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四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

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     今から15年ほど前に、今回訪れる山にはお花畑が広がっていたが、徹底的な鹿の食害に遭って全く様相が変わってしまった。その頃に沢沿いの斜面に今では山梨県では絶滅しているだろうと思われている花が咲いていたらしい。その沢にはルートは無くバリアンスルート、まず入る人は居ないのでどうなっているかも全くわからない。

     作戦は尾根を途中まで登って沢に下降して上まで登る、という予定だったが、いざ尾根を登って沢を覗き込んでみると傾斜がかなりきつく、ザレた岩がゴロゴロの枯れ沢でとても花が咲きそうな沢には見えない。そのまま尾根を上まで登ることにした。


        荒れたこの沢の上部と聞いたが・・・まずは右側の尾根に取り付く。


        こんな斜面に別の探し物、ピンク色の妖精が咲いている頃だが・・・見つからない。


        急登の尾根をひたすら上に登る。


        ツバメオモト


        ミヤマウズラの葉


        見つかったのはこの双葉の花。おそらくタ・カ・ネ・フタ・バラン。


        イチヨウランの葉


        ヤマシャクヤクだと思うが花が咲きそうな様子は無い。


        苦節3時間、平らな森に登り着いた。


        大きなトドマツの木


        登山道に抜け出た。

     登山道までなんとか登り着いて一安心だ。この道を林道まで下りれば元の場所に到着できる。しかし・・・肝心の沢には入れないことになる。昼食をとって休んだ後、GPSとにらめっこしてルートを検討し、目的の沢を下降してみることにした。かなりの急傾斜の沢だが、枯れていて滝は無いはずだ。念のためザイルを準備して急峻な沢に下りる。


        上部の草地はバイケイソウだらけ。シカの食害でほとんど何も無くなったようだ。


        ザイルを準備する。


        急峻な沢に下降する。


        下り着いた沢。倒木と石ゴロゴロの荒れた沢。


        イワボタン


        ツルネコノメソウ


        クルマバソウ

     荒れた枯れ沢の中は浮石だらけのガラガラな沢で、踏み込むと50㎝ほど足元が崩れてしまう石屑の沢で非常に歩きにくい。あまり目ぼしい花が咲いているような環境には見えなかった。幸いにしてザイルを使用せずになんとか下降できたが、足はすっかりガクガクになった。


        石屑の沢を振り返る。目ぼしい花は咲きそうも無い。


        なんとなく下が見えてきた。


        沢の源流。石屑の間から水が流れ出る。


        おいしくて冷たい水が流れ出ていた。


        こんなところを登る奴の気が知れない。しかし沢の途中には青いテープの切れ端が散らかっていて、ここに入っていた人が居たようだ。


        隣の沢。ひょっとしてこっちなんじゃね~??

     翌日これとは別件で情報を提供してくださった花の先生から電話があった。こちらの沢のことをもう一度聞いてみると、やはり今回下りてきた沢では無くて隣の水が流れているほうの沢だったようだ。しかしこちらもルートの無いバリアンスルート、どうやって攻めるかはまた検討し直して挑戦したいと思う。

     さて、時間は午後3時半。もうひとつ、別の花の調査で入山を予定している沢がある。もはやこの時間で稜線まで登り着くのは困難なので、途中まで下見に行くことにする。


        林道脇に咲いていたラショウモンカズラ。


        ニリンソウがたくさん咲く。


        沢は途中で2本に分かれている。右の沢は昨年上から降りてきたが、斜面が広大で調査不十分で終わっている。


        こんな斜面のどこかに居るはず。今年第一の目的の草。


        シロバナタチツボスミレ


        おそらくナガバノスミレサイシン


        次は沢を上の稜線まで登る予定。

     調査はまだ始まったばかりだが、慣れない沢登りのうえに咲いている場所の情報がきわめて少なく宝探しをするようなものだ。しかしどこかにあることは確実である。なんとか今年のうちに決着を着けたい。


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     昨年訪れた時は花期を過ぎていてしおれかけた花にしか出会えなかったうえに、強風が吹いて花が揺れまくり全くまともな写真を撮らせてくれなかったホテイ様。八ヶ岳で咲いていることだしこちらもきっと咲き始めている頃だろう。先週に続いて今回もまた道無きバリアンスルートを登る。


        今回もまた急登のバリアンスルートを登る。


        中腹をさまよい歩き、出会えました、ホテイ様。


        八ヶ岳のように沢沿いの苔生した林床では無くて、湿り気のある森の斜面に生育している。


        ここに咲くホテイ様は生育環境によるのか、かなり背高ノッポでやや大き目の花が咲く。


        ちょうど見頃だったようだが、株数は決して多くは無い。


        向こうの一株はもうしぼみかけている。


        2株並んでいるものは見当たらない。


        こちらは花のところだけ切れたように無くなっている。食害か?


        こちらはこれから出ようとする花芽。

     咲いていたのは全部で10輪ほど、花の咲かない葉を含めても全部で30株ほどしか無さそうだ。ほんの一角にしか生育しておらず、きわめて貴重な自生地である。

     隣の尾根にもあるのではないかと思い、尾根を乗り換えて探してみたが見当たらない。枯れた沢を下ることにする。


        尾根筋は何も見つからず。枯れた沢に下降する。


        荒れているが先週下降した沢に比べれば傾斜が緩くてきわめて歩き易い。


        標高は1,600mくらい、ミヤマスミレが咲いていた。


        もうすぐ咲きそうなズダヤクシュ。


        フタバアオイの群落。


        ユリワサビ


        こんなものを食べても鹿には毒では無いのか? ハシリドコロ。


        ここの斜面も他の場所と同じくバイケイソウばかりの林床になっていた。鹿の食害著しい証拠だろう。

     ホテイ様に出会えた他は探し物になかなか出会うことが出来ないこの南アルプス前衛の山々。生き残ってくれていれば良いのだが、バイケイソウばかりのこの森の様子を見る限りでは、出会うのはかなり難しそうに感じる。

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     南アルプス前衛の山へうーさんを誘って花探しに出かける。先週下見をしておいた沢だが、途中で二手に分かれているので、左側の沢を登って稜線まで抜け、稜線を回り込んで右側の谷の上から沢を下って来るという登りも下りもバリアンスルートの谷だ。先週の急峻な谷に比べるとこちらのほうが傾斜が緩いので歩き易いとは思われるが、どうなるかは歩いてみないとわからないので30mザイルを持って入山する。標高差は約600mだが、バリアンスルートのこの標高差は決して簡単では無いだろう。かつ、直登では無くて斜面を右往左往しながら花を探しながらの登山、果たしてお目当ての花が見つかるかどうか??


        沢の分岐点。左手の沢を登る。


        登って行くと間もなく沢の源頭に出た。岩の間から水が湧き出している。


        ここからは枯れた沢の斜面や尾根を右往左往しながらジグザグに登って行く。


        イチリンソウ、ニリンソウは葉がたくさん出ていたが花はまばらに咲いている。


        イチリンソウとニリンソウが混在


        イチリンソウ


        青々と茂る草地の斜面に出た。探し物があるとすればこんな場所だと思うのだが・・・


        そこにあったのはハシリドコロの畑。


        そして大きな葉を広げるバイケイソウたち。鹿の食害の跡地なのだろう。


        ヤマシャクヤクは葉をたくさん見かけるが花を付けている株はきわめて少ない。


        ニリンソウ


        ヤマエンゴサク


        急登が終わって傾斜が緩くなってきた。もうすぐ稜線に抜ける。


        稜線付近もバイケイソウの山。登って来た斜面を含めて、徹底的に鹿にやられているという印象を受ける。

     3時間半ほどで稜線に抜け出たが、この程度の時間で登れればまだ早いほうだろう。うーさんと2人で広範囲の斜面を右往左往しながら登って来たつもりだが、探し物の花がありそうな場所は全く見つからない。稜線で食事をとって大休憩し、場所を移動して今度はもう一方の沢の上部から谷に下る。


        日当たりの良い尾根道沿いに咲いていたタチツボスミレとワチガイソウの群落


        沢に向かって窪んだ斜面を下るが、そこはクサタチバナの大群落。


        奇妙な葉っぱが・・・と近付いてみればテンナンショウ。


        昨年も別ルートで花を探してこの場所に出た。探し物は見つからず、ここでしばし休憩。


        このゴシャゴシャな藪の中が怪しいが・・・それらしきものは無し。


        見つかりませんね~。もうすぐ沢の合流点。

     今回歩いた沢沿いの斜面が最も可能性が高いと思っていたのだが、残念ながら発見できず。問題なのは発見できなかったこと以上にその花が咲きそうな環境の斜面が全く見当たらず、手ごたえが全くないということだろう。難航はするだろうと予想はしていたが、草の生い茂るそれらしき場所は沢を詰めればそれほど難無く見つかるだろうと予想していたのだが、そのような環境の草地は全く見つかりそうな気配が無い。それと同時に、この環境では探し物の花が鹿に食べられてしまうか、山肌の乾燥化によって絶えてしまう可能性が高いということだろう。なんとしても探し出して何らかの対策をとらなければならないであろうが、見つからないことには対処の仕様が無い。探し物とはこの山にしか生育していない穂先の突き抜きの草。次週は隣の沢に挑む。  

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     先週から佐野峠から思親山の界隈でダイヤモンド富士が撮影できる季節となっていたが、別の山の花探しを優先させていてこちらには来られなかった。この日は思親山山頂からだと富士山の中央あたりから昇るダイヤモンド富士が見られる日で、数年前に伐採されて展望が開けた山頂の佐野峠側斜面からだと白山岳の真上から朝日が昇り、うまくすれば2つか3つに割れるダイヤモンド富士が撮影できる計算だった。さらに低気圧が北東の海上に去り、軽い冬型の気圧配置となって空が晴れる可能性がきわめて高い。季節が季節なだけになかなか見ることが出来ないこの季節のダイヤモンド富士を撮影するにはこの上ない条件が揃った。

     前日は私的な食事会・送別会があり、夜9時半に会を終えた後佐野峠に向かう。南部町で食料と水を調達するはずだったのだが、内船駅前のコンビニエンスストアは24時間営業では無く、11時過ぎに到着した頃には店のシャッターは閉まっていた。食料はともかく、飲み物は必要なのでさらにその先の十島駅近くまで行ってようやくコンビニを発見し、調達できた。佐野峠に到着したのは未明1時になってしまった。

     月明かりに照らされた富士山が肉眼でもはっきりと見える。あわやくば富士山の上に昇って来る夏の大三角形を撮影したかったが、この頃には富士山の遥か上に昇ってしまっており、月明かりのために天の川は見えない。富士山の裏側に少しばかり雲が出ているが、雲画像から見てこれから晴れてくる可能性が高い。山頂のダイヤモンド富士の時間は5時17分ごろ、山頂までの時間を1時間と見て、さらにカメラのセット時間30分を見込んで、4時には出発しないといけない。携帯の目覚まし時計を3時45分にセットして車の助手席を倒してシュラフにくるまって寝る。


        未明1時20分の佐野峠から見る富士山。後ろに雲が出てはいるが、月明かりに照らされて肉眼でもはっきりとその姿が見える。


     翌朝は3時半に目が覚めた。起き上がると隣に車が止まっていて、男女2人が三脚を出して撮影の準備をしていた。どうやらダイヤモンド富士狙いで思親山に登るらしい。軽く朝食を済ませて2人に少し遅れて歩き出す。山頂手前の伐採地のところでGPSを取り出して記録させておいた白山岳から昇るダイヤモンドの位置を探っていると、さらにもう一人カメラマンがやって来た。なんとそのお方は私が所属する嶺朋クラブの顧問をされている、写真家の上野巌先生だった。お互いにビックリ! 私は1台のカメラをタイマーリモートコントローラーをセットして仕掛けた後、山頂で3人と合流する。5時に到着したのでダイヤの時間まではまだ15分あり、余裕でもう1台のカメラをセットできた。2代目のカメラもタイマーリモートコントローラーでダイヤモンドになる1分前から1秒間隔のインターバル撮影で連続撮影するようにセットし、さらにもう1台は手持ちで自由に撮影するようにして、計3台のカメラを使って撮影を試みた。


        手持ちのEosM2画像。山頂から撮影。


        こちらが三脚で固定して1秒のインターバル撮影を行ったEos40Dの画像。


        山頂が輝き、もうすぐダイヤモンドが輝き出す頃。


        同上


        ダイヤモンド富士が始まった。


        上の雲が邪魔して輝きがいまいちだが、これくらい出てくれればこの季節ならば上出来だろう。


        思親山のダイヤモンド富士


        まずまず楽しませていただきました。


        こちらがEos40D、200㎜望遠レンズ画像。








        やはりこのレンズはこのゴーストが出てしまうのが最大の難点だ。

     そして本命だった白山岳で割れるダイヤモンドだが、カメラを回収に行くとシャッター音が聞こえて来ない。これはおかしいと見てみると・・・タイマーリモートコントローラーのセットミス。インターバル1秒で設定したはずだったのだが、これを間違えて撮影開始までの時間、20数分でセットしてしまったため、ダイヤモンドになる1分前の画像が1カットしか撮れていなかった。残念。


        白山岳で割れるダイヤモンドを狙って仕掛けたEos7Dにボーグ300㎜をセットした画像。


        タイマーリモートコントローラーのセットミス、撮れていたのはダイヤモンド富士1分前の1カットのみ。痛恨のミス。


        雲海と朝日を撮って下山。

     久しぶりの山上から見るダイヤモンド富士でそれなりに良かったのだが、どうも単調なダイヤモンド富士の撮影では最近は物足りなく感じてしまう。折角のダイヤだったのに本命と思っていた白山岳のダイヤが撮れなかったのは痛かった。離れた場所で3台のカメラを同時に操るのはやはり難しそうだし、撮れた画像も気合が抜けてしまっているように感じてしまう。撮影は1台入魂のほうが良いのかも知れない。それと、この方角からみる富士山の剣ヶ峰は尖り方がなだらかとなり、剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士の撮影は難しいように思う。一方、白山岳は小さく尖りさらにその手前に雷岩の突出があって、軌道がうまく合えば3つ子のダイヤモンドが撮れる可能性が高いと思われる。条件と日程が合えば再挑戦したい。


     

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     ダイヤモンド富士の撮影に南部町思親山までやって来たので、折角なので着生植物の生育している場所まで足を延ばしてみた。既に終わってしまっているものがほとんどだろうが、見ごろを迎えている花もあるはずだ。

     現地に到着して木を見上げて花を探すが・・・たくさんあったはずなのにほとんど見当たらない。踏み跡が不明瞭ながら付いており、最近この場所に来た者が居ることは間違いない。簡単に見つかったはずの蜘蛛も萱もあまり見当たらない。これはひょっとして・・・あまり思いたくは無いのだが盗掘ではないだろうか??


        梅の木に着生していたカヤラン。もう花は散って結実している。他にもたくさんあったはずなのにほとんど見当たらない。


        こちらも梅の木に着生していたヨウラクラン。満開。


        露がしたたるヨウラクラン。

     場所を移動して今度はアカマツの林を訪れる。ここは盗掘された様子は無い。


        アカマツの木に着生したヨウラクラン。


        同上。こちらの株は大きい。


        望遠レンズで撮影。


        咲き残っていたカヤランと結実したカヤラン。右の株のバナナのような長い房は昨年の種と思われる。


        朝日に生えるカヤラン。

     さらに場所を数ヶ所移動して梅の木を調べてみると、他の場所でも着生植物を発見できたが、数は決して多くは無い。


        カヤランはもう終わり。


        結実したカヤランと、左上に小さな葉が出ているのが嬉しい。


        木と同化しているかのように根を延ばすカヤラン。


        大株のクモラン。


        蜘蛛が3株+α

     稀少な着生植物が数種類自生しているこの里山だが、観察中に出会った地元の方はこのような植物があることは全く知らなかったようで、これらの植物の生育環境などをお話しして花の尊さを語ったところ、たいへん感動しておられた。盗掘とは思いたく無いのだが、これらの花たちがこれからも気持ち良くこの地で育って行ってくれることを願う。

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    南アルプスユネスコエコパーク北杜市「水の恵みの贈りもの」 本編



     平成27年8月、このプロモーションビデオ撮影のためにディレクターとカメラマンと3人で甲斐駒ケ岳に登りました。8月はめったにスッキリと晴れることが無いのですが、この日は富士山が姿を現し、さらに滅多に出会えない甲斐駒ケ岳の雷鳥に出会うことが出来た奇跡の1日だったと思っています。足に豆をつくりながら黒戸尾根を下山したカメラマン、日が暮れた夕方7時過ぎに竹宇駒ケ岳神社に到着してほっとした事など、ビデオには現われていない苦労がありました。その時に撮影したカットはさほど多く使われているわけではありませんが、水をテーマに良く出来たプロモーションビデオだと思います。ご堪能ください。

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     探し物の花は全く見つかる気配が無い。おそらく草が生い茂る茂みの中が怪しいと思っているのだが、そのような環境の場所が見つからない。おそらくは沢の源頭辺りの少し湿り気のある場所が怪しいとにらんでおり、今回は沢の源頭あたりを水平にトラバースして探してみたいと思う。


        今日はここから入ってみよう。


        倒木でゴチャゴチャな沢。右の沢に入る。


        沢の源頭付近。この上で枯れ沢に変わる。


        緑は豊かだが生えているのはフタリシズカ。


        そしてクサタチバナ。鹿の食べない草ばかりが残っている。


        日当たりの良い場所では開花しているクサタチバナ。


        草地があったかと思えばハシリドコロの群生。


        トラバースして尾根を越え、隣の沢の源頭に着く。


        岩の間からきれいな水があふれ出ている。


        しかしここにあるのはバイケイソウ。


        時折見かけるのはラショウモンカズラ。


        さらにトラバースすると、森の妖精でも出てきそうな緑豊かな森に出た。しかし、生えている草はハシリドコロ。


        水があふれ出る美しい森。


        木の根元から水が湧き出している。


        岩の下から湧き出る水。


        クリンユキフデ


        ミヤマハンショウヅル

     だいぶ斜面をトラバースしていくつかの沢の源頭を見て回ったが、やはりそれらしき草が生い茂る場所は見つからない。あるのはバイケイソウ、クサタチバナ、ハシリドコロ、フタリシズカばかりで、目的の花は発見できない。さらに尾根を越えてトラバースしたがその先は枯れた深い谷になっていたため、急登の尾根を稜線に向かって登り上げた。


        急峻な斜面を滝のように沢が流れている。その上に尾根を巻いて登ってみる。


        急斜面の途中から勢い良く水が流れ出していた。ここが沢の源頭。


        この先は枯れた急峻な谷のため、この尾根を上に登るがかなりの急傾斜。木の根っこにつかまりながら必死で登る。


        ツバメオモト


        イチリンソウ


        ハシリドコロに混じってヤマシャクヤク


        ユリワサビ


        シダの生い茂る森


        水源から離れるとやや乾燥した斜面になり、生えているのはフタリシズカ。


        上に稜線が見えてきた。このあたりはバイケイソウの森。


        もう少し。


        登山道のある稜線に抜け出た。

     斜面をかなりトラバースして探し回ったので、稜線に抜け出るまで6時間もかかった。稜線の道を進むと保護柵で囲われた草地に出るので、そこまで行って大休憩、遅い昼食をとる。2時ごろまでにはこの場所に到着するはずだったのだが、時間は3時を回ってしまった。斜面でだいぶ踏ん張ったので足が痛い。ゆっくりのペースで下山するが、いつもの癖で怪しい斜面があるとついつい入り込んでしまう。おかげでまたまた下山にもかなりの時間を費やしてしまうことになる。


        保護柵で囲まれた内側は豊かな緑が蘇りつつある。地面を覆い尽くすマイヅルソウの大群落。


        キジムシロとシロバナノヘビイチゴの大群落。


        下山道の脇に咲いていたルイヨウボタン。山の斜面にもこの花の葉だけはたくさん見かけた。


        ルイヨウボタン


        ウスバサイシン


        ミツバツツジ


        登山道を外れて森の中に入ると、ミヤマスミレの群落があった。


        合唱するラショウモンカズラ


        シダの生える斜面


        次回はこの上部の探索だろうか?


        この滝の源頭も今日は巡り歩いてきたはずだ。

     夕暮れが迫る6時少し前に車を止めた場所に戻り着いた。本日も自分ながらには充実した探索登山だったと思うのだが、探し物は見つからずそれらしき草地にもめぐり逢えなかった。おそらく保護柵で囲まれた場所以外は、この山の全域が現在はこのような状況になってしまっているのではないだろうか?花探しだけでなく、山の状況を見ることも探索のうえで必要なことだと思う。ほとんど収穫はなかったが、まだまだこの山の探索調査は続ける。    

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     そろそろこの花が満開を迎えていることだろう。今年もこの虫の羽根のような草を見たくなり出かけてみた。


        この場所は昨年よりもたくさん咲いていて、株も増えている。一歩間違えば踏まれてしまいそうな場所で、木で囲いをつけてきた。


        少し薄暗いこの場所は周りの木が伸びて日あたりが悪くなっていた。数はあまり変わらないか少し減ったようにも見える。


        不思議な形をした草、スズムシソウ。

     さて、場所を変えて数年前に見つけたきりでその後探しに行っても見つからない草を探しに行く。尾根から下がったほうが近いはずなのだが何度探してもそれらしき場所に行き着かない。ずっと思っていたことは、これは探す尾根と斜面が違っているのではないかということだ。そこで今回は遠回りながら、最初に見つけた時と同じコースを、下の谷から尾根に向かって登り上げてみることにした。


        こんな斜面の上にあったはずだが・・・


        急斜面をトラバース。見つからない。

     自力では見つけられなかったのだが、同行していた方が向こうの斜面で「あったぞー」と叫んでいる。ピークまで登ってそちら側の斜面に行くと・・・本当にあった。しかしこれは私が見たのとは別の株だ。しかしまだ残っていてくれたことには変わりは無い。花を咲かせた様子は無いが立派な大きな葉を出している。きっといつか花を咲かせてくれることだろう。GPSで位置を確認すると、やはり探しに行った場所とは別の斜面だった。


        元気に大きな葉を出しているが、花が咲いた様子は無い。


        しかし生き残っていてくれてほっとした。


        いつか、立派な花を咲かせて見せてください。


        今日は再会できて良い1日でした。

     5月にはいってから花探しは空振りが多かったのでこの日の再開は本当にうれしかった。もし何年待っても花を咲かせてくれないようならば、何か対策を講じなければならないが、今回の元気そうな葉を見る限りでは数年で花を咲かせてくれそうに思う。また来年会いましょう。

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     見つからない花の調査を引き続き行い、2日間道無き山腹を歩き回ってみた。今回は新たな情報をいただき、数は少ないながら昨年までは確実に花が存在していたという場所を集中的に調査してみた。しかし結果は・・・

     5月28日

     当直疲れが抜け切らず10時過ぎまで寝て遅めの出発となる。かつ、夕方から集会が入っており、入山できる時間は4時間ほどに限られてしまう。情報をいただいた斜面をジグザグに歩いて花探しするが・・・。


        急斜面をジグザグに歩いて花探し。先週は沢の源頭を歩いたが見つからず、今回は雑木林の林床を探る。


        ササバギンランは比較的多く見かける。


        そして相変わらずたくさんあって、花が咲き始めたクサタチバナ。


        イカリソウはもう終わりだが、食害に遭っているのか数は少ない。


        フタリシズカとクサタチバナ。


        少し薄暗い林床の中も生えているものはあまり変わらない。


        クサタチバナ群落


        古木(ブナ?)の周辺


        日当たりの良い斜面


        平坦な草地


        ヤマツツジとウツギ

     いずれの斜面を探しても同じような草ばかりで、探し物は見つかる気配が無い。時間切れで撤退。


     5月29日

     前日よりは若干早くスタートして、前日探した斜面の尾根を隔てた反対側とさらにその上を歩いてみた。


        本日は沢を登って斜面に取り付く。


        日当たりの良い雑木林の林床


        ヤマブドウのツルが絡み合うジャングルのような森


        やや日当たりの悪い少し湿った林床


        枯れた沢のいちばん上で見つけたミゾホオズキ(ハエドクソウ科 ミゾホオズキ属)。


        ミゾホオズキ

     前日と反対側の斜面でも見つけることは出来ず、ちょっと珍しいと言えばミゾホオズキくらいだ。尾根に取り付いてさらに高度を上げて、昨日歩いた斜面の上を大きくトラバースしながら歩いてみた。


        相変わらずのクサタチバナ群落


        日当たりの良い斜面に群生


        満開のクサタチバナ


        バイケイソウ咲く斜面


        岩ゴロゴロの斜面


        クワガタソウがちらほら


        フタリシズカ


        元気の良いバイケイソウ


        下の谷も、向こうの尾根も、その向こうの谷も探したはずだが・・・

     残念ながら2日間探したが探し物は見つからず、稀少植物も何も出会うことが出来ない。かつては植生豊かな山だったはずなのだが、今ではほとんど何も無い山に変わり果てているような気がする。

     次週はいよいよ山梨県山岳連盟の有志が集い、この山の探索調査が行われる。その前になんとか探し出しておきたかったのだが、ありそうな斜面の目途すら立たずに調査の日を迎えることとなりそうだ。しかし、かなりの精鋭部隊が集まる調査会なので、ひょっとしたら最後の最後で逆転劇が待っているかも知れない。
        

     




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     御坂山系の山に咲くカモメの花が激減しているとの連絡を受けた。昨年踏み荒らしが酷く、盗掘にも遭ったということで今年から一部だけではあるがロープが張られたはずだ。どれだけ効果があるのかは不明だが、踏み荒らしの防止には少しは効果があると思うのだがいかがなものか?見に行ってみることにした。


        ミツバツツジはもう終わりかけている。


        一見緑豊かな林床のように見えるのだが、生えているのはトリカブト、ヤブレガサ、ヤグルマソウなど、あまり鹿が好まない植物ばかり。


        山の斜面を覆い尽くすようなヤブレガサの大群落。さすがにこの下では日照が悪く、カモメたちは生き延びて行けないだろう。


        数年前はカモメたちの葉がびっしりと生えていたはずだが、だいぶ数を減らしてまばらになってしまっている。


        花咲くカモメたち


        こんなところが快適なのか?


        数株並んで咲いているが、写真を撮り易くするためか周辺の草が取り払われて花が斜面にさらけ出されている。


        踏まれてしまっているカモメ。可哀そう。


        ここはあまり人に気付かれずに快適に過ごしているらしい。


        元気なカモメたち


        今年から保護ロープが設置された場所。中央部に大きな通路が出来てしまい、その周辺のカモメたちは激減してしまった。


        ロープのギリギリのところまで葉が出ており、数株踏まれたものもあった。勝手ながらポールの位置を10㎝ほど外にずらした。


        これからも元気に咲いて欲しい、カモメたち。

     報告を受けた通り、かなり減少しているように見受けられる。その一つは人が入ることによって起こる踏み荒らしと、踏んではいなくとも地面が圧縮されて固くなり花が生育できなくなることだろう。そしてもう一つは鹿の食害による山の植生の変化と、それによって起こる山肌の乾燥化だろう。かつてはカイフウロやクガイソウ、フシグロセンノウなどのお花畑が広がっていた山頂付近は今ではすっかりテンニンソウやヤブレガサなどの斜面になってしまっており、ユキザサの群落もすっかり消失してしまった。花を守るには、保護柵の設置が必要だろう。しかし、貧乏な山梨県がどれだけの予算を付けられるか、かなり難しい問題だろう。


        この山にはちょっと変わったカモメも住んでいる。


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     咲かなくなってしまった某所のラン科植物を咲かせるために昨年から作戦を展開している。原因は鹿の食害とそれによるテンニンソウやスゲの仲間の植物の増殖による林床の変化、さらにはそれによって引き起こされた共生菌の活性低下が原因と思われる。まずはテンニンソウなどのはびこった雑草を取り除き、日当たりを良くするために周辺に伸びた木の枝を除去し、さらにはラン菌活性化のために天然素材の肥料を散布した。果たしてその成果は上がっているのか?


        途中に生育しているクモキリソウ属を観察しながら現地に向かう。


        葉が数株出ているのを発見したが咲いているものは一株も見当たらない。こちらも食害によるものと思われる。


        昨年は立派な花を咲かせていたはずの株も今年は小さな葉しか出していない。なんとかしないと絶えてしまいそうだ。


        現地到着。テンニンソウは大部分を除去したのでわずかに残っているのみ。スゲも約半分になっている。


        しかし・・・肝心の草の葉が見つからない。どうやら出ていないようだ。


        肥料を散布して他の草が増えたが、折角生えた草は鹿に食われている。これでは鹿の餌を増やしているようなもの。


        それっぽい葉が出てはいるが、これは世話している草の葉では無い。


        花咲かじじい作戦、赤信号!

     昨年の秋から作戦を始動したが、その時には春に確認したはずの葉が消失していた。鹿に食べられた跡があることからおそらくはその時には既に鹿に食べられていた可能性がある。草むしりや木の枝の処理の前に、ネットを張るべきだったかもしれない。しかしネットを張ることによってその場所に何かの植物が保護されていることがバレてしまうわけで、これもまたあまり良いこととは思えない。もしも根が残っていれば数年後にまた芽を出す可能性が残っているので、これは保護ネットを張るのも止む無しかと考えている。今回は葉が確認できなかったが作戦は引き続き続行する。

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     予定ではバリアンスルートの沢から尾根にかけての稀少植物調査だったのだが、この日は朝から想定外の雨となってしまい、とてもではないが道の無い沢を尾根まで登り詰めることは出来ない。そこで当日参加メンバーと相談の上ルートを変更し、悪天候でも歩けそうな櫛形山山頂からアヤメ平の周回コースに変更した。午後からは回復してくれそうなので、カッパを着て傘を差して雨と霧の中を出発する。


        雨と霧の中を出発。一人だったら絶対に行かないが、今回は山岳レインジャー活動の一環なので少しの悪天候ならば決行・・・なのだ。


        櫛形山山頂。昔からの櫛形山を知る人の話では、腰から胸のあたりまで草が生い茂る森だったそうだ。今ではほとんど森の中の禿山。


        ツガの林床で一株だけ見つけたイチヨウラン。


        カラマツに着生したサルオガゼが美しい。


        裸山に到着。たくさん出ている穂は昨年のアヤメ。すらりと伸びた下草はアヤメで、かなり復活してくれている。


        白い花はミヤマハタザオ。私が山に登るきっかけを作ってくれたクモマツマキチョウの食草。残念ながら蝶は飛んでいない。


        裸山山頂から見下ろす。昨年秋にボランティアを募集してこの山頂付近の斜面も保護柵で囲まれた。いつか復活してくれることと思う。

     時間はお昼近くとなり裸山の山頂で昼食となった。空はだいぶ明るくなってきたがまだ小雨がぱらついている。昼食後アヤメ平に向かう。


        アヤメ平。まだキンポウゲは蕾だが、いずれこのあたりは黄色い絨毯が敷かれたようなお花畑に変わる。


        完全復活とは言えないが、だいぶ下草が増えたアヤメ平。


        しかし一歩保護柵の外に出るとそこは別世界。鹿の食害跡。


        これはアオスズラン(別名エゾスズラン)の葉。鹿の大好物だけに無事に咲いてくれると良いのだが・・・。


        きわめて貴重な櫛形山のカモメラン。下に小葉があり、見つかったのはこの2株のみ。


        トンボソウの仲間らしき葉。先端が丸まっており、おそらくはオオヤマサギソウと思われる。


        ヒメムヨウランは随所で観察された。


        こちらはちょっと変わったヒメムヨウラン。アルビノの株と思われる。


        昨年は1ヶ所しか見つからなかったが、今回は別の場所も発見できたタカネフタバラン。穂が出始めたばかり。


        アヤメ平の辺りで雨が止んだ。展望台からは北岳が見えた。


        誰かがかじった跡。誰かって?それは熊おやじ。別の場所の標柱はまだ熊の毛が残っていた。散策される方は十分にご注意を!

     5月に入ってから何度も調査に入っている櫛形山だが、保護柵で囲まれた場所以外は食害著しく目ぼしい花や稀少植物は絶滅に瀕している悲しい山である。また国立公園から外れて県立公園の扱いのため無法地帯になっており、盗掘も著しいと聞く。保護柵の外に咲く花たちも守ってやれるような何か良い手立ては無いものだろうか。

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     今から500万年ほど昔、人類はまだ誕生しておらず、アウストラロピテクスという猿人の化石が見つかったころの時代である。富士山はまだ形成されておらず、海の中に沈んでいた。しかし、その頃には既に三ツ峠をはじめとする御坂山塊は形成されており、毛無山などの天守山塊や丹沢山塊も既に出来上がっていた。三ツ峠から見る富士山の方向には海が見えていたということになる。8000万年もの長い歴史を持つとされるラン科植物は今とは違う形態を持っていたかも知れないが、その時代には既にこの山塊に生育していたと推定される。
     100万年ほど前にかつては島だった伊豆半島が太平洋プレートに乗って移動し、これらの山塊と衝突して陸続きとなり伊豆半島が形成された。衝突の際に生じた膨大なエネルギーは大きな地殻の変動をもたらし、古箱根山、小御岳山、愛鷹山の噴火が起こり、海底から隆起した。その後しばらくは火山活動は落ち着いていたのだが、10万年前に再び古御岳山と愛鷹山で大規模な噴火が起こり、この時に富士山の原型が形成された。そしてさらに1万年ほど前に、今度は小御岳山付近で繰り返し大きな噴火が起こり現在の富士山が形成された。このような高くて形の良い山になったのは先に形成されていた愛鷹山塊と小御岳山によって溶岩流の流れが堰き止められ、溶岩があまり流失しなかったことが要因の一つと考えられている。さらに西暦864年、富士北麓の長尾山付近で大規模な噴火が起こり大量の溶岩が流失した。当時はせの湖という一つの湖だったものが溶岩流によって分断されて精進湖と西湖の2つの湖に分かれ、溶岩流は広大な青木ヶ原樹海を形成するに至った。さらに1707年、宝永火口の噴火を最後に富士山の噴火は起こっていない。


        三ツ峠から見る富士山。100万年ほど前まではここには海が広がっていた。

     御坂山塊に咲いていたアツモリソウをはじめとする多くのラン科植物は、このような活発な噴火活動を繰り返してきた富士山を目の当たりに見てきたに違いない。火山礫や火山灰も降り注いだであろうし、空を覆う噴煙で不順な天候にも見舞われたであろう。しかしそのような激動の変化の中にあってもこれらの花たちは果敢に生き延びてきたわけである。ある花は動物の食害を避けるために木の上に棲み処を変え、あるものは葉緑素を持たずに他の植物や菌類から栄養を得る手段を選び、あるものは根を延ばして株分けで増殖する方法を選び、あるものはある種の菌と共生することによって成長する道を選んだ。さなざまに生き方を変え、形を変えてこれらの植物は生き抜いて行く術を身につけてきたわけである。それらの植物の中にあって、アツモリソウ属はもっとも長い歴史を持ち、植物の頂点に立つものだと言われている。


        葉緑素を持たないヒメムヨウラン


        ツラスネラ菌という共生菌とともに成長するアツモリソウ

     ラン科植物は8000万年もの長い歴史を持つ花であるにもかかわらず、ここ50~60年で大きな危機を迎えることとなる。それは戦後の園芸ブームに乗って山の上に咲くこれらの貴重な花たちが人の手によってことごとく持ち去られてしまったことである。植物の頂点に立つアツモリソウ属の花を持ち去るということは当然生態系のバランスを崩すという結果をもたらすわけである。それらの花が無くなることで共生していた菌類も消滅し、その場所には今まで生えることが出来なかった植物がはびこることなり、緑豊かだった草原は大きな変貌を遂げてしまうことになる。さらには地球温暖化と鹿の爆発的な増殖が拍車をかけて、ここ10年で山上の環境は大きく変わってしまっている。

     三ツ峠はこのような激動する植生の変化を防ぐために早い時期からさまざまな取り組みを行ってきた。盗掘の防止はもちろんだが、全国に先駆けていちはやく防護柵を設置して鹿の食害から山を守って来た。さらには積極的に植生を取り戻す取り組みも行われており、はびこってしまったテンニンソウや笹を取り除く作業をボランティアを募って行っている。昨年・一昨年は山梨県山岳連盟主催の三ツ峠清掃活動に参加させていただいたが、今年は山岳連盟で日程がとれない状況となってしまい、個人的に有志を募っての清掃活動を行うこととなった。(その2に続く。)

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     昨年・一昨年と山梨県山岳連盟主催の三ツ峠清掃登山に参加させていただいており、今年も花見隊をはじめとする知人の方たちをお誘いするつもりでいたのだが、今年は山岳連盟の別の会が三ツ峠で開催される運びとなり一般募集の清掃登山は日程的に困難となってしまった。そこで今回は私が個人的に声をおかけして混成チームで出かけることとなった。もちろん、花見隊を含めて花好きの人たちばかりであるが、花を観察するだけで無くて花の咲く植生を理解すること、そしてその植生を維持するためにはどのような取り組みが必要なのかということを知ることは、これからどのように花たちが変わって行くか、花たちを守るためにはどんな取り組みが必要なのかを知るうえで大変重要なことである。鹿の保護柵を全国に先駆けていちはやく設置し、テンニンソウや笹の除去を行うことで植生の保護と維持に取り組んできた三ツ峠は、それらを勉強するには絶好の場所であり、中心人物である三つ峠山荘の中村さんのお話はこの上ない参考となりこれからやるべき道を示唆してくれる。

     御坂側の三ツ峠登山口に8時半集合し出発。今回は数日後に5歳の誕生日を迎える幼稚園年中さんの子供と小学生の参加もあり、途中でおんぶして登るのを想定していたのだが、以外にも元気で、自力で山頂まで歩いてくれた。とにかく花好きのメンバーばかりが集まったので、全く急ぐことも無くわいわいがやがやと雑談しながらの楽しい登山で、ほとんど疲れることなく2時間ほどで三ツ峠山荘に到着した。


        登山道では咲き始めた矢車草がお出迎えしてくれた。


        三ツ峠山荘前から見る富士山。心配していた天候も大丈夫そうだ。


        アヤメは踏み付けに強いそうで、道の脇に元気に咲いている。

     小休憩してさっそく中村さんの案内で富士山形成の歴史や植生の変化、そして保護柵の中に入れていただき、マルハナバチによるアツモリソウの受粉の仕組みやツラスネラ菌とアツモリソウの共生関係、盗掘によって山にどのような変化が起きたか、さらには植生保護のために行っているテンニンソウや笹の除去とその効果などについてお話を伺った。今回は花好きで熱心なメンバーが多かったこともあり、中村さんのお話も熱が入っていたように感じた。


        ここに咲く花たちは本当に皆元気そうだ。


        大きな葉を出してみずみずしいオオバギボウシの群落。


        このような環境の中にあってこの花が元気に咲いてくれる。


        オオバギボウシとは仲が良いらしい。


        笹が茂っているところもあるが、この中にもまだ若い葉がいくつか生えていた。菌の活性が保たれる環境があれば育ってくれるようだ。


        お話を聞いた後に参加者全員でテンニンソウの除去作業を行う。根がはびこるテンニンソウは地下茎まで除去するのはかなり大変。

     清掃作業で軽く汗をかいた後、三ツ峠山荘前のベンチをお借りして昼食となる。わいわいがやがや、話は尽きない。その後、山頂に登ってみんなで記念撮影を行った。


        山頂で咲かせたバンザイの花。皆さん満足気な良い表情をしています。

     

        ツツジもいろいろ咲いている。サラサドウダンツツジ。


        シロバナ🎐ツツジ


        ムラサキ🎣がねツツジ

     今回もたいへん勉強になり、いろいろと刺激を受けた三ツ峠清掃登山だった。来年は山岳連盟主催で開催できると思うのだが、もし出来ないとしても今回のように有志を集めての清掃登山は行って行きたいと思う。

     参加してくださった皆様、ご苦労様でした。そしておつきあいいただいてありがとうございました。
        

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     今年は山岳連盟の関東地区自然保護グループ勉強会の担当が山梨県だそうで、三ツ峠山荘1泊で会合が開かれた。今年の山岳連盟主催による三ツ峠清掃登山が開催されなかった(開催できなかった)のはこの会合があったためと言っても良いが、来年はきっと例年通りに一般募集も含めて開催できると思う。関東地区から集まったのは総勢40人、山梨県も私を含めて9人参加した。三ツ峠はいちはやく保護柵を設置して自然環境を守り、さらにはテンニンソウなどの雑草を除去して積極的に環境の回復にも取り組んで成功している全国でも数少ない場所である。勉強会を開催するには絶好の場所であるわけである。

     午後3時に三ツ峠山荘集合だったが、所用で1時間遅れで到着した。ちょうど山荘前で中村さんの富士山形成の歴史や三ツ峠の歴史と植生の変化などの説明が終わったところで、室内に入ってビデオによる解説が始まるところだった。このビデオを見るのはこれで3度目だが、何度見ても三ツ峠の取り組みは素晴らしいと思う。

     勉強会の後に夕食、さらに懇親会と続く。どこの地区でも鹿の食害に悩まされているようで、既に手がつけられないほどにやられてしまっているところも多いようだった。この日は明るい月が空に輝いて星は期待できない夜だったが、月と火星と土星、さらにさそり座のアンタレスが接近していて月の周辺は賑やかな空だった。雲がかかってはいるもののなんとか富士山は姿を現してくれている。富士山頂に月がやって来るのは夜の11時ごろで、寝る時間を削ってこの夜は撮影するつもりでカメラ機材(ついでに懇親会用の酒とつまみも)を持って来た。


        深夜11時ごろ、富士山の山頂あたりに月がやって来た。機材セットして撮影開始する。


        雲で霞んでしまったがなんとか富士山は見える。月の右下の明るい星が火星、すぐ左にあるのが土星、その下に輝くのがアンタレス。


        フラッシュ調整発光して前景にヤマツツジを配して撮影した月と富士とヤマツツジ。今回狙っていた構図がこれで、この季節でこれだけ撮れれば上出来。


        17㎜レンズに変えた頃には雲が増えていまいち。

     深夜12時半まで撮影を行ったがその後は富士山から月が離れてしまい、雲も増えて富士山が見えにくく終了となる。栃木県から参加された方が私と同じく写真大好きで、12時過ぎまで付き合ってくれた。1時就眠、3時45分に目覚ましをかけて一旦寝る。

     未明3時に目が覚めた。日の出にはまだ早いのでもう少し寝ていようと思ったのだがもはや寝付けず、3時半に三脚とカメラを持って外に出る。富士山が見えてはいるが霞んでいる。しかしこの季節でこのくらい見えてくれれば良いほうだろう。山荘の前で撮影後、山頂に一番乗りで向かう。


        夜明け前の富士山。フラッシュ調整発光。


        夜明け前の三ツ峠山頂。


        山頂下のヤマツツジと富士山


        朝焼けの山頂。残念ながらあまり焼けない。


        日の出前の富士山。霞が多くて鮮明では無い。


        朝日が射す富士山。東の空の雲と霞でやはりあまり焼けない。


        季節が季節だけにこんなものでしょう。

     他県の山岳連盟の人たちはほとんど日の出前の山頂に登って来ていたが、山梨県だけ、皆二日酔いなのか数人しか来ていない。山頂から御巣鷹山界隈にかけて案内しながら花散策し、三ツ峠山荘に戻った。

     朝食後、中村さんの案内で保護地区に入り、説明を受けながら植物を観察させていただく。なにせ40人という人数なので一度ではとてもではないが説明しきれず、2~3組のグループに分かれて説明を受けるのだが中村さんも大変である。私は最後尾のグループで十分に説明を受けられなかった人のフォローに回る。


        なにせ大人数だけに案内と説明をする中村さんも大変である。


        何度見てもこの景観は素晴らしい。ここでしか見ることが出来ない昔ながらの自然の景色だろう。


        花だけでは無くて周りにまだ花を付けていない若い葉があることがとてもうれしい。


        最後に全員で草刈り作業。皆さん熱心でした。

     草刈り終了後、中村さんと山梨県自然保護グループリーダーの磯野さんからのご指名で何かしゃべれと言われ、僭越ながら10分ほど話をさせていただいた。保護の行き届いている三ツ峠のカモメランと無法地帯になっている別の山のカモメランでは大きな違いが出てきていること、保護のために自主的にロープ設置などの作業を行っており、もはや待った無しの状態に陥っていることなどをお話しさせていただいた。さらに最近櫛形山で発見された希少植物の保護に積極的に取り組むことなども話した。

     実りの多かったこの会合は三ツ峠山荘で昼食をいただいた後解散となった。中村さんの特別サービスで超大盛りカレーをいただいた私は、下山するまでは良かったが寝不足の疲れが一気に出て車の運転が眠くて大変だった。眠気覚ましのドリンクとガムと柿の種をほおばりながら運転してなんとか無事に帰宅した。

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     昨年訪れた時には既に花が散って結実していたこの花。今年はどうしても花が見てみたいと思っていた。天候が不順で夕方から雨の予報だが、最短の場所ならばなんとか持ち堪えてくれそうなので、傘を持って出かけてみた。昨年発見した位置をGPSに登録してあるので、真直ぐにその場所に向かう。


        咲いている。しかし、既に若干遅く下のほうの花は結実している。


        思ったより背高ノッポな花。天候が悪くて森の中が暗いうえに風で揺れてなかなか撮らせてくれない。


        カゲロウが飛んでいるかのような半透明の薄緑色の花。


        長い距を持っている。


        確かに、顔はランの花。


        樹海の中の森に溶け込んでひっそりと咲いている。

     出来ればもう1ヶ所と思ったのだが、向かっている途中で雨が降り出し、かなり本降りになってきてしまった。ひとまず花を見ることが出来たので今回は良しとしよう。撤退。

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     先日のヒトツボクロはいまひとつ消化不良だった。もう少し標高の高い場所ならば見ごろを迎えているかも知れない。そしてもう一つ、例年ならばまだ花期に早いであろうが、今年はかなり花の開花が早く、ひょっとしたら咲いているかも知れないので確認に行ってみたい花がある。早出してゆっくり撮影したいところだが、午前中は職場に行かなければならず、出発は12時ごろになってしまう。別の要件で偶然電話した花見隊隊員の一人がこれまた偶然にも富士山麓の森を歩いているそうで、ならが現地合流ということで出かけることとなった。


        この視野で8本の花帆を出しているが、花が小さくて目立たないため葉で探したほうが見つけやすい。これは葉が紫色のタイプ。


        ちょうど満開の良いタイミングだった。


        お見事。しかし風で揺れてきっちり撮らせてくれない。


        こちらが通常の葉が緑色のタイプ。どちらも葉の裏は紫色。


        昨年の夏にこれを探してこの界隈を歩き回ったが、一株も見つけられなかった。


        今回は事前にsanaeさんから情報をいただいていたので、簡単に探し当てることが出来た。感謝!


        「なんで見つけられないの?」とあざ笑うかのようにたくさんある。2度歩いたはずなのに、何で見つけられなかったのだろう?

     場所を移動して次の森に向かう。まだ時期が早いのではないかと思っていたのだが、想定外に見ごろを迎えていた。


        木の高いところに着生している富岳のスズムシソウ。200㎜望遠レンズ。


        300㎜望遠レンズ。10カット以上撮影してまともに見られるのは2~3カットだけ。どうしてもブレてしまう。


        こちらは白花。


        1株だけ手の届きそうな位置に咲いていた。不届き者がいるようで、木に登って撮影したらしい。木の根元にある苔が剥げ落ちてしまっていた。

     他の木に着生している株も見ておきたかったがスタートが遅かったので時間は5時を回り樹海の森の中は暗くなってしまった。もはや撮影は困難なので撤退することにした。

     とにかく今年は花期がやたらと早く、雪の少なかった北岳では開山を前にしてもうキタダケソウは終わってしまっているらしい。例年よりも10日から2週間早く見て行動したほうが良さそうだ。


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     中・低山の植物ばかりを追いかけていたので、森林限界を超えた高山植物を見に行くのはずいぶんと久しぶりのような気がする。天気予報は晴れのはずだったが見上げる八ヶ岳の山腹から上は黒い雲がかかっている。おそらくは霧か小雨が降っている状態だろう。足が遅いうえに花を探しながら登るので相当時間がかかると予想され、朝6時から歩き始める。


        八ヶ岳の中腹から上には黒い雲がかかっている。


        笹原の急登。傾斜がきついうえに斜面が滑る。えらいこっちゃ!


        ミヤマカラマツがたくさん。


        これは痛そう、ハリブキ。


        カモメ様は葉はあるものの、今年は1株しか咲いていなかった。


        展望地に出た。富士山はなんとか見えている。

     標高2,200mあたりから高山植物が次々と現れる。しかし、その後はずっと霧の中、しかも風が強くて時折小雨が降り、かなり寒い。カッパを着てレンズの結露を拭き取りながら、時として草むらの中やザレた斜面の上を歩いて花を探しては撮り、思う存分に花と戯れながら歩く。


        キバナノコマノツメはあちらこちらに咲いている。


        ハクサンチドリのお出まし。


        ミヤマハンショウヅル。強風で揺れまくり、ほとんどのカットはブレブレ。


        緑色のゴゼンタチバナ。


        露に濡れるミヤマシオガマ。若干早かったかと思ったが・・・


        たくさん咲いている。しかも咲き始めたばかりでどれも新鮮。


        う~ん、露に濡れた花も美しい。


        ミヤマキンバイはもう終わりかけ。


        ミヤマダイコンソウはもうすぐ満開。


        ハクサンイチゲは見ごろだが、悪天候と風に揺れてなかなか撮らせてくれない。


        匂ってきそうな満開のミヤマクロユリ。


        イワベンケイ(雄株)と山頂付近の岩。


        3種揃い咲き。


        岩の間に咲くムシトリスミレ


        良い場所に数株咲いていた。この山のムシトリ君は岩にへばり付くように咲いている。

     普通に歩けば山頂まで4~5時間ほどだろうが、到着したのは午後2時過ぎ、なんと8時間もかかった。山頂付近に咲くと聞いていた珍しい花をうろうろと探してみたがとうとう発見できず残念。まだ時期が早かったようだ。そしてもう一つ探していたのがこの花。図鑑やインターネットの記事では南アルプス特産と記されているのだが、5年ほど前の八ヶ岳で偶然発見してずっと正体がわからずにいた花だ。富士山麓の植物観察会の際に偶然にこの花を知っている方と出会い、ようやく決着がついた。残っているかどうか心配だったが、数はかなり少ないながらも残っていてくれた。


        これか?いや、ちと違う。これはキソチドリだろう。


        発見。草むらの中に隠れるようにひっそりと咲いている。


        久しぶりのご対面。残っていてくれて良かった。


        唇弁の先が3つに割れており、アオチドリの仲間。これは唇弁が赤紫色のタイプ。


        こちらは緑色のタイプ。


        ヒメムヨウランと仲良く並んで

     この花の正体はラン科アオチドリ属の高嶺ア・オ*チドリ。南アルプス特産と言われてきたが、八ヶ岳にも生育していることがわかった。そしてさらに、私の花仲間が日本海側にある山でこれと同じものと思われる花を探してきた。全体的に緑色で目立たないだけに、意外と見つけられていないだけなのかも知れないが、かなり数が少ない花であることは間違いない。今後分布域は書き換えられることが予想される。この場所も笹がはびこりつつあり、今後の存続が危ぶまれる。

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     大菩薩嶺界隈のニョホウチドリは山梨県山岳連盟主催で昨年調査と観察会が行われたが、鹿の食害と笹の増殖で激減しており、まさに絶滅寸前というところまで来ている。今回は調査を兼ねて別の場所を訪れてみた。登るのはルートの無い笹薮だ。


        林越しに富士山が見えた。


        足元に黄色い花。コナスビ(サクラソウ科オカトラノオ属)


        別の黄色い花。ミゾホオズキ(ゴマノハグサ科ミゾホオズキ属)


        また別の黄色い花が岩に張り付いて咲いている。


        イワキンバイ(バラ科キジムシロ属)


        ここからいよいよバリアンスルート。膝から腰のあたりまである笹薮をひたすら登る。


        時折開けた場所があるが、そこは鹿の踏み跡だらけ。遊び場らしい。


        まだまだ続く笹薮。この藪の中では花は咲きそうも無い。


        ようやく開けた場所に出た。上のほうは笹の中に草むらが混じっているようだ。


        笹薮をかき分け、ようやくお目当ての花にご対面。


        ニョホウチドリ。


        ちょうど咲いたばかりのようだ。良い時期に訪れることが出来た。


        首をかしげてお出迎え。


        岩の根元に咲いた花。


        赤紫鮮やかな花。思わず見入ってしまう。


        この場所はそこそこに数はあったが、この笹薮の中で大丈夫なのだろうか?


        いずれは笹に埋もれて消滅してしまうのではないかと心配になってしまう。

     そのまま笹の混じる草むらを足元の花に気を付けながら強引に突っ切り、稜線の登山道まで抜ける。笹薮の突破に苦戦し、時間はもう午後4時を過ぎてしまった。少し場所が離れているが、以前にこの花を見たもう1ヶ所別の場所に行ってみることにする。


        このあたりに7~8株咲いていたはずだが・・・笹に飲まれて消失している。葉も発見できない。


        さらにその上の斜面を探してみると、数株だけ咲いていた。しかし、笹の生い茂るこの斜面、かなり危ない状況にありそうだ。


        笹薮の中に咲いたニョホウチドリ。


        背高ノッポのこの株は元気そうに見える。


        笹薮に囲まれながらなんとか咲いてくれている。


        これだけ笹に覆われてしまっていると・・・もはや消滅を待つだけ・・・という気がする。


        もうすぐ夕暮れ。

     時間は午後6時を過ぎてしまった。本日はこれまで。まだ日が残るうちに明瞭な登山道のある場所まで下りて、あとは薄暗い中をテクテクと下山した。

     今回この花を探しに行った場所も大菩薩嶺と同様に鹿の食害に加えて笹の増殖が著しく、いつ消滅してもおかしくない場所と言っても良いだろう。救いなのはこの場所が強風が吹きあげる風衝地で、笹の背丈が低く露岩とザレ地が少し混ざっていて笹が伸びにくい環境にあるということだろう。しかし大菩薩嶺の雷岩付近も同じような環境にあるにもかかわらず、あの界隈のニョホウチドリは減少の一途をたどっている。やはり手放しで安心できるとは到底思えない。盗掘が心配なのはもちろんだが、それ以上に環境の変化にこの花が対応して行けるのかどうかが心配である。






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     鹿避けの保護柵が設置されてから復活が著しい櫛形山の裸山とアヤメ平だが、平成25年から毎年訪れており今年で4年連続となる。訪れるたびにアヤメが増えていることに驚かされる。


        櫛形山裸山。昨年の秋にボランティアを募り、新たに右側の斜面も保護柵で囲まれた。


        訪れるたびに増殖しているアヤメ。


        昨年の倍以上花を咲かせているのではないだろうか。


        見事な復活を遂げている櫛形山のアヤメ。


        新たに囲まれた保護柵の中で、キンボウゲで吸蜜するコヒョウモンモドキ。周辺にすらりと伸びる葉はアヤメで、数年のうちには花を咲かせるだろう。

     コヒョウモンモドキはクガイソウを食草としている蝶で、一時は激減して櫛形山で見かけることはごく稀になってしまっていたが保護柵の効果が現われクガイソウがたくさん咲くようになってから復活を遂げた蝶である。これもまた櫛形山の植生が蘇って来たからこその嬉しい産物である。

     裸山のほぼ同じ場所で撮影してきた過去の写真を振り返って見ると植生の再生とアヤメの復活してきた様子が良く分かる。


        平成17年6月18日撮影。 昨年咲いたアヤメの穂は残っているが、この年はほんの数本しか咲かなかった。翌年からはほとんどアヤメの花は咲かなくなった。


        平成25年6月22日撮影。 保護柵が設置されて2年目になると思う。キンポウゲの復活が著しく、山肌の保湿力が回復してきた頃だが、まだアヤメはほとんど見当たらない。


        平成26年7月21日撮影。 驚くほどにテガタチドリが咲いていた。アヤメも散見されるようになってきた。


        平成27年7月12日撮影。 テガタチドリがさらに増え、アヤメも目立って増えてきた。元気なアヤメの葉がたくさん出ている。


        平成28年7月3日撮影。 今回見てきた裸山。テガタチドリが減ったのはちょっと残念にも思うが、代わりにアヤメの復活は著しい。

     このように年数を追っての植生の変化を見る限りでは、まずはキンポウゲが増殖して山肌の保湿力が回復した後、残っていたラン科植物の根、特にテガタチドリが復活し、その後にアヤメが復活してくるという変化を辿るようだ。アヤメは思っていた以上に根が強いように思う。これは先に保護柵が設置された裸山の変化であるが、アヤメ平もおそらくは同じような経過をたどってアヤメが復活して来るだろうと予想している。キンポウゲに加えて現在テガタチドリやキソチドリなどが再生している段階であるが、それに混じって元気なアヤメの葉が伸びてきている。櫛形山のアヤメ復活には何十年という歳月がかかるだろうと思っていたのだが、意外とアヤメの増殖力は強そうで、数年のうちにはまた紫色のお花畑が見られるようになるかも知れない。私が登山を始めた頃にはもう櫛形山のアヤメはほとんど見られなくなっていただけに、復活したアヤメお花畑を期待している。


        平成17年6月に撮影したアヤメ平のキバナノアツモリソウ。この翌年は枯れた花を見たが、それを最後にその場所からは消失した。


        同じく平成17年6月に撮影したクモマツマキチョウ。この蝶との出会いこそが私が山に登るきっかけとなったが、乱獲著しくこの年以降は見かけていない。復活してくれることを願う。

        

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