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四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

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     着生植物(ちゃくせいしょくぶつ)とは、土壌に根を下ろさず、他の木の上、あるいは岩盤などに根を張って生活する植物のことである。木の幹に付着しているのを良く見かけるノキシノブなどもその中のひとつであるが、中にはめったにお目にかかれない植物もある。今年のうちにどうしても見ておきたかった花の中にフガ・ク・鈴虫・草があるが、これも着生植物のひとつで、富士山樹海の中にあるということだけは知っているが場所だけでなく咲いている環境や着生する木の種類、高さなどがわからないとやみくもに探し歩いてもただ樹海の中を踏み荒らすだけになってしまう。今回は富士山自然学校の主催する植物観察会があり参加させていただいた。参加者は10数名、知っている顔が数人と有名なブロガーの方が数組、私のブログファンという方もおられた。

     車に分乗して樹海の中に入る。初めて知ったのだが、富士山2合目から下のツガの樹林帯は大部分が植林されたものなのだそうだ。杉や檜は積雪の多い富士山裾野には不向きでツガが植林されたそうで、どうりで整列したように綺麗に並んでいるわけだ。フガ・ク・鈴虫・草は広葉樹林に好んで着生し、ツガの森で見かけることはまず無い。着生植物は木の上に着生するわけだが、水分を補給するために雨や霧の多い森を好む。朝霧高原とは良く言ったもので、富士山は南から流れ込んだ海風が朝霧高原と山中湖周辺で渦を巻き、その界隈には霧が発生し易く空気湿度が高く保たれている。この環境こそが着生植物が生息するに絶好の環境を生み出しているのである。


        思っていた以上に高い場所に着生していたフガ・ク・鈴虫・草。


        ほら、あの上に赤っぽいのが・・・と言われても近眼の私には全く見つけられない。


        これは比較的低い位置に着生していた株。


        かなり高い位置に群生していた株。200㎜+エクステンダー×2倍=400㎜で撮影。三脚で固定してもブレまくる。


        白っぽい花にもめぐり会えた。


        スギラン。といってもラン科の植物では無くシダの仲間(ヒカゲノカズラ科)。


        シダ植物オシャグジデンダ(ウラボシ科)。上側左右に2本ずつ、および画面下のほうに出ている細葉の植物はマツノハマンネングサ(ベンケイソウ科マンネングサ属)。


        ヤシャビシャク(ユキノシタ科スグリ属)。花期は4月で既に種になっている。

     花の名前はなんとなく聞いたことはあるのだが、実際に見るのは全てが初めてのものばかりの着生植物たち、大感激してさらに次の場所に移動する。そちらにもまた初めてお目にかかる素晴らしい着生植物たちが居た。


        右側と幹の上右寄りにぶら下がっているのがカヤラン、左側に着いているのがマツラン、別名ベニカヤラン。


        カヤラン(ラン科カヤラン属)


        マツラン、別名ベニカヤラン(ラン科マツラン属)。この画像では分かりにくいが、葉に赤紫色の斑点がある。


        赤っぽい種をつけたカヤラン。

     今回のいちばんの目的が着生植物、特にフガ・ク・スズ・虫ソウであったが、その他にもこのような様々な着生植物を見ることができた。富士山樹海の中がいかに植生に富んだ素晴らしい森であるかを改めて見直すことができ、感心させられた。




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     富士北麓の森、三つ峠に続いて今季3度目となる山梨県山岳連盟植物保護グループ主催の観察会に急遽参加させていただいた。

     今回歩くのは何本もある櫛形山登山ルートの中でかなり長いルートとなる丸山登山道コースだ。2週間ほど風邪症状が続いて体調がいまいちだったので、付いていて行けるかどうか、それよりも登れるかどうかにかなりの不安があった。案の定ピッチの遅い私が足を引っ張ることになってしまったが、なんとか目的地まで登ることができた。今回も三つ峠に続いて講師を仰せつかったが、全く役に立たず、登り始めからいきなりわからない花ばかりだ。


        登山口の脇に咲いていた白い花、これは何じゃ?? たぶんシロバナイナモリソウ(アカネ科イナモリソウ属)。


        カラマツ樹林帯の中にシャクジョウソウが一本。(イチヤクソウ科シャクジョウソウ属)


        未だに正体がわからない花。葉の分岐あたりから花が咲いている。


        別株を見るとツルのように地面を這っており、ツル性の植物ではないかと思うのだが、正体不明。


        サワギク(キク科 キオン属)


        丸山山頂。あまり訪れる人が居ない静かな山頂。


        こちら側のルートも他のルートと同様に徹底的に鹿の食害に遭ったようだ。バイケイソウばかりが残る荒れた森と化している。


        唐松岳山頂。

     3時間半ほどかかってようやくアヤメ平に到着した。すっかり汗だくであるが、アヤメ平まで登って来るとさほど暑いといった感じでは無く快適な温度だった。昼食をとってアヤメ平の中を散策する。保護柵が設置されて今年で5年目になるだろうか、昨年にも増して植生の再生は著しく、驚くほどのキンポウゲのお花畑や、テガタチドリ、キソチドリなどのラン科植物が再生しており、さらに昨年はお目にかかれなかった絶滅危惧種の植物にも何種類かお目にかかることができた。


        黄色い絨毯と化した櫛形山アヤメ平のキンポウゲお花畑。


        元気の良いテガタチドリがたくさん咲く。


        アオスズラン(エゾスズラン)は確実に数を増やしているが、柵の外で昨年見つけた株は今年は見つけられなかった。(ラン科カキラン属)


        一方、保護柵設置前から囲われていた場所はハンゴンソウだらけの荒れた草地に変わってしまっている。やはり手入れしないで囲っておくだけでは植生の維持ができないことを思わせる。

     アヤメ平1周し、裸山に向かう。こちらは新たに裸山全体を覆う柵が設置されていた。昨年訪れた時は一面がピンク色に染まるほどのテガタチドリ大群落だったが、今年はそれに加えてアヤメがだいぶ復活してきた。ちょうど南アルプス市の植物調査隊が見回りしていたので、種を蒔いて増やしたのかどうか尋ねてみたところ、そうではなくて自然に出て来たものだそうだ。鹿の食害で激減してしまったアヤメだが、根は残っていたようで予想していたよりも早く復活しそうな様相を呈している。


        裸山のお花畑。テガタチドリに加えてアヤメがかなり数を増やしている。


        テガタチドリとアヤメの群落


        こちらはアヤメが主体の群落


        うーさんの手にとまって逃げようとしないコヒョウモンモドキ。クガイソウを食草とするこの蝶はかなり数を増やしており、植生復活の証拠でもある。


     昨年よりもさらに復活した櫛形山を存分に堪能した植物観察会であった。毎年姿を変えて行く櫛形山のお花畑、これからが楽しみである。

     下山は車をデポしてあった平成峡に下りた。午後4時、下山。

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     かつてはあちらこちらにたくさんあった花らしいが、高値で取引されたために徹底的に採取され、今では全国的にほとんど見られなくなってしまったこの花。急斜面の崖でこの花を採取しようとして滑落し、命を落とした人もいると聞く。

     ネット上の記録を見ると、渓谷の岩壁の上などに咲いているという記事を散見するが、昨年この花を発見した環境は渓谷では無くてむしろ尾根に近い場所のやや日当たりの良い岩場である。ザイルで下降して危険な岩場から採取したなどという話を聞く限りでは、おそらくは多くの場合そのような岩場に咲いていたのではないだろうか。おおよその環境がわかったので、今回は似たような環境にある別の岩場を探してみることにした。急峻な崖が予想されるので10mザイルを携帯して行く。それ以上に下降しなければならないとすれば、その時点であきらめるしかない。

     登山道から外れて岩壁の脇を覗き込んでみると、紫色の花が目に付いた。近付けるところまで近付いてみると・・・あった。探していた薄紫色の可憐な花、ウ・チョウ・蘭だ。


        急峻な斜面に薄紫色の花が見える。


        今回の目的の花、ウ・チョウ・蘭(ラン科 ハクサンチドリ属)。 


     この場所は切り立った崖になっていてこれ以上近付けない。木の根につかまりながらトラバース気味にさらに上の岩に登ってみると、さらに数株発見できた。


        さらにその上でも発見。


        接写。この日は風が強く、花が揺れてなかなか撮らせてくれない。もちろん、三脚を立てられるような場所では無い。

     持って行った双眼鏡でさらに遠くの岩壁を見てみると、数株花を咲かせているのが確認できた。

     さらに次の岩場はハズレ、次も無し、さらにその先の岩場はやや傾斜が緩く、足場も比較的しっかりしていた。ここにも数株咲いている。さらに別の場所はかなり急峻、上から見下ろすとちらほらと咲いているのが見える。ザイルを出すことも考えたが近場のものだけと決めてザイル無しで下降する。観察を終えて登り返す時、右手でつかまっていた岩が30㎝大の大きさで脆く崩れ落ちて行った。全加重をかけていたら滑落間違い無し、危ないところだった。


        やや大きめの株が花を付けている。


        別角度から


        草むらの中にひっそりと咲いていた。


        別株


        別の場所。ここは足場がきわめて悪い。


        風に揺れてなかなか撮らせてくれない。

     おそらくかつては登山道脇の岩場にもたくさん咲いていたのだろうが、今ではほとんど人が近付かない(近付けない)ような急峻な岩場にしか残っていないのだろう。鹿が立ち寄るような場所でも無いので、盗掘さえ無ければこれからも咲いてくれることと思う。できるだけそっとしておいてあげたいと思う。



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     山梨県では南アルプスをはじめとする数か所の山でこの花が咲いているとの情報を得ているが,最も近いのが御坂山塊である.ホザキの一ッ葉の草は数が少なく,ほとんど固まって咲いている場所は無く,単発的に散在して数株のみ咲いているのが現状である.環境の変化によってはすぐにでも絶滅してしまうのではないかと大変危惧している花のひとつである.

     この山にはこのほかにも稀少なラン科植物が咲くが,保護柵やロープは張られていない無法地帯のため,鹿の食害が著しいだけでなく人の踏み荒らしも目立ってきており,今年は盗掘もあったと聞く.この一ッ葉の草もいつまで咲いてくれるのか,保護しなくて大丈夫なものなのか,かなり心配な状況にある.


        この山ではテンニンソウまでが鹿に食べられており,草を食べ尽くして鹿の食べ物が相当無くなっていることが伺える.


        草地の中に一株だけ咲いているのを見つけたホザキの一ッ葉ラン.


        別角度から撮影.あたりを探したが葉も見つからず,この株だけ.


        少し離れた場所で発見した株.近くにはこれと同じような小葉が一枚あった.


        緑色で地味な花だが,すらりと伸びるその姿は森のプリンスといった感じを受ける.


        接写.精巧な造りをした小さな花かたくさん並ぶ.


        近くにあったオオヤマサギソウはもうすぐ咲きそうだ.


        こちらは林道脇に咲いていた大株のクモキリソウ.


        クモキリソウ

     クモキリソウ属の植物は花が咲き終えた後に根元付近に小さな芽を出し,自力で株分けして増殖することができる.そのため必ずしも受粉せずとも自力で株を増やすことができ,このように周辺に小葉を含めてたくさんの株を増やすことができる.しかし,アツモリソウはそのような増殖能力は基本的に持っておらず,確立の低い種子からの増殖が主体となる.そのため盗掘されてしまうと自力で増えることはきわめて困難となってしまう.このホザキの一ッ葉のランはどうなのだろうか?散在的に咲いているところを見ると,自力の株分けによる増殖能力はきわめて低いように見える.


        こちらは南アルプスの山で見つけた一株.うれしいことに,根本には別の小葉がひとつ出ている.


        すっかり踏み荒らされて通路が出来てしまっている稀少な花の咲く場所.これはもう保護に乗り出すしか無いだろう.

     鹿の保護柵も人の保護ロープも設置されていないほとんど無法地帯のこの山は,保護対策を講じないとやがて裸山になってしまうのではないかと心配している.場所を隠すだけが保護ではなく,積極的な対策が必要であることを三つ峠の植物観察会・勉強会以来痛感している.目指しているのは開かれた保護であるが,果たしてそんなことが出来るのかどうか?難しい問題である.



        

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     植物観察会の時に初めて訪れた富士山の樹海の森だが、様々な植物の宝庫であることを知った。その後も何度か訪れてみたので、まとめて掲載する。


        ツルアリドオシの群落


        ツルアリドオシ


        その中に混じるようにこれが咲く。


        アリドオシラン


        コイチヨウラン


        苔の中から顔を出すコイチヨウラン。


        コイチヨウラン


        キソチドリ


        同上


        結実しているヒトツボクロ


        腐生植物キヨスミウツボ


        接写

     別の腐生植物ランを探して5時間ほど森の中をさまよったが、とうとう発見できなかった。今年はもう終わってしまうだろうから、来年の課題になる。

        

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     久しぶりに参加する山岳会嶺朋クラブの山行である。予定では山梨県東部の山のニョ峰・チドリを見に行くはずだったのだが、もう花は終わっているらしく、また午後から天候が崩れる予報なので近場の山に行くことにした。大淵谷の林道を一番奥まで入る十二・節刀ヶ岳の最短ルートを行く。メンバーは私を含めて4人である。

     久しぶりに走る大淵谷の林道は砂防ダム工事が終わってダンプカーが走らなくなったため、道がえぐれてかなり荒れている。そのうえ途中に倒木があって、4人で引っ張って道脇にどかそうとしたがどかし切れず、枝をくじいてなんとか車が通過できる幅を確保して進んだ。


        大淵谷の登山道入り口。使う人が少ないためか、草がだいぶ繁ってきた。


        ヒヨドリバナが咲く登山道。


        こんなものを食べても鹿は大丈夫なのか? これはハシリドコロ。テンニンソウも食べられていた。


        急登の斜面だが、1時間かからずに稜線に抜ける。

     急登の斜面を登ると十二ヶ岳と節刀ヶ岳の中間点あたりの稜線に抜け出る。砂防堤工事に伴ってルートが整備されたので道は明瞭である。反面、かつてはこの登山道沿いにたくさん咲いていたツルシロカネソウやササバギンラン、フタバアオイなどは激減し、テンニンソウとバイケイソウの草地に様変わりしてしまった。


        展望岩場から見る富士山と十二ヶ岳。


        山頂到着。昼食をとって休憩していると、あっという間に富士山に雲が巻き始めた。


        鹿に食べられずに残っているミヤマママコナの群落。これはあまり食べないのかもしれない。


        ?


        Oh,No,Yehランはもう結実している。今年はかなり咲いたようだ。

     山頂周辺を散策した後、昼食をとって大休憩していると11時半ごろから急速に空模様が悪くなり、富士山はあっという間に雲隠れ、さらに自分たちのいる場所にも黒い雲が迫って来た。雷が鳴ってもおかしくないような真っ黒な雲だ。余裕があれば節刀ヶ岳も考えていたが、ここはさっさとげざんすることにする。


        ヒヨドリバナで吸蜜するミドリヒョウモンとアサギマダラ。雲がかかっているのは山頂だけで、下は穏やか、暑い。

     他の御坂山塊の山と同様、この山も鹿の食害がかなり深刻と言える。コイワザクラをはじめとする稀少な植物の宝庫であるだけに心配ではあるが、幸いなことはここは御坂山塊きってのアルペンコースで、鹿が近寄れないような岩壁に花が咲いていることだろう。今年は花の時期を逃してしまったものもいくつかあるが、これからも咲き続けてくれることを願う。


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     今年3度目となる富士山自然学校の植物観察会に参加させていただいた。今回は静岡県まで行かないと見られないだろうと思っていたベニ・シュスランが山梨県にもあるということ、さらに今年の課題であった着生植物を観察出来るということだ。今まで参加した観察会では最多となる20人ほどの人数が集まった大観察会となった。県外から来られた方がほとんど、かつ、毎度のことながらハイレベルの人たちばかりだ。

     車に分乗して移動、山梨県県南部の川に向かう。川の両岸には苔の生した岩壁があるが、その苔の中を探すと・・・あった、ベニ・シュスラン。しかしもう花は終わってしまっている。8月に咲くものかと思っていたのだがこの場所は意外と早い時期に咲くようだ。


        苔の中に埋もれて隠れるように葉を出す。


        ベニ・シュスラン(ラン科シュスラン属)。若干時期が遅かった。


        もう花は終わってしまっている。


        咲き残っていた一株。


        別角度から。

     ベニ・シュスランはやや湿った場所で苔が生しているような場所を好んで生えるらしい。おそらくこの周辺の川沿いを探すと他にも自生地があるのだろう。

     場所を移動し、次も川沿いの梅の木が生えた場所に行く。着生植物が自生するには空気湿度が高いことが条件で、霧や雨の多い場所や今回訪れた場所のように川沿いのモヤが発生して空気湿度が高い場所が生育する条件となる。意外にも、梅の木にその着生植物は足を延ばしていた。


        梅の木に着生したスパイダー・プラント。


        クモラン(ラン科クモラン属)。まさに蜘蛛が這うような植物。


        緑色の小さな花を付けるが、既に花は終わっている。


        別の木に着生していた植物。


        ヨウラクラン(ラン科ヨウラクラン属)。

     さらに別の場所に移動。こちらも先程と同様に川の近くにある梅の木林だ。視線と同じ高さでクモランだけでなくカヤランも観察できる好条件の林だった。


        梅の木の枝を這うスパイダー。左上はカヤラン。


        緑色の小さな花を付けるクモラン。


        梅の木に着生したカヤラン。


        細長い種を付けたカヤラン(ラン科カヤラン属)。


        こちらは梅の木に着生したヨウラクラン。

     ベニ・シュスランも着生ランたちも今回初めてお目にかかるものばかりで、特にクモランが梅の木に好んで着生するとは驚きだった。私の住む甲府市積翠寺は梅の木が多く植えられており、近くには相川という川が流れている。今回廻った場所に環境は似ているのだが、霧が発生していることは少なく空気湿度は低いように思える。しかし、ひょっとしたら意外と近場にも着生植物は存在しているのかも知れない。
        

     

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     久しぶりの南アルプス入山となった。今回の目的は花探しでも風景写真撮影でもなく、YBSテレビ関連の取材の手伝いである。本日の宿泊地は仙水小屋なのであまり急いで行く必余は無く、12時半広河原発北沢峠行きのバスで行くことにした。芦安バス停の駐車場に到着すると案の定駐車場は混雑しており、第5駐車場を案内されそちらに止める。親切なことにジャンボタクシーが駐車場まで迎えに来てくれて予定していたバスよりも1時間ほど早く芦安を出発できた。

     広河原で北沢峠行きのバス時刻まで2時間ほど余裕が出来たので、界隈を散策してみた。


        キツリフネ(ツリフネソウ科ツリフネソウ属)。 登山道脇のやや湿った場所に咲いていた。


        同上


        やや痛んでいるがミソガワソウ(シソ科イヌハッカ属)。


        ソバナ(キク目キキョウ科ツリガネニンジン属)。登山道脇を彩る鮮やかな薄紫の花。


        キリンソウ(ユキノシタ目ベンケイソウ科キリンソウ属) 沢沿いのやや湿った岩の上に咲いていた。


        イワアカバナ(フトモモ目アカバナ科アカバナ属) 湿り気のある登山道脇に咲いていた。


        青い実を付けたツバメオモト(ユリ目ユリ科ツバメオモト属)


        レイジンソウが1本(キンポウゲ目キンポウゲ科トリカブト属)


        ジャコウソウ(シソ目シソ科ジャコウソウ属) タニジャコウソウとの違いは花柄が花冠より短いこと。


        クサコアカソ(バラ目イラクサ科カラムシ属)? アカソの葉先は3裂するがこれは裂せず、クサコアカソと思われる。


        枯れて真っ黒になっていたサカネラン(ラン科サカネラン属)。そろそろ別の腐生植物ランが出る頃だろうが、まだ芽を出していない。


        見たかったのがこれ。タカネ・フタバ・ラン(ラン科フタバラン属)。


        タカネ・フタバ・ラン


        ちょうど見頃を迎えていた。

     バス時間の20分前にバス停に戻り、北沢峠に移動する。やまびこ山荘で昼食にラーメンをいただいた後、花を探しながらゆっくりと仙水小屋まで歩く。午後2時半ごろには到着してしまい、一休みした後に仙水峠まで散策してみた。こちらでもコイチヨウランをはじめとする稀少な植物を見ることができた。


        苔の生えた木の上を着生植物が居ないか覗き込むと、赤い実を付けたタケシマランが付着していた。(ユリ科タケシマラン属)


        花の切れ込みが深く、これはタカネナデシコ(ナデシコ科ナデシコ属)。


        オオビランジ(ナデシコ科マンテマ属) 毛の有無は見ていないが、場所的にオオビランジ。(我らハゲ頭の仲間がオオビランジ。)


        ヤナギラン(アカバナ科ヤナギラン属) ランの名がつくがラン科植物では無い。鹿の大好物。


        仙水小屋の前に咲いていたミヤマオダマキ。南アルプス林道が開通する前の北沢峠はお花畑になっていたそうで、ブルドーザーで削られてしまう前に数株移植したものがここまで増えたそうだ。


        ミヤマタニタデ(アカバナ科ミズタマソウ属) 沢沿いの湿った登山道脇に生えていた。


        コバノイチヤクソウ(ツツジ科イチヤクソウ属) 


        針葉樹林帯の森で見つけたシャクジョウソウ(ツツジ科シャクジョウソウ属)。


        キソチドリ(ラン科ツレサギソウ属)


        ゴゼンタチバナ(ミズキ科サンシュ属)


        結構な数があったコイチヨウラン(ラン科コイチヨウラン属)


        コイチヨウラン。同じコイチヨウラン属のハコネランは唇弁にギザギザがあり、ブナの森の林床に生える。 


        こんな苔の生えた環境ならばきっとあるはず。見つけましたコフタバラン(ラン科フタバラン属)。 タカネに次いで2種類目のフタバラン属。日本には5種類のフタバラン属の花がある。

     5時に仙水小屋に戻るともう夕食が始まっていた。この小屋の食事には定評があり、この日もホタテやマグロの刺身の他に天ぷらやサラダなど料亭のような食事が振舞われた。大満足の夕食である。翌朝は未明2時起きで出発の予定なので、7時前にはさっさと布団をかぶって眠りに就く。天候に恵まれて良い映像が撮れれば良いのだが・・・。
        

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     甲斐駒ケ岳に登るのは今回で4度目となる。初めての登頂は北沢峠から双子山ルート、2度目は黒戸尾根、3度目は日向八丁尾根というバリアンスルートを登った。山頂の到着時間が遅い事もあるのだが、甲斐駒ケ岳山頂から見る鳳凰山越しの富士山は霞んだものしか目にした事が無い。今回は北杜市からYBS関連会社に委託された南アルプスエコパークプロモーションビデオ作成の手伝いである。欲しい映像は甲斐駒ケ岳山頂の様子と山頂から見る富士山、さらに黒戸尾根側の9合目にある鉄拳の刺さった岩や8合御来迎場の石碑と倒壊した石鳥居の様子などである。黒戸尾根を登ることも考えたがルート的にかなり厳しく、機材を担ぎ上げるのは容易では無く、かつ今回同伴するカメラマンは登山経験がほとんど無い初心者である。仙水峠から駒津峰を超えて山頂に登ったほうが楽である。しかし、問題なのは富士山が見えるかどうかだ。時期が時期だけに、雲が湧いて見えない可能性がきわめて高い。勝負は遅くても午前9時までだろう。8時甲斐駒ケ岳山頂を想定して未明2時に起床して2時20分に仙水小屋を出発する。


        仙水峠から見る月光の摩利支天と甲斐駒ケ岳。想定外に天気が良い。これならば富士山が見えるかも知れない。


        東側を望む。町明かりを覆う霞の上にもうオリオン座が昇って来ている。


        駒津峰まであと30分ほどの地点。夜明けが迫り、仙丈ケ岳の上に綺麗なアース・シャドウが出た。


        朝日射す仙丈ケ岳と十六夜の月


        夜明けの仙丈ケ岳


        栗沢山・アサヨ峰と北岳


        夜明けの鳳凰山


        鳳凰山の横には霞の中に富士山が浮かんでいる。


        駒津峰山頂。向こうは鋸岳。

     駒津峰山頂で夜明けを迎えたかったのだが15分ほど遅れてしまった。ここで朝食、仙水小屋で特別に用意していただいたおにぎりを食べて休憩する。この頃にはもう数名の登山者がやって来て先に山頂に登って行った。時間は午前5時を回っている.甲斐駒ヶ岳山頂は予定通り8時ごろになるだろう.想定外に良い天気となったこの日,これならばきっと鳳凰山の上に出る富士山が見られるだろう.


        超広角レンズで捉えた鳳凰山から北岳に至る南アルプスの山並.駒津峰から.


        朝もやに浮かぶ鳳凰山と富士山


        甲斐駒ケ岳から昇る朝日


        六方石から見上げる甲斐駒ヶ岳

     駒津峰から急下りして六方石を過ぎた頃にはだいぶ日が差し始め,日の差す場所は暑く感じるようになってきた.途中にはヨツバシオガマやミヤマアキノキリンソウ,イワツメクサなどの花が咲いていた.日なたを避けて日陰で休んでいると,突然目の前をライチョウが横切った.しかも親子連れ,雛が2羽に雌が1羽の3羽だ.甲斐駒ケ岳でライチョウに出会うことはきわめて稀で,聞くところによると1つがいしか居ないのではないかと言われている.夢中で追いかけて撮影する.


        イワツメクサと北岳


        突然ライチョウが現れた.親1羽に雛が2羽,見えますか?


        南アルプスをバックにポーズをとってくれたライチョウ.焦って撮ったので水平位置が曲がってしまった.


        摩利支天分岐を過ぎて山頂までもう少し.栗沢山・アサヨ峰と北岳の山並.

     本命の撮影は黒戸尾根側なのだが,長野側も撮影しながら山頂を目指し,予定していた午前8時を少し過ぎた頃に甲斐駒ヶ岳山頂に到着した.既にたくさんの登山者が到着していた.雲が出始めていたが,鳳凰山の上に富士山が浮かんでいた.この季節にしては満点をあげでも良いような素晴らしい眺望だ.しばらく高い山に登っていない私に,山が「登って来いよ」と誘っているかのように思えた.


        甲斐駒ヶ岳山頂から見る鳳凰山と富士山


        アサヨ峰山塊と北岳山塊


        駒津峰,双子山と仙丈ケ岳


        鋸岳とその向こうには御嶽山,乗鞍岳,北アルプスの山並がずらりと並ぶ.夏のこの季節にこれほどの眺望が得られるのはきわめて稀である.


        北岳をバックに記念撮影.

     この季節に富士山を撮影するのは難しいのだが,まずは山頂での撮影はクリアできた.思い残すことなく存分に撮影した後,黒戸尾根を降りる.かなりバテ気味な登山初心者のカメラマンを連れて無事に下山できるのだろうか?本当に大変なのは登らせることよりも下ろすことである.(後篇に続く)



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     素晴らしい天気と眺望に恵まれた甲斐駒ヶ岳山頂,下山するのがもったいないような景色だ.無事に予定した撮影を終えて休憩していると鋸岳側の登山道を登って来た9人ほどのグループが山頂にやって来た.そういえば数日前に立ち寄った甲府駅前の喫茶店で1泊2日で釜無林道から鋸岳を超えてテント泊し,甲斐駒を超えて黒戸尾根を下山するという学心会という山岳会の山行があると聞いていた.予想では黒戸尾根7合目あたりで抜かれるだろうと思っていたのだが,まさか・・・とメンバーの顔を見に行くと,まさに学心会の人たちだった.前日は鋸岳を超えて中の川乗越でテント泊したそうで,まだ9時前だというのにもう甲斐駒ケ岳まで登りついてきた.足が速いとは聞いていたがまさかここまで速いとは驚いた.山頂での記念撮影を買って出て先に黒戸尾根を下山し始めるが,9合目まで着かないうちにあっという間に追い抜かれた.

     9合目の鉄拳が刺さる岩を入れた景色は黒戸尾根の中でも屈指の撮影場所であるが,残念ながら到着したころには既に雲が湧き富士山は隠れてしまっていた.その先の急傾斜の鎖場は初心者にとってはかなり厳しい場所だろう.そろそろ足に疲れがたまっている頃だろうから,カメラマンの三脚は私が担ぐことにする.念のため10mザイルを携帯してきたが,ザイルを出さずになんとか鎖場を通過して8合目の御來迎場に到着した.雲がかかって見えなくなっていた甲斐駒ケ岳だったが,8合目ではなんとか姿を現してくれた.


        黒戸尾根側の山頂神社.さて,下山開始.


        神社のところに咲いていたシラネヒゴタイ(キク科トウヒレン属).よく似たタカネヒゴタイとの違いは頭花の数が1~2個で総苞が黒いこと.


        ただの岩・・・ではなくて石仏.


        9合目,左に鉄拳の刺さる岩がある.黒戸尾根の中で屈指のビューポイント.残念ながら富士山は雲に巻かれてしまった.


        9合目の急傾斜鎖場.無事に通過できた.


        ミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)とトリアシショウマ(ユキノシタ科チダケサシ属).


        ミヤマダイモンジソウ.向こうにちらりと甲斐駒ケ岳が見えたが映らず.


        ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属). ダイモンジソウとの違いは葉や花茎に毛が無いこと.


        ミヤマダイコンソウ(バラ科ダイコンソウ属)


        同上


        8合御來迎場.なんとか甲斐駒ケ岳が見えてくれた.


        下に見えるこんもりした山が黒戸山.下山はまだ始まったばかりだ.


        七丈小屋テント場付近に咲いていたミソガワソウ(シソ科イヌハッカ属).花が大きくラショウモンカズラかと思ったが,葉の形,花期とも違う.

     11時半七丈小屋に到着し,昼食となる.持って行ったアルファ米の牛丼を作って食べるが量が足りないのでパンやソイジョイなどを食べて補う.12時過ぎに七丈小屋を出発し,順調に行けばここから6時間あれば下山できるだろうと見ていたが,そうは行かないのが登山である.5合目までは鎖場やハシゴ場が連続する急峻な道が続く.カメラマンの膝を心配していたがガクガクで力が入らないという状況にはなっていないようだ.5合目小屋跡から黒戸山への辛い登りを過ぎ,4合目の刃利天狗という神社を撮影して本日の予定していた撮影場所は全てクリアである.休憩していると,黒戸尾根を日帰りして下山してきた滋賀県からやって来た若者が私たちと合流して一緒に下山してくれることとなった.


        甲斐駒ケ岳は信仰の山で,黒戸尾根はかつての巡礼の道である.随所に石碑や石仏,鉄拳が置かれている.


        鉄拳


        石碑


        5合目にある神社


        石碑とセリバシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属).


        4合目刃利天狗神社.

     若者は足を捻挫したそうで,足の遅い我々に付き合って下山してくれることとなった.刃利天狗の先にある刃渡りの難所は天候に恵まれてスリップする心配はほとんど無く,簡単に通過できた.時間よりも疲れに配慮しつつ,40分~50分に一度のペースで休憩しつつ,ピッチを上げることなく歩くがさすがに初心者のカメラマンは辛そうである.足の裏が痛いというので見てみると豆が出来始めているところだった.絆創膏を貼って応急処置をする.さらに1時間少々歩いたところで今度は反対の足裏と小指が痛いという.見てみると小指のところは豆がつぶれて皮膚が剥げてしまっている.これでは痛くて歩けない.カテリーパッドという大き目の絆創膏を貼りテープで固定する.反対側も予防的に同じ処置を施すが,これだけでは痛みは治まらないだろう.履き慣れていない登山靴がまだ足に馴染んでいなかったようだ.同行してくれた若者がストックを1本貸してくれ,ダブルストックでなんとか騙しながら下山することとなるが,このダブルストックが意外と効果があったようでその先は比較的順調に歩くことが出来た.

     横手との分岐を過ぎたところで時間は6時半を過ぎ,ヘッドライトを装着する.暗闇を歩くのには慣れている私だが,人を連れて歩くことはあまり無い.持参したGPSで位置を確認しつつ,足元に注意を促しつつ黙々と下山し,すっかり暗くなった7時15分,竹宇駒ヶ岳神社に到着した.無事に下山できたことを感謝して神社に手を合わせた.


     下山途中でいくつか珍しい植物に出会うことができた.


        シダにしてはちょっと変わった葉だなと思っていたら花が咲き残っていた.八ヶ岳でしかお目にかかったことが無かったオサバグサ(ケシ科オサバグサ属).


        これほどたくさん咲いているのは初めて見た.コイチヨウラン(ラン科イチヨウラン属).


        コイチヨウラン


        いちばん驚いたのがこれ.茎が茶色い二葉蘭,ミヤ・マ・フタバ・ラン(ラン科フタバ・ラン属).


        角度を変えて.


        こちらが図鑑に載っている黄色っぽい花の株.


     想定していた以上に大変な山行となってしまった甲斐駒ケ岳だったが,予定していた映像はおそらく撮影に成功したことと思う.私のほうとしても,コフタバ,タカネ,ミヤマと3種類のコフタバラン属に出会えた充実した山行となった.日本に5種類あるコフタバラン属のうち4種類に出会えたこととなり,残りは姫だけになった.山梨県内で姫に出会うのは難しいかも知れないが,隣の県まで足を延ばせばさほど出会うのは難しくないだろう.来年でも会いに行ってみよう.


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     春に廻った時に出会ったジンバイソウとフタバラン属の花がそろそろ咲いている頃だろう。出かけてみることにしたのは良いが・・・。

     今月は当直担当者が変わり、想定外の金曜日に2回当直が当たってしまっている。水曜日という約束だったのだが人員不足でそうも言っていられない状況になりつつある。当直明け2日目の朝はとにかく体がだるい。車を運転しながらよほど止めようかと思ったのだが、日程的にこの日しか行ける日が無く、ここを逃すと来年になってしまう。行くしか無いだろう。

     竹宇駒ケ岳神社の吊り橋を渡って尾白川遊歩道に入ると、子供連れのお客さんがたくさん来ており水遊びしている。渓谷道に入って行く人もちらほらとおり、皆さん追い抜いてもらって休憩をたっぷりと取りつつこまめに水分補給して進むが、それでも急登りの階段を昇りながら上を見上げると頭がクラクラする。


        竹宇駒ケ岳神社。先週は夕暮れを過ぎたころにここに下山した。


        神社の周辺にはコバギボウシ(キジカクシ科ギボウシ属)がちらほらと咲いている。


        さながら天然のプールと化している尾白川千が淵


        コアカソ?毎度わからないイラクサ属の花。


        イワタバコは遊歩道脇の岩にたくさん付着しているが、残念ながら花は終わっていた。


        咲き残っていたイワタバコ(イワタバコ科イワタバコ属)


        イワタバコと小滝の流れ


        カノツメソウ(セリ科カノツメソウ属) いつもなら気にも留めない花だが、改めて名前を調べると初めて聞く名前。


        ガクアジサイ(ユキノシタ科アジサイ属)と三の滝


        ヤマジノホトトギス(ユリ科ホトトギス属)

     なんとか目的地まで到着した。春に来た時は葉しか確認できなかったジンバイソウだが、今回は長い穂を出してたくさん花を付けている。想定していた以上に背高ノッポの花に驚かされた。


        ジンバイソウ(ラン科ツレサギソウ属) 今年は花が当たり年のようだ。


        ジンバイソウ


        開花はまだのようだ。


        もうひとつのお目当ての花、フタバラン属の花。


        角度を変えて。たくさん花を付けてくれ、しかもちょうど見ごろ。


        緑色の可愛らしい花。


        見つけたときはタカネ・双葉だと思ったのだがどうも様子が違う。葉に明瞭な筋、そして地面を這うように出る葉。これはアオフタバラン(ラン科フタバラン属)だろう。

     思いのほかたくさん咲いていたジンバイソウ、そして確認しておきたかった双葉のランはアオフタバランということで決着がついた。元気があれば錦滝まで行きたかったが体調が悪すぎる。清涼な滝を拝んで尾白川遊歩道の尾根道を下ることにする。ひとまずは」確認できて良かった。



        

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     3大流星群のひとつ、ペルセウス座流星群のピークは8月13日ごろであるがこの流星群は1週間以上の長期にわたって観察が可能である。実際、8月2日に訪れた甲斐駒ケ岳の際も仙水峠で15分ほどの休憩の間に2個の流星を見ることができた。以前にも鳳凰山で観察の機会があったのだが、月明かりが明るすぎて1個しか見ることができないこともあった。ちょうど私の勤務先職員のお子さんが山に登りたがっているとの話があり、それでは夏休みを利用して流星群観察と高山植物の観察に行こうということで話がまとまり、混雑を避けて14日の金曜日に三つ峠山荘1泊で行くことになった。職員の家族3人には登山口の場所を教えて日中に登ってもらうことにして、私ともう一人行ってみたいと希望していた職員は勤務終了後、夜7時過ぎから登ることとなった。

     夕方4時半ごろ三つ峠山荘に電話してみると、先発の家族連れ3人は午後4時時頃に到着して現在山頂を散策に出かけたところだそうだ。登山は全くの初心者だが無事に到着したようだ。私ともう一人はすっかり暗くなった午後7時半に御坂側の三つ峠登山口から登り始める。気温は25℃くらいで日中の猛暑に比べるとまだましだが、それでも風が吹かずかなり蒸し暑い。汗だくになりながら9時10分ごろに三つ峠山荘に到着した。うれしいことに、山荘のご主人中村さんがお風呂を沸かしておいてくれて出迎えてくれた。ビールを飲んでお風呂に入って、ゆったりする。中村さんには最近植物観察と保護のことで大変お世話になっており、いろいろとアドバイスをいただいたり、植物保護の関係者の方を紹介していただいたりしている。これからの活動のことや、植生の変化と保護のことなど話したいこと、聞きたいこともたくさんあったのだが、明日未明の流星群観察を考えるとそう夜更かしもしていられず、11時に床に就かせていただく。就眠時には小雨が降っていて空は見えなかったが、明朝はきっと晴れると信じて寝る。

     未明3時に目を覚まして外に出ると、雨は止んだが濃い霧におおわれていた。空を見上げても星は全く見えない。30分ほど待ってみたが晴れそうもなく、一旦小屋に戻って横になる。4時半、再度外に出てみるがやはり晴れそうもなく、富士山も姿を現してくれない。やがて空は明るみ始め、星空を見ないままに夜が明けてしまい、流星群は不発に終わってしまった。


        未明4時ごろの三つ峠。霧におおわれ、富士山は見えず、富士吉田の町灯りすら見えない。


        三つ峠山頂側。これではペルセウス座流星群は無理だろう。


        日の出を過ぎた頃に一瞬だけ富士山山頂が見えたが、カメラを構えた時にはもう雲の中。

     朝6時半、朝食をいただく。ペルセウス座流星群は不発に終わってしまったが、レンゲショウマをはじめとする高山植物は楽しめるはずだ。中村さんを中心として植物の保護に積極的に取り組んでいる三つ峠は御坂山塊の中でも最も植生が保たれている山である。三つ峠山から御巣鷹山あたりにかけて、時間をかけてゆっくり花散策に出かけてみる。


        コオニユリ(ユリ科ユリ属)


        鹿の食害で激減しているカイフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)だが、この山の花は瑞々しくて生き生きしている。


        ワレモコウ(バラ科ワレモコウ属)と三つ峠山。


        マツムシソウも元気いっぱい。


        マツムシソウ(マツムシソウ科マツムシソウ属)


        コウリンカ(キク科キオン属)


        シモツケソウ(バラ科シモツケソウ属)はそろそろ終焉


        ウメバチソウ(ユキノシタ科ウメバチソウ属)


        オオバギボウシ(ユリ科ギボウシ属)の花


        何だこの緑色の花は?と思ったが、良く見れば結実したコキンレイカ、別名ハクサンオミナエシ(オミナエシ科オミナエシ属)。


        ヤハズハハコ(キク科ヤマハハコ属)。富士山をバックに撮りたかったが姿を現さず。


        キンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属)がたくさん。


        クガイソウ(ゴマノハグサ科クガイソウ属)


        ミソガワソウ(シソ科イヌハッカ属)


        山頂で記念撮影

     山頂で小休憩後、御巣鷹山に向かう。樹林帯入ると咲いている植物も変わり、お目当てのひとつだったレンゲショウマがたくさん咲いていた。


        トモエシオガマゴマノハグサ科(シオガマギク属)


        レイジンソウ(キンポウゲ科トリカブト属)


        オクモミジハグマ(キク科モミジハグマ属)


        オクモミジハグマで吸蜜するアサギマダラ


        お目当てのレンゲショウマ(キンポウゲ科レンゲショウマ属)


        今年は当たり年でたくさん咲いている。


        紫色鮮やかなソバナ(キキョウ科ツリガネニンジン属)


        メタカラコウ(キク科メタカラコウ属)


        御巣鷹山とマルバタケブキ(キク科メタカラコウ属)、シシウド(セリ科シシウド属)

     花を見ながらゆっくりと2時間ほど散策し、三つ峠山荘に戻る。軽食をとってお世話になった三つ峠山荘の中村さんにご挨拶して下山となる。


        ウスユキソウがたくさん。


        ガクアジサイ


        ?? 

     山上は涼しかったが下山すると30度を超える暑さだ。下山でも結構な汗をかいた。上九の湯で汗を流して帰宅となる。ペルセウス座流星群も富士吉田の夜景も富士山も見えなかった不消化な三つ峠だったが、咲いていた花は素晴らしく、参加メンバーはかなり満足していたようで、次はいつ行こうかなどという話まで上がった。いつもは暗いうちに登り始めて撮影だけして下山というスタイルがほとんどだった三つ峠だが、泊りも悪くないと思った。


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     山頂に登ることが目的では無かったのだが,探し物のついでに山頂まで行ってみた.本来この山はルートが無いのだが,一番傾斜の緩い北東側の尾根には赤テープが付けられていることを以前に確認している.今回は大室山北西側に位置する本栖風穴界隈を散策したので,そちらの尾根ではなくて道の無い北東側斜面を山頂に向かってほぼ直登してみた.


        本栖風穴界隈で点在していたミヤマウズラ.


        結実しているヒトツボクロがちらほら.来年は花を確認してみたい.


        本栖風穴の標柱.風穴はロープが張られて立ち入り禁止になっている.


        ロープの張られたところから見る本栖風穴.


        上から覗き込むと,真っ黒な深い穴に見える.ザイルで下降しても戻りは苦労しそうだ.

     本栖風穴から先は踏み跡を頼りに進むと大室山のふもとに出た.折り返すように細い踏み跡があり赤テープが付いていた.この赤テープを追いかけて進むと,道はぐるりと大室山を回り込むように北東側に延びているらしい.これを無視して,急斜面を山頂に向かってほぼ真っ直ぐに登ってみることにした.


        折り返すように道が派生しており,赤テープが付いていた.


        そのまま水平に大室山の裾を巻くように本来の道が続いているようだが,回り込まずにここから山頂に直登することにする.


        中腹の木に着生していたイワギボウシ.


        他に着生植物が無いかどうか,周辺の木を見て回るが目ぼしいものは見つからず.


        倒木に生えていた植物??


        山頂に近くなると笹が現れ始めた.


        アセビと笹の大藪.山頂まではもうたいした距離は無いので強行突破.


        平らになって来た.もうすぐ・・・


        森の中にある大室山山頂に到着.寄り道もしたが,3時間近くかかってしまった.

     想定外の笹とアセビの藪に悩まされたが,山頂には以外にもまともな登山道が走っていた.ここで午後1時,昼食をとる.どこかに富士山の展望地があると聞いていたので,下山側とは反対方向の道を辿ってみると,平らになった尾根の途中に三角点があった.そこは大室山南峰の三角点らしい.その少し先の草地から富士山を眺望できる場所があったが,イバラやカヤトの藪が茂っており撮影場所としてはいまいちだった.


        大室山南峰の三角点.笹が茂って眺望はいまひとつ.


        草地の向こうに富士山が見えるはずだが,この日は天気が悪くて姿を現さず.


        草地の中に咲いていたコウリンカ.


        傷んでしまっていたが,ハクサンフウロがちらほら.

     大室山山頂に戻り,傾斜の緩い北東側の尾根を富士風穴方向に下山する.こちらは広い尾根で中腹は明瞭な道が無いが,赤テープが点々と付いている.先ほどの笹薮とは違って歩きやすい.以前に樹海の森を散策した際に出会ったコイチヨウランの群落に立ち寄ると,大部分が結実していたが一部の花はまだ咲き残っていた.


        点々と赤テープが付けられている大室山北東側の尾根.


        ブナの若木が立ち並ぶ大室山中腹の原生林.


        立ち寄ったコイチヨウラン群落.まだ咲き残っていた.


        こちらは結実したコイチヨウラン.

     今回の探し物は残念ながら発見できず.小さな花なので見落としたか,あるいはまだ咲いていないのかもしれない.機会があれば,今シーズン再度トライしてみたい.


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     昨年3度目の正直でようやく探し当てた寅の乱だが、時既に遅くもう痛んで枯れ始めていた。若干時期は早いがそろそろ咲いているかもしれない。前夜の当直疲れをそのまま引きずりながら、富士山麓の森を訪れ、3ヶ所ほど廻ってみた。


        低いところではミヤマウズラがそろそろ見頃を迎える。


        こちらはキッコウハグマだろう。富士山麓にもあるとは知らなかった。


        林道脇に咲いていたキツリフネ。


        次の森はツガと広葉樹林が混在するところ。足元だけでなく木の上の着生植物も探すが空振り。

     2ヶ所目で着生植物を探して森の奥に入ると、背丈以上もある笹籔に行く手を阻まれてしまう。そこでGPSのスイッチを入れて自分の位置を確認し、最短ルートで車の場所に戻ろうとするが、藪をかき分けて抜け出たところは・・・元居た場所だった。体力を大幅に消耗して車にたどり着いた。

     さて、午後3時過ぎ、ようやく目的地に到着。GPSに昨年の観察場所が記憶されているので、一直線にそちらに向かう。しかし・・・時期が早かったか、一株も見つからない。その界隈をジグザグにうろうろと上に向かって歩くが、やはり見つからない。またしても空振りか・・・天を仰ぐ。



        標高の高いこちらの森に咲くのはヒメミヤマウズラ。


        葉の紋様がひときわ美しい。


        花の終わったシャクジョウソウ。


        2時間ほどうろつくも見つからず。また振り出しか、と天を仰ぐ。

     しかし・・・・・


        森の中にひっそりと・・・

    (続く)

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     小さな虫が舞うようなこの花は、山梨県内では数カ所のごく限られた場所でしか自生していないと聞く。私が確認しているのはこの場所だけで、もう1ヶ所はまだ発見できていない。


        アオフタバラン(ラン科フタバラン属)が咲いていたが、もう終焉である。


        いました、白い花。


        ミヤマウズラ(ラン科シュスラン属)。探し物はこれではない。


        居ました本命、小さな白い虫が舞うような花。


        ハク・ウ・ン・ラン(ラン科ハク・ウン・ラ・ン属)


        木の葉隠れの術


        昨年に比べると株の数も花付きも良い。


        見事なり、白雲。


        背丈10㎝ほどの小さな花なので足元に注意しないと踏んでしまいそうだ。


        少し離れた場所にも数株咲いていた。

     ちょうど満開の良い時期に訪れることができた。植物は花を咲かせるにも根を延ばして株を大きくするにもエネルギーを使う。今年のような花の当たり年にはたくさんの種を実らせて新しい子孫を増やそうとするが、花をあまり付けずに根や葉を大きくしてエネルギーを蓄えたり、増えた根から新しい株を出したりする年もある。だから、花が無いからと言って必ずしも減ったとは言い切れず、花が咲かずともどれだけの葉や芽が出ているかということもこれからの変化を観察して行くうえで重要なことであろうと最近考えるようになってきた。ひとまずは今年はたくさんの花を付けてくれて良かった。ラン科植物だけに、今年の種が花を咲かせるまでには何年もの歳月を要するのだろう。立派な花を咲かせて欲しい。

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     先週も訪れたが、あれほど詳細な情報をいただいておきながら発見できなかった白雲の花。8月中旬の時点で他の方のブログを見ると既に満開になっている。前回とは逆方向に視点を変えて再度探しに出かける。

     この日は空模様が悪く、出発時には小雨が降りだしてしまう。傘を差して道が不明瞭な樹海の森をGPS頼りに進むが、目ぼしいものは見つからず。目的地に到着し、薄暗い森の中で目を凝らして探すと・・・ようやく見つけた小さな白い花。


        ようやく出会えた白雲の花。富士北麓の森に比べるとひとまわり小さい。


        白雲・ラン(ラン科白・雲・蘭・属)


        時間が遅かったうえに天候が悪く、森の中は暗かった。三脚で固定してようやく撮影。


        若干時期が遅かった。


        探せばもっとあるのだろうが、本日はここまで。


        こんなところに出た。

     前回歩いた時も同じ場所を通ったはずなのだが発見できなかったこの花、なんとか確認できた。山梨県では数ヶ所にしか自生していない稀少な絶滅危惧種の花、大切に見守って行きたい。

     情報をいただいたP様に心から感謝します。早期に回復され、復帰されることを心からお待ちしております。


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     花の好きな人たちには有名な山だが、山に登る人たちにとっては単なる通過点でしかないこの山。豊かな植生を持つこの山は山梨県内でも有数の花の名所であるが、全く保護がされていない無法地帯の山、かつ鹿の食害も目立ち、オオバギボウシの花芽は食害の跡が目立ち、年々数を減らしている。

     最近自然保護グループを中心に植物の観察や保護に力を入れ、山岳連盟の会員も興味を持って協力してくださる人たちが増えている山梨県山岳連盟。今回この山の植生と現状を理解していただく目的で、山岳連盟に植物観察会を提案したところ、実施することが決定した。案内役と講師を仰せつかっているため、花の観察と予習のために訪れてみた。花見隊メンバーは後に知ったがこの前日に訪れており、そのうちの一人は痛い目にあったらしい。そんなことなどつゆ知らず、単独で草むらをブラブラと歩くが、蜂の巣には全く気付かなかった。

     以下、予習を兼ねて花の写真を列記するが、花の名前は当てにしないでください。


        山の入り口に咲いていた関東嫁無い? いや、カントウヨメナ(キク科ヨメナ属)、と思ったが花が白いのでユウガギク(キク科ヨメナ属)だろう。


        姫常温?? いえいえ、ヒメジョオン(キク科ムカシヨモギ属)。


        追いはぎ? 違うだろう、ヤマハギ(マメ科ハギ属)。


        ドロボーハギ? ちと違う、ヌスビトハギ(マメ科ヌスビトハギ属)。


        ツルフジバカマ(マメ科ソラマメ属)。 良く似たクサフジよりもツルが太く葉が厚い。


        タチフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)。


        オオマツヨイグサ(アカバナ科マツヨイグサ属) 別名「月見草」または「宵待草」。帰化植物。


        シシウド(セリ科シシウド属) 強剛なのでイノシシが食べるのに適したウドということで命名された。


        吹雪暴風?? セリ科の花は鑑別が難しい。細かく分かれた葉はイブキボウフウ(セリ科イブキボウフウ属)と思うがシラネセンキュウかもしれない。


        雌雄別株のイタドリ(タデ科タデ属) こちらは雄株。


        こちらは赤い雌株。


        バンザイ?? 何だかわかりません。 


        これはどっち?


        萼に注目。ツリガネニンジンは萼が細長く針状。


        一方、フクシマシャジンは萼が幅広く三角錐状。


        ということで、こっちがツリガネニンジン(キキョウ科ツリガネニンジン属)、上がフクシマシャジン(キキョウ科ツリガネニンジン属)。


        もう飽きたカラマツ? いえいえ、まだまだ続くアキカラマツ(キンポウゲ科カラマツソウ属)
        

     ふざけたブログ、まだまだ続きます。



        オミナエシ〈女郎花〉(オミナエシ科オミナエシ属)。 男死ねし、じゃなくてオトコエシもあったはずだが、撮り忘れた。


        クセ~ワタ? いえいえ臭くありません。キセワタ(シソ科メジハギ属)。


        猫にこんばんわ、犬にゴマ? イヌゴマ(シソ科イヌゴマ属)。これはあまり枝分かれしない。


        イヌゴマ  


        上と良く似ているがこちらは枝分かれするクルマバナ(シソ科トウバナ属)。花が輪生することに名の由来がある。


        河川清掃? 違う、カセンソウ〈歌仙草〉(キク科オグルマ属)


        引かれて寝ている引き寝ヨモギ??


        何を言うか、本当は立って咲くヒキヨモギ(ゴマノハグサ科ヒキヨモギ属)。葉の形がヨモギに似ている。


        タケニグサ(ケシ科タケニグサ属)。竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなるらしい。あるいは茎の中空部が竹に似ているからとも云われている。


        キンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属)。


        シラヤマギク(キク科シオン属)。


        ノブドウ(ブドウ科ノブドウ属)だと思う。


        オオナンじゃこりゃ~!? やっと見つけたと思ったのにもう終わっているオオナンバンギセル(ハマウツボ科ナンバンギセル属)。


        コオニユリ(ユリ科ユリ属)。オニユリとはムカゴが付かないことで区別され、クルマユリとは葉の付き方が違う。


        ヤエムグラ(アカネ科ヤエムグラ属)。これからはびこって来るかも知れない。


        大和撫子七変化


        これは普通に見られるカワラナデシコ(ナデシコ科ナデシコ属)。


        屁臭いかズラ? じゃなくてヘクソカズラ(アカネ科ヘクソカズラ属)。


        全体に悪臭がするのでこの名が付いたらしいが、この可愛らしい花からは想像できない花名。お灸(ヤイト)の跡に似ることから別名ヤイトバナ。


        私は口が堅いんです。


        開くとこんなです。キキョウ(キキョウ科キキョウ属)。


        シソ科イブキジャコウソウ属の花と思われるがわからない花。タチジャコウソウだとすれば外来種ということになる。イブキジャコウソウの変種か?


        再び登場。これは・・・そうです。フクシマ。


        ヤマハッカ(シソ科ヤマハッカ属)。


        ウツボグサ(シソ科ウツボグサ属)


     最後はやっぱりこれ。


        小さな小さな花。


        腰の巾着? 花に失礼だろう!ヒナノキンチャク(ヒメハギ科ヒメハギ属)


        下のほうの種になった部分が巾着のように見える。


     他にも見落としている花が多々あるが、とりあえず今回の予習はここまで。

     真面目なブログを見たい方はこちらあちらをご堪能あれ。

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     本当にあるのかどうか、どこにあるのか、ほとんど情報の無いこの花が存在していたことだけは確かなようだ。かつてネット上では売買がされていたようだ。他県に咲くこの花の近似種は既に天然記念物に指定されており、採取も移動も売買も禁止されている。しかし山梨県ではその存在すら確認されていないため、保護も規制も何もされていない状態にある。もし本当にまだ残っているとしたら、分布と数を確定して県庁、ないしは環境省に報告し、保護に出なければ絶滅してしまう可能性がきわめて高い。今までの花探しの中で、この花を探すことが最も困難であることは間違い無いが、これほどの使命感を感じて花探しをするのも初めてである。これから築くのは敗退の山、それでもこの花に出会ってみたい。

     天候が思わしくなかったこの日はよほど行くのをやめようかと思ったのだが日程がそれほどとれるわけでは無く、場所の下見だけでもしておかないと行かず仕舞いになってしまいかねない。今回の予定地はヤマヒルが多い場所だけに、雨の日は餌食になり兼ねない。案の定目的地に近付くと雨が降り出した。

     傘を差して河原まで下降してみる。今日は下見だけだ。苔の青々と生すその沢、怪しいといえば怪しいが標高が低く遡上するにはかなり時間がかかりそうだ。足元を見るとさっそくヤマヒルが靴を這い上がろうとしており、持って行ったメタノール調合液で撃退する。河原にはいないだろうと思っていたのだが、気を付けて足元を見ていると砂地を猛スピードで近付いてくるやつがいる。石を拾ってすりつぶす。車に戻ってズボンをまくり上げてみると膝まで上がってきているやつがいた。これもメタノール液で撃退。この日は足元を念入りに固めてあるのでまず足に吸い付かれる心配は無いのだが、体や腕に吸い付かれたらひとたまりもない。

     その後も何本か下見するが、どこの沢に入っても同じような状況だ。雨が小降りになったところで最も怪しい1本の沢は行けそうなところまで遡上してみた。


        驚いたことに、わさび田の跡があった。


        こんな岩壁のところにいるはずだが・・・


        それっぽい葉はあるが花は無い。下見なので今回の画像はブレブレのものばかり。


        滝に突き当たった。


        左側に付いているのは明らかにホトトギス属の葉。


        近付いてみる。しかしこれは・・・


        花芽が出ているが上に向かって咲きそうだ。おそらくこれはホトトギス。


        向こうの岩にも付いているがおそらくは同じものだろう。

     2時間以上散策したが目的の花は出会えず敗退。ホトトギスと同じような環境の場所に咲き、同じ時期に開花するはずなので、まだ少し早いのだろう。9月になってから再訪し、さらに源頭まで遡上してみたいと思う。

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     捜索中の甲斐の上臈はそう簡単には姿を見せてくれなそうだ。そろそろ駿河の上臈がほころんでいる頃だろう。変種の難題に立ち向かう前にまずは原種を見て、この花が咲く環境や葉の特徴、花の付き方などをおさらいしておくことにしよう。午前中は天気が良かったが午後からは曇り空となり、深い谷の中は薄暗くなってしまった。


        いつもは草茫々のところを今年は綺麗に草刈りしてくれたおかげで、シデシャジンがたくさん咲いた。


        不思議な形をした花シデシャジン(キキョウ科シデシャジン属)。


        雨が降った後で増水しており、渡渉で靴が濡れるのは止む無し。


        咲いている、駿河の上臈の姫君。


        200㎜望遠で捉えた花。


        同上。


        何度か渡渉して岩壁を登ると、見ごろを迎えた上臈の姫君が咲いていた。


        水も滴る美しき駿河の上臈。


        下から見上げる。フラッシュ調整発光。


        風に揺れる上臈の姫君。


        深い谷の岩壁に咲く花。


        見上げる上臈の姫君。


        沢の流れと駿河の上臈・ホトトギス


        同上、別角度から。

     今回は谷の中に全く光が入らず、撮影時の彩度がきわめて悪いため、大部分の画像はフラッシュ調整発光(普通に発光すると不自然な画像になるため、ティッシュペーパーを重ねて光量を調整して発光させる方法)で撮影を行った。良い写真を撮るならこの場所は谷に光が差し込む午前中のほうが良い。

     この谷も最近は有名になりつつあり、だいぶ人が入るようになった。鹿の食害を受けるような場所ではなく、おそらくこの花の敵は岩盤の崩落と人の手による採取なのだろう。多くの人たちに愛されていて清廉な美しさを持つこの花、天然記念物に指定されていて移動も売買も禁止されている花である。花を傷めたり、盗掘するような不届き者は居ないと信じている。
        

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     探し物は櫛形山にしか自生していない不思議な葉の形をした花だったのだが、その花は7~8年ほど前に山梨県山岳連盟でローラー作戦を展開して探したが見つからず絶滅したと思われていた。しかし、某ホームページを見ると昨年この花を見ている人がおり、どこかに残っていることは確実である。以前にあったという場所にはまず無いので別の場所を探しに行ってみた。

     獣道と思われる踏み跡が山腹を巻くように伸びており、それを辿って登って行くと背の高い白い花が2本咲いていた。この時はオニノヤガラだと思っていたのだがそれにしては花が白くて茎の色もちょっと違う。最近になってからネットで花を見ていたら偶然に全く同じ花がアップされていた。


        清涼な沢の流れの脇にはガクアジサイが咲いていた。


        広葉樹林の林の中に2本だけ背を伸ばして咲いていた花。


        オニノヤガラ?それにしては色白すぎる。


        この花の正体は・・・シ・ロ・テ・ン・マ(ラン科オニノヤガラ属)。絶滅危惧1A類の稀少な花だ。

     このシ・ロ・テ・ン・マはオニノヤガラの変種とされているが、別物であるという説もある。葉緑素を持たない腐生ランでナラタケに寄生する。

     さらにトラバース気味に上に登り、数本の枯れ沢を超えて斜面を登って行ったが目ぼしい花は見つからず。そのまま稜線まで抜けようかと思ったのだがこの日はGPSを置き忘れてきてしまったため、登ったところが必ずしも登山道のある稜線とは限らない。彷徨ってリカバーするほどの時間的な余裕もないため、沢筋を下山することにした。


        斜面をトラバース気味に登るが、あるのはフタリシズカばかり。


        ヒノキの大木が立つ広場に抜け出た。


        雰囲気の良い森だが、探し物は全く見つかる気がしない。


        あったのは満開のバイケイソウくらい。


        鹿の食害の後に残る花なのであまり好きではないが、こうして見ると綺麗な花だと思う。


        枯れた沢筋の草地を下る。こんなところに生えているのだと思うのだが・・・


        水の流れる沢に降り立つ。この先は滝も無く歩きやすくなった。

     本命は残念ながら敗退だが、思いもよらぬ花に出会うことができた。もしもネットで見ていなかったら変わったオニノヤガラということで終わってしまっていたかも知れない。まだまだ勉強不足。

     

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