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四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

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     前日の6月30日(土)は日差しがあり、比較的良い天気だったが、当直明けでとても歩く元気は出ない。7月1日はお昼ごろから雨の予報で、朝から空はどんよりと曇り空だ。行くならば午前中だけで行ける山、そういえば、先週甘利山のレンゲツツジが満開だとローカルニュースでやっていたのを思い出す。普段ならば大混雑の甘利山だが、天気の悪い日はマニアックな人たちしか歩いていないはずだ。朝7時に自宅出発し、甘利山に向かう。
     予想通り甘利山の駐車場に止まっている車はまばらだ。霧雨に時折小雨が混じる天候で、カッパにスパッツを装着、さらに傘を差して出発する。濃い霧に巻かれているが、撮影には都合良いことにほとんど無風状態だ。

        甘利山駐車場。天気が悪く、車はまばら。


        本日のお目当て、レンゲツツジ。登山道脇に咲いていたもの。


        霧に巻かれた甘利山に森は、いつもとは全く違った雰囲気。深山幽谷の世界に飛び込んだよう。

     満開の時期には1週遅く、ほとんどの花は散り始めてしまっていた。富士山を入れてこのレンゲツツジを撮影しようとするカメラマンが多いであろうが、この霧に巻かれたレンゲツツジもなかなかの趣がある。人が少なかったことも幸いして、三脚を担ぎながら木道を歩き、心行くまで撮影させてもらう。

        霧に咲くレンゲツツジ  若干時期が遅かった。


        木道の両脇にたくさん咲く。


        ヤマドリゼンマイの群落


        甘利山山頂。人は少なかったが、それでも20人近い人と出会った。中にはマウンテンバイクを担ぎあげて来た人も・・・。

     東側斜面はもうほとんど散りかけていたが、山頂を越えた南側(千頭星山側)や南西側斜面ではまだ新鮮な花が残っていた。足元の花に気をつけながら歩いていると、たくさん咲いていたキンポウゲの他にハクサンフウロ、グンナイフウロ、そしてノギランと何だかわからないランを一株だけ発見した。

        山頂の向こう側に咲き残っていたレンゲツツジ


        霧に咲くレンゲツツジ?


        ハクサンフウロ


        梅雨に咲くグンナイフウロ


        ノギラン  登山道脇に1株だけ発見したが、それらしい葉は他にもあった。


        名前のわからないラン(だろう)

     1時間もかからずに散策できる甘利山だが、2時間以上もうろついた。10時を過ぎた頃から徐々に雨足が強くなりはじめ、10時半過ぎに駐車場に戻った。たくさん人が訪れる甘利山だが、探せばいろいろな花にお目にかかれそうだ。


        存分に楽しませていただきました、レンゲツツジ様。来年は今年以上にたくさん咲いてください。



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     前日の甘利山のレンゲツツジは若干時期が遅かった。それでは、もっと北側にある横尾山はどうだろうか?この山のレンゲツツジはだいぶ減ってしまったという記事をどこかで読んだ記憶があるが、レンゲツツジの季節に横尾山を訪れるのは初めてだ。
     午後から出発して信州峠の駐車場には午後2時に到着した。週末は混雑する信州峠だが、平日は誰もいない。と思っていたら、私と同様に地元の人と思わしき方が信州側から車でやって来て、軽装で登って行った。途中ですれ違って話をすると、私と同様にレンゲツツジがお目当てのようだ。駐車場の向かい側に登山道入り口があり、樹林帯の中を進む。足元の花に気をつけながら歩くが、目ぼしい花は見つからない。

        横尾山登山道入り口


        樹林帯の中の登り。最初は緩いがしだいに傾斜が急になり、最後は岩混じりの道になる。

     約1時間ほど歩いてカヤト野原に到着。一気に展望が開ける。レンゲツツジの木は思っていた以上にたくさんあるが、こちらも1週間ほど遅かった。甘利山同様、ほとんどが散り始めていた。草むらの中は人が歩いたと思われる踏み跡が縦横無尽に走っている。かつてはこの山にもたくさん咲いていたらしい、あの花を探した跡なのだろうか?

        カヤト野原のレンゲツツジ。1週間ほど遅かった。


        気持ちの良い横尾山カヤト野原


        アヤメがぽつぽつと咲く。


        グンナイフウロもカヤトに紛れてぱらぱら咲く。

     カヤト野原から横尾山山頂へは若干の登りとアップダウンがあり、ところどころ滑りそうな岩がゴロゴロしているところもある。再び樹林帯に突入し、横尾山山頂を目指す。こちらも足元に注意しながら歩き、ランを発見したかと思ったらスズランだった。カヤト野原から1時間ほどで横尾山山頂に到着、ここに来るのは6年ぶりだ。山頂の山梨百名山標柱はかなり傷んでいて、揺らせば倒れてしまいそうだ。

        ところどころ岩が混じる。スリップに注意。


        横尾山山頂。

     時間はジャスト4時。本日この山に来たのはこの先の道がどうなっているか下見することもある。稜線を辿って清里の飯盛山まで行けるのだが、車の回収が厄介であまり歩く人がいないルートだ。いつか歩いてみたいと以前から思っているルートのひとつだ。横尾山を過ぎてからの道は籔っぽいところもあるにはあるが、普通に道がついていた。レンゲツツジからヤマツツジに変わり、こちらはちょうど見ごろを迎えていた。登山道の両側にドームのようになって咲いているところもあった。草地もあれば、大菩薩嶺縦走の時を思い出させる笹の茂るところもある。道は迷うところ無く、しっかりとついていた。45分ほど進み、次のピークが見えたところで休憩して5時に折り返した。

        レンゲツツジからヤマツツジに変わる。


        古い道標がついていた。


        ここのレンゲツツジは見事。他の木もこれくらい花をつけてくれると、凄い景色が楽しめそうだ。


        笹原の道。大菩薩縦走の時に雰囲気が似ている。


        ヤマツツジ満開


        ヤマツツジのドーム

     帰りは登山道周辺の林や草むらを捜索せずに真面目に歩いたところ、25分ほどで横尾山山頂に到着した。つまり、行きは45分かかったが寄り道が多くて実際の距離はあまり歩いていないということだ。カヤト野原は予定通り6時に到着。ここで残照の瑞牆山を撮影する予定だったのだが、霧が湧いて景色は全く見えなくなってしまった。小休止して下山、6時半に駐車場到着した。

        ノコギリソウ。カヤト野原で見つけたが、途中の稜線にあったものは鹿に食べられていて上部が無かった。


        このあたりは眺望が抜群。瑞牆山を撮影して下山の予定だったが、霧に巻かれて眺望得られず。

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     三ツ峠に行くのはほとんどが富士山撮影目的だ。雪の降った後の白い山並み、ツツジを前景にした富士、月光照らす富士と夜景など、何度か登っているが、そのいずれもが御坂天下茶屋側からの最も短いルート、林道のような道を登ると、昼も夜も関係無く1時間少々で山頂にたどり着ける。今回は初めて裏側の清八峠側から歩いてみた。
     登山口はいつもと同じ天下茶屋の下からだが、今回は直登する林道ではなく左のゲートを越えて清八峠側に進む。清八峠側の林道を終点まで行き、突き当たりの尾根を右に曲がれば三つ峠に行く尾根道だが、それよりもかなり手前、ゲートから20分ほど歩いた細い川沿いに籔っぽい道を発見した。果たしてこの道はどこに行く道だろうか?入ってみるとすぐ先に川を渡る橋が架かっており、道が続いている。さらに砂防ダムを越え鹿防護柵の脇を過ぎて進むと、さらに道は明瞭になり橋を何本か通過して抜け出たところは清八林道右側の伐採地だった。鉄塔が2本立っているのが見える。上に見える鉄塔が三ツ峠に登る尾根道に立っているものだ。手前の鉄塔を回り込んで登る道が見えたが、手前の鉄塔側の下に行ってみるとその先の道は鹿の防護柵の中に続いていて入れない。戻って下の道を行けば良いのだが、ここはちょっと籔歩きトレーニング、草むらをかき分けて上に立つ鉄塔まで直進する。

        細い川の右岸にある道らしきものを発見。その先に橋がある。


        入り口側はところどころ道不明瞭だが、進んで行くと明瞭な道が出現する。


        何本か橋が架かる。それほど古い橋には見えない。鉄塔整備の道ではなく林道が通じる前の旧道なのだろう。


        出たところは鉄塔の立つ伐採地。向こうに見える鉄塔が三ツ峠に登る尾根道に立つ鉄塔。


        ここは故意に籔コギ、鉄塔に向かって直進する。

     鉄塔の足元に到着した頃に霧が深く立ち込めるようになり、さらに遠雷が数回ゴロゴロと轟く。林の中に隠れて15分ほど様子を見たが、その後は雷鳴は轟かず、登ることにする。最初は急登だが、15分ほど登ると道は平らになり、その先は多少のアップダウンのある道に変わる。霧の中を歩き、先がどうなっているのか見えなかったこともあるが、なかなか登りにならず、道を間違えたのではないかと思うほど長く感じた。30分ほど歩いてようやく御巣鷹山に登る急斜面に到着した。ここからは標高差300m弱の急登りとなる。

        霧が巻き、遠雷が鳴る。鉄塔の先に三ツ峠への登山道が続く。


        登り始めの急登。


        クサタチバナ。この花も鹿が食べないらしく、食害に遭った山ではこれが多く残っていると聞く。


        いよいよ御巣鷹山への急登り。最初は岩場になっている。

     表側から登ると富士山撮影目的のカメラマンばかりが目立つ三ツ峠だが、こちらの原生林はなんと静かなことだろうか。大菩薩嶺、茅ヶ岳と並んで喧噪の三ツ峠も一歩裏側に入ると全く違う山の姿を見せてくれる。霧の巻いた林の中は静寂さが漂い、奥深き山の自然を存分に楽しませてくれた。

        ヤグルマソウ群落。静寂さが漂う三つ峠原生林。

     山の雰囲気を存分に楽しみつつ、1時間ほどで電波塔の立つ御巣鷹山山頂に到着した。時間は16時50分、ゲートからちょうど3時間の行程だった。この山頂の草地はロープや防護柵が張られて大切に保護されている。オオバギボウシに混ざってアヤメが咲いている。きっと昔はアツモリソウもたくさんあったのだろうが、今では見られなくなってしまっている。

        アヤメとオオバギボウシ


        アヤメの群落


        ヤマオダマキ

     ゆっくりと草地を散策して標柱の立つ三ツ峠山頂に行く。平日の夕方、かつ霧で富士山が見えないこともあって山頂を独占、忘れ物のストックが1本あっただけだ。まわりの岩地やガレ地、さらに草地を見渡すといろいろと咲いている。富士山ばかりに気を取られていた三つ峠だが、植生も豊かな山であることを改めて感じた。

        霧で富士山見えず、誰もいない静かな三ツ峠山頂。


        シモツケ


        ヤハズハハコ


        キジムシロ


        ネバリノギラン


        まだ蕾だが、これはおそらくテガタチドリ。こんな花も咲く。





     

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     偶然の平日休みがとれたので相棒の植田さんとともに桜平から硫黄岳・横岳を歩いてきました。ウルップソウはちょうど見ごろでしたが、数はあまりたくさんありません。コマクサは咲き始め、来週あたりから見ごろになると思います。もう終わっていると思っていたツクモグサは2株咲き残りを発見、ほとんどが綿毛になっていました。詳細は後日。

        イチヨウラン 林道脇で発見。結構ありました。


        キソチドリ(だと思う)  これもちらほら。


        オサバグサ これはたくさんありますが、今年は背丈が小さくもう終わりかけていました。


        ミヤマシオガマと硫黄岳


        八ヶ岳  硫黄岳山頂から。


        コマクサは咲き始め。


        コマクサ(白花)と硫黄岳


        ヤツガタケキスミレ


        ウルップソウ


        ウルップソウと硫黄岳


        咲き残っていたツクモグサ


        綿毛のツクモグサ


        横岳稜線のお花畑

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     今年の7月3連休は白馬岳と予告していたが、気圧配置が悪く雨に降られるのはほぼ確実だ。そこで、山行予定日の数日前から気圧配置と雲画像を見ながら、天気の持ちそうなところを探していた。最も雨が少なそうな場所は・・・福島と群馬あたりだ。

     平成24年7月14日(1日目)

     7月14日、ヨッシ−隊の5人は予定通り朝5時に山梨病院駐車場に集合した。那須岳も候補のひとつだったが、折角メンバーの皆様シュラフやマットなど揃えてくれたのに、テント泊しないのは申し訳ない。しかし、福島・群馬方面でテント設営できる山となると限られてくる。そこで、今回は登らずにテントが張れる尾瀬に行くことに決めた。メンバーの1人を途中で拾い、計6人で尾瀬に向けて出発する。
     予定では鳩待峠から入り、尾瀬ヶ原の見晴まで行ってテント設営、翌日燧ケ岳に登ってもう1泊、最終日は至仏山を越えて鳩待峠に戻るという計画だった。ところが、食事1回分を見晴の山小屋にお願いしようと思って電話してみたところ、見晴のテント場は現在工事中で使えないという。そこで作戦変更、山の鼻のテント場は使えるので、ここにテント1張して余計な荷物を置いて行き、見晴の山小屋に1泊して翌日燧ケ岳に登り、山の鼻テント場まで戻るというコースに変更した。2日目の移動距離が20km近くなってしまうが、さて、いかがなものか??

        鳩待峠。ほとんどの人がハイキングスタイルの中、異様な重装備のヨッシ−隊。


        山の鼻到着。ここにテントを設営して荷物を置いて行く。

     11時、戸倉スキー場到着、バスで鳩待峠に移動し、山の鼻には午後1時ごろに到着した。一人用テントを張ってシュラフやマット、余計な食料などを置いて行く。昼食休憩後、尾瀬ヶ原を散策して見晴に向かう。連休なので宿は混雑しているかと思いきや、当日電話してあっさり宿泊所を確保できた。本日の宿は弥四郎小屋だ。

        尾瀬ヶ原の池糖。浮いている葉はヒツジグサ。


        逆さ燧ケ岳


        離れた池糖にオゼコウホネ発見。2輪発見しました。


        ナガバノモウセンゴケ


        スギナモ流れる川

     三脚を出してゆっくり撮影したかったが、3連休とあって人が多く、とても三脚を立てている余裕など無く、カメラ手持ちで撮影する。たくさん咲いていたピンク色の花は全てトキソウだと思っていたら、色の濃い花はサワランであることを山小屋に到着してから知った。

        トキソウ。たくさん咲いていました。


        こちらはサワラン。色が濃くて鮮やか。


        ヒオウギアヤメと燧ケ岳


        ヒオウギアヤメ群落


        ニッコウキスゲと燧ケ岳


        キンコウカ(黄色い花)と竜宮小屋


        オニノヤガラ。竜宮小屋の先の林で発見。


        もうすぐ見晴。


        何だこれは?花の散った後??調べてみたらクロバナロウゲという花でした。バラ科キジムシロ属。


        見晴到着。正面が本日宿泊地の弥四郎小屋。

     午後4時、宿泊地の弥四郎小屋に到着。受付を済ませて部屋に案内してもらうと、なんと、8畳一部屋を6人で貸し切りだった。混雑を避けるためのテント装備だったのだが、あの重装備はいったい何だったのだろうか?まあ、これも次の山行に向けての経験とトレーニングということで勘弁してもらおう。宿泊して驚いたのは、立派なお風呂が付いているということ。入浴できるのは東電温泉小屋だけかと思っていたら、尾瀬の山小屋はどこでもお風呂が付いているそうだ。そうとは知らず、着替えをテントに置いてきたのはちょっと失敗だった。ゆっくりお風呂に浸かり、6時夕食。おかずはハンバーグだった。その後、夕暮れの尾瀬ヶ原をプチ散策し、部屋に戻って持参した日本酒で乾杯。残すと明日の荷物が重くなるので、とにかく全部(といっても900ml、しかし、飲んだのはほとんど3人だけ)飲んで、ほろ酔い加減をやや過ぎたくらいに酔っぱらったところで、午後9時、就眠する。

        夕暮れの燧ケ岳と見晴の山小屋

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     平成24年7月15日(2日目)

     前日はなんとか雨に降られずに済んだが、この日は前日よりも雲が厚い。金星と月が接近する未明3時半に起き出し、燧ケ岳の上に昇る月と金星を撮影するが、燧ケ岳山頂には既に雲が巻いている。

        燧ケ岳に昇る月と金星


        夜明け前の燧ケ岳。雲が巻いている。


        これから燧ケ岳に向けて出発。

     本日は移動距離が長く、10時間程度の行動時間が予想されるため、朝4時に起床して自炊で朝食をとり、5時半に小屋を出発する。目指すは燧ケ岳、標高差約900mの登りだ。樹林帯に入り、最初は緩い昇りだがしだいに傾斜がきつくなり、やがて霧の中に突入して視界が悪くなり、想定していた小雨が降り出す。

        霧と小雨の急斜面を登る。


        稜線まで間近。しかし、その後も急登りが続く。


        中腹で見つけたテガタチドリ。

     ペースがあがらず、男性3人には先に行ってもらうことにしたが、後にこれが裏目に出ることとなる。コースタイムでは3時間半ほどだが、女性1人が相当へばってしまい、最初のピーク、柴安?山頂に到着したのは10時半、5時間かかったことになる。ひとまずはここが燧ケ岳最高点なので登頂したことにはなるのだろうが、予定では10時までに通過するはずだった。俎?を通過して燧ケ岳周回すると相当な時間がかかるので、ここから引き返すという手段もあったのだが・・・しかし、先行した男性3人は既にそのピークにはおらず、先に行ってしまったようだ。そうなると、どこかで待っているかも知れないので先に進むしか無い。あいにく、ドコモの携帯電話は圏外で電話連絡がとれなかった。

        柴安?山頂付近に咲いていたハクサンシャクナゲ


        柴安?山頂。霧で視界が悪く、尾瀬ヶ原は見えず。


        次のピーク、俎?に向けて急斜面を下る。

     早目の昼食をとって、隣の俎?(まないたぐら)向けて急斜面を下る。雨で濡れて滑るうえに、残雪が一部残っておりドロドロの泥沼道と化していた。スリップに注意しながら下り、今度は岩混じりの急登りとなる。そして柴安?から30分ほどで俎?に到着した。ここにも先行した3人はおらず、小休止後さらに先に進むことになる。そしてその先のルートで問題が発生・・・。

        柴安?からの下り。一部雪が残る。道は泥沼化。


        イワキンバイの群落


        俎?への登り


        俎?山頂。後ろにおられる男性の方に、柴安?から俎?までの間いろいろ面倒を見ていただき、たいへん助かりました。ありがとうございました。

     俎?から先に進むがその先もドロドロの道が続く。途中の雪渓の脇にサンカヨウが群生しており、さらにその先に探していた花、キヌガサソウを発見。初めて出会う花に感動する。真っ白な花かと思っていたが、花弁にはうっすらと赤紫色の模様がついていた。ここは三脚を出してきっちりと撮影する。その先に進むと、途中にロープが張られていた。気にせずに先に進むと、長英新道の下り口に到着してしまう。予定ではナデッ窪ルートを下りるはずだったのだが・・・。下に尾瀬沼と沼尻の休憩所が見える。近くにいた人に尋ねると、ナデッ窪ルートは残雪のため通行禁止になっているそうだ。長英新道を下りて尾瀬沼3分の1周するしかない。距離にして約4?、1時間以上余計に時間がかかることとなる。果たして何時に山の鼻のテント場に到着することやら。その前に、ヘバっている女性は山の鼻まで歩けるのだろうか??

        雪渓脇のサンカヨウ群落


        キヌガサソウ群落。初めて見る花。


        キヌガサソウ


        見下ろす沼尻。予定ではあそこまで直下りするはずだったのだが・・・

     止む無し、腹を決めて長英新道を下りる。この道はかなり削れていて窪みがひどく、しかもドロドロの道で、きわめて歩きにくい。相当ピッチを落として歩いたつもりだったが、女性2人がなかなか追いついて来ない。12時に長英新道を下り始め、尾瀬沼の分岐点に到着したのは午後2時半になってしまった。女性一人はかなり足が痛そうだ。ここから前日宿泊した見晴までは6.5km、普通に歩けば2時間ほどだろうが、今のピッチでは3時間はかかるだろう。山の鼻までは到底歩けそうもない。考えに考えて、足を痛めた女性一人はなんとか見晴まで頑張って歩いてもらい、山小屋にもう1泊してもらうことにする。もう1人の女性は十分に元気なのでここで先に山の鼻まで行ってもらい、私が夜8時ごろに到着することを先行した3人に伝えてもらうことにした。

        長英新道中腹から見下ろす尾瀬沼。まだ遠い。

     見晴に向かって木道をゆっくりと歩く。あまり景色を楽しんでいる余裕はなかったが、ピッチが遅いので花を探す余裕がある。コバイケイソウやツルコケモモ、ハクサンチドリなどの他に、林の中の道沿いでめったにお目にかかれないショウキランに出会うことができた。3時半、沼尻休憩所を通過、売店は既に終わっていて、水の入ったタンクだけ置かれていた。そしてちょうど日没の午後6時15分、見晴に無事到着、前日と同じく弥四郎小屋に飛び込みで泊めていただくことができた。

        コバイケイソウと尾瀬沼湿原


        ツルコケモモ


        ショウキラン  これにお目にかかれるとは、超ラッキー!!


        尾瀬沼尻の休憩所


        女性1人は弥四郎小屋にもう1泊してもらう。

     小屋にもう1泊してもらった女性は、明日の午後1時から2時の間に鳩待峠バス停で待ち合わせすることにして、一人で戻ってきてもらうことにした。私は夕暮れの尾瀬ヶ原をテクテクと山の鼻に向けて一人歩く。すると、先行した男性の一人が心配して迎えに来てくれた。ピッチを上げて一緒に戻ると明日の至仏山に堪えるので、私が持っている一人用テントのポールとバーナーを持って行ってもらい、もう一張りテント設営してもらうことと、食事の準備をするように指示し、先に戻ってもらうことにした。

        夕暮れ時の尾瀬ヶ原

     日が沈み、暗くなってそろそろヘッドライトが必要な時間になった。昼間の喧噪が嘘のように静かな尾瀬ヶ原、しかも風が無い。まるで、写真を撮ってくれといわんばかりの状況だ。誰もいない尾瀬ヶ原、靴を脱いで靴下で木道をゆっくりと歩く。右手には靴をぶら下げ、左手には三脚とカメラを担ぐ。昼間とは違う夜の尾瀬ヶ原を堪能した。前日、ホタルが飛ぶかもしれないと山小屋で聞いていたが、川の流れる周辺では5〜6匹飛んでいるのを見ることができた。

        夕暮れの池糖


        夕暮れのニッコウキスゲと至仏山


        夕暮れの逆さ燧ケ岳を狙ったがこれはいまいち。

     午後8時20分、山の鼻に到着。ちょうど夕食のスパゲッティをゆでているところだった。この日も持ってきたアルコール、今度はホワイトホース(予定が白馬岳だっただけに)ボトル1本だが、さすがにこれは飲み切れず、3分の1ほど残してノックアウト。メンバーはさすがに疲れたようで、明日の至仏山は皆乗り気ではない。私の今回の最大の目的は至仏山に咲くホソバヒナウスユキソウを見ること、明日はなんとしても登りたい。相談の上、私一人で至仏山に行くこととなり、一人用テントで寝て、明朝メンバーより一足先にテント撤収して登ることになった。火力の強い私のバーナーはメンバーの食事を作るのに必要なため、あらかじめアルファ米とレトルト牛丼を作っておいて明朝に備える。

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     平成24年7月16日

     前日燧ケ岳でメンバーは疲弊、というよりも、テント装備を持っても至仏山は少しきついかもしれず、また、女性1人は見晴の山小屋に宿泊しており、本日鳩待峠で合流することになっている。私はどうしても至仏山のホソバヒナウスユキソウに会いたくて、この日は一人で至仏山に登り、メンバーとは午後1時から2時の間に鳩待峠で合流することにした。
     普通に登れば山頂まで3時間半ほどだろうが、前日の疲れとテント、カメラ機材の重さ、さらに撮影時間を考えると5時間は見たほうが良い。山頂から鳩待峠まで2時間として、11時に山頂、そこから逆算すると5時ごろには出発したほうが良い。テント撤収時間を考えて、朝4時に起床してテント撤収する。朝食は軽くパンで済ませて予定通り5時に出発する。

        朝霧巻く至仏山


        燧ケ岳からの日の出

     3連休でこの日がいちばん天候に恵まれた。薄雲の向こうに青空が広がる。時間が早かったのでまだ歩き始めている人は少なかったが、前日の疲れで若干ふくらはぎに筋肉痛あり、だらだら歩きしていると次々に登山者が登って来て、ことごとく追い抜かれた。森林限界の看板のあたりで休憩して、前日準備しておいた牛丼を食べようとすると・・・無い!アルファ米の白ごはんはあるのだが、牛丼の具がザックの中に見当たらない。おかずになるものはお湯に溶かしてすぐに出来上がるカレーしか無い。しかし、バーナーは他のメンバーの食事準備のために置いてきてしまったのでお湯が沸かせない。止む無く、水で溶かしてみるが全く溶けず、スプーンで崩して混ぜることになる。ごはんにかけて食べてみると・・・ジャリッという食感、やはりうまく溶けてくれない。半分ほど食べてあきらめ、あとはソイジョイで我慢してまた登る。

        木の階段道。登山道はきわめて良く整備されている。


        登山道脇に咲いていたダイモンジソウ


        ここのダイモンジソウはおしべとめしべがカラフルで美しい。


        ここから森林限界。ここで朝食を取ろうとしたが、牛丼の具を紛失。満足に朝食取れず、ショック。

     森林限界を超えると、蛇紋岩の露出したすべりやすい道になる。鎖のついているところもあるが、踏み場所が悪いとツルっと滑ってしまう。続々と登って来る登山者にはことごとく道を譲って最後尾を歩く。

        蛇紋岩の岩にステップが切られている。


        鎖場。ここは若干渋滞した。


        中腹で見つけたウスユキソウ。探しているのはこれではない。

     高度を上げて行くと、ハクサンコザクラがちらほらと咲き出した。さらに登山道脇を見ながら登って行くと、図鑑で予習してきた花が咲いている。オゼソウだ。数本見つけたかと思ったら、さらに上では群落になって咲いているのを見ることができた。さらに、ガイドさん付きの団体の後ろを歩いていると、あまりお目にかかれないクモイイカリソウを発見してくれた。

        ハクサンコザクラの群落


        ハクサンコザクラ


        オゼソウ


        オゼソウ群落


        クモイイカリソウ


        続々と登って行く登山者の行列。そして、見えている稜線の上まで登ると驚くべき光景が・・・

     蛇紋岩のゴロゴロした急登りの登山道を登りつくと、木道の整備された緩い傾斜のところに登り着いた。そしてその周辺には驚くべきお花畑の光景が広がっていた。ホソバヒナウスユキソウがこれでもかというくらいに咲いている。その中には色鮮やかなヨツバシオガマがたくさん、さらにピンク色のキク、ミヤマアズマギクかと思ったら、ガイドさんらしき方がジョウシュウアズマギクと解説していた。谷川岳を中心とした群馬県にだけ咲く花だ。ここで完全に足が止まった。三脚を取り出して、心行くまで撮影する。

        至仏山のお花畑  北岳や八ヶ岳とは全く違うお花畑が広がる。


        赤紫色の花はヨツバシオガマ、ピンクの花はジョウシュウアズマギク、そして白い花が今回のお目当て、ホソバヒナウスユキソウ。


        向こうに見えるのは中岳(左)と越後駒ケ岳


        尾瀬ヶ原を見下ろす


        ジョウシュウアズマギク


        ホソバヒナウスユキソウ


        ヨツバシオガマとホソバツメクサ(?)


        見にくいが、タカネシュロソウ、別名ムラサキタカネアオヤギソウ


        イワイチョウの群落と、これから歩く尾根を望む。

     お花畑にすっかり感動し、三脚を担ぎながらゆっくりと歩いた。そのほかにムシトリスミレやキバナノコマノツメの変種、ジョウシュウコマノツメ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイなども咲いていた。蛇紋岩は塩基性(アルカリ性)の岩で、この土壌に咲く花は限られている。標高がほぼ同じくらいの燧ケ岳にはあまり花が咲かず、こちらの至仏山にはたくさん咲くのはこの土壌の違いによるところが大きい。至仏山山頂は10時10分に到着、予定した5時間だ。大混雑していたのでここはスルーして小至仏山まで行き、ここで昼食にする。

        至仏山山頂。大混雑、三角点の標柱見つからず、山頂の石標をなでてきた。


        山頂付近の美しい岩群。下に見えるのは奥利根湖とならまた湖。


        小至仏山と笠ヶ岳


        ヨツバシオガマ群生

     朝食で残っていたカレー混ぜごはんを食べるが、今度はごはんになじんでいて食べられる。さらにソイジョイと小さなパンを食べてゆっくり休憩する。時間は11時を過ぎた。ここから鳩待峠まで約2時間、待ち合わせの時間に到着できそうだ。この先、休憩所もあったのだが、水場で水を補給した以外はほとんど休まずに下る。1時間ほど下ったところで、岩の上でたそがれている男3人を発見、近付いてみれば、ヨッシ-隊の3人ではないか。山小屋に宿泊していた女性1人が予想よりも早く山の鼻に到着したそうで、鳩待峠に早く到着し過ぎてここまで登って来たそうだ。合流して快速なピッチで下山したが、さすがに足が疲れて残り1kmのところでペースダウンし、1時15分ごろに鳩待峠到着した。これでメンバー全員が揃った。

        鳩待峠に下る尾根。建物が見えるところが鳩待峠。


        途中の休憩所は大盛況。


        右の岩の上でたそがれている男性3人、近付けば我らがメンバーだった。

     1時40分ごろのジャンボタクシーに乗り、戸倉スキー場の駐車場に到着。帰りに花咲の湯で温泉につかったが、ここで眠気が襲い、30分ほど寝かせてもらった。予想通りの関越道渋滞に巻き込まれ、甲府には9時半ごろ到着した。
     会いたいと思っていた花にこれほど出会えるのも珍しい。特にショウキランは大収穫だった。さらに至仏山のお花畑、こんなに凄いとは思ってもいなかった。トラブルもあったが、良い山行ができた。

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     前日埼玉県入間市で1966カルテットという若手美人演奏家のコンサートがあった。演奏曲はこのブログ内でも時々YOU-Tubeから載せているビートルズとクイーンをクラシック調にアレンジしたものだ。2ケ月ほど前に座席を予約したので、前から3列目の好位置でコンサートを満喫、トークも演奏も素晴らしかった。

     気分を良くして群馬に向かう。行く先は武尊山。登山口は何ヶ所かあるが、ちょっとしたトレーニングのつもりであまり人が入っていないだろうと予想される川野谷野営場からのルートを選択した。登山口には夕方7時半には到着できそうだったが、空を見ると真黒な雲が広がり、雨が降りそうだ。さらに、日が沈むと雲間に稲光が走っているのが見える。車内泊を予定していたが、これはヤバそうだ。宿を確保してオリンピックを見ながら泊ることにする。テレビ画面のテロップには、群馬県に大雨雷注意報が出されていた。

     翌朝は4時半に起床して川野谷野営場に向かう。広い駐車場兼キャンプ場には誰もおらず、避難小屋にも宿泊した様子は無かった。5時50分、出発する。数日前の当直疲れがまだ抜けないのか、歩き始めから体がだるくて鉛のようだ。少し歩いただけで息が上がり、汗が滝のように流れ出る。不動岳への分岐を過ぎた後から急登が始まるが、とにかく辛い。ピッチを遅くしても、休憩しても呼吸が整わない。

        川野谷野営場と避難小屋。管理人さんがいるのかと思っていたが誰もおらず、自由に使って良いらしい。ただし、トイレは使用不可。


        不動岳の分岐。ここを右に進む。間もなく急登が始まる。


        ロープ場。ここは滑りやすくて慎重に登る。下りのほうが大変。その他に木が1本階段代わりに寄りかけてあるところもあった。


        大きな柏の木。プナやクヌギなど、立派な広葉樹林の木々が立ち並ぶ。


        急登を登りきると道が平らになる。このあたりはツガの樹林帯。


        古い道標が置かれている。この先に進むとオグナ武尊スキー場からの道と合流する。


        ツルアリドオシ。道の脇にちらほらと咲いていた。

     悪戦苦闘すること3時間45分、なんとか標高2,040mの前武尊に到着した。時間は9時35分。絞れば汗が滴る下着を、たまたま持参していた新しいものにここで着替える。ゆっくり休憩していると、4〜5人の人たちに追い抜かれた。ここから武尊山までは標高差で約160m、あと少しだと思っていたが全く甘かった。地図で見る限りでは穏やかな尾根歩きかと思っていたのだがそうではなく、岩場をアップダウンする悪路、間違って踏み外せば大変なことになりそうな岩場もある。

        オグナ武尊スキー場の最上部に飛び出す。前武尊はすぐそこに見えるが、なかなか着かない(ように感じた。)


        石像が立つ。


        前武尊岳山頂にやっと到着。「日本武尊像」が立つ。


        前武尊からは一旦下りとなる。眼前に鋭鋒が迫るが、これは登らずに巻き道になっている。


        剣ヶ峰鞍部の道標。真直ぐに岩を登れば岩峰の上に立てるが、そんな余裕全く無し。巻き道を行く。


        剣ヶ峰岩峰の側面に着いていたミヤマダイコンソウの群落

     一旦下ってまた登り返し、剣ヶ峰鞍部からさらにまた崖を下って登り返し、苦節1時間ほどで眺望の良い家の串(標高2,103m)に到着した。この先でようやく目指す武尊山が見えるようになるが、まだ遥か彼方に見える。川場谷野営場から登り5時間で11時山頂と見ていたが、既に時間は10時45分だ。体力の消耗もいつも以上にひどい。ここまで来たからにはもう一頑張り。しかし、またこの道を帰るのかと思うと・・・


        登り返して標高2,103mの家の串に到着。この先でようやく武尊山山頂が見えるようになる。


        右が中の岳、左が目指す武尊山。細尾根が続き、目指す山頂は遥か彼方に見える。


        コメツツジと武尊山

     家の串からまた下りとなり、岩尾根を通過して中の岳目指して登って行くと、中腹であっさり武尊牧場からの道に合流した。中学生と思わしきグループが10人ほどで休憩しており、こちらからのルートがメインルートになっているらしい。中の岳を越えて行くのかと思っていたがここは巻き道になっていた。その先に「菩薩界の水」と書かれた細い水場があり、さらに枯れている鳳の池、たまり水のある三ツ池を通り過ぎて山頂へと向かう。この三ツ池周辺にはキヌガサソウが群生していて、少しだけ疲れを癒してくれた。

        武尊牧場分岐点(中の岳南の分岐点)


        枯れている鳳の池


        三ツ池の周辺に咲いていたキヌガサソウの群落


        キヌガサソウ。ここの花は真っ白。(燧ケ岳では中に薄紫色の紋様がついていた。)

     山頂への最後の登りをほぼ惰性で登り切り、12時15分、武尊山山頂に到着。川野谷野営場から6時間半近くかかったことになる。(ちなみに昭文社地図のコースタイムでは4時間半くらい。)やや混雑している山頂は即座に下りて、その手前のヤマトタケル像が立つ岩のところで昼食をとる。2.5リットル持ってきた水は残が800mlとなってしまう。

        ヤマトタケル像が立つ岩場の横を通り過ぎて山頂へ。あと少し。


        6時間半近くかかってようやく到着した武尊山(沖武尊)山頂。


        ヤマトタケル像の足元にお邪魔して昼食。

     20分ほど昼食と休憩をとり、また長い道を帰る。立ちあがる時に右足の内転筋が攣ってしまい、屈伸運動を十分に行ってから歩き出す。水が足りなそうだったので「菩薩界の水」を汲んだが、300ml汲むのに10分以上かかった。葉屑が少し混ざってしまったが、夏とは思えない冷たくておいしい水だった。あとはひたすら川野谷野営場を目指して歩くだけだ。

        歩いてきた尾根を振り返る。前武尊は右側のピークの裏側になり、ここからでは見えない。これからまたあそこを歩いて帰るのかと思うと・・・先が思いやられる。下に見える水たまりが三ツ池。


        岩場に咲くコキンレイカ(ハクサンオミナエシ)。向こうに見える山はあちら側の剣ヶ峰山。


        剣ヶ峰岩峰の家の串側。鎖がついていて登れそうだったが、とてもそんな元気無し。


        剣ヶ峰岩峰。上に先行した若者が立つ。

     予想通りこちら側のルートを歩く人は少なかったが、あまり歩かれない理由も少しわかった。下りは4時間くらい、午後5時15分に無事下山。

        川野谷野営場に到着。止まっているのは私の車だけ。途中に新しい踏み跡があったので、こちらから入山した人がいたはずだが、おそらくはほんの数人だけだろう。

     トレーニングどころではない、大変な登山だった。標高差、距離とも7月に訪れた桜平から硫黄岳・横岳ルートとあまり変わらなかったのでそれほど苦労しないだろうと思っていたのだが、体調不良以上に歩きにくいルートだった。下調べと、もう少し日常のトレーニングが必要と反省させられた。

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     木星と金星が接近している夜明けの東の空は、そろそろオリオン座も加わって賑やかになっている。以前から撮りたいと思っている風景、それは月光に照らされた薬師岳岩峰と富士山の上に昇って来るオリオン座だ。この日は十七夜の月が西に傾いた頃に夜明けを迎える日で、月をライティングに利用するには絶好の日だ。昨年も同じような条件だった8月中旬、ペルセウス座流星群とともにオリオン座を狙ったが、薬師岳の手前、砂払山での撮影に留まった。今年こそは・・・という思いがあったが、早い時間の出発は難しく、今回は南御室小屋にテント泊し、深夜に出発して未明の薬師岳を目指すことにした。

     平成24年8月4日
     業務を終えて甲府を出発したのは10時半になってしまう。コンビニで買い物し、夜叉神峠登山口を出発したのは12時半。流れる汗をぬぐいながら夜叉神峠まで80分もかかった。峠から見る白根三山は見事に雲の中だ。夏場のこの気温ならば山には雲が湧いて当然だ。雷に出遭わないことを願うだけだ。

        夜叉神峠登山口、12時半に出発。さすがにこの時間に登って行く人は見かけない。


        夜叉神峠。白根三山は雲の中。

     夜叉神峠の先の急登を登り、夜叉神の森、杖立峠の長い登りを越え、苺平には午後5時半に到着した。最近の鳳凰山はトレイルランの名コースにでもなっているのか、10数人のトレイルランナーとすれ違う。減速せずにやって来るランナーもいて、避けるほうも気を使う。そして6時15分、ひとまずは目的地の南御室小屋に到着した。さっそくテントの受付を済ませて幕営する。深夜にテント張ったままで星空の撮影に行くこと、撤収がお昼を過ぎるということを小屋番さんに話し、翌日のテント設営客に邪魔にならないよう、いちばん隅にテントを張らせていただいた。

        夜叉神の森。大きな倒木が横たわる。


        杖立峠。雲はますます厚くなっているように見える。果たして星は見えるのか?

     南御室小屋の水は冷たくておいしい。引かれたホースから出ている水もあるのだが、ここは冬に訪れた時に汲み慣れている水場に行って汲む。これこそ本当の南アルプス天然水だ。水場のまわりにはクルマユリや特産種のカイタカラコウなどが咲いていた。小屋の前で図鑑を見ながらテガタチドリの在処を小屋主さんに尋ねている団体さんがおり、またしてもしゃしゃり出て小屋の横にあるお花畑を案内して回った。テガタチドリとキバナノヤマオダマキ、タカネイブキボウフウがちょうど見ごろ、ヤナギランが咲き始めていた。この機会にカイタカラコウも紹介した。
     夕食をとり、7時半に寝て12時に起床の予定だったが、こういう時の睡眠時間調整のために持ち歩いている睡眠薬を切らしてしまい、そのまま横になったがやはり寝付けない。少しウトウトして時計を見れば10時、次は11時半。眠れないままに外に出てみると、夕方とは全く違う空が広がる。明るい月が昇っているのに空気が澄んで星が輝いているではないか。月明かりで天の川こそ見えないが、頭の上に夏の大三角形が輝いている。こうなると、もう寝てはいられない。準備して未明12時半、小屋を出発する。

        南御室小屋のテント場に昇った十七夜の月。空が澄んで星が輝く。


        森に昇った月。しかし、これはピンボケ。

     下界の暑さは嘘のように山の上は涼しい。むしろシャツ1枚では寒いくらいだ。温度計を見れば気温11℃、フリースを着てちょうど良いくらいだが、歩くと暑い。樹林帯の中を1時間半ほど歩き、ぽんと眺望の良い砂払山の上に飛び出す。樹林帯の中から見えるはずの甲府盆地の明かりが見えなかったので、ひょっとしたらと思っていたが、予想通りそこは雲海の上の世界だった。西に傾き出した月に照らされて、花崗岩が白く輝いている。雲海の向こうには富士山が浮かぶ。そして月光の白根三山。なんとも素晴らしい景色だ。時間は午前2時、ここから先は三脚を担ぎながら存分に撮影しながら月光の鳳凰山を満喫する。

        月光の砂払山とカシオペア座  わかりにくいですが、岩峰の真上に昇っているのが斜め横W字のカシオペア座。


        月光の白根三山


        タカネビランジと雲海の富士   2段階フォーカス撮影だが、手前のフォーカスが甘かった。


        雲海に昇る金星と木星  下が金星、上が木星、その上の星団はプレアデス星団(スバル)。左の山は奥秩父山塊。


        月光の薬師岳  月明かりに輝く山頂の岩が美しい。

     砂払山から薬師小屋への下りは昼間でもルートがややわかりにくいが、夜はなおさらわかりにくい。どこを下りるのかと探せば、きちんとペンキマークがついている。そして薬師小屋の前をそっと過ぎて薬師岳に登る。月明かりに照らされた踏み跡がヘッドライト無しでも登れるくらいにくっきりと見えていた。

        薬師岳岩峰と夏の大三角形  月明かりのフレアが邪魔だが、うっすらと天の川も見える。左端の山は北岳。



        月光の薬師岳と雲海の富士  今回狙っていたのはこの構図。


        薬師岳山頂  ここからだと富士山は隠れてしまう。

     午前3時10分、薬師岳山頂に到着する。こんなきれいな月夜なのに誰もおらず、山頂とこの景色を独占する。星好きにとってはたまらない山上での至福のひとときだ。山頂を過ぎたところで薬師岳の双耳峰の間に富士山が見える場所があり、そちらに移動する。この場所は冬に来るとハイマツが雪にうずもれており、雪原の向こうに岩峰に挟まれた富士山が見えるお気に入りの場所なのだ。

        薬師岳に昇る金星と木星  オリオン座も昇って来た。


        観音岳と雲海に浮かぶ八ヶ岳


        月光の薬師岳岩峰群と白根三山

     再び薬師岳山頂に戻ると、ちょうど良い位置にオリオン座が昇って来ていた。朝焼けも始まっており、これから15分ほどが薄明の青い空に星が輝く、お気に入りの時間だ。撮影できる時間は短いので、構図を決めてシャッターを切りまくる。(といっても1枚撮影するのに30秒ほどかかるので、この時間帯は20枚くらいしか撮れない。)やがてオリオン座は朝の光の中に静かに姿を消していった。明るい金星と木星は日の出近くまで燦々と輝いていた。

        薄明の薬師岳に昇るオリオン座と金木星


        薄明の薬師岳岩峰と富士  オリオン座は朝の光の中に消えて行く。

     オリオン座が朝の光に消えた頃、今度は観音岳山頂を目指して歩き始める。夜明けまでに山頂に登り着くのは困難なので、中腹の良さげな場所から朝の富士山と白根三山を狙う。おそらくはタカネビランジもたくさん咲いているはずだ。眠気が襲ってきたが、ここはもうひとがんばりだ。(後編に続く)


        雲海に浮かぶ夜明けの八ヶ岳  夏にしては珍しい雲海と澄んだ空。


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     1週間ほど前に鳳凰山を訪れた山仲間から、そろそろタカネビランジが見頃だという情報をいただいた。昨年は8月中旬に訪れたが、若干遅かった。今年こそは満開のタカネビランジを見てみたい。

     夜を徹して月光の鳳凰山を撮影していたためにかなり体がだるくて眠い。しだいにオレンジ色に染まって行く水平線を右手に見ながら、観音岳目指して登る。一晩中広がっていた雲海はあまり動かずにそのまま広がっている。

        雲海と夜明けの空


        夜明けの薬師岳と富士


        同上


        夜明けの雲海  山は奥秩父山塊。

     日の出前に観音岳には到着できず、中腹の展望の良い場所で日の出を迎えることにする。白根三山の上にはきれいなEarth Shadowが広がり、その上には夜の撮影に協力してくれた月が残る。白根三山の標高3,000mを超える尾根に朝日が射し、赤く染まったかと思うと、奥秩父山塊の空をオレンジ色に輝かせて朝日が昇る。

        白根三山とEarth Shadowの空


        残月


        朝日射す3,000mの山並み


        奥秩父山塊からの日の出


        朝日射す薬師岳


        白根三山の夜明け


        雲海に射す朝日

     この時間になると、薬師小屋泊りの登山者が続々とやって来て観音岳に登って行った。5時45分、観音岳山頂に到着。既に5〜6人の登山者が山頂で景色を楽しんでおり、既に地蔵岳に向かって歩いて行く人の姿も多数あった。一休みしてここで軽く朝食をとる。それにしても、雲が多い盛夏だというのに今日の景色はなんと素晴らしいことだろう。中央アルプスから北アルプスまですっきりと見える。大きな望遠鏡を持ちこんでいた登山者が、遥か向こうに見える山を指射してあれは男体山と日光白根山だと言っていた。こんなに見える日は冬でも珍しい。

        夜明けの夏富士


        甲斐駒ケ岳と地蔵岳  後ろには北アルプスの山並み。

     眠気と疲れで地蔵岳まで行く元気は無く、ここで折り返して南御室小屋に戻ることにする。相変わらず三脚を担ぎながら、今度は花と山を写し込める場所を探しながら歩く。

        タカネビランジ  下に見えるのは地蔵岳のオベリスク


        タカネビランジと白根三山  朝日の角度が悪く、どうしてもカメラと自分の影が写り込んでしまう。岩陰に身を隠して撮影。


        コゴメグサと北岳  緑鮮やかな丸い葉はウラシマツツジ。


        タカネビランジと白根三山  まだ蕾のタカネビランジがたくさん生えている。


        何度見ても格好良い憧れの山、北岳。


        残月と白根三山  薬師岳山頂にて。

     薬師小屋の前で休憩していると、以前とはずいぶん違った光景に気付く。トイレが新しくなってバイオトイレに様変わり、しかも水洗だ。小屋番さんがちょうど出てきたので話をすると、1か月ほど前に完成したばかりだそうだ。借金がたくさんあるとか。小屋番さんの出身地を聞くと韮崎市だそうで、私の星の師匠、牛山俊男さんのことも良く知っていた。さらに話をしていると、この方は小屋番さんではなくて南御室小屋小屋主の小林さんの息子さん、つまり経営者だった。何度かお世話になっている薬師小屋だが、初めてお目にかかる。お父様と同様に気さくで話しやすい、良い方だった。
     さて、南御室小屋に向かって下山し、8時45分に小屋に到着。山上で食べるはずだったラーメンをここで調理して食べ、テントに入って横になる。12時まで寝るはずだったのだが、眠いのに寝付けない。2時間ほど横になって休んだが寝付けそうもないので11時に起きてテント撤収し下山する。その前に小屋周辺のお花畑を撮影し、小屋主の小林さんに挨拶をして下山する。だいぶ顔を売ったので、今度来る時は事情を話して夜到着で小屋に宿泊させていただこうかと思う。眠気と疲れと闘いながら、午後4時、夜叉神峠登山口に無事下山した。

     盛夏とは思えない澄んだ空と雲海、寝不足で疲れるには疲れたがそれ以上に収穫があった山行となった。
      (おまけの「南御室小屋周辺に咲く花たち」に続く。)


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     いつもならば小休憩して通り過ぎてしまう南御室小屋ですが、初めて宿泊(テント泊)したので、周辺のお花畑と森の中を少しだけ花探ししてみました。小屋のお花畑は小さいですが、それでもテガタチドリをはじめとするいろいろな花が咲いていて楽しませてくれます。水場の周辺には南アルプス特産種のカイタカラコウも咲いています。

        南御室小屋の横(登山道脇)にあるお花畑


        キバナノヤマオダマキの群生。左には咲き始めたヤナギラン。


        テガタチドリとヤマハハコ。紫色の固い蕾はトリカブト。


        テガタチドリ。結構数はあります。


        ミヤマシシウド。大きな花なので存在感あります。

     こちらは水場の近くに咲いていた花。


        クルマユリ


        カイタカラコウと咲き始めたトリカブト。紫色が鮮やか。


        カイタカラコウとクモマベニヒカゲ。高山蝶です。


        こちらはルビー色が鮮やかなクジャクチョウ。裏側は真っ黒な蝶です。

     そして森の中(登山道沿い)をちょっと散策。


        キソチドリ。小型でしたがちらほらと咲いていました。


        イチヤクソウ。まだ蕾です。まわりには葉っぱがたくさん。


        コフタバラン。10?ほどの小さな花、雑草のようです。狭い範囲にまとまって咲いていました。

     広大なコケの生した森が広がる辻山界隈の森。探せばいろいろな稀少植物が咲いていそうな匂いがします。機会がありましたら、双眼鏡を持ってそっと森に入ってみたいと思っています。


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     天候不順な日が続いた8月中旬、期待していたペルセウス座流星群も、そして24年ぶりの金星食も空模様が悪く、山に登らずに終わってしまった。週末できれば南アルプスに入りたかったが、天気予報は雨。18日は朝からどんより曇り空で、お昼ごろから雷が鳴り出した。高校野球を見ていたら向こうも雷鳴が轟き、稲妻が何度も走る映像が映し出されていた。こんなのを山の上でくらったら大変だ。5月連休の大菩薩縦走の時を思い出す。

     19日の日曜日は朝から青空が広がった。三つ峠ライブカメラを見ると、中腹に雲をまとった富士山がすっきりと見えている。暗いうちから山上に登っていれば綺麗な夏富士が撮影できただろうが、最近は根性が無くなって来た。時間はもう8時を回っている。どこに行くか迷いつつ車を走らせ、ホームグラウンドの御坂山塊にレンゲショウマを見に行ってみることにした。大石峠から節刀ヶ岳に至る尾根にたくさん咲いていたのを思い出すが、同じような条件の日向坂峠(どんべいとうげ)から黒岳に至る尾根沿いにもあるに違いない。いつもは富士山撮影目的で新道峠からピストンで登ることが多い黒岳だが、今回は周回してみることにする。
     芦川の林道の新道峠分岐手前の広場に車を止めて10時半に出発する。気温は20℃、下界と違って比較的涼しい。林道分岐を左に曲がって日向坂峠方向に向かうが、看板は無いが峠まで行かなくとも途中から登る道があり、そこから登り始める。20分ほどで日向坂峠からの道と合流し、尾根道を登るようになる。途中で左に向かう細い道を発見、これはどこに行く道か?おそらくは右に行く本来の登山道と同じ場所に出るはずと予想しつつ、そちらの道を行ってみると、全く普通に歩ける尾根直登道で、あっさりと登山道に合流した。しかし、これとは別に、さらに山腹をトラバースするような獣道のように細い道を発見。そちらに行ってみることにする。

        登山道入り口。ここには道標が無いが、道は明瞭。


        20分ほどで日向坂峠からの道に合流する。ここには看板あり。


        右が本来の登山道、左にも行けそうな道あり。左に行くが普通に歩ける道だった。

     勝手知ったる御坂山塊だけに、最近はまともな登山道を少し外れて歩くことが多くなった。ほぼ水平に延びるこの細い道は踏み跡は無く、鹿の足跡らしき蹄型の足跡しかついておらず、若干崩落した個所もあったが難無く通過し、15分ほどで隣の尾根にたどり着いた。ここも踏み跡は無いがなんとなく古い道らしき痕跡があり、テープが数か所つけられていた。人が入っていないところはたくさん花が残っているかと期待したが、この尾根には何も無く、数本のレンゲショウマを見つけたのみだった。やや急な斜面を登って行くと、もうすぐ眼前のピークに登り着こうかというところで登山道に合流した。高度計(合っていないが)を見ると1,650mをあたりで、あと100mほど登れば山頂だ。

        右側から来る本来の登山道に合流するが、左に行く獣道のような細い道があった。


        15分ほどで隣の尾根に着く。明瞭な道は無いが数か所テープあり。


        ヤブレガサ群落。中央の木に小さな赤テープが巻きついている。


        あっけなく登山道に合流。右が登って来た尾根。

     ここから先は傾斜が緩くなり、林の中に花がたくさん咲き出す。お目当てだったレンゲショウマがたくさん咲いている。

        レンゲショウマ。林の中にたくさん咲いている。


        レンゲショウマ


        同上


        レンゲショウマの実


        トモエシオガマ


        黒岳の森

     オクモミジハグマが足元にたくさん咲くようになったきたところで、吸密しながらフワフワと中を舞う蝶を発見。山でこの蝶に出会うとうれしくなる、アサギマダラだ。さらに進んで行くと、戯れるようにたくさん飛んでいた。オクモミジハグマの花にぶら下がるようにして吸密している。そっと近付くがファインダーをのぞき込んで撮ろうとすると逃げてしまうため、カメラだけ前方に突き出してシャッターを切る。飛翔写真も試み、再三撮ったがすべてピンボケ、難しい。

        オクモミジハグマ


        発見、アサギマダラ!


        この場所ではオクモミジハグマを好んで吸密する。


        アサギマダラ2頭


        飛翔、アサギマダラ


        陽を浴びて舞うアサギマダラ


        タチフウロ群生。中央の紫色の花はシュロソウ。


        レンゲショウマ群生


        ミソガワソウ


        オオバギボウシ

     普通に歩けば2時間とかからないで到着できる黒岳だが、花や蝶と戯れつつ、2時間半かかって山頂に到着、時間は午後1時だ。展望台に行くと男性2人が休憩中だった。さすがにこの時間になると富士山は姿を見せてくれない。どんよりと暗い雲が山頂を覆っていた。

        黒岳山頂。この先の展望台まで行くと富士山の眺望抜群。


        黒岳展望台がら望む河口湖と富士山。左下に河口湖大橋が見える。


        標柱横に咲いたタチフウロとフシグロセンノウ


        フシグロセンノウ


        山頂に咲いていたマルバタケブキで吸密するスジボソヤマキチョウ


        山頂直下に咲いていた新鮮なマルバタケブキの花

     展望台で昼食後、スズラン峠側(新道峠方向)の道を下山する。日当たりの良いこちらの道沿いは林の中とは若干咲いている花が異なり、フシグロセンノウ、マルバタケブキ、ミヤマママコナなどが咲いていた。午後2時20分に駐車場到着、下山に要した時間は1時間だった。
     ほとんどが富士山撮影目的で、花を求めて登ったことがほとんど無かった御坂山塊だが、森の中にも様々な花が咲くことを改めて知った。富士山は見えなくとも十分に楽しめる山だ。


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     今年3月に東北被災地を訪れた際に、女川町の「おかせい」という食堂かつ鮮魚店に立ち寄らせていただいた。食事をした後にその店のおかみさんに津波の時の話やその後の生活の話を伺い、涙せずにはいられなかった。それからのおつきあいで、妻が数回山梨の桃をおかせいに送り、お礼に新鮮なほたてや毛ガニをいただいた。そのお礼と、その後の被災地の状況を自分の目で見たくなり、1日休みをとって金曜日、土曜日の1泊2日で被災地を回って来た。今回はまだ訪れていない大川小学校にも立ち寄った。
     まずは仙台に1泊。甲府から圏央道と東北道を使って480?ほどの距離があり、甲府を午前11時に出発して午後6時、仙台に到着した。ホテルにチェックイン後、まずは食事に。仙台といえば牛タン、前回ふらりと入店した国分町の「一福」というお店の味噌焼き牛タンが絶品で、再びその店を訪れる。あまり大きな店ではないが芸能人の色紙がずらり、ゆずやコブクロの色紙もあった。もうひとつおすすめメニューは牛タンのさしみ。半分凍りついて油の乗った牛タンさしみは甘みがあって絶品、ここでしか食べたことが無い。

     そして翌朝、9時にホテル出発してまずは石巻に向かう。

        石巻市立病院周辺の住宅地は草むらに変貌していた。観光バスで視察に来ている人たちも見かけられた。


        火災にあった中学校。がれきが散乱した住宅跡は草むらに変わっていた。


        石巻市立病院はそのまま手つかずの状態。水たまりはやや悪臭を放ち始めていた。

     さらに北上して女川町に向かう。まずは前回は訪れなかった女川医療センターの高台に行ってみた。

        女川の医療センター。右の救急車が停まっているところが救急医療センタ−、左が介護支援センターになっているらしい。


        医療センターとその上の高台にある熊野神社。


        救急医療センターの前にある柱に津波到達地点が記されている。1階部分は完全に水につかった。押し寄せてきた波よりも引き波のほうが水位が高かったそうで、医療センター前から見ていた人たちの多くが引き波で犠牲になったそうだ。


        医療センターから見下ろす女川の町と女川湾。石巻とは異なり、こちらは整地されている。中央は津波で倒れた鉄筋住宅。


        駐車場の隅に設けられた慰霊碑。


        医療センター上の高台にある熊野神社。ここに登っていた人たちは助かった。


        熊野神社から見下ろす医療センターと女川の町。


        津波で倒れた鉄筋住宅。保存するか、片付けるか町民の意見が分かれたそうだが、公園にして保存することになったようだ。

     午前11時半、今回の一番の目的地、「おかせい」に到着した。道路を隔てて向かいにあった工場らしき建物は撤去され、駐車場に変わっていた。そして左脇の広場も一部整地されて車が置けるようになっていた。中に入っておかみさんに挨拶すると、「桃の人が来た」といって従業員の皆様に紹介してくれ、大歓迎された。社長さんまで挨拶に来てくれて、津波の時の状況や今後の計画など、いろいろお話を聞かせていただいた。引き波で多くの人たちが犠牲になったことも、公園になるという話も社長さんから聞いた話だ。そして現在急ピッチで整地が行われている場所は10mほどの盛土にして底上げし、8年計画で町を復興して行くそうだ。社長さんをはじめおかせい従業員の皆さん、復興に向けて活気十分で、私たちのほうが元気をもらった。

        「おかせい」 食堂と鮮魚店が一緒になっている。手前にいるのが社長さん。


        一押しの海鮮丼。このボリューム、しかも毛ガニ汁が付いて1,200円は激安!!

     さらに海沿いを北上し、甚大な被害を受けた雄勝町を通過して北上川河口近くに立つ大川小学校に立ち寄る。ここは避難が遅れ、76人もの犠牲者を出した場所だ。

        大川小学校。花壇が設けられ、弔問者が後を絶たない。


        大川小学校全容


        裏側に高台になった草地があるが、震災当日は雪が積もって凍っており、小学校低学年の児童が登れるような状況では無かったと聞く。そのために橋の方向に避難しようとしたのかどうかは定かではないが、もし自分がその場にいたらどうしたか・・・あれほどの津波が来るとわかっていれば、この山の上しか選択肢は無かったかもしれないが、それは結果を見ているから言えることだろう。

     さらに海沿いを北上、最後の目的地、南三陸志津川町を訪れる。昨年8月に訪問した時はあまりの酷さにやりきれない虚しさと脱力感を覚えた。あの時はまだ手付かずだった公立志津川病院は重機が入ってようやく撤去されているところだった。こちらも住居跡は草むら化していた。防災対策庁舎は保存するらしく、そのまま建物は残っており、こちらも観光バスを含めて弔問客がたくさん訪れていた。

        草むら化した住宅地跡。向こうの重機が入っているところが公立志津川病院。建物はもうすっかり取り壊されている。その向こうは相変わらずの瓦礫の山。


        防災対策庁舎と弔問者たち。


        防災対策庁舎。

     時間は午後3時半。帰り際に志津川町の町はずれにある仮設商店街に立ち寄る。観光客向けだけでなく、仮設住宅の人たちの支援も兼ねているようで、スーパーの中の食料品はずいぶん安い値段で売られていた。一般道を1時間ほど走って築館インターから東北道に乗り、あとはひたすら車を飛ばして帰るだけだ。途中のサービスエリアに忘れ物をして引き返して回収するというアクシデントもあったが、休憩を交えつつ未明1時、自宅に到着した。さすがに運転疲れと車酔いで翌日午後まで自宅で寝た。

     今回視察した中では女川がいちばん復興に向けての作業が進んでいるように感じた。おそらくは山が近いという立地条件から高台が整地し易いという好条件があるからかもしれない。石巻や南三陸はいったいどうなるのか?整地したとしても果たしてそこに家を建てて住めるのかどうか・・・このまま荒れ地になってしまうのだろうか?まだ計画すら立っていないのではないだろうか。そして瓦礫の処理も。
     いつも野次馬のようにしか訪れていない私が言うのもおかしいかもしれないが、被災地の本当の復興を心から祈りたい。

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     7月に訪れた群馬の山、武尊山は前日埼玉県入間市で催された1966カルテットのコンサートとセットだった。そして今回は翌日の9月2日に埼玉県川越市で催される川井郁子ヴァイオリンコンサートとセットだ。甲府を早い時間に出発できれば日光白根山あたりを考えていたが、業務を済ませてからでないと出発できず、さらに起床予定時間を30分も寝過ごすというおまけがついた。さらに、天気予報では空気の状態が不安定で午後には雷雨になってもおかしくない状況だった。空模様を見ながら中央道、関越道を走り、赤城山に行き先を変更する。ここならば天気が急変しても下山が容易だ。植田さんと高山君を数日前に半ば強引に誘って3人で出かけた。
     赤城山の大沼に12時到着。まずは沼を1周して北側のテントサイトを確認するが、黒檜山登山口までやや遠い。さらに、おかしなことに駐車場のど真ん中にテントを設営している人を見かけ、こんな反則技がここではまかり通るのかと不思議に思っていた。地図上では南側もバンガローやテントサイトになっているように見受けられたので、駒ケ岳経由黒檜山登山口に近い大沼南側湖畔の駐車場に車を止める。周辺を探すが、テントは一張りも無く、お土産物屋さんのおばさんに尋ねるとバンガローならあると教えてくれた。沼のボートをやっている人が同じ経営者と聞き、そちらに行って交渉すると、本日はバンガローはやっていないそうで、テントも不可だった。さらに、先ほど見て来たテントサイトは料金がかからないと聞いてびっくり。
     とりあえずは車をその場所に置いて、黒檜山の駒ケ岳コース周回してくることにして出発した。午後1時、歩き出すとすぐに小雨が降り出し、雲が空をおおい出す。本降りと雷にならないことを祈りつつ、登山道へ進む。


        大沼の南側駐車場。広い駐車場で、しかも駐車料金はかからない。赤城山は全て駐車料金がかからないらしい。


        笹原の中をジグザグにつけられた登山道を進む。


        駒ケ岳稜線の直下は急斜面。階段が何本かつけられていて、ルートは良く整備されている。


        もうすぐ稜線に出るところだが、山には霧が巻きつく。

     1時間ほどで駒ケ岳稜線に到着。晴れていれば前橋から関東平野一円の眺望が得られるのだろうが、雲で何も見えない。雨はほぼ止み、雷鳴は聞こえてこない。予定通りその先の駒ケ岳を越えて赤城山最高峰の黒檜山に向かう。


        気持ちの良い笹原が広がる。


        良く整備された快適な稜線歩き。眺望が得られないのが残念だが、その代わりに日が遮られて涼しい。


        駒ケ岳山頂


        マルバタケブキ  この花が咲いているのを見ると、ここも鹿の食害かと思ってしまう。


        生えている木が山梨の山と全く違う。これは何の木?

     駒ケ岳のコルから黒檜山への登りは木の階段がつけられた急登が続く。登りきったところで花見ヶ原からの道と合流し、間もなく黒檜山神社に到着する。ここが山頂かと思ったらそうではなく、山頂はさらにその先、大沼への登山道と合流して10分くらいのところに広い平らな山頂があった。三角点はその中央に設置されていた。午後3時5分、山頂に到着。


        黒檜山神社


        黒檜山山頂(赤城山最高点)

     山頂で休んでいると地元の方と思わしき、この山域にかなり詳しい方が登って来た。いろいろと情報を教えていただき、赤城山は国有地になっていて土地の個人的持ち主がおらず、駐車場もテントも料金をとっていないのだそうだ。さらに、テントサイトはあるものの、実際には他の場所にテントを張ってもあまり文句は言われないそうで、どこにテントを張ってもおそらくは大丈夫だろうという話だった。駐車場のど真ん中にテント設営している人がいるのも納得できる。展望台がさらに5分ほど先にあると聞いていたのでそちらに行ってみたが、ここも霧で何も見えない。昼食をとって下山する。


        黒檜山展望台。沼田から高崎側の眺望が開けるらしいが、何も見えず。

     下山は急傾斜の大沼北東側登山道を下りる。こちらは駒ケ岳経由の登山道とは大違いで、岩がゴロゴロした急斜面の悪路、しかも小雨の後で岩が滑って歩きにくい。中腹で高山君がスリップ転倒するといアクシデントがあったが、全く怪我無く済んだ。下部では大沼の眺望が開け、眼下に赤城山神社と橋を望むことができる。この頃には青空が見えてきたが、山上には若干雲が巻きついていた。午後4時50分、湖畔の道路に下り立つ。登りよりも下りのほうが辛かった。


        下山道は急傾斜、岩ゴツゴツの悪路。


        登山道下部から望む大沼と赤城山神社


        湖畔の道路に到着。下山はスリップと浮き石に気を使い、昇りよりも疲れた。


        赤城山神社に立ち寄る。

     赤城山神社に立ち寄りながら湖畔の道路を歩き、駐車場に到着した。駒ケ岳・黒檜山周回して約4時間20分の行程だった。
     
     さて、昨夜と今宵はブルームーンと言って、2日間続けて満月が昇る日だ。(実際には14夜後半と15夜の月。)おとなしくテントサイトで月を眺めながら寝るか、それともどこか夜景の見えるところで寝るか・・・。(赤城山続編に続く)


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     8月31日と9月2日の夜は2日間続けて満月になるシルバームーンと呼ばれる月が昇る夜だった。赤城山は関東平野のいちばん北側に位置する山で、ここからは前橋市の夜景をはじめ、天気が良ければ関東平野を一望でき、富士山まで見ることができると聞いた。テント規制が無いとはいえ、山上テント泊は決して好ましいこととは言えないが、シルバームーンが照らす特別な夜だけに、今宵は山上で夜景を見ながら寝ることにした。
     小沼に移動して最短距離(約30分)のコースで地蔵岳を目指す。2人用と1人用テント1張りずつを張る予定だったが、2人用テントポールを忘れ、止む無く1人用2張りとビバークツエルト1人用を張ることになる。6時過ぎから登り始めたので、山頂に到着したのは日没過ぎ。平らな場所を探してヘッドライト点灯してテントを張ることになる。途中で月が昇り始めたのが見え、さらに霧の切れ間から町明かりが見えた。今宵の夜景と月を期待しながら夕食をとるが、7時半を過ぎた頃から霧が深くなり、うっすらと霧を通して見えていた月は見えなくなってしまった。さらに夜景も全く見えない状態になる。霧が晴れることを期待して8時半にツエルトに潜り込んで寝る。
     目が覚めたのは未明1時半。外を見ると相変わらずの深い霧で何も見えない。さらに2時半にもう一度外を見るが状況は変わらない。外が明るくなりはじめた4時半に起床して外に出る。電波塔の立ち並ぶ山頂周辺を散策するが視界が悪くて下界の様子は全く見えない。期待していたシルバームーンと夜景は不発に終わってしまった。

        霧の巻く地蔵岳電波塔


        薄明の地蔵岳山頂


        山頂の看板と鉄塔


        眼下に夜景が広がるはずだったのだが・・・


        地蔵岳だけに地蔵が立ち並ぶ。


        山頂のケルンと三角点

     5時半、他のメンバーを起こして朝食にする。天候が悪いのであまり登って来る人はいないだろうが、早々にテント撤収して6時半には下山開始する。といっても20分とかからずに小沼駐車場に到着してしまうのだが、いろいろ花が咲いていたので私だけ三脚を担いで撮影しながらゆっくりと下山した。7時20分、駐車場に到着。


        キオン


        アキノキリンソウ


        ツリガネニンジン


        ワレモコウ  これを見ると秋を感じる。


        マツムシソウ


        ウメバチソウ  けっこうたくさん咲いてました。こんなところに・・・と言ったら赤城山に失礼。

     時間が時間だけに入浴施設もまだ開いていないだろうが、ひとまずは温泉をカーナビで探して行ってみることにする。赤城温泉の某宿に行って交渉すると、日帰り入浴は10時半からだそうだが、コンサートが午後2時からあって待っていられない事情を話すと、時間制限付きで入浴させてくれた。さっぱりしたところで、今度は蕎麦屋を探して行ってみるが、午前10時ではまだ始まっておらず、11時のところを10時半に店開きしてくれるとは言われたものの、あきらめて高速道路のサービスエリアで食事することにした。
     12時半、コンサート会場の川越市市民会館に到着、まだ開場まで2時間もあり、川越の町を散策する。古い城下町で昔を偲ばせる建物や商店街が残されている。川越高校の学園祭が盛大に開催されており、そちらにも立ち寄ったが人が多すぎて校舎内に入れず、山岳部の催し物会場まで行くことができなかった。
     
     今回のヴァイオリンコンサートの川井郁子さんは日本でも有数のストラディバリウス奏者だ。演奏も素晴らしいが容姿も淡麗だ。お気に入りの「水百景」や「ジュピター」、さらに最新曲の「ブルーバード」(11月公開、吉永小百合主演映画のテーマ曲)など10数曲をすっかり酔いしれて聞かせていただいた。サイン会では丁寧に一人一人挨拶して握手されており、人柄の良さも伺えた。


        川井郁子さんのCD「Appassionato」ジャケットと自筆のサイン


     さて、次回の群馬界隈の山は10月連休、これも1966カルテットコンサートとセットの予定。りゅう座流星群が来ている日なので天気が良いことを祈りたい。

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     鶯宿峠まで林道を車で行くと、標高差約200m、1時間とかからずに到着してしまう滝戸山は、樹木に覆われた山頂で眺望が無く、山梨百名山制覇を目指しているか、キノコ狩りなどの目的でなければこの山頂に登る人はほとんどいないのではないだろうか。6年前に山梨百名山踏破のためにここを訪れたのはまだ本当に登山初心者の頃だった。鶯宿峠からあっけなく到着したこの山頂は何の達成感も無かったように記憶している。今回はめったに人が歩かず、道標も立てられていない右左口峠から日蔭山を経て滝戸山に至る半籔ルートを歩いてみた。
     
     天気予報が週末は雨だったので登山はあきらめていたが、予報が変わって雨ではなくなった。8日の土曜日は夕立ちを恐れていたが結局甲府は雨が降らず、ちょっと損した気がしていた。9日の朝は6時に目を覚ますが、青空が見えるものの低山の山上には雲が巻いている。朝風呂に入って8時過ぎにゆっくり出発、当初の予定は節刀ヶ岳だった。稜線上にマルバタケブキが咲いているはずだ。コンビニで買い物し、精進湖ラインを車で走らせるが、途中で春に歩いた日蔭山を思い出した。そういえば滝戸山への登山道をようやく見つけたもののまだ歩いていなかった。予定変更して右左口林道に入り、右左口峠に向かう。芦川側からだとこの林道に入れるが、甲府側は崩落しているらしく全面通行止めになっている。峠に車を置き、まずは日蔭山目指して10時半に出発。

        右左口(うばぐち)峠まで車で入る。


        登山道入り口。崩落地だが、木にペンキのマークが着いている。

     日蔭山もほとんど登る人がおらず、道はだいぶ荒れており、倒木も目立つ。もともと山頂へは明瞭な登山道が無い山なので、登山道(林業作業道)のいちばん高いあたりから適当に斜面に取り付いて山頂を目指す。峠から1時間とかからずに山頂に到着する。林の中の山頂には三角点と小さな看板が木にくくりつけられている。

        登山道の一番高いあたりから斜面に取り付いて山頂を目指す。


        三角点のある日蔭山山頂。向こうにちいさな看板が付いている。眺望は無い。

     小休止後、反対側のカラマツ林に下りる。林の中は平らになっていて、中央部が広場のようになっている。看板もテープも無く、初めて来るとどちらに行ったらよいか方向が分からなくなるが、今回で3度目なので大丈夫、と思っていたがそれほど甘くはなかった。春に来た時は草も少なく、なんとなく踏み跡らしきものがあったのだが、今回はそれらしきものが全くわからなくなっていた。たぶんこの方角、と進んで行くと、その先に道を発見した。しかし、春に見つけた道とは若干違うような印象を受けた。ひとまずその道を行ってみると、すぐに方向が違うことに気付く。滝戸山方向に向かって行くはずの道が山から遠ざかって甲府盆地側に進んでいる。戻れば良いのだが、この道はどこに続いているのやら??確認のため20分ほど下り、そこで道は崩落していた。回り込んでその先に行くような細い踏み跡があり、その先の尾根に続いていた。どうやら精進湖ラインの登り始めのあたり、甲陽学園あたりに続いているようだ。

        カラマツ林の中央部は広場のようになっている。


        道発見。しかし、方向がおかしい。


        途中で崩落していた。その先は甲府盆地の方向に尾根伝いに道が続いている。

     道を登り返して広場に戻るが、ここで1時間近く時間を費やし、汗だくで体力も消耗した。広場で休憩して、今度は日蔭山を背にして先ほどとは90度ほど違う方向に進む。そして見つけた赤テープ、今度こそ間違いなく道は滝戸山方向に続いている。少し下って平らになり、今度は尾根に取り付いて登りになる。登山道は若干窪んでいて道らしくは見えるものの、倒木や木の枝が延びていてかなり荒れている。ほぼ一定な傾斜の尾根を外さないように、赤テープを追いかけてひたすら登ると、やがて尾根が広くなり、山頂部にぽんとたどり着いた。そこにあった古い看板は「千畳敷 1246m」と書かれていた。

        登り返して広場に戻り、別の方向に進む。


        発見!赤テープ。この先に春に見つけた道があった。


        赤テープが付いていて何となく道があるのはわかるが・・・倒木と木の枝の張り出す荒れた道が続く。


        山頂部近くなると尾根が広く平らになってくる。赤テープはしっかり付いている。


        山頂到着。「千畳敷」・・・ここはどこ??

     いったいここはどこなのか?林の中で眺望は悪いものの、あたりをぐるりと廻って見渡してもここより高い山は見当たらない。地図を持ってこなかったので滝戸山がどちらになるのかわからないが、しかし、このピークで方向を直角以上に曲げて、尾根沿いに赤テープが点々と付けられているのが見える。そちらに進んでみることにする。高度を少しずつ下げながら、小コブをいくつか越えて尾根伝いに赤テープを追いかけて行くと、35分ほど歩いたところで左側から来る道と合流し、その合流点に「滝戸山頂上まで 0.14km」と書かれた道標が立っていた。間もなく見覚えのある石柱に到着、そのすぐ先に滝戸山の山梨百名山標柱が立っていた。午後1時50分、滝戸山山頂に到着。ここは標高1,221mで、先ほどの千畳敷よりも25mほど標高が低かった。どうやら滝戸山界隈の最高点は千畳敷のようだ。

        方向を左に変えて赤テープが点々と続いているのが見える。


        左側から来る道と合流し、そこに滝戸山山頂を示す道標が立っていた。


        山頂裏にある石碑。ここは以前に来た時に見覚えがある。


        滝戸山山頂到着。標高差は450mほどしか無いが、想定外に苦労した。


        ここは山梨の森百選に選ばれている。


        ミズナラの巨木が立ち並ぶ森


        山頂で記念撮影。初登頂の時は登山用ズボンを忘れ、どうせ誰もいないからとスパッツだけ穿いて登って来た。3段腹と下半身のモッコリが格好悪くてとても人に見せられず、未掲載になっていた。いつか撮り直そうと思っていた1カット。

     昼食をとって休憩、さらに1度目の登頂以降は山頂の標柱と記念撮影することはめったに無いのだが、前回の写真がとても人に見せられるようなものでは無かっただけに、撮り直す。あとは登って来た道を間違えないようにひたすら下るだけだ。滝戸山から千畳敷までは40分ほどかかり、想定していたよりも遠かったことがわかった。3時40分、カラマツ林、4時5分、右左口に到着した。空はどんよりとした曇り空に変わっていたが、なんとか雨に降られずにすんだ。

        下山時に気付いたが、こちらには「登山道」の看板があり、正規ルートは途中で合流した道がそうらしい。

     簡単に登れるルートもある滝戸山・春日山(いずれも山梨百名山)だが、ルートを選べば魅力的な登山が楽しめる山と言える。しかし、富士山の展望にはあまり恵まれず、どちらかといえばマニアックな山だろう。


        右左口峠ー日蔭山ー滝戸山ルート


        高低差

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     偶然空いた平日の水曜日、前日に山に行くことを決めた。行き先は今年3度目となる茅ヶ岳。秋のハイシーズンを前に標柱を整備しておきたいこと、それともう一つは晩夏に咲いているだろう花を見る目的だ。
     いつも通り大明神林道に車を乗り付けるが、ここで腹痛に見舞われ、一旦深田公園の駐車場まで戻ってトイレを済ませる。駐車している車は全て県外ナンバー5台ほど、さらに「○○山歩きの会」なる看板がついた小型バスが1台止まっている。ここから登っても良いのだが午後からの夕立が怖いので再び林道に入り、10時に出発。前夜に小雨が降った女岩に向かう登山道はしっとりとしていて歩きやすい。いつもながらに、道の両脇に様々な花が咲き、目を楽しませてくれる。

        前夜に雨が降った後で、しっとりとして歩きやすい登山道


        道の脇に様々な花が咲く。ツリフネソウ。


        ミズヒキ


        メタカラコウ

     1時間ほどで女岩に到着。春先に崩落があって現在立ち入り禁止になっているが、崩落状況を確かめたく黄色テープを乗り越えて立ち寄らせていただいた。崩落したのは水場の左側で、確かにずいぶん岩が崩れて積もっている。しかし、平らになった手前側まで石が転がって来た様子は無く、水汲み場はそのままの状態だった。落石に気をつけながら水場に近付き飲んでみると、以前と変わらず冷たくておいしい水が流れていた。ただ、放置されたままの水汲み用のカップは中がすっかり汚れて真っ黒になっていた。

        落石のために立ち入り禁止になっている女岩


        水汲み場の左側がだいぶ崩落しているが、水は以前と変わらず流れていた。

     登山道に戻り際、落ち葉の積もった岩の間に靴が挟まって前のめりに転び、顔面を軽く岩にぶつけるというアクシデントあり。軽い擦り傷程度で出血は無かったが、これは天罰が下ったのか、それとも山の神様のたわむれか・・・。顔をタオルで拭いてまた登り始め、茅ヶ岳の森らしい風景が広がる林の中で休憩する。この森は何度来ても心地良い。

        急斜面を登った先に咲いているメタカラコウ。ここはいつも群生して咲く。


        ミソガワソウ


        トリカブト  こちら側の斜面は白っぽいトリカブトが多い。


        茅ヶ岳の森


        この森は何度来ても心地良い。

     さらに登って尾根に出たところで右側の展望岩に立ち寄る。ここは曲岳から黒富士、さらにその向こうの金峰山の眺望が抜群の場所だが、意外に知らない人が多く、ここに立ち寄っている人をあまり見かけたことが無い。そしてもうひとつ、このあたりにお目当ての花があるはず・・・と探すと、2株発見したが既に時期を過ぎており、もう花は半分以上枯れてしまっていた。
     深田久弥慰霊碑を過ぎてさらに山頂に向かって登って行くと、山頂近くに5〜6株お目当ての花が咲いているのを発見した。本日一番見たかった花、ミヤマモジズリだ。この場所で発見するのは初めてで、意外とたくさん咲いていてうれしくなった。そして間もなく山頂到着。時間は午後1時、3時間もかかったことになる。

        展望岩から見る曲岳(中央)、升形山(右中)、黒富士(右)。金峰山山頂は雲の中。


        ミヤマモジズリ  今回一番のお目当てはこの花。少し遅かった。


        ミヤマアキノキリンソウ


        茅ヶ岳山頂。珍しく誰もいない。その後、2人の登山者がやって来た。

     標柱はいつもと変わらず元気に立っていた。心配しているのは朽ちかけている古い標柱のひび割れから水が入ってさらに朽ちてしまうこと、もうひとつは新しい標柱の鋸で切られたつなぎ目からの水の浸入だ。ボンドスプレーで何度も固めてはいるが完全な防水には至らない。今回は適当なボンドスプレーが見つからず、速乾性のクリアーボンド(アロンアルファに似た類のボンド)を持ってきて、これをひび割れた部分に詰め込んだ。さらにその上からニススプレーを噴霧して作業終了だ。標柱の裏側に張り付けてあった山日新聞記事は新しいものに変えられていて、何度も被害にあったこの標柱の歴史がさらに追加されて書かれていた。茅ヶ岳の番人、末木さんが管理してくれているものだろうが、ただただ感謝するばかりだ。この山を愛し、標柱を守ってくれている人たちはたくさんいるのだ。

        朽ちてひび割れた部分にボンドを詰め込んで固める。(少し付け過ぎたようだ。)


        標柱の裏側には新聞の切り抜き記事が新しく貼りかえられていた。


        ニススプレーを噴霧して修復完了。

     作業を終えて午後2時ごろから尾根道を下山する。登山道脇にはビランジが咲いており、立ち寄ったザレ場にもまだ咲き残っていた。そのうちの1株は今までに見たことが無いほど大きな株だった。そして春に愛嬌ある姿を見せてくれたあの花は・・・これがあの花かと思うような大きな葉をつけて日を浴びていた。

        登山道脇に咲いていたビランジ。今年のは花が大きい。


        ザレ場の咲き残っていたビランジ。今までに見た中で一番大きな株。


        これが5月連休に見たあの花??花の可愛らしさからすると別物のよう。

     3時10分、下山。職場に向かって車を走らせて行くと、途中でバケツで水をひっくり返したような夕立となった。15分ほどで雨は止んだが、もう少し下山が遅くなったらずぶ濡れになっていたかも知れない。9月も半ばになるというのに、まだ残暑は厳しい。

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     新潟県と群馬県の県境にある平ヶ岳は、登山口の檜枝岐までのアプローチが遠く、また、山頂まで11?という距離は日帰りで行くには果てしなく遠い。いつかは行ってみたいと思いながらもなかなか行けずにいた山である。9月3連休は珍しく何も仕事が入らずに3日間そっくり休みとなった。この機会に平ヶ岳に行ってみることにしたが、連休2日前の当直が尾を引いて連休初日からかなり眠い。さて、どうなることやら・・・。

     9月15日の連休初日は早朝3時に目が覚めた。起き上がってはみるが、前々日の当直疲れが全く抜けず、眠い上に体が強烈にだるい。ひとまず朝風呂に入って目を覚まし、準備して4時半に自宅を出発する。中央道、圏央道、東北道を経て西那須野インターで降り、檜枝岐に向かう。走行距離約400?、カーナビで約7時間の行程だ。しかし、それにしても眠すぎる。東北道まで乗ったは良いが眠すぎてサービスエリアでちょっと横になったつもりだったが、気が付けば2時間も眠っていた。そして目的地檜枝岐の先、鷹ノ巣平ヶ岳登山口に到着したのは午後2時になってしまった。午前中に登り始めて姫池のほとりでテント泊と考えていたが、いくらなんでも午後2時では遅すぎる。ちょうど下山してこられた方がいたのでコース状況を聞いてみると、細尾根を過ぎると上は木道が整備されていて迷うところは無いという。(ちなみにこの方はかなり足が速く、山頂まで4時間半だったそうだ。コースタイムでは7時間半くらいかかる。)車内泊するにも中途半端な時間だし、17日の天候も思わしくなさそうだ。意を決して、ここは得意の夜間登山することにして、午後2時半から登り始める。荷物軽量化のためテントではなくツエルトにして、シュラフを持たずシュラフカバーとウォームアップシーツで一夜を凌ぐことにする。

        平ヶ岳登山口。駐車場は25台ほど駐車可能。


        細尾根を登る。既に陽は西に傾いている。


        細尾根。スリップに注意を払う。


        下台倉山の直下はかなりの急傾斜。ロープが何本も設置されている。

     林道を進むと細い橋を渡り、右側の登山道に入ってすぐに細尾根に取り付く。ここから標高差約700mの急登りが続く。7〜8人の下山者とすれ違ったが、皆相当疲れた顔をしている。確かに往復21?、累積標高差約1600mは容易くは無い。そして約3時間かけて、まだ明るい午後5時20分、下台倉山に到着した。細尾根はなんとか明るいうちに通過したが、まだ歩いた距離は3分の1にも満たない。稜線には着いたがこの先がまだまだ長いのだ。

        下台倉山到着。時間は午後5時20分。


        夕暮れの燧ケ岳。心地良い夕風が吹く穏やかが夕暮れだったのだが・・・

     隣の台倉山の手前で日没となり、台倉山頂上でヘッドライトを装着する。この頃には燧ケ岳山頂あたりに雲がかかってはいたものの、至って穏やかな天候だった。すっかり暗くなった夜7時過ぎ、林の中から空を見上げると、夏の大三角形を貫くきれいな天の川が空を横切っていた。順調に行けば9時ごろには姫池に映る天の川が見られそうだ、と期待が膨らみ、眠気と闘いながらひたすら姫池目指して歩く。ところが、7時半を過ぎた頃から周辺の空に真っ黒な雲がかかりはじめ、雷鳴こそは響かないものの稲光が光り始めた。最後の登り、池ノ山の登りにさしかかった頃、その黒雲は池ノ山の上にもかかり始め、頭上でピカピカと光り始めた。笹の中に一旦身を潜めてやり過ごし、再び登り始めたが、今度は雷鳴を伴ってさらに激しく光り始めた。標高は1900m、目的地姫池まではあと1時間とかからないだろうが、ここであきらめて林の中まで下りてツエルトを張ってビバークすることにする。9時半、木の枝にツエルトの端を紐で吊るし、中に潜り込んで夕食、10時にシュラフカバーに潜り込んだが、意識を失うかのようにあっという間に眠りについてしまう。
     そして目を覚ましたのは未明2時。汗で濡れた下着と服が冷たくて寒く目を覚ました。外を見れば満天の星空が広がっている。しかしまだかなり眠気が強く、下着を着替えてさらに1時間ほど寝て、3時に起床、ツエルト撤収して3時半にまた歩き出す。東の空に昇った金星が眩しいほどに輝いている。その上にはオリオン座と冬の大三角形、それを貫く冬の天の川が見えている。北西の空にはカシオペア座に向かって夏の天の川が立ちあがっている。

        森に昇ったオリオン座と冬の大三角形。木の間の明るい星が金星、中央上の明るい星は木星。


        北西の空に天の川が垂直に立ち上がる。


        オリオン座と冬の大三角形、さらに金星。中央に見える山は燧ケ岳。


        燧ケ岳に昇るオリオン座と冬の大三角形(拡散フィルター使用)


        カシオペア座と北斗七星(わかりますか?右の低空に登って来た北斗七星、天の川の中にいるカシオペア座)


        池ノ岳に立ち上がる薄明の天の川


        薄明の空と金星


        薄明の空に消え行くオリオン座と冬の大三角形

     4時半にはもう星の輝きは消え始めてしまうので、おそらくは姫池に映る天の川は撮影は困難だろうとこの時点で判断し、眺望の得られる池ノ山山頂直下で日の出を迎えることにした。ちょうど燧ヶ岳の真上にオリオン座と冬の大三角形が昇って来ているところだった。やがて空は薄明の深い青色に変わり、東の空がオレンジ色に輝き出す。次第に星の輝きは朝の空に消え、そして日の出を迎える。何度見ても美しい山上の夜明けだ。(後編に続く)


        夜明け前の平ヶ岳


        夜明け前の燧ケ岳


        夜明けの空?


        夜明けの空?


        山上の日の出


        朝日浴びる平ヶ岳

     (後編は朝の姫池、平ヶ岳の美しい景色を掲載します。ご期待ください。)

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     前日カモシカ山行により姫池を目指したが、雷雲が頭上をおおい、夜9時半に登るのをあきらめて登山道上にツエルトを張ってビバークすることとなった。未明3時に起き出すと、空には一面の星空が広がる。3時半からまた星空を撮影しながら山頂目指して歩き始め、姫池の手前、標高2,000mを越えたあたりの池ノ山山頂直下で夜明けを迎えた。


        朝日射すハイマツと平ヶ岳


        姫池と休憩所(テント場として使用可能)。左が平ヶ岳。

     急登を20分ほど登ると池ノ岳山頂に到着し、すぐ先に姫池があった。それまでの樹林帯の光景とは違って展望が大きく開け、別世界にでも入り込んだかのような気分になる。なんと静かで美しいところだろうか。標高2,100mもの高地、しかも山上にこんな澄んだ池があり、広大な湿原が広がっていること自体が不思議でならない。

        姫池池塘越しの平ヶ岳


        広大な高層湿原


        綿毛になったチングルマ

     三脚を担いだままこの素晴らしい景色を楽しみながら、整備された木道の上をゆっくりと山頂に向かって歩く。長い距離を歩いてきた疲れを忘れさせてしまうような美しい景色だ。

        山頂に向かって延びる木道と広大な湿原。


        三角点は手前の木に囲まれたところに立つ。


        山頂の池塘と八海山、中ノ岳、越後駒ケ岳(左から順)


        至仏山と武尊山、さらにその右には・・・


        至仏山、武尊山、そして富士山まで見える。

     景色を楽しみながら山頂で朝食をとっていると、テント泊の人たちがやって来て、「あそこに富士山が見える」と教えてくれた。近眼の私には最初はどこだかわからなかったが、レンズを通してズームをかけると、確かに富士山だ。この時期にこんなに空気が澄んで遠くまで見える日は珍しい。
     「この先通行止め」の標柱の先に行く踏み跡あり、立ち寄らせていただいた。100mほど進んだところで今度は群馬県と新潟県の2本の標柱がありそこにはこの先立ち入りご遠慮くださいと書かれていた。その先は地図上では藤原山、大水上山を経て中ノ岳、越後駒ケ岳に至る尾根だが、通行禁止になっている。

        山頂の突き辺りには「この先通行止め」の標柱が立つ。先に続く踏み跡がありその先まで行ってみると・・・


        「植生復元事業実施中 この先立ち入りご遠慮ください。群馬県」の標柱があり、ここで引き返す。

     昭文社の地図には平ヶ岳周辺はテント禁止のため早立ちして日帰りするように書かれている。しかし、鷹ノ巣登山口から往復21?の距離を日帰りするのは容易なことではない。公にはテント禁止ではあるのだが、三角点付近にある看板を見てみると、「指定地以外でテントを張らないでください」と書かれている。その指定地とは、姫池周辺の休憩所、もうひとつがこの看板のところにある板場なのだろう。非公認ではあろうが、長距離の山行に配慮してテントが張れるように配慮してくれているようだ。

        三角点付近に立つ看板。注意の「3.指定地以外でテントを張らないでください。」と書かれている。テントは絶対禁止ではないようだ。


        看板付近にあるテント場(と思わしき場所)。

     朝8時になると、山頂に続々と登山者がやって来た。こんな早い時間にどうやって登って来られるのか不思議だった。途中ですれ違った若者に尋ねると、朝5時半から登り始めたという。2時間半で登頂・・・鷹ノ巣登山口からではあり得ない時間だ。たまご石に向って歩いて行くとそちら側から続々と登山者がやって来る。これはどうやら裏側の林道の詰めから登って来る人たちらしい。一般車は通行止めでツアーの送迎車が入っているとの話は聞いたことがある。休憩中の方に聞いてみると、銀山平の山小屋に宿泊するとバスで1時間かけて林道詰めまで送ってくれるのだそうだ。本日は3台の送迎バスが出たとも言っていた。

        たまご石への分岐。ここから700m、されど700m。


        オヤマリンドウがたくさん生えているが、好天のこの日も花は開いていない。めったに開花しないこの花。


        たまご石近くの大きな池塘


        あの林の先にたまご石がある。


        ようやく到着、たまご石。


        アップで見ると人の顔のようにも見える。山上の天然スフィンクス。


        戻りながら見る平ヶ岳と燧ケ岳

     たまご石はすぐ近くにあるのかと思っていたが、1?弱離れており、20分ほどで到着したものの、かなり遠く感じた。9時半に姫池テント場(休憩所)に戻ると、林道側から登って来た人たちがたくさん休憩してごったがえしていた。この頃には足の速い鷹ノ巣側からの登山者も登って来ていた。小休憩後、この素晴らしい景色に別れを告げて長い道のりを下山開始する。

        姫池と平ヶ岳。この美しい景色に別れを告げ、下山開始。

     昼12時を過ぎた頃から3日間の寝不足の疲れが一気に出始める。とにかく眠い、立ち上がるとクラっとする。水分を十分にとりながら休憩をとりつつ歩くが、全くピッチ上がらず、体の疲れよりも眠気との戦いとなる。山頂の水場で水は1500ml(手持ちと合わせて2L)十分に汲んできたが、台倉清水の水場でさらに500ml汲み、クラクラする頭と足元のスリップに十分注意しながら細尾根を下りる。(なお、登りの際に2ケ所の水場は枯れていて使えないと聞いていたが、台倉清水は流れてはいないものの、えぐれて盆状になった岩の中に周辺からしみ出た水がたまっており、そこから汲むことができた。)午後3時40分、ようやく鷹ノ巣の駐車場に到着した。
     車の中で一寝入りしようと思って車の窓を開けたまま横になったところ、あっという間に蚊の大群に襲われ足は虫刺されだらけとなる。とてもここでは寝られず、檜枝岐の小尾瀬公園まで行って1時間ほど寝る。駒の湯という日帰り温泉で汗を流した後、西那須野インターに向かうがやはり眠く道の駅で2時間ほど睡眠。さらに高速に乗り、栃木県佐野サービスエリアで食事後、今度は爆睡、気が付けば朝の6時、もうすっかり夜が明けていた。甲府到着9時30分、その日は自宅でひたすら寝た。

     登山口までのアプローチも、そして山頂までの距離も遠い平ヶ岳。念願の山にようやく登ることができた。確かに日帰りでは大変だが、テント1泊となると夜叉神峠から登る鳳凰山と同程度(あるいはもう少し軽い)山といった感じだった。山上の池塘が広がる景色はこの世のものとは思えぬほど美しく、苦労して登るに十分値する山である。銀山平山小屋泊で送迎バス利用するのも手軽で良いと思うが、聞くところによると相当人気が高く、年内はもう予約がいっぱいだと聞いた。次に行く機会があれば、今度こそ池塘に映る天の川を撮影してみたいものだ。

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     もう9月も終わりだというのにまだ暑い日が続いている。しかし、何故か我が家の庭に植えてあるドウダンツツジは紅葉が始まった。甲府市内から見上げる周辺の山々はまだ色付いているようには見えないが、実際はどうなのだろうか?御坂山塊の紅葉状況を見るために、登り慣れている釈迦ヶ岳を訪れる。

     釈迦ヶ岳は簡単に登れる割には眺望に恵まれた良い山である(と思っている)。いくつかコースがあるが、最も簡単なのは東側の日向坂(どんべい)峠、ないしはスズランの森駐車場から登るコースだろう。明瞭な尾根道を進めば最後のところだけロープのつけられた急登になっているだけだ。今回登る西側からのコースはロープ場が2ケ所あり、アルペン気分が若干味わえるコースだ。登山を楽しむなら裏側(北側)の檜峰神社からのコースが面白い。やや荒れたコースではあるがロープが張られていて迷うことは無い。神座山、大栃山を周回して戻ることも可能である。

        林道終点の釈迦ヶ岳登山口。このあたりはまだほとんど紅葉が始まっていない。

     台風が接近しており、明日の夕方には大荒れの天気になりそうだが、この日は朝から青空が広がり、三つ峠ライブカメラで綺麗な富士山が見えていた。12時過ぎに釈迦ヶ岳登山口に到着し、道路脇に車を止め、12時20分出発。最初はセメントの林道を30分ほど歩き、林道終点に到着する。紅葉はまだほとんど始まっていなかった。尾根に登り着き、さらにロープ場を2ケ所越えて登って行くと、少しだけドウダンツツジとミツバツツジの紅葉が始まっていた。しかし、ナラ、クヌギなどは全く色付いていない。

        ロープ場。昇りでは使う必要無いが、下りや岩が濡れている時は使ったほうが無難。


        上部の色付き始めたドウダンツツジと富士山。


        山頂付近。ミツバツツジが少し紅葉している。


        釈迦ヶ岳山頂の夫婦地蔵と富士山。

     14時5分、山頂に到着する。山頂の夫婦地蔵はエプロンが新しいものに衣装替えしていた。台風接近のためか、雲が広がりつつあるものの空気が澄んで午後になっても富士山が姿を見せていた。山頂もツツジの紅葉が始まったばかり、本格的な紅葉は2〜3週間先になりそうだ。

        夫婦地蔵はエプロンが新しいものに変わっていた。


        黒岳稜線はまだ全く色付いていない。今回は手前に見えるダイレクト尾根を下る。

     昼食をとって14時40分、下山を始める。来た道を戻るのは容易いが、春に来た時、中腹で出会った猟師さんが、ダイレクトに釈迦ヶ岳山頂に登り着く尾根も若干時間はかかるが登れると言っていたのを思い出す。また、某アウトドア店の店員さんが、釈迦ヶ岳山頂で休んでいたら籔の中から人が現れて、熊が出たかと思ったという話も聞いたことがある。おそらく道は無いであろうがこの尾根を歩くことはできるのだろう。意を決して、籔の中に突入する。

        岩と低木の籔尾根を進む。


        下に見える小コブをめがけて進んだつもりだったが・・・


        歩きやすそうな林の中を選んで下りる。


        岩の露出した美しい斜面が途中にあった。

     いきなり岩と低木の籔尾根、もちろん道は無く、尾根を外さないように(といっても両脇急斜面でそこしか歩けない)真直ぐ下りる。少し行くとさらに傾斜がきつくなり、左側の林の中を歩きやすいところを探して歩く。右手に見える尾根から離れないように右向きを意識しながら歩いて行くと、イメージでは途中で尾根の傾斜が緩くなるはずだったのだがどこまで行っても急斜面だ。木の切れ間から振り返ってみると、越えるはずだった小コブがちょうど斜面の左側に見えていた。どうやら尾根を外して下りてしまったようだ。そのまま下りて行くとペットボトルの突き刺さった小木があり、まだ新しいことから、おそらくはキノコ採りの人の仕業だろう。さらに下りて行くとその先に登りで使った林道が見えてきて、あっさりと林道に抜け出た。15時25分、予定したよりもかなり上部の林道に抜け出る。あとは林道を歩いて15時40分、無事下山。

        小木に刺されたペットボトル。まだ新しい。


        林道の上部に抜け出る。

     暑い夏が続いた今年の紅葉はだいぶ遅れそうだ。今週の新聞に北海道大雪山のウラシマツツジ紅葉が見ごろになってきたとの記事を見たばかりだ。良い色に染まってくれることを願いたい。


        今回歩いたと思われるルート(右回りに歩く)

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