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四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

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     早いものでもうすぐ8月も終わりである。1泊山小屋泊りでどこかに行きたかったのだが、8月は天候が不順でとうとう小屋泊まりは出来ずに終わってしまう。

     黒戸尾根以来、なんとなく登山スランプ状態に陥っていて歩きたいと思わなくなってしまっている。天候が不順であることも一因ではあるが、こんな時は何もしないでその気になるまで待つか、あるいは山に行くしかない状態を作り出すのもスランプ脱出の方法である。ということで26日に山小屋が新装オープンする鳳凰山薬師岳小屋に電話をしてみたが、案の定予約でいっぱい、断られてしまう。ならば車中泊、26日、27日とダイヤモンド富士が見られる長者ヶ岳に行ってみようと、26日の夜に田貫湖湖畔の駐車場に行くと、何事か駐車場が閉鎖されている。看板を見ると27日に鮒釣り大会を開催するので駐車場は夕方5時から閉鎖されている。心がくじけたが東側の登山道入り口に移動してそこで車中泊することにした。到着時間が既に夜の10時半で、睡眠薬を飲んだがなかなか寝付けずやっと寝たと思ったら深夜12時に電話が鳴る。自宅からだったが電話をとる前に切れてしまい、また眠れなくなり、ウトウトしたまま起床時間の午前3時になってしまった。ほとんど寝た気がしないうえに眠気がまだMAXだ。空を見上げれば星は何も見えない、ライブカメラをチェックしてもどこからも富士山は見えていない。おそらくこれでは無理、と判断しそのまま寝ることにする。目を覚ませば朝の6時を過ぎていた。もはや登る気はしないので、近くにある小田貫湿原に移動する。やはりそこからも富士山は見えておらずおそらくは登ったとしてもダイヤは不発に終わったであろう。


        湿原周辺の森の中に咲いていたコバノギボウシ。今回はEosM2の11‐22㎜超広角レンズと100㎜マクロレンズのみ持って行く。


        アキノタムラソウ


        サワヒヨドリ


        アサマフウロとガマ


        ここのアサマフウロは色が濃くて鮮やか


        アサマフウロ


        サワシロギク


        ヌマトラノオはもう終わりかけ。


        クサレダマも結実している。


        見たかったのがこれ。


        残念ながらまだ蕾だったサワギキョウ。


        アブラガヤの咲く湿原


        アブラガヤ


        カンガレイの咲く沼地


        カンガレイ。葉のような茎に花が咲く。


        コマツカサススキ

     山から下りてから巡るはずだった湿原だが、山が無くなってしまい物足りなさを感じざるを得ない。しかし、試しておきたかったEosM2の性能は花の撮影には申し分無さそうに見える。

     スランプ状態からの脱出にはならないが、本日は花巡りに数ヶ所訪れてみたいと思う。


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     もう時期的に遅いのではないかと思いつつも、昨年結構な数の花を観察できた場所を訪れてみた。思っていた通り駐車場は満車で、少し離れた場所の路肩スペースに車を止めて森に入って行く。現地に到着したがなかなか花が見つからない。それもそのはず・・・既に花の時期を過ぎていた。


        やっと見つけたハクウンランだが、既に花は終焉。


        咲き残りがわずかにあるが、全て痛んでいる。


        ちょっと心配なのは数が減っているように見えること。時期的なものであれば良いのだが・・・


        EosM2に搭載した11‐22㎜広角レンズは接写が可能で、この程度までは近付ける。ただし、オートフォーカスではピントが合わずマニュアル撮影になる。

     思った通りこの場所は時期が遅かった。

     ついでにツリシュスランが咲く場所に移動する。マクロ100㎜とBorg300㎜とエクステンダー2倍を持って行く。カメラはEosM2、このカメラでどの程度望遠が使えるのか?


        EosM2に100㎜マクロを搭載。距離が遠いので100㎜ではツリシュスランは追い切れない。


        しかし、画像をトリーミングしてみると木の上部にベニカヤランが何株も着生しているのがわかる。


        Borg300mmを装着する。この程度の解像度が出せればまずまずだ。


        さらにエクステンションを装着して600㎜の画像。Iso800, 1/10secでシャッターを切る。

     ツリシュスランも時期が遅いのではないかと思っていたのだが、今年は花穂が見当たらずどうやら咲かなかったようだ。昨年は立派な花を何本も咲かせて多大なエネルギーを使ったであろうから、今年は花を付けずに養分を蓄える年なのだろう。

     EosM2はいつも使っているEos7Dに比べて小型で軽い。その分シャッターを切った際の振動も少なく抑えられる。望遠レンズを使用する際の最大の難点は画像のブレと被写体本体の動きである。Iso感度を上げてシャッタースピードを早めに切る必要があるのだが、暗い森の中ではそれもなかなか難しい。この日はスクリーンタッチシャッターで2秒タイマーに設定して出来るだけソフトにタッチしてシャッターを切ってみた。カメラの振動は最小限に抑えられたようで、1/10のシャッタースピードでもブレの少ない画像が撮れたように思う。センサーの性能も良く、広角レンズはレンズ口径が55㎜と小さく、地表から仰ぐように撮影することに長けている。広角でも望遠でも花を撮影するには好都合の機種ではないかと思う。

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     朝から2ヶ所を花の撮影に巡ったがまだ時間は12時前である。もう1ヶ所、富士北麓に広がる広大な草原に立ち寄ってみることにする。しかし、道路が渋滞していて想定外に移動に時間がかかり、さらには広大な草地の中を縦横無尽に走っている道路で道迷いしてしまい、目的地がどこかわからなくなってしまう。GPSを取り出して花の咲いていた場所を確認し、ようやく目的地に到着した頃には時間は午後2時を過ぎてしまった。


        マツムシソウ満開の草原。


        ヒキヨモギは散り始めている。数が減ったような感じがする。


        キキョウも満開。


        草原に咲くキキョウ


        コウリンカ


        元気に咲いていたシュロソウの大株。


        ネジバナ


        ネジバナ別株。この花も散り始めている。


        この草原は特殊な場所なので鹿の食害には無縁と思っていたのだがそうでも無いようだ。食害を受けたオオバギボウシの葉があちらこちらにある。


        なかなか見つけられなかったこの花も危機にさらされているのだろう。


        ムカゴソウ(ラン科)


        ムカゴソウ接写。昨年は簡単に見つかった気がするが、数を減らしているように見える。


        見ておきたかったのがこの花。朝開花して午後には散ってしまうこの花はこの時間では遅すぎる。マツ・バ・ニンジン。


        別の場所で見つけた株は上部が無くなっている。おそらくは鹿の仕業だろう。この花の咲く周辺は人の踏み跡も多く、確実に数を減らしている。


        こちらも見たかった花だがまだ蕾。姫・ヒゴタイ。


        菊葉のアザミもまだ蕾だった。

     鹿の食害は心配無用と思っていたこの草原も調べてみればかなりの食害を受けている(受け始めている?)ことがわかった。数年で著しく無残な変貌を遂げてしまう可能性は十分にある。規制して人を避けることは出来ても動物を避けることは出来ないし、そもそも保護柵を設置して保護が可能な場所では無い。

     場所を移動して別の花を見に行く。途中で姫シロ蝶に出会ったのは嬉しかったが、大型の鹿が走り去って行くのを見た時は腹立たしかった。


        居ました。今年もたくさん咲いてくれている。


        ヒナノキンチャク。かなりの大株。


        踊るヒナノキンチャク。マクロ100㎜で撮影。


        地面を這うように咲くこの黄色い花。もう終焉だが、なんとか咲き残っていてくれた。


        あまりお目にかかれる花では無いと思うのだが・・・ヒロハノカワラサイコ(バラ科キジムシロ属)。

     時刻は5時半になっていた。本日これまで。山に登らずに今週も不消化な週末となってしまった。盆地は暑いので涼しい高山に行きたいのだが、低地で見ておきたい花も山盛り、パトロールと保護ネット修復もやって無い。もうすぐ9月になってしまう。既に半分以上の週末日程が詰まってしまっている多忙の9月、スランプなどといっている場合ではない。

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     山と花の達人からミヤマツチトリモチが咲き始めた(出始めた?)という連絡をいただいた。絶滅危惧の花であるが私はまだお目にかかったことが無い。若干まだ早いかも知れないが咲いているのは確実だ。さっそく出かけてみる。


        外来種ブッドレア。林道沿いにだいぶはびこっている。


        キオン(キク科キオン属)満開


        フジアザミは咲き始め。


        登山道脇にイヌトウバナ(シソ科トウバナ属)。ヤマトウバナに比べて葉の幅が広い。


        咲き終えているイワギボウシ


        イワヒバ、咲き終えたイワタバコに混ざってオオビランジが咲いている。

     空模様が悪く森の中は薄暗かったが、おかげであまり汗をかかずに目的地に到着した。保護色で目立たない花のうえに薄暗くて目を凝らさないと見えてこない。ようやく2株見つけたと思ったら、場所を変えて探してみると驚きの群生が・・・。


        ひからびているキバナノショウキラン。その向こうに黒い棒のようなものが・・・。


        初めて出会うミヤマツチトリモチ。しかしこの株はもう終わりかけで黒ずんでいる。


        その近くにもう1本。


        先端にハエのような虫が付いている。こんな虫が媒介するのではないだろうか?


        別の場所を探すと、2~3本見つけたかと思ったらその先にはこんな大株。周辺にもたくさん出ている。


        マクロレンズ撮影。どう見ても・・・・花には見えない。キノコのように見えてしまう。


        しかし別株を見てみると黄色い粉が付着している。


        トリーミング。花粉か何かに相当するものだと思う。


        こちらには虫が付いている。これが媒介するとは考えにくいので、おそらくこれは花を食べる害虫だろう。

     この界隈だけで50株以上はありそうだ。朽ちた木が散在するこのような場所がこの花にとって快適な場所なのだろう。図鑑ではミヤマツチトリモチは雌雄異株と書かれているが雄株は見つかっていないらしい。もしあの黄色い粉が付着している株が花粉を出しているとすれば雄株ということになるのかも知れない。

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     薬師岳小屋が新築され8月26日(土)にオープンとなった。その日の夜は未明にオリオン座と冬の大三角形が東の空から昇り、それに細い月と金星が接近しているというこの上ない好条件の空だった。狙っていたのだが新装オープンの薬師岳小屋は既に予約がいっぱいで泊まれなかった。それと天候もあまり芳しく無く、取り止めとなった。1週間遅れて9月2日(土)は月齢11の明るい月が夕方から深夜にかけて昇って来る。そしてその月は深夜12時ごろ鳳凰山観音岳から見ると北岳山頂に沈んで行くはずだ。しかし、深夜まで粘っていると寝る時間が無くなってしまうのでこの北岳に沈む月はあきらめて未明に昇って来るオリオン座と冬の大三角形と金星を狙うことにする。1日の金曜日に薬師岳小屋に電話すると混雑しているが泊まれるとのことで予約を入れる。こうなると、スランプなどとは言っていられずに無理矢理登るしか無くなる。朝8時半に夜叉神峠から登り始め、薬師岳小屋到着は午後4時の予定である。


        マルバタケブキが満開。


        キバナアキギリは散り始めている。


        昨年はここにお花畑を形成していたシコクママコナはすっかり数を減らしてしまっている。食害だろうか?


        山肌がさらに乾燥化してしまっているように見える夜叉神峠登山道。大丈夫か?


        夜叉神峠。空はどんより曇り空。

     天気予報では朝方雨のはずだったが予想していたよりも早く雨が上がった。夜叉神峠ではまだ空には厚い雲がかかっていて白根三山は見えないが午後からは晴れてくるはずだ。台風が東の海上を北東に進んでおり風を心配していたがそれも心配無さそうだ。曇っているおかげであまり暑さも感じず、汗が少なく快適に歩ける。


        笹の斜面にマルバタケブキ。


        杖立峠火事の跡地に咲いていたシナノオトギリ。


        食害を避けてケルンの中に咲いていたヤハズヒゴタイ(だと思う)。


        南御室小屋のヤナギラン。

     快適な登山のはずだったが、杖立峠を越えて苺平への登りでへばってしまう。星撮りのために久しぶりに担いで登る1.75㎏の三脚が思ったより重い。以前は普通に担いで登っていたのにずいぶん体力が落ちたものだ。南御室小屋到着が3時になってしまい、途中で薬師岳小屋に到着が5時前になりそうだと連絡を入れる。この山も鹿の食害に悩まされているだろうが、南御室小屋で管理しているお花畑には一面にヤナギランが咲き誇っていた。近くにテント場があることも幸いしているようで夜間の鹿の食害からも免れているようだ。


        時刻は午後4時近い。太陽が西に傾いている。


        砂払山。あれを越えれば薬師岳小屋だ。


        タカネビランジがまだ少し咲き残っていた。


        薬師岳を見上げる。右下に見えてきたのが新装された薬師岳小屋。


        到着。新装開店して1週間の薬師岳小屋。

     4時45分に薬師岳小屋に到着した。小屋の中に入るとまだ新しい木の臭いが漂っている。さっそく受付して寝床を案内してもらったが思ったほど混雑しておらず、一つの布団に一人で寝ることが出来た。5時半に夕食となる。ここの定番はおでんらしい。よく似込んであるおいしいおでんをいただき、同席となった4人で山と写真の話ですっかり盛り上がってしまい、最後に席を立ったのが私の座った座席の4人だった。持参していた鳳凰山で撮影した星空の写真4点をここで披露させていただくこととなり、自身の自慢話までさせていただいてしまった。その写真はさっそく小屋の玄関のところに展示させていただいた。

     時刻は午後6時半になった。もう夕陽は沈んでいるがそろそろ月光が薬師岳の岩峰群を照らしている頃だろう。空も晴れてきたし、たぶん富士山も姿を現しているのではないだろうか? 消灯時間は8時なのでその前に1時間ほど月光照らす薬師岳を散策してくることにする。


        夕暮れの北岳(左)と仙丈ケ岳(右)。雲の上に山々が浮かんだ素晴らしい夕暮れ。


        月が昇り雲海の上に富士山が姿を現した。砂払山がくっきりと写っているのは夕焼けの空が照らす明かりによるもの。


        夕暮れの白根三山。北岳の上には木星が輝く。


        月光照らす薬師岳岩峰と雲海の富士山。


        まさに狙っていた通りの景色になってくれた。


        薬師岳と富士山。


        甲府盆地の町灯りと八ヶ岳


        月光照らす観音岳と北斗七星


        雲に浮かぶ白根三山。しかし、この時間は飛行機がいっぱい。


        しかし心配なのは北岳バットレス真ん中に輝くライト。おそらくビバークだろう。八本歯のコルにもライトが輝いている。


        月光照らす素晴らしき夕景。さそり座が横に寝そべってうっすらと天の川が写っているが、月光のフレアと重なってしまっている。

     このまま一晩中撮影していても撮り切れないくらいの素晴らしき夜空が広がった。小屋に戻るのは惜しい気もしたのだが、消灯時間を過ぎてからガタガタやっていると他の宿泊者に迷惑がかかってしまう。7時50分に小屋に戻ってさっさと後片付けして寝る。明日の朝が楽しみである。目覚まし時計は2時半にセットする。

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     新築して先週オープンしたばかりの薬師岳小屋に宿泊し、前日の夕方薬師岳に登ってみると雲海の上に富士山が浮かんでいた。そのまま甲府盆地が雲におおわれていてくれれば、翌朝は雲海で町灯りが減弱して甲府盆地の上に昇って来る星が輝いて見えるはずだ。シュミレーションでは未明3時半ごろに夏の大三角形と金星が昇って来るはずだ。目覚まし時計は未明2時半にセットして8時半に眠りについた。

     目が覚めたのは未明1時半だった。2度寝入りすると起きるのが大変になるのでそのまま起きて準備して2時に小屋を出発する。薬師岳に登ってみると、もうオリオン座が薬師岳の岩峰の上に昇って来ていた。富士山も雲の上に頭を出していて、これまた絶好の写真撮影日和となった。


        薬師岳の岩峰に昇るオリオン座。富士山は見事に雲の上に姿を現してくれた。


        同上。今回はこの構図でオリオン座を撮りたかった。雲海が町灯りを減弱させてくれたのでこれだけ星が輝いてくれた。


        薬師岳とオリオン座


        白根三山側はこの季節はあまり目立った星は見当たらず、地味な空になってしまう。

     もし雲海が出ていなければ薬師岳で冬の大三角形が昇って来るのを待って、薬師岳の岩峰で町灯りをカットしようと思っていた。しかし、この日は雲海があって町灯りがある程度カットすることが出来る。ならば、観音岳まで行って甲府盆地に昇って来る冬の大三角形と金星を入れた構図で狙うことにしよう。薬師岳の双耳峰の上に見える富士山の構図も魅力的である。夜の稜線を星空を眺めながら観音岳に進む。


        観音岳と仙丈ケ岳に立ち昇る夏の天の川と夏の大三角形 


        観音岳山頂直下から見る夜景。甲府盆地の左手から金星が昇って来た。薄い雲海だったが、冬の大三角形も十分に見える。


        金星と冬の大三角形昇る甲府盆地。観音岳山頂から見る景色。水平線が明るみ出し、もう薄明の青い空が始まっている。

     今回一番見たかったのがこの甲府盆地に昇って来るオリオン座と冬の大三角形、そして金星である。甲府盆地の町灯りはとても明るいので、雲海で蓋がされないと空の下のほうは町灯りに負けてしまって星が写らなくなってしまう。今回はやや雲海が薄かったが、それでもこれくらい星が輝いてくれた。そして画像をその気で良く見ていただくと、金星を貫いて右上がりの薄い帯、冬の大三角形を貫いて左上がりの薄い帯が立ち上がり、三角形を形成しているのがなんとなく見えると思う。これは黄道光と冬の天の川が織り成すトライアングルで、この季節の名物である。まさかこの場所で見られるとは思ってもいなかったので撮影したカメラモニターを見ながら感歎していた。


        甲斐駒ケ岳に立ち昇る天の川


        薬師岳に立つ富士山と町灯り


        富士山の上で遊ぶおおいぬ座


        薄明の八ヶ岳と町灯り


        薄明の白根三山。まだ4時20分だというのに北岳バットレスに取り付いて救助に向かうライトが見える。ヘリは飛ばなかったので無事救助されたのだろう。


        夜明けの空に輝く金星と冬の大三角形


        夜明けの空の残り星 金星とシリウス

     薄明の青い空は夜明けの青空に変わり、楽しませてくれた星の明かりは消えて行く。そして日の出を迎える。


        雲海に浮かぶ夜明けの富士山


        日の出


        朝日浴びる甲斐駒ケ岳と地蔵岳。あまり焼けなかった。


        北岳と間ノ岳の夜明け


        夜明けの富士山


        甲斐駒ケ岳と仙丈ケ岳

     夜明けのゴールデンタイムが終わったところで軽く朝食をとる。天候の良さそうな日を狙って登る鳳凰山は来るたびに素晴らしい景色を見せてくれるがこの日もまた格別に素晴らしい景色を見せてくれた。おそらくは、この夏のシーズン中、星を見るには最高の条件ではなかっただろうか。言葉に言い表せないくらい感動的な景色を楽しませていただき、山の神様に感謝した。


        タカネビランジと甲斐駒ケ岳。光の角度が悪く、どうしてもカメラと三脚の影に入ってしまう。


        ホウオウシャジンと白根三山。こんな好位置に咲いてくれるとは。


        タカネビランジが咲いていればこんな構図だろうか。満開の時に訪れたことが無い。


        少しだけ彩雲

     薬師岳小屋に立ち寄りお礼を言って下山する。白根三山が雪化粧する頃に、来られるならばまた来てみたいと思った。しかしその頃には鳳凰山も雪が積もっているだろう。根性と体力がどうか・・・??


        雲が次第に増えてきた。


        夜叉神峠に到着した頃はすっかり曇り空。

     足に疲れを貯めないように故意にゆっくりと歩いたつもりだったがそれでもかなり膝に堪えた。ヘロヘロまでは行かないまでも明日の筋肉痛と膝関節痛は確定だろう。眠気も混じって疲れはしたが、この季節にこれほどまでの素晴らしい条件で星空が見られるとは全く思っていなかっただけに、大満足な山行となった。午後2時半、下山。

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     鳳凰山に咲く花と言ったら何といってもタカネビランジとホウオウシャジンだろう。例年ならばタカネビランジは8月中旬ごろ、ホウオウシャジンは9月初旬が見ごろになる。時期的にホウオウシャジンが見ごろを迎えている頃だが、今年は花が遅かったのが幸いしたのか、咲き残っていたタカネビランジも見ることが出来た。


        今が盛りのホウオウシャジン。


        北岳とホウオウシャジン。


        花崗岩のこんな岩の隙間に好んで咲く。


        イワシャジンの変種であるが、葉が細いのが特徴。


        痛んでしまっているが、咲き残っていたタカネビランジ。


        茎と苞には毛が生えている。ビランジの変種である。


        ヒメコゴメグサと北岳。朝日が昇ったばかりで暗かったのでフラッシュ発光させて撮影。

     苔の生した樹林帯の中ではコフタバランを良く見かけるが、そのほかのフタバラン属の花があるのではないかと覗き込みながら歩いたのだが、とうとう発見できなかった。コイチヨウランがありそうな感じだがそれも見当たらず、イチヨウランの葉も発見できず。黒戸尾根と似たような環境に見えるのだが植生は違うように見受けられた。


        良く見かけるコフタバラン。


        花はもう終わっている。


        同じような場所にコバノイチヤクソウ。


        2回3出複葉の葉、おそらくコセリバオウレンと思われる。

     もっと標高の低いところでは鹿の食害が著しく、危機的な状況に陥りつつある花も見受けられた。


        フシグロセンノウ。もう花は終わりかけている。だいぶ数が減ったように見える。


        小さな白い花、コフウロは登山道脇にたくさん咲いている。


        よほど食べ物が無いのか、バイケイソウがずいぶん食べられていた。こんなもの食って腹を壊さないのか?


        フユハナノワラビ。前日もっと大株を発見したが帰りには消滅していた。この株もちぎれていて食べられているようだ。


        危険な状況にあるのがこの猫招きの花。株が小さいうえに花付きも悪い。


        それもそのはず。大株の上部は徹底的に鹿に食われており、数も減ってしまっている。保護するにも簡単に保護柵で囲えるような場所では無い。

     ここから先は自分自身の勉強のための記事である。おそらくは間違っていることが多々あると思うのでご指摘いただければと思う。


        標高1,800m付近で見かけたアザミの仲間。密に細い葉を付けている。


        茎と総苞に毛が生えておらず、総苞片(花の基部の鱗状の葉)は開出している。これはホソエノアザミ。


        標高2,000m付近で見かけたアザミの仲間。葉茎に翼のある浅い鋸歯の葉。


        茎に毛が生えている。総苞のクモ毛は少なく、総苞片は開出しない。


        別の場所で見たものだが、これも同じものだろう。ヤハズヒゴタイ。


        観音岳直下、標高2,700m付近で見たもの。背が低く総苞片は黒い。


        葉が細くて切れ込みが深いがおそらく同じもの。ヤハズヒゴタイの高山型、タカネヒゴタイ。


        風化花崗岩の中に咲いていた株はまた葉の形が違っていて別物のように見えなくもないが、これもタカネヒゴタイと思われる。

     ほとんどまだ手探り状態にあるアザミとヒゴタイの仲間であるが、鳳凰山の中腹より上で見かけたものはヤハズヒゴタイとタカネヒゴタイになるのだと思う。御坂山塊でもこの仲間が咲いている頃だろうから見に行かなければならない。今年はコウシュウヒゴタイとタカオヒゴタイの区別をしっかりと付けるのが課題である。

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     平成29年9月6日に11年ぶりとなる太陽フレアの大爆発が起こった。そのフレアから噴出する電磁波は約3日後に太陽風として地球に到達し、ピークを迎えるのが8日の午後3時から深夜12時ごろまでである。この強い太陽風は時として大きなオーロラを発生させることがある。11年前の大爆発の時に山梨県の甘利山からそのオーロラを捉えた写真家が居る。牛山俊夫さんという私の星空撮影の師匠である。おそらくはその画像が日本で最も南側から捉えたオーロラの画像であろう。同じ頃に北アルプスから菊池哲夫さんという写真家もオーロラを捉えている。オーロラというとカーテンのようにひらひらと流れて行く画像を思い浮かべるかと思うが、甘利山や北アルプスから捉えたオーロラは低緯度オーロラと言って、カーテンのようなオーロラよりもずっと上のほうに出る赤色から赤紫色をした空の色の変化である。チャンスがあるとすればこの9月8日の夜だろう。夕方8時頃には明るい月が昇って来てしまうので、時間は午後7時から最大で8時半までだろう。山が見えてかつ北側の視界が開けている場所ということで日向山を選んで午後から登る。


        矢立石登山口の看板。錦滝のコースは数年前から通行止めになっている。下山で使うのはおすすめしないが、登りで使うならば支障ないと思われる。あくまでも自己責任で。


        ヤマジノホトトギス


        フクオウソウはまだ蕾。


        山頂のオオビランジ


        オオビランジ。後ろは八ヶ岳。


        トモエシオガマ

     3時半から登ってちょうど2時間、午後5時半に山頂に到着した。カメラは2台持って行き、1台はオーロラ撮影用に固定してタイマーリモートコントローラーをセットしてひたすらシャッターを切り続ける。もう1台は他の景色を撮るために移動しながら使うことにする。空には雲が多かったが、都合良いことに北側の視野はスッキリと開いている。


        日向山雁ヶ原の白砂と八ヶ岳。超広角レンズにPLフィルターセットするとケラレ(周辺の視野が一部欠ける現象)が出てしまう。


        雁ヶ原と残照の甲斐駒ケ岳


        夕暮れ迫る八ヶ岳


        日没。街の明かりが灯り始める。


        町灯り灯る八ヶ岳


        まだうっすらと夕焼けの空が残っている。時刻は6時55分、そろそろ狙い目の時間になる。


        7時15分、夕焼けの空は消え、1台はこの位置でカメラを固定する。画面右3分の1、蓼科山のあたりが真北になる。


        もう1台のカメラで山上をウロウロする。雁ヶ原と八ヶ岳。夜の景色もなかなか幻想的。月光を使えばもっと真っ白な雁ヶ原が表現できると思う。


        甲斐駒ケ岳に昇る天の川。どうしても飛行機がカットできない。


        もう月が昇って来た。空が白々としている。


        甲斐駒ケ岳に立ち昇る天の川。月明かりが無ければもう少し鮮明に写ったはず。


        さて、肝心のオーロラは? 7時30分、最も好条件の時間帯だが、蓼科山周辺には紫色の光は写っていない。


        7時45分、もう月明かりが照らし始めてしまった。オーロラ写らず。


        8時、もう空がだいぶ明るくなってしまった。どうやら無理のようだ。


        露出を変えて撮ってみるがやはり写らず。低緯度オーロラは不発に終わってしまう。


        月光照らす雁ヶ原と甲斐駒ケ岳

     やはりそう簡単に撮らせてもらえるものでは無い。しかし、山梨県からオーロラを捉えることが出来るとしたら、この日のようなフレアが大爆発を起こした時しか無いわけである。空気の透明度が年々落ちてきているこの時代において、山梨県からオーロラを捉えるということはほとんど無理なように思える。しかし、同時に大きなロマンを持っているわけで、機会がある限りはチャレンジを続けてみたいと思う。


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     黒戸尾根か、北岳か、赤岳か、それともこの権現岳か、散々迷った挙句、権現岳小屋泊まりで行くことに決め、当日の朝、小屋に電話を入れて予約を入れる。ひとつは7月に日帰りで訪れた際のアザミの仲間が何なのか確認しておきたかったこと、そして来年の植物調査のための下見、さらには前日撮影に失敗したオーロラがひょっとしたら見えるかも知れないと言う小さな期待もあった。権現岳から赤岳方面を見るとちょうど阿弥陀岳あたりが真北になり、その裾野が紫色に染まってくれるかもしれないと考えたが、前日よりも太陽風の条件が悪いので撮れる可能性はゼロに近い。

     午前8時半観音平に到着すると駐車場は車がいっぱいで路上までずらりと駐車されている。ところが、一番奥の駐車場まで乗り入れてみるとまだ10台近く止められるスペースが空いておりそこに車を止めて9時に出発する。このルートは平成17年の6月、まだ登山を始めて間もない頃に日帰りで周回したことがある。天気が悪く編笠山はパスして鎖場を必死で登って権現岳に到着したら、今度は雷鳴が轟いて休む間もなく三ツ頭のコルの樹林帯に逃げ込んだ。そのうえ日没が近付いて来たというのに3人で出掛けたのにヘッドライトが1個しか無く、かろうじて日没直前に観音平に到着したという、今にして思えば無謀な登山だった。その時に初めて見たチシマギキョウの濃い青紫色の花が強く印象に残っており、その時はその花の名前も知らなかった。12年にして登山レベルはそれほど上がったとは思えないが、花や星や山の知識はずいぶんと上がったように思う。今回は権現岳小屋泊まりなので時間は十分にある(はずだ)。編笠山を越えて行くことにする。


        ここを歩いたのは12年前。なつかしい感じがする。


        雲海展望台。木が伸びて眺望はいまひとつ。


        樹林帯の中で見かけたヤマホタルブクロ


        ミヤマモジズリ


        固まって咲いてはいないが、あちらこちらに点在。


        総苞が緑色。この標高だとヤハズヒゴタイ。


        咲き終えたキソチドリ

     花の写真を撮ろうとザックに取り付けた三脚を取り出そうとすると、星用の大きな三脚のほかにもう1本のサブ三脚が積まれていた。昨日の日向山に行った際に取り外すのを忘れてそのまま持って来たしまった。カメラは1台しか無いのに三脚が2本・・・今さら置いて行くわけにも行かず、そのまま担ぎ上げるしかない。

     苔の生えたツガ樹林帯の中でキソチドリが固まって生えているのを見つけた。ふとその横を見ると双葉のランがあった。回り込んでみるとそちら側には5~6本まばらに生えている。花はもう終わってしまっているが、毛の生えた紫色の茎とやや光沢のある双葉の葉っぱ、これは深山のフタバランではないか。コフタバランがあるのではないかと気をつけながら歩いて来たのだが、まさか、このフタバランに出会えるとは思っていなかった。嬉しい出会いである。


        キソチドリの群生。真ん中のところにキソチドリに並んで別のランが生えている。


        反対側から撮影。


        既に結実している。毛の生えた赤紫色の茎、やや光沢のある双葉。


        深山・フタバラン。ここで出会えるとは嬉しい。今度は花の咲いている時期に訪れてみたい。


        編笠山への急登。かなり辛く、時間もかかった。


        標高は2,400mくらいまで上がったが、これもどうやらヤハズヒゴタイ。


        もうすぐ編笠山山頂。既にヘロヘロ。


        山頂付近に咲いていたウメバチソウ。


        編笠山山頂。


        編笠山から見る八ヶ岳の山並み。一番右が権現岳。まだ結構遠い。

     編笠山の登りは急登できつく、ヘロヘロになって山頂に到着、既に時刻は午後1時だった。10人以上の登山者が休憩中だったのでそのまま休まずに青年小屋まで下りて休憩することにする。


        ゴゼンタチバナの赤い実。


        こんなところにも深山・フタバラン。


        青年小屋とこれから登るギボシ・権現岳。まだかなり遠く感じる。


        アカバナだが、何かおかしい。


        上部がちぎれている。どうやら鹿にやられているらしい。

     予定では2時までには青年小屋を出発するはずだったが到着が2時近くになってしまった。ここで昼食をとり、水場に水を汲みに行く。水場の「生水 煮沸して使って下さい」と書かれてる看板を正面から見ながらゴクゴクと水を飲んでいると、近くに居た大学生らしき女性が物言いたげに私の方をじっと見つめていたが、よほど怪しいおじさんに見えたのか何も言わずに立ち去って行った。


        青年小屋の水場、乙女の水。煮沸して使うように書かれているがそんなことお構いなしにゴクゴクと喉を潤す。


        水場の脇に咲いていたセリバオウレン。

     青年小屋出発は午後2時半になってしまった。コースタイムでは1時間半で権現岳小屋に到着できるはずだが、私の足では2時間くらいかかってしまうだろう。編笠山の登りでかなり足に疲れがたまってきている。もうひと踏ん張りだ。(1日目後篇に続く)

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     観音平を9時に出発して編笠山山頂到着が午後1時半、青年小屋で昼食をとって水を汲み、権現岳に向かって出発したのは午後2時半になってしまった。コースタイムでは権現岳まで1時間半だがとてもそんなに速く登れる気がしない。既に脚が相当疲れて来た。星撮り用の重い三脚のほかに間違ってもう1本持って来てしまったのも失敗だった。青年小屋から権現岳に至るギボシ側面を通過するルートはこのルートの核心部で、鎖の付いた急斜面を越えなければならない。小屋番さんには申し訳ないが、4時には到着できそうも無い。


        編笠山を眺めるように咲いているアザミ。


        このアザミは? 上部で分枝し、下向きに花を付ける。裂片は開いて先が尖り、総苞は粘っていない。ヤツタカネアザミと思われる。


        登山道脇の岩場に咲いていたヤマハハコ。


        コバノコゴメグサとギボシ


        背丈が小さいが、どうやらヒメシャジン。


        トリカブト


        のろし場に到着。ここまでは普通の登山道。この先に見えるギボシの登りと側面トラバースがこのルートの核心部。

     のろし場までは普通に歩ける登山道だが、核心部はその先だ。見上げるギボシの岩峰は目の前に立ちはだかっているかのように見える。そしてその岩場にはたくさんの高山植物が咲いていた。


        ギボシと阿弥陀岳


        立ちはだかった聳えるギボシ。


        しかし、そこには高山植物がたくさん。ウメバチソウのお花畑。


        ウメバチソウ


        トウヤクリンドウは花が開いていなかった。


        ミヤマオトコヨモギ


        タカネナデシコ


        総苞が赤紫色。ここまで来るとタカネヒゴタイ。


        7月に北岳で探したが見つからなかったこの花。


        ここで出会えるとは。シコタンハコベ。


        花がほとんど終わってしまっているのが残念。深山・フタバランとともに来年再訪してみたい。


        ちょっとスリルがあるギボシ鎖場。したは編笠山。


        ひと登りして権現岳が見えてきたが、さらにもうひとつピークがある。ここは側面をトラバースする鎖が付いている。


        通過して来た小ピークを振り返る。この岩場にもミヤマダイコンソウをはじめとする高山植物がたくさん付着している。下に見えるのは西岳。


        ギボシ側面のトラバース鎖


        さらにこの岩を登る。


        ようやく権現岳と権現小屋が目の前に近付く。


        雲湧きあがる赤岳と阿弥陀岳。権現岳小屋手前の稜線から見る景色が素晴らしい。


        やっと小屋に到着。午後4時半。

     権現岳はこんなに大変だっただろうかと思うくらいに疲れ果てて、午後4時半に小屋に到着した。受付けを済ませて荷物を寝床に片付けて着替えると、間もなく夕食となった。本日の宿泊客は8人で静かな山小屋泊まりとなった。この小屋は若い小屋番さん1人で切り盛りしていて、宿泊客は少ないもののかなり大変そうに見えた。独りのほうが気楽で良いと言っていたが、それにしても荷揚げや食事の準備、寝床の整備など、1日中休む暇など無いのではないだろうか。まだ若いのに大したものである。

     夕食後、夕映えの赤岳とその後の星空、うまくすれば低緯度オーロラを期待して宿泊客のほとんどの人たちと共に権現岳キレット側の展望台に出かける。残念ながら空は雲が多くて夕陽は見えず夕映えの赤岳も見られなかった。星が出るまで待とうと思ったのだが、雲が湧きあがって来たと思ったら今度は雷鳴が轟き始めた。次第に黒い雲が迫って来たのであきらめて小屋に戻ることにした。


        雲が多く夕映えの赤岳は拝めず。


        星も難しそうだ。雲が湧いて来たと思ったら今度は雷鳴。撤退する。


        8時近くまで小屋の前で空を見上げていたが、星が見えたのは頭の上に一時だけ。白鳥座デネブとうっすら天の川。

     8時ごろまで小屋の前で写真好きな人達と話をしながら空模様を伺っていたが、頭の上で一瞬星空が見えた後は霧が巻き始め何も見えなくなってしまった。さらに小雨が降り始める。明日の朝に期待して8時半には眠りについた。

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     権現岳小屋に宿泊した9日の夜は星空が見えず、8時半には就眠した。この時間に寝るのであれば目覚まし時計をセットせずとも未明3時には目が覚めるはずだ。実際に目が覚めたのは未明2時過ぎだった。窓の外を見ると霧で真っ白、星も町灯りも何も見えない。3時半ごろに外に出てみるとうっすらと月明かりが雲を透かして見えてきた。このまま朝まで横になっているのももったいないので、ダメなのを承知で荷物を全部持って早朝4時に小屋を出る。すると、先ほどまで見えなかった編笠山や町灯りが見えるようになってきた。


        権現岳小屋の上から見るギボシと編笠山。編笠山山頂を目指す明かりが見える。


        展望地まで行ってみると月光に照らされた赤岳と阿弥陀岳も姿を現していた。しかし空には雲がかかって星は見えず。


        権現岳と甲府盆地の明かり。富士山は霞の中にチラリと見えるだけ。


        霧が湧き上がる。雲海は広がったが富士山は霞んでいまひとつ。


        雲の間から朝日が現れた。ほとんど焼けず。


        霧の巻く赤岳と阿弥陀岳


        朝日が差し込んだが霞が多くて空気の透明度がいまひとつ。朝の景色はここまでだ。

     雲に巻かれた赤岳と阿弥陀岳を狙って再三シャッターを切ったが、霞が多くて残念ながら劇的な朝の写真にはならなかった。日が昇ったところで山の撮影は止める。権現岳小屋に戻って水を1本購入し、小屋番さんに挨拶をして三ツ頭目指して出発する。権現岳山頂付近は高山植物の宝庫であるが、残念ながらどの花も少し時期が遅く、目的の花だったアザミの仲間ももうほとんど終わっていた。


        赤紫色の総苞、何本かに分かれて咲く花、これはタカネヒゴタイ。もうほとんど終わっていた。


        ウメバチソウも半分くらい散っている。


        見ごろのはずなのだが花を開いてくれないトウヤクリンドウ。


        オヤマリンドウはまだ蕾。


        咲き残りのタカネシュロソウ


        ヤツタカネアザミ


        三ツ頭から振り返って見る権現岳、阿弥陀岳、赤岳。


        ここに来て富士山が少し見えるようになってきた。もう少し早く回復してくれれば絵になったかも知れない。

     時間がまだ早かったので色気を出して前三ツ頭方面へも花探しに下りてみたのだが、これが後まで尾を引くことになってしまう。


        三ツ頭あたりまで来るとヤハズヒゴタイのようだ。


        タカネマツムシソウ。背が低いが一部鹿に食われているようだ。


        ミヤマダイモンジソウ。茎に毛が無い(ように見える)。


        こちらは茎と苞に毛が生えている。ビランジ。オオビランジよりもこちらのほうがあまりお目にかかれない。


        そしてこちらの樹林帯の中にも、もう枯れそうだが深山・フタバラン。

     気温が上がりかなり汗をかいてしまい、登り返しで大幅に体力を消耗してしまった。しかも、持っていた水が1リットル少々だったのだが下山途中でほとんど無くなってしまう事態となってしまう。途中に延命水という水場があるので、そこで水を汲もうと立ち寄るのだが・・・ショック!


        来年は三ツ頭から八ヶ岳神社に至るこの尾根の草地を調べてみたいと思っている。この尾根は山梨県だ。


        草むらを覗き込みながら歩いていると花の終わったツレサギソウ属の花あり。環境から見てタカネサギソウだろう。来年が楽しみだ。


        木戸口公園。展望無し。


        その下のヘリポートで展望が開ける。ここで12時、昼食をとる。水は残り200mlほどとなってしまう。


        延命水分岐。看板には飲用に不適と書いてあるがそんなのはお構い無し。二口ほど水を残して汲みに行く。


        水場の周りにはクリンソウの葉。


        しかし・・・無情にも水は出ていない。延命水では無く絶命水!

     残った二口の水を大切に使いながら、残り1時間少々の行程をテクテクと歩いて観音平に戻った。それほど歩いたわけでは無いが、ものすごく疲れた山行となってしまった。


        八ヶ岳遊歩道分岐


        キバナアキギリ


        何じゃこりゃ?


        調べてみるとカワミドリ(シソ科カワミドリ属)という花。名前は聞いたことがあるが初見。


        枯れた沢までグッと下りてまた登り返し。


        最後にミヤマモジズリが出迎えてくれた。


        観音平到着。もはやヒカリゴケを見に行く元気は無かった。

     車に到着して中に置いてあった水を一気に500ml飲んで少し元気回復した。水が足りなくなるのではないかという心配が下山し始めの時に少しあったのだが、寄り道したのが想定外に暑くて辛かったのが失敗だった。しかし、星は撮れなかったものの深山・双葉ランやシコタンハコベ(山梨県では絶滅危惧ⅠA類)にも出会うことが出来たし、来年の山岳レインジャー活動(植物調査)に向けての下見も出来た。それなりに有意義な山行だったと思う。

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     保護柵で囲われて4年目となるこの山、そろそろ植生が復活している頃だろう。昨年の秋にも訪れたのだが悪天候と雷に阻まれて撤退となってしまった。今年も行けるかどうか微妙な状況だったので、花見隊メンバーにミッションを託して花探しに行っていただいた。すると今度は・・・大株が咲いているから見に行って来いという逆ミッションが出た。9月3連休は北岳の予定だったのでゆっくり休んでから出掛けたかったのだが残念ながら台風の接近で北岳入山は叶わなそうだ。ならば、台風接近の前にこちらの山を見に行こうということで、午後から出かけてみることとなる。

     峠の駐車場に到着したのは午後3時過ぎ、出発は3時半になってしまう。ヘッドライト装着で下山はほぼ確定だろう。保護柵のゲートを開けて中に入ると、昨年以上に植生が復活してさらに草ボウボウになった感じがする。アザミをはじめとする秋の花がいっぱいである。


        ゲートを開けて中に入ると、昨年以上に植生が復活し、良い意味で草ボウボウといった感じ。


        元気なハナイカリ


        登山道にあふれ出ているトモエシオガマ


        このアザミは少し遅かった。


        ノハラザミ


        ノコギリソウも食害無く元気に育っている。


        咲き残っていたハクサンフウロ


        ハクサンフウロ


        コウリンカ。こちらももうほとんど終わっている。

     途中のピークで小休止してさらに先の草地まで行ってみる。そこは驚くほどのタムラソウが咲く赤いお花畑になっていた。


        タムラソウがいっぱい。


        よくぞここまで復活したものだ。素晴らしい!


        オヤマボクチ


        マツムシソウ


        ツリガネニンジン。太い!デカい!


        ミッションだった花は少し離れた位置に咲いている。


        近くにあったものを探して撮影。こんなに大きくなる花だったのか!


        マクロレンズを持って行ったのにコネクターを忘れてカメラと接続できず。カメラに押さえつけて撮影したのでこれが精一杯。


        もうひとつ楽しみにしていたのがこれ。


        セイタカトウヒレン。茎にヒレがあるのが特徴。


        マツムシソウのお花畑をバックにセイタカトウヒレン。


        セイタカトウヒレンの総苞片は開出せず、毛の生えた魚のうろこのように見える。


        存分に楽しませていただきました。これからも元気にたくさん咲いてください。

     時間は5時半になってしまった。夕暮れが迫り空模様も悪くて薄暗くなってきた。ヘッドライトを準備してそろそろ撤退だ。

     よくぞここまで復活してくれたものだ。この界隈にはかつてヒメヒゴタイがたくさん咲いていたという記録と写真がネット上に投稿されている。鹿の食害で消滅したのではないかと心配していたのだがまだしっかりと残っていてくれた。ほっと一安心である。この山の広大な草地は全体が柵で囲われているわけでは無くて、核心部が部分的に囲われていると言って良いだろう。しかしそれでも柵で囲われた面積はかなり広く、よくぞここまで予算をかけて囲ったものだと感心させられる。そして囲われた場所と囲われていない場所の植生の違いは明らかで、保護柵の効果がいかに絶大であるか、そしてシカの食害がいかに深刻であるかはこの山を訪れると目の当たりにすることが出来る。自主的に囲った場所もきっと元気に花が咲いてくれると信じて、これからも活動するしか無いと改めて思わされた。


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     台風18号接近のため9月3連休で予定していた北岳は中止となってしまった。そろそろ台風が九州に上陸した頃の17日朝、外に出てみると意外に小雨が降る程度で風もさほど強くない。天気予報の雲画像を見ても山梨県界隈はさほど活発な雨雲はかかっていない。これならば・・・傘を差して近場の植物観察くらいなら出来そうだ。まだ未解決のコウシュウヒゴタイとタカオヒゴタイの区別を見極めるため、既に下見が済んでいるさほど歩かなくても行ける峠に行ってみることにした。

     コウシュウとタカオの違いのひとつは葉っぱの切れ込みだろう。タカオはバイオリン型に深く葉が切れ込むがコウシュウはあまり切れ込まないらしい。しかし、昨年見かけたコウシュウヒゴタイと思われる花はバイオリン型とは言わないまでも葉に切れ込みがあるものがあった。さらにもうひとつの違いはコウシュウは総苞に毛が生えていないのに対してタカオは蜜に蜘蛛毛が生えているらしい。今回注意して観察するのはこの葉の切れ込みと総苞の蜘蛛毛の有無である。傘は車に積んであるが、撮影に適した半透明の傘の持ち合わせが無いため、コンビニで良さげな傘を購入していざ出陣である。雨の日の花の撮影はレンズが濡れたり結露したりしてうまく撮れないので避けていたのだが、あまり日程が取れそうもないので強行である。


        たぶんイヌヤマハッカ。毎年図鑑とにらめっこしているが、数日で区別の仕方を忘れてしまうヤマハッカの仲間。


        峠に登る入り口でさっそく発見したヒゴタイ。さて、これはどっち? 周辺の草とともに食害に遭っているのが心配だ。


        蜜とは言えないが蜘蛛毛が生えている。タカオになるのか? しかし葉の切れ込みは浅いように見える。


        オクモミジハグマ。ほとんどがもう終わっていた。


        サラシナショウマ。食害に遭いつつも生き残って咲いていた。


        サラシナショウマ


        レイジンソウがちらほら。

     さて、肝心のヒゴタイは? ちょうど見ごろを迎えていてかなりの数を観察することが出来た。果たしてその正体は???


        数本固まって咲いていた株。葉は切れ込んでおらず、コウシュウヒゴタイのように見える。


        花の部分を接写。蜘蛛毛は生えておらずコウシュウヒゴタイと見て良いであろう。


        別株。こちらは下のほうの葉は切れ込んでいる。


        うっすらと蜘蛛毛が生えているように見えなくもないがほとんど無し。これもコウシュウとみて良いだろう。


        こちらも葉の切れ込みがほとんど無い。


        蜘蛛毛は無いように見える。


        葉が痛んでしまっているが、これはかなり細く切れ込んでいるように見える。


        こちらは明らかに蜘蛛毛が生えているが蜜と言うほどでは無いように見える。

     いずれも近い場所で同じような環境で咲いている。これは本当に別物なのかどうか? 同じものを見ているようにしか思えず、どうにもしっくり来ない。もう1ヶ所観察に行ってみよう。


        春に見たユモトマムシグサは赤い実が成っていた。周辺には10株ほど葉が生えていた。


        徹底的に食害を受けている感じがする。下草がほとんど無く山肌が殺伐としている。


        トリカブトの葉が食べ尽くされている。なんとかしないと花が全て無くなってしまいそうな燦燦たる状況である。


        春にたくさん葉が出ているのを確認したがほとんど見当たらなくなっており、ようやく発見した株。いよいよレンズが結露し始めた。


        中腹よりも上で見つけた大きめの株。葉の切れ込みが深くタカオヒゴタイのタイプ。


        しかし総苞に蜘蛛毛は生えておらず、コウシュウヒゴタイになるのではないだろうか?

     その他に数株発見したこの界隈に咲いていたヒゴタイはいずれも総苞に蜘蛛毛は生えていなかった。しかし、葉の切れ込みはやや深いものが多かった。

     この場所で見る限りでは、葉の切れ込みがやや深いものが多いものの、総苞に蜘蛛毛が生えているものは少なく、あるいはあっても薄く、ほとんどがコウシュウヒゴタイとみて良いのではないだろうか? しかしそれにしてもしっくり来ない。この程度の観察ではとてもではないが結論は出せない。もう少し別の場所を観察してみる必要がある。典型的なコウシュウヒゴタイとタカオヒゴタイを見ないと結論は出せないのではないだろうか???

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     台風18号が去り、この日の朝は朝焼けと富士山を見るには絶好の機会だろうと狙っていた。未明2時半に目が覚めたので手っ取り早く甲府盆地の夜景が眺められる甘利山に出かけてみることにする。しかもこの日の未明3時半過ぎに接近した金星と細い月が東の空から昇って来るという絶好の日だった。しかし・・・無情にも甘利山林道のゲートに到着すると台風のためゲートが閉鎖されていて通行止めになっていた。韮崎に戻ってインターから中央道に乗るが時間は既に4時近く、しかもまだ小雨が降っている。富士山は下からでは見えそうも無い。心が折れた。自宅に帰って寝直すことにする。

     目が覚めたのは朝の9時、外を見ると真っ青な青空が広がっている。高速に乗ってそのまま富士五湖のどこかに行くという手段もあっただろうが、2時間ほどしか寝ていなかったのでそのまま山に登ることは出来ない。自宅に戻ってさらに4時間近く寝たのでこれからなら出かけることが出来そうだ。昨日のヒゴタイの決着がまだ着いていないので、今度は少し岩の混じった山塊を選択して手軽に行ける本社ヶ丸に行ってみることにした。御坂側の三ツ峠登山口から出発したのは午前11時になった。


        台風の影響で林道には木の枝が散乱している。


        こちら側も鹿の食害が酷い。テンニンソウがずいぶん食べられている。


        林道終点到着。ここから登山道に入る。


        早速発見。葉はバイオリン型と言うよりは鉾型でどちらかというとコウシュウヒゴタイのタイプ。


        しかし総苞を見ると薄い蜘蛛毛が生えている。ではこれはタカオヒゴタイなのか??さっぱりわからない。


        清八山の松の木と富士山


        黒岳と釈迦ヶ岳、そして甲府盆地


        葉の茶色いトモエシオガマ


        ちょい岩場。左側から簡単に登れる。


        山頂到着。


        三ツ峠と富士山


        雲が巻きつく夏の富士山

     花を見ながら三脚を担いで登って来たので山頂到着は午後1時20分になってしまった。ヒゴタイの仲間は葉っぱは見つかるものの花があまり見つからない。軽く昼食をとって下山するが、下山しながらのほうが多くのヒゴタイに出会うことが出来た。


        鉾型の葉っぱ。コウシュウ?


        しかし総苞には蜘蛛毛あり。


        今度は葉にほとんどくびれが無い典型的なコウシュウ型、と思ったが・・・


        総苞には薄いながら蜘蛛毛あり。


        今度は葉にくびれがあるがバイオリン型とまでは言えない。


        これにも蜘蛛毛あり。


        これは鉾型の葉と言って良いだろうが、これには蜘蛛毛が無い。


        これはくびれの無いコウシュウ型の葉をしているが・・・


        総苞にはしっかりと蜘蛛毛がある。

     葉が鉾型だろうがバイオリン型だろうがくびれが無かろうがほとんど関係無く蜘蛛毛があったり無かったりしているように見受けられる。そもそもほぼ同じような場所に咲いているこれらのヒゴタイは別物なのだろうか?同じものを見ているようにしか思えない。だとすれば、これはコウシュウなのかタカオなのか?さっぱりわからない。ひょっとしたらこの2種類は同じもので若干の形態の変化があるだけなのでは?とも思ってしまう。おそらくは今シーズンも2種類の区別は出来ずに持ち越しになってしまうのだろう。


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     本社ヶ丸で折り返して清八峠に戻ってきたのは午後3時になってしまった。予定ではここを2時に通過するはずだったが、風で揺れるヒゴタイの仲間の撮影が思うように行かずだいぶ時間を費やしてしまった。三ツ峠の山頂まではここから約2時間、しかし引き続き正体が確定できないヒゴタイの探索をしながら登るとおそらく3時間くらいかかるだろう。しかし折角の良い天気、富士山も見えているし、朝は甘利山林道閉鎖で撮影に失敗している。ここのところ滅多に訪れないこの日の澄んだ富士山を撮らずには帰れない。日没過ぎの夜景を狙って清八峠側から三ツ峠を目指す。


        三ツ峠側はヒゴタイがたくさんあった。葉に少し切れ込みあり。


        わずかに蜘蛛毛あり。


        数本並んでいた株はわずかに切れ込みあり。


        明らかに蜘蛛毛がある。


        葉にほとんど切れ込みが無いコウシュウヒゴタイ型。


        これにも蜘蛛毛あり。

     たくさんのヒゴタイを観察して回ったが、この界隈のヒゴタイは葉の切れ込みの有無にかかわらずほとんどの株で総苞に毛が生えていた。葉の切れ込みはどちらかというと少ないものが多く、おそらくはこれらは皆コウシュウヒゴタイなのではないだろうか?日没ギリギリの5時半にやっと電波塔の立つ御巣鷹山に到着した。
        








     未完成ですが後日。

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     おそらく今年も決着が着かないであろうヒゴタイの花だが、山系を変えて大菩薩・小金沢連峰のほうに行ったら少しは違うものが見られるのではないだろうか?他の花の観察を兼ねて山梨県東部の山を訪れてみることにする。


        この山も鹿の食害が著しい。荒れた草地の中にポツポツとマルバタケブキが咲く。


        山頂付近の草地は燦燦たるものである。かろうじて残っていたノコギリソウ。かつてのお花畑は消滅し、虚しさと無力さを感じずにはいられない。


        マルバタケブキの群落。

     ヒゴタイの仲間を探したが、葉の数も花の数もきわめて少なく、花が付いたものは2株しか発見できなかった。こちらにあったのは三ツ峠で見たものとは別のヒゴタイだった。


        ようやく見つけたヒゴタイはまだ蕾のうえに半分鹿に食べられている。葉のくびれは目立たない。


        総苞を見てみると蜘蛛毛が生えており、さらに総苞片は開出せず飛び出していない。これはヤハズヒゴタイ。


        もう1株はだいぶ痛んでしまっている。


        総苞は蜘蛛毛があって総苞片は開出せず。ついでに総苞片の列数を数えてみると5~6列で三ツ峠で見たものよりも少ない。

     どうやらこの山のヒゴタイはヤハズヒゴタイらしい。昨年も一株だけ見つけたヒゴタイはヤハズヒゴタイのように見えた。山域によっても種類が変わるようで、さらなる調査が必要であろうが、何年もかかる作業になるだろう。

     さて、もう1種類この山には山梨県では自生地がきわめて少ない花がある。


        岩に生えたダイモンジソウ


        苔に生えたダイモンジソウ


        谷に咲いたサラシナショウマ


        これがお目当ての花。クサノ・オウバ・ノギク。


        台風の影響か、後ろ側の株はひっくり返ってしまっている。そっと戻しておいた。


        ノギクとダイモンジソウ


        この岩には昨年たくさん付着していたのに、苔ごと消失している。


        わずかに残っていた花。


        下を見ると滑り落ちた株が地面で咲いていた。この花は苔の生えた岩の上を好んで咲くので、おそらくこの状態ではあまり長生き出来ないだろう。


        こんな花もあった。


        昨年も見ていると思うのだが・・・?


        ベンケイソウの仲間、どうやらこれはミツバベンケイソウ(と花仲間から教えて頂きました)。

     小さなノギクの花は山梨県ではごく限られた場所にしか咲かない貴重なものであるが、昨年に比べると若干減っているように見えなくもない。岩の上の苔が生えた場所を好む着生植物のような習性を持っており、苔が剥げると花も同時に剥げ落ちてしまう。台風や大雨などで環境が損なわれるといつ消滅してもおかしくない花である。山岳レインジャーの対象山域に指定しても良いのではないかと考えている。

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     甲府市と北杜市の境界付近、秩父多摩甲斐国立公園内に木賊平という場所がある。その場所はかつてエゾリンドウが咲いていたらしく、山梨県の自然記念物に指定されている。ところが、もう何年も前からエゾリンドウが全く見当たらなくなってしまっているらしい。自然記念物に指定されてはいるものの、アクセスしにくいマイナーな場所なので訪れる人も少なく、私自身、つい最近そのような場所があることを知った。ずいぶん前に一度その界隈の林道を走ったことがあるのを思い出したが、何も印象に残っておらずおそらく目ぼしいものは何も無かっただろう。現在の状況がどうなっているのか、改めて訪れてみることにした。


        木賊平のカラマツ植林地。鹿の食害著しく木には保護シートが巻かれている。下草の様子を見ても目ぼしいものは無く、ほとんど末期的な感じがする。


        枯れた沢沿い。シダと単調な下草。


        ツルネコノメソウか?目ぼしいものは出会えず。


        おそらくこんな感じのところにあったのだと思うが・・・


        林の横には小さな川が流れている。


        ナギナタコウジュ


        何も咲きそうも無い・・・


        笹薮


        伐採地から見下ろす木賊平。中央に生えている木の裏側の平坦地が木賊平の核心部。

     木賊平核心部には周辺から流れ込んだ小川が合流して形成されている湿原のような場所があった。しかしその場所もシダと笹に覆われた荒れた場所になってしまっていた。かつては豊かな湿原のお花畑が広がっていたであろうことは想像できるが、今ではおそらく鹿の食害で植物が消滅し、笹とシダがはびこる荒れた場所になってしまっているようだ。エゾリンドウは一株も発見できなかった。

     木賊峠に移動し、その上にある展望台に登ってみた。


        途中までは整備された道があったがあまり訪れる人が居ないらしく、上部は草茫々、道もわからなくなってしまっている。


        頂上の展望地にはベンチが2基設置してあるが、いずれも草に埋もれてしまっている。


        雲が巻いて視界が悪い。向こうには富士山が見えるはず。


        袴腰という看板が地面に落ちていた。拾って木にひっかける。

     林道のアクセスが悪く訪れる人がほとんど居ないのであろう。展望台は現在荒れ果てており、目ぼしい花も見つからなかった。しかし、周辺にあまり視界を遮るものが無く、天候が良ければ360度のパノラマを見ることが出来るであろう。

     この界隈は人が入らない代わりに鹿の食害著しく、植生がすっかり変わってしまった場所のひとつだろう。エゾリンドウはおそらく壊滅していると思われる。

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     平成27年の秋に自生地を発見して以来、今年で3年目、5度目の自生地訪問となる。今年は山岳レインジャー調査を兼ねて、花仲間も同行しての訪問となる。この場所はヤマヒルと自然の地形に守られた深い渓谷の要塞である。ヒル対策をしっかりと行いつつ、険しい谷を登らないと現地にたどり着けない。


        沢沿いに咲くホトトギス。色が濃くて鮮やか。


        シラヒゲソウ。少し時期を過ぎた感じ。


        シラヒゲソウとホトトギス。沢の流れをバックに良い場所に咲いていた。

     次々に登山靴に付着してくるヤマヒル10数匹を消毒用エタノールスプレーで撃退しつつ、スルガジョウロウホトトギスが生育する谷に入り込む。谷は支流がいくつも分かれているので、GPSで場所を確認しつつ渓谷深く進むと、ようやく自生地の岩壁に到着した。昨年と数はあまり変わっていないように見えるが、場所によって岩が消失して無くなっているところもある。今年は花付きがいまひとつで株も小ぶりのものが多い。外れ年と言えるだろうが、それでも人の入らない深い谷の中にひっそりと咲いているこのジョウロウホトトギスは情緒たっぷりである。


        居ました。サガミジョウロウホトトギス。


        全体的に小ぶりのものが多く花付きもいまひとつ。


        それでも、渓谷の奥深くにひっそりと咲いているこの花は貴婦人上臈の名にふさわしく気品が漂う。

     沢の奥深い崖のような急登を登ってさらにもう1ヶ所訪れてみる。


        岩壁の遥か高い場所に咲いている株。


        渓谷の岩壁からぶら下がるこの雰囲気がたまらなく良い。


        下から見上げる


        花弁の内側には斑点が付いている。

     こんなに急な斜面を登っただろうかと思うような急登だが、現地に到着してこの花を見るとその苦労を忘れてしまうのだろう。昨年も同じ斜面を登ったはずなのにこんなに苦労しただろうかと思ってしまう。谷間にひっそりと咲く山梨県のサガミジョウロウホトトギス、別名カイジョウロウホトトギスを存分に堪能して下山となった。

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     割れるダイヤモンド富士が撮影可能ならば割れるダイヤモンド甲斐駒ケ岳も撮れるはずだ。しかも甲斐駒ケ岳の山頂のほうが肉眼的には尖って見えるので、富士山の剣ヶ峰よりは簡単に撮れそうに見える。問題なのは夕方の空模様で、雲が湧いてスッキリと甲斐駒ケ岳山頂が現われる日があまり無いということだ。割れるダイヤモンド富士の撮影と同じようにカシミール3Dで太陽軌道を計算し撮影場所を場所をGPSに転送して比較的天候に恵まれた2日間、北杜市明野に撮影に出かけてみた。

     9月29日

     午前中の空模様は雲が多くていまひとつだったが、午後になると青空が広がり甲斐駒ケ岳が姿を現した。撮影場所の下見もしなければならないので少し早目の午後3時に甲府を出発して撮影可能な場所を探して回る。この日の甲斐駒ケ岳ダイヤは午後5時ごろ、場所はハイジの村近傍の道路沿いから撮影可能で、展望の良い道路脇が確保できた。しかし、甲府を出発する時は姿が見えていた甲斐駒ケ岳は午後4時を過ぎると雲が湧き始め、肝心の時間には山頂が完全に雲隠れしてしまった。


        湧き出た雲の間に姿を現した太陽。甲斐駒ケ岳山頂は雲の中。


        そろそろ甲斐駒ケ岳山頂に太陽がかかる頃だが、太陽のシルエットは雲に阻まれて見えず。撮影失敗。


        露出を変えると雲に巻かれた甲斐駒ケ岳が見える。雲を透かして太陽が見えるのではないかと目論んだが雲が厚過ぎた。


        富士山の見える場所に移動する。空には半月が昇る。下には太陽光発電パネルがずらりと並んでいる。


        富士山と半月


        明野から見る夕暮れの富士山


        さらに場所を移動して敷島郊外から見る甲府の町灯りと富士山


        同上

     富士山は丁度良く雲が巻いて良かったが甲斐駒ケ岳は雲で覆われてダイヤモンドは輝かず、敗退となった。


     9月30日

     1日違うと撮影場所は200mくらいずれる。前日下見しておいたのでこの日は広い道路から少し山のほうに登って細い道路脇から撮影を試みる。少し霞が出ているものの、想定外の青空が広がってくれて絶好のダイヤモンド撮影日和となった。


        夕陽傾く甲斐駒ケ岳


        甲斐駒ケ岳に夕陽がさしかかる。


        想定していたよりも左に沈んで行く・・・


        位置が若干ずれて甲斐駒ケ岳山頂の左に夕陽は沈んでしまった。

     ファインダー越しに位置がずれているのが確認出来たので右に寄ってカメラを構えた時、チカッと山頂で2つに割れる太陽を肉眼で確認出来たがカメラを構えた時には既に太陽は沈んだ後だった。軌道計算が5mほど狂った。GPSに正しい位置を記憶させて次回は軌道を修正して再チャレンジである。


        夕陽が沈んだ後の甲斐駒ケ岳。なんとなく影甲斐駒ケ岳が写っている。


        特筆すべきはボーグレンズのピントが合った時の解像度。トリーミングすると山頂の祠と左側ピークの石碑らしきものが写っている。


        場所を移動。残照の富士山。


        夕焼け雲流れる富士山。

     撮影には失敗したものの、割れる甲斐駒ケ岳ダイヤモンドは撮影可能であることが肉眼で確認出来た。時間にして2秒間くらいではないだろうか。今シーズンの秋から冬の間に撮影成功させたいと思っている。

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     過去に2回、春の身延山ダイヤモンド富士撮影に訪れているがいずれも失敗に終わっている。その時は表参道を2時間半かけて歩いて登ったが、今回は来客があることもあってロープウェイを使って身延山を訪れた。昨日の夕暮れの様子から見てこの日のダイヤはきっと見られるだろうと予想していたのだが、的中して綺麗な富士山が姿を現してくれた。3度目の正直である。

     前日の夜は来客者と一緒に接待を受けて豪華な夕食をご馳走になった。11時に寝て起きたのは未明3時、3時半に出発して身延山ロープウェイ乗場到着が4時半、5時からダイヤモンド富士のための臨時便が3日間運行される。既に20人ほど並んでおり、あと15分遅かったら始発便には乗れなかったかも知れない。撮影地に到着すると既に5人くらいカメラを構えている人が居た。歩いて登って来たという若者数人、車で山頂近くまで乗り付けてきたというカメラマンも居た。三脚を立てて場所を確保するが、思ったほどの混雑は無かった。


        夜明け前の富士山。空には金星が輝く。


        時折雲が流れて行くが撮影には支障無し。むしろこのくらいの雲が上空にあったほうが面白い。


        もうすぐダイヤモンドが輝き出す。本日は視界良好。


        こちらはもう1台のBorg36ED(絞り改造)レンズを装着したカメラ。


        ダイヤモンドが輝き始める。


        3度目でようやく見られた身延山ダイヤモンド富士。山頂中央の突起で若干割れて双子のダイヤになっている。


        距離の遠い身延山からだと強烈な輝きとはならないが、朝霧や竜ヶ岳とは全く違った輝きになる。


        素晴らしきダイヤモンドの輝き。


        Borgレンズはレンズの構築が単純なのでフレアやゴーストが出ないところが良い。


        その代わりに撮った画像は平面的で立体感に欠ける。しかし、ダイヤモンド富士を撮るにはきわめて都合の良いレンズであると言える。


        少し赤っぽい色が出てしまう難点もある。


        Canon75-200mm F2.8 はフレアが出やすい。かつ、虹色の環が一部に出るが、これはこれで良い絵になると思う。

     3度目でようやく撮影に成功した身延山ダイヤモンド富士。そういえば難峰笊ヶ岳のダイヤモンド富士も撮影に成功したのは3度目だった。たかがダイヤモンド富士、されどダイヤモンド富士。剣ヶ峰や白山岳で割れるダイヤモンド富士を含めると奥の深い写真撮影だと思う。


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