう終わっていた花を見るという目的もあった。編笠山中腹でミヤマフタバランと思わしき花を発見したのだが既に花が散っており確認しておきたかったのがひとつ、もうひとつは権現岳に至る途中のガレ場にシコタンハコベという絶滅危惧種の花があるのを発見し、綺麗な状態のものを撮っておきたいと思っている。まずは前半の編笠山である。

 朝7時に観音平を出発する。下の駐車場は満車だったが上の駐車場はまだ余裕があった。花を探しながら写真を撮りながらの山行なので権現岳小屋到着4時を想定してかなりゆっくりの登山である。


    途中の雲海展望台。空は青空、雲の向こうに富士山が浮かんでいる。


    さっそく現れたピンク色の可愛らしい花。


    ミヤマモジズリ。ラン科の植物。


    固まって咲いている花にも出会えた。


    押手川の分岐点


    ここから本格的な編笠山への登りとなる。ツガ林と苔の生えた八ヶ岳らしい森の景色の中を登って行く。


    キソチドリが固まって咲いていた。


    そんな環境のところにはこの花も咲いている。


    目的の花のひとつ、ミヤマフタバラン。残念ながら花期は少し過ぎていた。


    地味なマニア向けの花。しかし出会えるととても嬉しくなる。

 目的の花のひとつ、ミヤマフタバランに出会うことが出来た。昨年は結実した花と葉を見つけたがやはり間違い無くミヤマフタバランだった。この先はハシゴを登って樹林帯を抜け出て森林限界を超えるのだが、さらに傾斜がきつくなって登るのが大変である。


    苦手のハシゴ。息が上がる。


    ハシゴのあたりからヒゴタイの花がたくさん現れる。このあたりは総苞片が緑のものが多く、ヤハズヒゴタイあるいは高山型のミヤマヒゴタイだろう。


    森林限界を超えて編笠山山頂付近のヒゴタイ。総苞片や茎が黒く葉の切れ込みがはっきりしている。ここまで来るとタカネヒゴタイと言って良いと思う。


    ミヤマアキノキリンソウ


    シナノオトギリ


    終わりかけているが、タカネマツムシソウだと思う。タカネマツムシソウとマツムシソウの区別が良くわからない。山梨県レッドデータブックではタカネはDD(情報不足)になっている。


    編笠山山頂。人が多かったのでスルーして青年小屋まで下りる。


    見下ろす青年小屋と権現岳。真ん中の尖っているのはギボシでその右側にあるゴツゴツした山が権現岳。


    ミヤマアカバナ。ほとんどが結実していた。


    青年小屋に到着。

 12時45分に青年小屋到着した。1時までにここを出発の予定だったので若干到着が遅れた。午後からは雨の予報だったのでここで天候が悪化していれば青年小屋泊りも考えていたが空を見上げる限りでは青空が見えており大丈夫そうだ。ここで昼食をとり休憩し、権現岳を目指す。(花咲く権現岳に続く)


    

編笠山から権現岳へ 花咲く権現岳  平成30年8月11日‐12日

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 権現岳小屋泊りで編笠山山頂を経由して権現岳に登ったが、目的はペルセウス座流星群だけではなく昨年の9月に訪れた際にもう終わっていた花を見るという目的もあった。前半の編笠山でミヤマフタバランを確認し、もうひとつの目的の花、権現岳に至る途中のガレ場にシコタンハコベという絶滅危惧種の花があるのを発見していたのでそちらもじっくりと見ておきたい。今度は後半の花咲く権現岳である。

 青年小屋で昼食をとって休憩した後、ほぼ予定通りの午後1時に青年小屋を出発して権現岳を目指す。心配していた天候だが空を見上げる限りでは青空が見えているが山の上には雲がかかり始めていた。おそらくは降り出す前に権現岳小屋にたどり着けるはずだが、登り始めるとすぐに霧の中に突入してしまった。なので景色の写真は全く撮っておらず花の羅列になる。


    ヒメシャジンとコバノコゴメグサ。いずれの花もこの先の稜線から山頂までたくさん咲いていた。


    ハナイカリ。ここに咲くハナイカリは背が低くて別物のように見える。


    トウヤクリンドウ。気難しいこのリンドウは天候が悪いと花を開いてくれない。


    どっさりのトウヤクリンドウだが開花している花はひとつも無い。


    タカネナデシコ


    ミヤマオトコヨモギ。これで咲いている状態だと思うのだが?


    ミヤマオトコヨモギとタカネヒゴタイ


    咲いていました。目的の花。


    シコタンハコベ。山梨県絶滅危惧種ⅠA類。


    こんな岩の間を好んで咲く。満開は過ぎているようだが十分に楽しめる。


    ハコベの中では大型の花だと思う。赤い葯がアクセントを添えて美しい花。


    思っていたよりもたくさん咲いていて嬉しかった。

 星撮り用の撮影機材を詰め込んだ重いザックを担いだまま小さな花を撮るために立ったりしゃがんだりを繰り返していると両足の太腿が攣ってしまって足が進まなくなってしまった。ザックを下ろして水分を補給してシコタンハコベが咲くガレ場を眺めながらしばし休憩である。すぐに足は元に戻って歩き始めるが、雲行きが怪しくなり時折小雨が混じるようになってしまった。怖いのは雷であるが岩が濡れると上部にある鎖の付いた岩場も歩きにくくなる。もう少し撮りたかったのだが少しばかり先を急いで小屋に向かい、3時半に権現岳小屋に到着した。

 夕食は5時半からだそうだ。まだ時間はあり、本降りの雨にはならなそうなので山頂付近の花を散策に出かける。こちらもまた素晴らしい花がたくさん咲いていた。


    トウヤクリンドウと霧の権現岳小屋


    トウヤクリンドウとタカネヒゴタイ


    ほぼ同じような場所に咲いているがこちらは茎が緑で全体的に大型である。ミヤマヒゴタイになるのだろうがおそらくタカネと同じものだと思う。


    ミヤマヒゴタイ


    岩の隙間にミヤマダイモンジソウが咲いていた。水の少ないところでもこの花が咲くのは不思議な感じがする。


    ウメバチソウ。あちらこちらにたくさん咲いている。


    大株のタカネナデシコ


    ヒメシャジンと権現岳山頂。花が終わりかけているのが残念。


    こちらは超大株のヒメシャジン。このあたりは鹿の食害にあまり遭っていないようだ。


    咲き残っていたミヤマミミナグサ


    ミヤマアキノキリンソウ。別名コガネギク。

 花咲く権現岳山頂付近をぐるりと回って楽しんだ後、5時に小屋に戻った。幸い雨はほとんど降らなかったが景色は何も見えず、狙っていた北天の星空とペルセウス座流星群はこの時点で赤信号である。午後8時ごろには南アルプスの上を国際宇宙ステーションが通り過ぎて行くはずだったがほぼ絶望的である。本日の権現岳小屋宿泊者は3人だけで、夕食をいただいてから小屋に泊まられていた女性と小屋番さんと山談義にふけり、気が付けば消灯時間間近の7時半になっていた。星空はあきらめてさっさと8時に寝ることにする。その後の星空は前述の記事に書いたとおりである。

 翌朝は未明3時から日の出過ぎの5時まで撮影を粘ったがたいした写真は撮れなかった。小屋で朝食をとって5時半から下山するが、マクロレンズでシコタンハコベを撮りたかったので同じルートを下山した。しかし霧に巻かれたうえに風で花が揺れ、思うような撮影は出来なかった。


    シコタンハコベ再写。たくさんあるが花付きは決して良くは無かった。もっと良い年があるはずだ。


    シコタンハコベとタカネヒゴタイ


    マクロ接写。露の付くシコタンハコベ。


    編笠山巻き道で出会った花。


    形が小さく葉の紋様が明瞭で、ヒメミヤマウズラで良いと思う。


    こちらのルートにもミヤマフタバランがあった。

 午後からは雷の予報だがたくさんの登山者が登って行った。中には小学校低学年の子供連れの親子も居たのだが大丈夫だったのだろうか?11時には駐車場に到着したが帰りの高速道路では雨が降り出してきた。星空の撮影はならなかったが花咲く編笠山と権現岳は十分過ぎるくらいに楽しんで来た。特に権現岳のガレ場から山頂にかけて咲く花たちは素晴らしかった。権現岳は眺望も素晴らしく、景色の撮影も含めて必ずまた登る日が来るだろう。

夏の花咲く大蔵高丸へ  平成30年8月18日

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 保護柵で囲われてから3年目になるだろうか。大蔵高丸からハマイバ丸にかけての稜線はアザミを中心とした植生の復活が著しく、今年6月下旬に訪れた際に著しく数が増えているセイタカトウヒレンに驚かされた。そろそろ咲いている頃ではないかと期待して、花仲間と職場の仲間を誘って5人で出かけてみた。6月以降滅多に晴れる日が無くなかなかスッキリと姿を現さなかった富士山だが、この日は朝から秋晴れのような青空が広がり富士山が姿を現してくれた。


    湯ノ沢峠のお花畑と大蔵高丸


    ノハラアザミが咲く草原


    大蔵高丸山頂。少し雲が巻いているがこんなに富士山が見えるのは久しぶりである。


    甲府盆地越しの南アルプス

 この日は気温もさほど上がらず山上の散策には絶好の日和となった。お花畑を楽しみながらゆっくりと歩いて大蔵高丸に到着する。富士山を眺めながら休憩である。湯ノ沢峠駐車場は7~8台の車が止まっていたがこちら側を歩いている人はあまり見かけず、どうやら小金沢山側に登っている登山客が多いようである。休んだ後にハマイバ丸のお花畑までまたまたゆっくりと花を楽しみながら散策する。


    アザミ類ではいちばん多く見かけるノハラアザミ。総苞片が粘らない。


    登山道脇に咲いていたコウリンカ。今が盛りであちらこちらにたくさん咲いていた。


    今が盛りのコウリンカ。柵の外にも咲いており、鹿はあまり食べないらしい。


    コウリンカ群落と富士山


    ハマイバ丸のお花畑。マツムシソウ満開。その他の花もたくさん咲いていた。


    ツリガネニンジン。白花もちらほらと混じっている。


    ヤマハハコ


    コオニユリ


    クガイソウかと思っていたがちょっと違う。


    ヤマトラノオ(だと思う)。葉柄が無く葉にはほとんど毛が生えていない。


    花のマクロ接写。花だけ見てもヤマとヒメの違いはたぶん分からない。


    期待していたセイタカトウヒレンだったが、まだ咲いていなかった。残念。


    少しだけ咲き出したセイタカトウヒレン。


    こちらも期待していた花、ヒメヒゴタイ。


    まだ咲いていない。昨年に比べるとだいぶ小ぶりである。昨年が良過ぎたのだと思う。

 ハマイバ丸の少し先まで行って昼食となる。その先は下りになるので帰りの登り返しが大変だ。ここまでにして昼食をとって引き返すことにした。


    立ち寄って来た草地にはまだこの花が咲いていた。


    ムラサキ


    やっと出会えたフナバラソウ。思っていたよりも小さかった。


    当然花は散った後だったが、種は付いていなかった。


    花も富士山も存分に楽しんで下山。

 湯ノ沢峠から歩くとさほどの高低差も無くハイキング気分で楽しめる大蔵高丸からハマイバ丸の稜線である。保護柵が設置されてから花が復活して特にこの季節のアザミ類は素晴らしくおすすめである。しかし、ゲリラ豪雨の影響で湯ノ沢峠駐車場に至るダートの道がえぐれて荒れており、車高の高い車でないとだいぶ走り辛くなってしまっているので注意が必要である。

富士北麓の草原に咲く花たち  平成30年8月19日

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 花仲間5人が集まって富士北麓の草原に観察に出かけた。前日に続いてこの日も青空が広がり、富士山が良く見えていた。草原なので前日の大蔵高丸と似た花も咲いているのだがこちらでしか見られない花も多くある。


    ニッコウキスゲ。後ろは富士山。


    マツムシソウと富士山


    ネジバナ。大部分は終わりかけていた。


    ハンゴンソウ


    カセンソウ


    コウゾリナ


    フシグロ


    コオニユリ


    どこにでもありそうだが意外と見かけないこの花。


    イヌハギ。山梨県絶滅危惧Ⅱ類。


    小さなヤマジソ。


    これくらいが本来の大きさだと思う。


    期待していたキクアザミはわずかに咲いていたのみだった。ヒメヒゴタイは蕾だったがいずれもだいぶ数が減ってしまっている。


    圧巻だったのがこの花。


    若干花期を過ぎているがまだ十分に見られる。今年は花数が多く、大きな株も多い。


    たくさん咲いていたヒナノキンチャク。


    そしてもうひとつ見ておきたかったのがこれ。


    2018年山梨県レッドデータブックから絶滅危惧種(DD類)の仲間入りしたヒロハノカワラサイコ。


    場所を若干移動していたが数が増えて大株が何株も見られた。


    そして咲き残りのこの花、初めて見る花。


    ハナハタザオ。もっと高度の高いところに咲いている花だと思っていたのだが、こんなところに咲いているのかと驚きの出合い。

 花仲間と一緒だったおかげでかなり効率良く広大な草原の中の花を見て回ることが出来た。見たかった花のひとつは5人でかなり丁寧に探したものの見つからず、昨年もかなり数が減っていたので心配である。この草原も鹿の食害が深刻になりつつある。

白雲のラン 山中湖近傍  平成30年8月19日

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 富士北麓の草原を観察後、日没にはまだ時間があったのでもう1ヶ所、白雲のランが咲く場所を訪れてみた。この場所は過去に1度だけ様子を見に来たことがあるが、その時にはもう花期を過ぎていて咲き残った数株しか確認できなかった。今回も若干遅いかも知れないがまだ咲き残っているはずだ。


    居ました。森の中にひっそりと咲いている白雲のラン。


    ほとんどが2~3個の花を付けている株だった。あまり大株は見当たらない。


    5輪花を咲かせた個体。下部の1輪は後ろ側にある別株が重なっている。


    若干花期を過ぎていたがそれでもたくさんの花に出会えた。


    2株並んでいた株。


    不思議な形をした花。ランには見えない。


    近くにはコフウロが咲いていた。


    小さな花を接写してみるとなかなか綺麗な花である。

 散在的に数ヶ所自生地がある山梨県の白雲のランであるが、山肌が乾燥してきて年々個体数が減少しつつある場所もある。この場所もすぐ近くまで土地の開発が進んできており、このまま咲き続けるのは難しいのかも知れない。

笛吹市の公園に咲くカワラサイコ  平成30年8月25日

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 昨年別の花を探しに訪れた際に発見したヒロハノカワラサイコと思わしき植物、もはや花は咲き終えているかも知れないが見に行ってみた。黄色い花が咲いていればその可能性が高いのだが先日その花を観察してきた富士北麓の草原はもう花期を過ぎていたうえに今回の場所はだいぶ環境が違い標高が低い。同じ花かどうかはもう一度良く観察してみないと結論は出ないであろう。


    笛吹市の公園。この草地の中に目的の花がある。


    かなりの個体数があるのを確認。


    やはり花はもうほとんど終わっていたが若干咲き残っている花があった。


    花を見る限りでは富士北麓の草原で見たものと同じに見えるが・・・


    地面を這わずに立ち上がって咲いている。これは別物なのでは・・・?

 この時点ではまだ正体がわからず、画像を持ち帰って解析することにする。そして富士北麓のものと葉を比べつつ、ネットの情報を見て正体が判明した。これはヒロハノカワラサイコでは無くてカワラサイコのほうだった。


    カワラサイコが立ち上がって咲くのに対してヒロハノカワラサイコは地面を這うように咲く。いちばんの違いは葉っぱ。こちらは葉が細いカワラサイコ。


    こちらは富士北麓で見たヒロハノカワラサイコ。ヒロハというだけあって切れ込んだ葉の幅が広い。

 一見しただけでは判断が難しいが、2つを並べてみると違いは明らかである。ということで、笛吹市の公園に咲いているのはカワラサイコと判明した。

 もう1ヶ所、こちらはまだ咲いていないかも知れない。


    やっぱりまだ咲いていない。


    栄養葉(背の低い黄緑色の葉)と花を咲かせる葉は別に出るらしい。


    まだ2週~4週くらい先になるのだろうか?ツメレンゲ。

 台風が去ったばかりだというのに気温は下がらずこの日も猛暑日となった。車の温度計は37℃を示していた。しゃがみ込んでカメラを構えているだけで額から汗がしたたり落ちる。いつになったら涼しくなるのだろうか?花も参っているように思う。




遅かれしマツノハマンネングサ 富士北麓の森  平成30年8月25日

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 葉だけは何度か見ているが咲いている花をまだ一度も見たことが無いマツノハマンネングサ。今年こそは見たいと機会を伺っていたのだが天候が不順なうえに空き時間もとれず行けず仕舞いになっていた。この日は午前中に職場の防災訓練があったのをすっかり忘れていて、別の用事で職場に行ったところちょうど始まったばかりのところだった。説明会に出席しておきながら肝心の日程は頭の中から完全に消えていた。仕事を片付けて訓練に参加し、終わればもう12時近い。笛吹市の公園の花を見てから現地に行くのだが、6時半から夕食会が入っており現地に居られるタイムリミットは5時である。急いで山に登り見ておいた木に向かうが・・・??見つからない。間違えたかと別の木に行くが違う。さらにもう1本・・・無い。元の木に戻って良く見ると着生しているのが確認できた。


    林床にはミヤマウズラが点々と咲いていた。


    ミヤマウズラ。もっと大株もあったのだが撮っている余裕無し。


    目的のマツノハマンネングサ。なかなか見つからずようやく発見。


    正面に回り込む。手前にあった木の枝が延びて見にくくなり発見できなかったようだ。


    570㎜望遠に変えるが・・・残念。花は終わっていた。


    トリーミング。星型の種になっていた。


    倒木の上に咲いていたコフウロ。

 もう少し探してみたかったが時刻は5時に迫り、急いで車に戻って食事会に向かう。主催者だけに遅刻はまずいのだが、なんとか1分前に会場に到着した。

 マツノハマンネングサは来年に持ち越しになってしまった。着生している場所が高いので、もう少し撮り易い場所を山梨県内で探してみたい。

リンドウは咲いているか? 八ヶ岳へ  平成30年8月26日

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 あまりお目にかかれないリンドウが八ヶ岳に咲いているらしく、花仲間から情報をいただいて覗きに行ってみた。下界はおそらく猛暑日だったであろうが八ヶ岳の沢沿いは比較的涼しく歩くには快適な気温だったが想定していたよりも遠く、しかも入り口を間違えて30分以上も時間をロスするというアクシデントもあった。


    やっと見えてきた八ヶ岳。さらにこの先はちょっと厳しい沢登り。


    岩壁に咲いていたミヤマダイモンジソウ。


    沢沿いに咲いていたトリカブト。


    清涼な滝とトリカブト。葉の切れ込みが深くホソバトリカブトと思われる。


    トリカブトと八ヶ岳の岩峰


    ミヤマオトコヨモギ


    探していた花のひとつ、ミヤマアケボノソウ。


    背が高くて風に揺れてなかなか撮らせてくれないうえに、花は開いていなかった。


    花弁は捻れて閉じている。開花はもうすぐのようだ。

 いくつか滝の脇を巻いて沢を登って行くと草むらの中にお目当てのリンドウが姿を現した。下流のほうは花が開いていなかったが上流は日当たりが良く開花していた。まだ満開前の新鮮な花ばかりで撮影にはいちばん良い時期だった。


    下流で見つけた花はまだ開いていなかったが、帰り際には陽が差し込んで一部開花していた。


    上流の草むらの中は居心地が良いようで、たくさん咲いていた。


    滝を背景に咲くリンドウ


    谷の奥に広がる草原に咲くこの雰囲気が素晴らしい。


    貴重な植物 尾上のリンドウ


    八ヶ岳のこの花は色が薄いのが特徴らしい。

 四方を岩壁に囲まれた荘厳な谷の奥に広がる草原は訪れる人も少なくリンドウにとっては居心地の良い環境のようだ。しかしこの場所も鹿の食害は酷く、一説によると背の高い植物が食べ尽くされて日当たりの良い草地になったおかげでこの背の低いリンドウが生育するに良い環境になったとも言われている。鹿の食害が全て悪とは言えないのかも知れない。


精進湖の月  平成30年8月26日

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 この季節にしては珍しく夕方になっても雲が湧かずに富士山がスッキリと見えている。朝霧高原からパール富士が狙える日ではあるのだが山頂に月が現われるのは午後7時半ごろで日没から1時間ほど過ぎている。この日に狙うならば剣ヶ峰で割れる多光芒パール富士、と決めていてGPSに座標点も登録済みである。八ヶ岳から下山後、中央道から見える富士山には雲がかかっておらず狙えそうである。しかし下山時間が遅かったので時間的にギリギリで、急いで朝霧高原に向かう。なんとかパール富士の15分前に現地到着出来たのは良かったのだが・・・県境を越えたあたりから霧が出始め、朝霧高原道の駅に到着した時には完全に霧に巻かれて富士山は見えそうも無い。とりあえずレンズとカメラは取り出したが・・・無理そうなので座標点まで行かずにあきらめる。パール富士の時間を過ぎた頃に霧の中からうっすらと月明かりが透けて見えるようになりその10分後には富士山も姿を現した。わずかな時間差でパール富士ならず、1カットも撮らずに撤退し精進湖に移動する。


    精進湖に昇る月。一旦霧は晴れたが再び湧き出した。おそらく朝霧高原は霧の中だろう。右上の星は火星。


    湖面に映る月


    WBオート(雰囲気優先)


    WB白色蛍光灯

 夏のパール富士は雪が無いのであまり面白く無いと個人的には思っているが山中湖側から見る赤富士と重ねると素晴らしい風景になる。冬と違って雪煙に悩まされることが無いので多光芒パール富士を撮影するには好都合ではあるのだが、空気が澄まないことが最大の難点である。本日は夏にしては珍しく空気が澄んだ日だったのだが、予期せずに現れた霧に阻まれてしまい残念な結果となってしまった。

 明朝は山中湖から朝のパール富士が狙えるのだが、八ヶ岳で汗だくの体で山中湖に向かう気にはなれずこのまま撤退となる。

椹池のサワギキョウと水辺に咲く花たち  平成30年8月29日

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 湿原の少ない山梨県ではサワギキョウが見られる場所は少ないが、この椹池に咲くサワギキョウは情報が公開されている。そろそろ見ごろを迎えている頃だと思うので訪れてみた。


    椹池。真ん中に写っている浮島にサワギキョウが咲いている。


    まだ少し早いかと思っていたのだが既に終盤だった。


    湖面に映して咲くサワギキョウ


    別角度から


    湖面に垂れ下がるように咲くサワギキョウ


    かつては池のほとりにもたくさん咲いていたのだそうだが、鹿の食害でだいぶ減ってしまったそうだ。


    同じように紫色の鮮やかな花 コバノギボウシ。

 他にもこの高層の池には様々な珍しい植物が生育している。


    池の中から固まって姿を現している植物


    カンガレイ


    葉のような茎の先に花を付けている。花に花茎を付けていればサンカクイだが、直接花が咲くこれはカンガレイ。


    浮島の中に白い花。それと左側の水際にも何か咲いている。


    570㎜望遠レンズを取り出す。


    さらに1140㎜。茎が円い。どうやらホタルイ(カヤツリグサ科ホタルイ属)のようだ。


    その下にも何か花の散った後の植物があるが何だか分からない。


    この白い花も初見の花。


    アギナシ(オモダカ科オモダカ属)。下方は結実しており上方は蕾。下から順に花を咲かせるらしい。


    ヒルムシロ(ヒルムシロ科ヒルムシロ属)。花は咲いていない。


    コシロネ(シソ科シロネ属)。ヒメシロネよりも小型で枝分かれしない。


    コシロネ


    似ているが別物。イヌトウバナ(シソ科トウバナ属)。


    アキアカネがとまるサワギキョウ。

 ちょっと見に行くつもりが2時間以上も楽しませてもらった椹池だった。水辺の植物は山の植物とは全く違うものが咲いていて新鮮な感じがする。

山梨県北部の草原を散策  平成30年9月1日

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 予定では北岳だったのだが・・・仕事の日程調整をして準備していたのだが生憎の雨の予報となり中止となってしまった。まだ見た事が無いサンプクリンドウやヒメセンブリだが、これでまた来年に持ち越しになってしまう公算が高くなってしまった。この季節に毎年行こうと思いながら日程の調整と天候がうまく合わない北岳。いつになったら行けるのか?

 早朝に雷が鳴って雨が降ったが、日が昇って明るくなった頃には止んだ。しかしいつまた降るかもわからないどんよりとした空なので長時間をかけて歩く場所は避けたい。草原ではアザミ類が見ごろになっているだろうから、昨年も訪れた山梨県北部の草原を訪れてみることにする。到着前は霧に巻かれて視界が悪かったが現地に到着した頃には霧が晴れて一時青空も見えた。


    保護柵で囲われた草原は花がいっぱい。


    痛いノハラアザミ


    痛く無いタムラソウ


    タムラソウとミドリヒョウモン(雌)


    シラヤマギクとノハラアザミと左にタムラソウ


    アキノキリンソウとノハラアザミ


    なかなか見つからなかったもっと痛そうなアザミ


    モリアザミ、別名ゴボウアザミ。


    反り返った総苞片のトゲが痛そうだ。


    期待していたセイタカトウヒレンだったがまだほとんどが蕾。しかも夏の厚さで葉が焼けて枯れそうだ。


    少しだけ開いていたセイタカトウヒレン。

 アザミ類だけではなくて他にもさまざまな花が咲いていた。


    マツムシソウ満開


    踊るマツムシソウ


    マクロレンズで捉えたマツムシソウ


    クルマバナ


    草原の定番、ツリガネニンジン


    こちらも草原の定番、オケラ


    これも定番、かな? シシウド


    タチフウロ


    ヤマトラノオ。葉に柄が無い事を確認。


    トリカブト


    マクロで中を覗いてみると。雄しべが縄で巻いたようにたくさんある。


    ヤマハハコ


    キオン


    ハンゴンソウ


    マルバタケブキ


    これは何? 葉は互生している。


    花はニガナに似ていてキク科のようだが?図鑑で調べたが不明。

 3本のレンズを駆使して草原に咲く花を3時間ほど撮りまくってきた。ちょうど車に戻った頃から雨が降り出し、一時雨足が強まったが街中まで移動した頃には雨は上がっていた。それなりに楽しめた草原の花見だったが・・・やはり北岳に行けなかった残念な気持ちが残ってしまう。
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