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Channel: 山梨百名山から見る風景
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尾白川錦滝のユキワリソウと尾白川上流のクモイコザクラ  そして帰り路、えらいことに・・・

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 この季節は恒例になっている錦滝のユキワリソウ。いつもならば日向山登山とセットなのだが、今回はもう6〜7年も前に一度だけ訪れ、偶然に発見したクモイコザクラがその後どうなっているのか見に行ってみることにした。時間的・体力的な余裕があれば上流の噴水滝あたりまで行ってみたいのだが、ちょっと難しそうだ。

 仕事を片付けて矢立石の日向山登山口に到着したのは11時半。人気の高い日向山だけに駐車場は当然満車だが、ゲート近くの道脇になんとか止めることができた。まずは錦滝に向かう。


    林道脇に車がずらりと並ぶ日向山登山口の矢立石。


    林道がら望む新緑と甲斐駒ケ岳


    尾白川錦滝。雪の影響か滝壺周辺には木の枝が散乱している。

 40分ほどで錦滝に到着し、三脚を出して存分に撮影する。この滝に陽が当たるのは午前中なので、お昼過ぎのこの時間に行くと既に日蔭になってしまい、ユキワリソウの色がいまひとつになってしまう。ここはやはり午前中が良い。


    滝の脇に咲いたユキワリソウ


    200mm望遠レンズを今回は持って行った。


    斜め横側に移動して撮影


    200mm望遠レンズは三脚でしっかり固定してもなかなか撮影が難しい。


    滝の流れとユキワリソウ

 錦滝で30分ほど時間を費やし、時間は午後1時になってしまう。この日は日向山に登らずそのまま真直ぐ林道を進み、林道の終点まで行く。途中落石したところもあるが、通行するには全く問題無い。


    大きな岩が崩落している。ところどころ道は荒れている。


    鞍掛橋。一つ目のトンネルを過ぎるとすぐ先にあり、下に深い谷を望む。これが鞍掛沢と思っていたがそうではなかった。


    2つ目のトンネル。入り口が崩落している。


    黒戸尾根の黒戸山が間近に見えるようになる。


    林道終点。この先が崖のような激下り。


    崖のような激下り。長いロープにつかまりながら下りる。


    河原に降り立つ。ここに来る人は沢登りのスペシャリストか釣り人くらい。一般の登山者はまず来ない。


    谷の向こうに見えるのは鞍掛山の尾根。

 尾白川上流の谷に降り立ったのは午後2時、ほぼ予定通りだった。谷を少し遡上して対岸の岩壁を見ると、以前訪れた時と同じように、あるいはその時以上にたくさんのピンク色の花がついている。クモイコザクラだ。ほとんど人が入らない谷、しかも動物が近付けない岩壁に咲くその花は、人害も動物の食害も受けること無く静かに咲いてくれている。


    対岸の岩にピンク色の花が散在している。


    尾白川上流に咲くクモイコザクラ。かなりたくさん咲いている。


    200mm望遠レンズで捉えたクモイコザクラ

 ここまではきわめて順調だった。帰り時間を考えてギリギリ3時半まで遡上しようと思い、上流に向かうがすぐに大きな淵に突き当たってしまう。手前で渡渉すれば通過は難しくないが、膝あたりまで水に入らないと渡渉できなそうだ。強引に右側(左岸)の岩を越えて淵の上まで行ってみたが、やはり足を濡らさずに遡上することは困難だ。ここであきらめて引き返すことにする。そして、左足だけ犠牲にして、下流の浅いところで渡渉してクモイコザクラの咲く対岸の岩壁まで行くことにする。


    大きな淵に出る。膝下まで濡らさないと渡渉できない。


    左岸の岩を越えて淵の上まで行ってみたが、やはり濡れずに遡上することは困難。ここであきらめる。


    片足を犠牲にして対岸に渡る。いまにも崩落しそうな岩の下にクモイコザクラがたくさん咲いている。


    クモイコザクラ


    風に揺れるクモイコザクラ


    クモイコザクラ


    200mm望遠レンズで接写


    岩壁に咲くクモイコザクラ


 十分に撮影して満足して帰路に着く。時間は午後3時半を過ぎたばかり、明るいうちに楽勝で矢立石に到着できるはず・・・だった。谷に下りる時にロープの無くなった下部の部分が踏み跡少なく迷いそうだと思っていたのだが、帰りで見事にその心配が当たってしまう。登り口と思って登り始めたところ、ロープのあるはずの高度まで登ってもロープが見当たらない。行き過ぎたのか?上にトラバースしながら上流側に行くがそちらにはロープ無し。ならば下流側しかあり得ないので、急斜面を獣道を頼りにトラバースしながら登って行くが、それらしきものは見当たらない。やがて本物の崖のような斜面に突き当たってしまい。トラバース不能となってしまう。時間は午後4時、まだ日暮れには余裕があるが、なんとか5時までには林道に出たい。登るか、河原まで降りるか?急斜面は降りるほうが遥かに難しいので、この崖のような斜面は上を巻いて通過することにした。木の根っこや枝につかまりながらひたすら登る。標高は1,500mを越えて、既に林道から100m以上高い位置にいる。何故かこんな道の無いところでも、岩に赤ペンキが着いていたりして、どうやらかつては林業作業が行われていたらしい。
 急斜面を登り着くと平らな開けた場所に出た。そこからはやや緩い斜面となって尾根にたどり着いた。籔尾根だが、そのまま登って行けばおそらくは鞍掛山に至る尾根だ。方向を右に変えて尾根の急斜面を下りると、その先には隣の山とのギャップがあり、その谷間は急ではあるがなんとか下りられそうだった。またしても木の根や倒木につかまりながら急斜面を下りるが、なかなか林道らしきものが見えてこない。最悪の場合はツエルトでのビバークを考えながら下りて行くと、鈴の鳴る音が聞こえてきた。そして、下に林道を歩いて行く人の姿が見えた。しかし、安心するのはまだ早く、林道への最後の下降には身長の高さに近い岩壁があった。都合良く倒木があったので、これにつかまって岩壁を滑り落ちて通過し、ようやく林道に降り立った。時間は4時40分、楽勝で明るいうちに駐車場に戻れる時間だ。


    崖に近い急斜面をひたすら登り切ると、平らな所に出た。かつての林業作業の跡地のように見える。


    尾根まで登る。籔尾根だが、ここを登って行けば鞍掛山に至るはず。山梨県の某山岳会でここを登った人たちがいる。


    反対側の斜面を激下り。ザイルを持ってこなかったのは失敗だったが、こうなることは全く予想していなかった。


    林道に下り着く。下に人の姿が見える。倒木にぶら下がるようにして岩場を降りる。


    下って来た谷間を振り返る。籔歩きトレーニングの成果が出て、無事帰還。


 降り立ったところは尾白隧道というトンネルの上流側だった。後に地図で確認したが、この尾根は鞍掛山に至る尾根で間違いなかった。ちょっと取り付き口だけ下見してみようとは思っていたのだが、まさかルートを見失って尾根まで登ってしまうとは思わなかった。谷での落石に備えてヘルメットを持って行ったのが少しは気休めになった。林道をゆっくり歩いて午後5時50分、明るいうちに駐車場に到着できた。

 錦滝のサクラソウは今年の花付きは良いとはいえない。クモイコザクラは増えているように見えるが、ずいぶん前の事なので記憶が定かではない。毎年咲いてくれていることは間違い無さそうだ。ルートを見失いとんだことにはなったが、全く焦ることなく対処できるようになった自分が少しだけ成長したように思えた。

短絡路から節刀ヶ岳・十二ヶ岳へ ヒメスミレサイシンとシコクスミレ  平成26年5月18日

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 所属している山岳会の嶺朋クラブで昨年に続き十二ヶ岳の例会山行があった。文化洞トンネルから出発して毛無山〜竜の背〜十二ヶ岳〜鬼ヶ岳〜雪頭ヶ岳〜根場へと下山するややロングコースだ。鈍足の私でも歩けなくは無いコースなのだが、問題なのは・・・同行すると写真を撮っている余裕がほとんど無いということだ。天気図と雲画像を見ると、この日も綺麗な富士山が姿を見せてくれそうなので、できれば三脚を構えてじっくりと写真を撮りながら歩きたい。そして恒例のように見に来ているコイワザクラ、ヒメスミレサイシンとじっくりご対面したい。さらに、十二ヶ岳界隈に咲く稀少種の情報を得たのでそちらも探してみたい。ということをやっていると、とてもではないが会の山行ピッチに付いて行くことはできない。

 そこで、短絡ルートを使って十二ヶ岳山頂で落ち合うことにして、私一人だけ林道突き当たりの短絡登山道から登ることにした。文化洞トンネル出発時間が7時ごろなので、おそらく十二ヶ岳到着は11時前後だろう。短絡ルートを使うと十二ヶ岳山頂まで2時間とかからずに到着できるが、その前に節刀ヶ岳に立ち寄り、新緑と富士山を撮影したい。私のほうも短絡ルート入り口を朝7時に出発し、まずは節刀ヶ岳を目指す。が、昨日の尾白川上流でのとんだ籔歩きにもめげず、今日も登山道を外れて道無き尾根を登ることにする。


    短絡ルート入り口。砂防堤工事中の頃はここには車が入れなかったが、工事が終わり入れるようになっていた。プレハブ小屋も撤去されている。


    こちらが短絡ルートの登山道だが・・・


    右手から流れ込む沢に沿ってテープがついている。今日はこちらを登ってみることにする。


    フタバアオイの葉がちらほら


    フタバアオイの花


    ツルシロカネソウがぽつぽつと咲く。初めてこの花を見たのがこの短絡ルート、そして花の名前がわかったのはその数年後だった。


    初見の白いスミレ、シコクスミレ。葉が開いて咲く。


    シコクスミレがたくさん


    数か所群落を発見した。


    モミジガサ群落


    エイザンスミレ


    振り返れば青空と富士山


    尾根の正規ルートに出る。

 最初は沢沿いに進み、途中から尾根に取り付いて登る。このあたりでは良く見かけるフタバアオイの群落があちらこちらにあり、また、初めて見る白いスミレに出会った。このあたりの山に咲いていると聞いたことはあったが、これは葉っぱが開いて花が咲くシコクスミレだ。同じ白花のヒメスミレサイシンは葉っぱが丸まったまま花が咲くので区別がつくが、咲いている場所もだいぶ違う。

 ところどころ急な斜面を獣道を頼りにジグザグに、時に真直ぐに登り、2時間弱で金山と節刀ヶ岳の中間あたりの尾根道に登り着いた。そのまま節刀ヶ岳を目指し、9時に到着した。PLフィルターの効果が出る時間帯に節刀ヶ岳から富士山を撮りたかったが、若干遅かったようで、フィルター効果がいまいちだ。


    節刀ヶ岳から見る富士山。左のコブのような山が十二ヶ岳。


    節刀ヶ岳から見る富士山


    フジザクラと富士山


    節刀ヶ岳山頂

 撮影と休憩で30分を費やし、十二ヶ岳に向かう。途中にはコイワザクラが咲いているのでそちらともご対面しながら進む。いつも咲いている岩のところでコイワザクラを見たが、1週間ほど時期が遅く痛み始めており、花の数も少ない。ヒメスミレサイシンは結構咲いてくれていた。そしてもうひとつの探し物は・・・再三ありそうな場所を覗き見したが、葉っぱは見つけられなかった。花が咲くのは6月下旬ごろなのでまだ出ていないのかもしれない。


    途中から見下ろす西湖と富士山


    コイワザクラ。今年は花数が少ない。


    ヒメスミレサイシン


    今年は結構咲いてくれた。


    途中の展望岩から見る十二ヶ岳と富士山


    鬼ヶ岳、その向こうには雪の南アルプス


    ロープ場の難所。ここにもクモイコザクラが咲くのだが、少しだけだった。


    咲き始めたコイワカガミ


    山頂下のコイワザクラ


    山頂付近に咲いていたヒメスミレサイシン。葉っぱが丸まったまま花が咲く。


    十二ヶ岳山頂から見る富士山


    嶺朋クラブのメンバーと合流し、記念撮影。


    山頂先の展望地から見る西湖と富士山

 撮影したり花を探したりしながら歩いていると十二ヶ岳山頂到着は10時50分になってしまった。もう会のメンバーは到着しているかと思ったが、人数が多く吊り橋や鎖場の通過に時間がかかったようで、11時に一行が到着した。記念写真を撮ってこれから混雑するであろう山頂を避け、鎖場を越えたその先の登山道脇で昼食となった。

 予定では鬼ヶ岳まで同行するつもりだったが、昨日の籔歩きと急下りで右膝に少し痛みがある。時間はまだ12時半だが、今日はこのまま短絡ルートを下山することにした。会の女性メンバー2人も一緒にげざんすることになり、3人で短縮ルートを下りる。しばらくぶりに通る短縮ルートは以前に比べると道が整備され歩き易くなっていた。その反面、藪を刈ってしまったことと鹿の食害も加わったためか、かつてはたくさん咲いていたササバギンランやフタバアオイ、ツルシロカネソウなどははすっかり見かけなくなってしまい、バイケイソウとハシリドコロばかりが目立つ森になってしまった。下部のほうにはラショウモンカズラがたくさん咲いており、少しだけほっとした。


    短絡ルート分岐付近に咲いていたヒメイチゲ


    道は整備されたが、バイケイソウとハシリドコロばかりが目立つ森になってしまった。


    ツルシロカネソウ。かつてはたくさんあったが、今ではまばら。


    ミヤマエンレイソウ。これも少ししか無い。


    ラショウモンカズラが登山道下部にたくさん咲いていた。


    駐車場到着。


 十二ヶ岳界隈は御坂山塊唯一と言って良いかもしれない鎖やハシゴが連続するアルペンルートで、歩いて楽しい山であるが、一方、稀少な植物が咲くお宝の山でもある。今回は見つけられなかった花は、実は7〜8年前にこの尾根で見かけて写真を撮ってあるのだが、その頃はその花の価値など全く知らず、別の花だと思っていた。その後何度か探してはいるがそれらしきものは見かけていない。絶えていないことを祈る。

森の奥深くに咲くエビネ 関本峠再び  平成26年5月23日

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 そろそろ咲いている頃だろう。明日から2日間は花見隊山行なので、行くならこの日しかない。ということで、当直疲れがまだ抜けない体を無理矢理たたき起こして、関本峠を再び訪れる。


    登山道脇に一株だけホタルカズラ


    ヤマツツジが見頃を迎えていた。


    山中を彩るヤマツツジ


    山ぶどうの蔦が巻く森を行く。

 今回は寄り道せずに真直ぐ関本峠に向かい、約50分で到着した。さっそくエビネを発見した谷に下りてみると・・・前回見落とした場所にエビネが開花している。そして蕾だった株も皆開花して静かな谷を彩っている。三脚を出してカメラセットするが、撮影の前に一休みしてこの心安らぐ景色をしばし楽しむ。


    前回見落とした場所でエビネが開花していた。思わず笑みがこぼれる。


    深山の谷間に咲くエビネ


    たくさん咲いてくれた。
    

    エビネ群落

    













 深い森の中にひっそりと咲いているこの雰囲気がたまらなく良い関本峠のエビネ。これからもずっと咲いて欲しい。

森に咲く可憐な妖精 ホテイラン  八ヶ岳南麓

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 毎年恒例のように訪れている八ヶ岳のホテイラン。今年は少し開花が遅れているようで、例年よりも1週間遅れで訪れてみた。2年前に初めて花見隊メンバーが集まったのがこのホテイランを見に行った時だ。あれから2年しか経っていないのに、もう10年もおつきあいがあるかのような親密なおつきあいをさせていただいている。今回は花見隊メンバーにP姫をお迎えして、6人で八ヶ岳南麓に行ってみた。


    小川のほとりに咲いたサンリンソウ


    ミヤマエンレイソウ  オートフォーカスだと花のピントがいまひとつ。

 今回は新調したCanon EosM2というミラーレス一眼レフカメラにいつも使っている77?口径のレンズを装着して撮影に臨んだ。軽くて三脚も軽いもので済むのだが、軽量故に手持ち撮影の時にブレやすいこと、そしてオートフォーカスの時のピントがいまひとつなのが難点に思う。ホテイランを発見してからは全て三脚固定による画像である。


    ホテイラン発見。しかしこの株は下唇がちぎれている。


    苔の生した森に咲く妖精ホテイラン


    波打つ葉が特徴的。花を付けない若葉は1円玉にも満たない大きさで、足元に細心の注意を払いながら歩く。


    ノッポのホテイラン


    並んで咲いたホテイラン


    同じ株


    こちらも2輪


    ミヤマスミレの群生


    鮮やかな赤紫色のミヤマスミレ


    森の雰囲気を出しながら撮影したつもりだったが、自分の足まで写してしまった間抜けな写真。


 決して当たり年とは言えないが、時期はちょうど良く、20株ほどの新鮮なホテイランを楽しむことができた。また来年。


 追記:新カメラはしっかり固定すればまずまずの画像が得られることがわかったが、やはり手持ちで歩きながら撮影するのはいまいちのようだ。もう少し使い慣れてから本格的に機動したい。

花を求めてお宝の山へ 杓子山  平成26年5月25日

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 昨年花見隊でこの山を訪れたのがちょうどこの季節だった。想定外にたくさんの花に出会うことができて感動の連続だった。そして今年は、昨年とは逆コースで立ノ塚側から鹿留山、杓子山と巡るコースで歩くことにした。花見隊メンバーのほかに山岳会平嶋さん、のぞむ君、P姫、初参加のcyu2さんを加え、総勢10人で出発する。トシちゃんを小間使いのように使って申し訳ないのだが、トシちゃんは山頂を越えずに途中で下山してもらい、杓子山側の林道に車を回してもらって、杓子山中腹で待ち合わせることにさせていただいた。

 立ノ塚の林道を道脇の花を眺めながらゆっくり歩くが、昨年はたくさん咲いていたはずのズミがあまり咲いておらず、開花が遅れているようだ。目を凝らして道を進み、あの花を探すが、果たして今年も出会えるのか?


    道脇に咲いていたニョイスミレ


    白いタチツボスミレ、オトメスミレ


    オトメスミレ


    タデスミレ


    キスミレが登山道脇にちらほら。


    トレランレースで踏まれないことを祈る。


    タチカメバソウ


    ヒメウツギ

 登山道脇の斜面を目を凝らして見つめながら登って行くが、なかなかお目当てのものは見つからない。と思っていたら、先頭を行くグループが見事に発見してくれた。


    立ち止まって皆さん何やら撮影に夢中。見つけたものは・・・!!


    今年も出会えました。サカネラン


    この精巧な造り、そして琥珀色の輝き、凄い!


    こちらは開花の直前。


    開花前のサカネラン

 一番見たかった花がここで見られたので、ここで帰ろうか、という話も中老グループ(敬老グループ?)から出たが、折角だから登ろうということになる。作戦を考え、元気な若年グループは先に登って鹿留山を往復して来てもらい、分岐で待ち合わせることにした。私はもちろん、中老グループ。時間は12時を過ぎたので鹿留山分岐で昼食をとって大休憩する。


    花見隊らしからぬ急登を登る。


    鹿留山分岐。若年グループはザックをデポして鹿留山を往復した。


    木の割れ目にブーケを造ったバチガイソウ、ではなくてワチガイソウ。


    杓子山に向かう展望地から見る富士山はすっかり霞んでいる。


    杓子山山頂。


    中腹のミツバツツジ

 杓子山に向かって登って行くと、sanaeさんの知り合いの女性が私たち中年グループを迎えに来てくれた。昨年の花見隊レポを見て、この日を狙って杓子山を訪れたのだそうだ。静岡から来られた方で、静岡方面の花の情報をいろいろといただいた。

 この山に来てもうひとつ見ておきたい花がある。それはヤマシャクヤクだ。昨年発見した山頂近くのものはまだ時期が早く開花していなかったが、中腹のものはちょうど開花したばかりの美しい姿を見せてくれた。いずれの場所も昨年よりも株が増え、花数も多くなっていた。うれしい限りである。


    ヤマシャクヤク開花


    心洗われる美しい花


    小ぶりの花が多いが、数は昨年より増えていた。


    こちらは山頂付近の株。まだ固い蕾で、来週が見頃になりそうだ。


    蕾のヤマシャクヤク

 sanaeさんのお知り合いの2人をお誘いして、林道脇にあるという最後の目的の花を探しながら歩くが、10数人の目で探したにもかかわらず発見できなかった。迎えに来てくれたトシちゃんの車に運転手だけ乗って車を回収に行く。少しばかりアクシデントがあったが、お目当てだった花はほぼ出会うことができ、存分に花を楽しむことができた。


    林道脇に咲いていたホソバノアマナ


    林道脇を覗きこみながら花を探して下山したが、探し物は見つからず。


 この界隈の山は様々な花と稀少植物が咲くお宝の山である。来週トレランのレースが開催されるらしいが、植生に十分配慮のうえ競技を進めて欲しいと思う。

EXTRA花歩き コアツモリソウ咲く森へ  平成26年5月25日

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 杓子山界隈まで足を運んだのでこの森にも立ち寄ってみた。そろそろ咲いている頃だろう。森の小人、コアツモリソウ。


    葉を発見。だが、まだ花は蕾だ。


    近くにはアオフタバランの葉がたくさん。


    スズムシソウはまだ芽吹いたばかり。


    開花にはまだ2週間ほどかかりそうだ。


    開花している株も数株発見した。


    スズムシソウ


 今年はアオフタバラン当たり年のようで、森の中に踏み込もうとすると足の踏み場が無いほどのアオフタバランの葉が地面をおおっていた。踏まないように避けながら、抜き足差し足でそっと森に入る。コアツモリソウも今年はたくさんの葉を出して、花付きもなかなか良い。しかし、若干時期が早くまだ蕾のものばかりだ。


    足の踏み場が無いほどのアオフタバランの葉


    コアツモリソウの群落を発見。たくさんの葉が出ている。


    花付きもなかなか良いがほとんどが蕾。


    昨年よりも多い


    咲いていたコアツモリソウの花


    同上


 今年は、スミレは雪の影響でダメだったがコアツモリソウやアオフタバランは影響を受けずにたくさん芽を出してくれたようだ。花によって当たり外れが今年はかなり分かれているようだ。

探し物は見つからず・・・だが。 菜畑山  平成26年6月1日

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 昨年某所で発見したクマガイソウの葉が今年はどうなっているのか見に行くはずだったのだが、河口湖あたりまで車を走らせて気が着いた。そういえば今日はトレイルランの競技をやっている日だ。おそらく林道には入れないだろうが、行けるところまで行って・・・と思ったのだが、予定地の遥か手前で車両通行止めになっており、とてもではないが長い林道を歩いて入山する気にはなれない。

 そこでもう一つ情報をもらっている道志の山に行くことにするが、又聞きの情報なので場所がほとんど確定できていない。自生のものか、それとも移植されたものかも定かではない。自生のものならば山中を探すと残った株に出会う可能性があるが、移植されたものだとするとその場所以外で見るのはほとんど困難ということになる。とりあえずは登ってみることにするが、この山を訪れるのは8年ぶりになるだろうか、入り口がどこだかわからなくなってしまい、通り過ぎてまた戻ってようやく入り口の林道がわかった。時刻は既に10時半を回っているが、登山道の大半が林道からなるこの山は急がずとも登ることはた易い。しかし、花を見つけることは場所がかなり不確定だけにかなり困難に思える。


    県道脇に車を止める。壁にはハハコグサが咲く。


    林道脇にはホウチャクソウがたくさん。しかし、一部鹿に食べられた跡があった。


    林道脇にあった奇妙な葉。これはユキノシタの葉だろう。


    途中から林の中を歩いたが、見つけたのはこれくらい。キランソウ。


    林道脇の草地に咲いていた花。これは?? 園芸種か?

 時に林道を歩き、時に沢筋を歩き、そして林の中を歩いて森の中を探るが、それれしきものは全く見つからない。ほとんどが植林された杉林からなるこの林道脇はクマガイソウが自生するような環境ではないように思う。森を抜けて鉄塔の見える草地に抜け出た。草と笹と低木、時に茨の混じる草地をかき分けながら登って行くと、出たところは・・・!


    草地の広がる林の中を選んで登るが・・・それらしきものは無い。


    ほとんどが杉の植林帯。これほど綺麗にされた林の中には無いのではないだろうか。


    草地に出た。かき分けながら登ると・・・


    出たところは結局林道。ここで今日の花探しはほとんど終わったと思った。

 結局は林道に出てしまい、これより上の場所を探しても花を見つけるのは困難だろうと思った。山頂に行くかどうかも迷ったが、一度しか踏んだことの無い山頂なのでとりあえずは登って行くことにする。林道をテクテクと歩き、途中斜面を短絡してやろうかとも思ったのだが既にそんな元気も無し。林道突き当たりまで車で入ることができ、車が1台止まっていた。そこから先がようやくまともな登山道だ。上部は意外と急斜面で、ようやく登山に来たという気になる。午後1時50分、ようやく山頂到着。朝はすっきり見えていた富士山もさすがにこの時間になると霞んでいる。


    林道脇にジシバリがたくさん。


    収穫と言えばこれくらいか。ササバギンラン。


    スポットライトを浴びるササバギンラン。


    咲き残っていたアカネスミレ。このほかにエゾアオイスミレらしき葉が散在。


    山頂直下は急登。


    ようやく山頂到着。


    さすがに富士山は霞と雲の中。

 さほど歩いたわけではないのにかなり疲れた。目的の花が見つからなかったうえにセメントの林道歩きが堪えたようだ。昼食をとって大休憩して下山。またしても途中から林の中をさまよったが、とうとう発見できずに下山となる。


 しかし、収穫が無かったわけでもない。林の中で奇妙なものを発見した。初めて見る植物で、最初はまたまた凄い寄生植物を発見!と思ったのだが、良く見ればこれはキノコではないか?帰って植物図鑑で調べたがそれらしきものは載っておらず、インターネットで検索してようやくヒットした。栃木県ではレッドデータブックに載っているキノコ、他の人のブログやホームページでも結構苦労して探しているようだ。少しは登った甲斐があった。


    林の中に奇妙な物体がニョキッと出ていた。


    何だこれは? 凄い腐生植物か?


    しかし、太い茎が付いているところを見るとキノコの仲間のようだ。


    正体は、ヒロメノトガリアミガサタケというキノコ。

 このヒロメノトガリアミガサタケはアミガサタケの一種で珍しいもののようだ。食用になるらしいが、採ってしまうと他の花たちのように絶えてしまうように思うのでそっとしておいてやりたいと思う。探し物は見つからなくても何かの収穫があるのが山の面白いところかもしれない。

スズムシ舞う石割山  平成26年6月8日

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 関東・甲信越がいよいよ梅雨入りし、なかなか晴天の日は望めなくなった。この日も午後からは雨の予報だが、早朝はところどころ青空が広がり、富士山も雲の切れ間から姿を現してくれた。昨年は花見隊+α集結し、十数人で訪れた石割山は、想定外にたくさんのスズムシソウに出会うことができた。今年も、先週花見隊メンバー数人が訪れているのだが、昨年ほどたくさんは咲いていないようだ。やはり、自分の目で見に行きたい。

 朝4時半に目が覚めた。朝風呂に入って準備して5時過ぎに甲府を出発、高速を使って6時半に石割神社の登山口に到着した。霧雨が舞っており、駐車場にはまだ誰もいない。6時45分に出発、いつものように右の藪、左の林と覗き込みながら、時として林の中の藪をかき分けながら登る。


    雨で川は若干増水している。


    小さなササバギンラン


    その近くに立派なササバギンラン


    ヤマツツジ満開


    ホトトギスだと思うが、どんな花を付けるのだろう?


    石割神社


    神様が宿りそうな石割山の森

 花見隊の報告通り、今年のスズムシソウは昨年に比べると株が少なく小さいように感じるが、十数人で探すのと一人で探すのでは見つける数もだいぶ違うだろう。花を付けていない株も含めて約10株ほど見つけることができた。


    若干時期が遅いのか、倒れかけているスズムシソウ


    こちらはちょうど見頃だが、株が小さい。


    これも同上


    並んで咲いていた大きな株


    もうひとつのお目当て、ヤマウツボ。


    花はもう散ってしまっている。


    別株


    神社の岩を見上げてみるとイワタバコの葉が付いていた。


    良く見かける花だが??

 2時間以上かけて、9時に山頂到着した。朝は見えていた富士山はもうすっかり雲の中。今にも降って来そうな空模様になってきた。軽食をとってさっさと下山する。平尾山経由しての下山も考えたが、あちら側は昨年目ぼしい花は無かったので、来た道を戻って途中から現在あまり使われていない別尾根ルートを下山することにした。神社側ルートと環境が似ているのでスズムシソウがあるかと思ったのだが、結局は何も見つからず下山となった。


    タニウツギ散る山頂


    富士山はすっかり雲の中。


    下山はロープを越えてその先の道を下る。


    上部は笹籔だが、道はしっかりしている。その先は整備された道がある。目ぼしい花は見つからず。


 空模様はあまり思わしくないが、立ち寄っておきたい場所がいくつかある。今日を逃すとおそらく次は来年ということになってしまいかねない。空とにらめっこしながら、次の場所は移動する。

今年も咲かないあの花・・・

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 一昨年は立派な花を3輪咲かせたあの花。しかし、昨年は3株出たものの、1株も花芽を持っておらず、咲かずに終わった。そして今年もまた訪れてみたが・・・やはり花芽はついておらず、咲かずじまいで終わりそうだ。しかも3株あったものが今年は1株だけだ。


    今年の株。葉だけはでてくれたが・・・


    花芽はついていない。今年も咲いてくれない。


    これは昨年(平成25年)5月に下見に行った時のもの。3株芽吹き、期待したが・・・


    平成25年6月、花芽がついておらず、咲かずに終わった。


    一昨年(平成24年)6月、初めて見つけた時の花。立派に3株咲いてくれた。


    平成24年6月、初めて自生の花を見つけたアツモリソウ


 年々退化しているように見えるこのアツモリソウの株。この株以外には周辺を探しても見つからない超稀少なものだ。周囲には鹿の踏み跡がたくさんだが、食害にあったわけではなく、盗掘されたわけでもない。草は毎年生え変わるがが、人間と同じように歳をとるのではないだろうか?この株は盛期を過ぎた熟れの果てを見ているような気がする。

 元気回復して、来年こそは咲いてくれることを願う。

昨年見つけたあの花を探しに行くが・・・敗退。  平成26年6月8日

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 昨年6月、道無き谷筋を登り詰めて偶然に発見した大きな葉っぱ。花は咲いていなかったが今年は咲いてくれただろうか?霧雨が舞う中を、昨年とは逆に上から下りてみようと思い、尾根の近くまで車で林道を詰め、下降してみることにした。かなりの急斜面だったので一応ザイルを持って行く。


    霧雨でレンズが結露。こういう天気には大口径レンズは向かない。

 目的地の尾根筋を歩き、上から目指す草地を覗きこむが、昨年とはだいぶ様相が違う。ススキの草むらが点々と広がっているが、昨年はこれほどのススキ野原は無かったように思う。もう少し下だったか?と、尾根をずっと下ってみると・・・出たところは何故か送電線鉄塔。もちろんこんな場所は歩いていない。では昨年はどこをどう歩いたのだろうか??全くわからない。それらしき場所を思い出しながら、ススキ野原が広がる斜面を登ったり下りたり繰り返して探すが、それらしきものは全く見つからない。


    アヤメが咲くススキ野原


    下って行くと何故か鉄塔に出た。昨年はもっとずっと下の谷を登って来たということなのだろう。


    見つけたのはこれ。ヒイラギソウかと思ったが、ちと雰囲気が違う。


    これはカイジンドウ(甲斐竜胆)という珍しい花。


    カイジンドウ


    こんな雰囲気のところだったと思ったが・・・

 登下降を繰り返しながら斜面をトラバースして行くと、やがて登山道に出てしまった。そこは登って来た登山道のピークを越えた反対側の道だ。2時間以上も藪の斜面を探し回って見つからず、かなり消耗した。登山道をピークまで登り返してそのまま帰ろうか?と思ったのだが、最後にもう一度下りてみることにしたが・・・結局花を探し当てる事はできなかった。雨足が強くなりはじめ、カッパを着てまた斜面を登り返し、戻ることにした。


    こんな感じの斜面を登ったり下りたり。獣になった気分です。


    本日の収穫はカイジンドウ。結構ありました。

 車に到着した頃には本降りの雨になった。林道は小川と化してどんどん水が流れて行く。スリップと脱輪に十分注意しながら、慎重に車を走らせて帰路に着く。
 

 本日の探し物はクマガイソウ。昨年は葉っぱを3枚見つけたがまだ葉が小さく、咲いたような様子は無かった。今年期待していたのだが残念ながら会えず仕舞いとなってしまった。道の無いところを歩く時は、次に訪れる時に同じ場所に行けるとは限らないので、やはりGPSが必要なのではと感じた。購入を検討中である。

富士山麓の森再び  平成26年6月13日

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 2週間前はまだ咲き始めだったコアツモリソウ、そろそろ満開になっている頃だろう。山岳会の女性メンバーのリクエストもあり、2名を連れて行ってみることにした。明日は花見隊山行の予定だが、みちほさんご夫妻が前日山梨入りしてここを訪れるとの連絡を朝受け、現地合流となる。


    大きくたくましくなったコアツモリソウ


    前回は葉だけだったスズムシソウが満開。昨年よりも株が小さい。


    森に同化して見落としそうなスズムシソウ


    満開になったコアツモリソウ


    コアツモリソウ


    森の小人


    大きな葉を付けたコアツモリソウ


    森の小人群落

 いつもとは違う場所の森にちょっとだけ踏み込んでみた。そちらにもやはり咲いていた。


    スズムシソウ。こちらはそろそろ終焉。


    コアツモリソウ。いつもの場所ほどたくさんは無い。


    こちらは穂が出たばかり。おそらくクモキリソウ。


 この森の界隈はコアツモリソウやスズムシソウ、アオフタバランたちにとっては居心地の良い天国のようだ。立ち入るのは最小限にして、そっと見守って行きたい。

朝焼けの富士山と満月 石割山  平成26年6月14日

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 梅雨の季節にしてはきわめて珍しい星空が広がった。天気図、雲画像から見てもこの日の朝は富士山撮影には絶好の日となりそうだった。この日は花見隊が集まって御坂山塊に空飛ぶランを見に行く予定が入っており、10時に出発の予定、その前に業務を片付けなければならない。おそらくは行けないだろうと思っていたのだが、朝4時半ごろに朝焼けの富士山山頂付近に月が沈む絶好の位置、そして前夜の星空を見上げると行かないわけには行かない気持ちになってきた。10時に睡眠薬を飲んで速攻で寝付き、午前2時に起きて石割山最短コースの二十曲峠に向かう。午前3時半に二十曲峠到着。同じ月を狙って既に7〜8台の車が止まっている。ヘッドライト点けて休憩せずに黙々と石割山を目指し、4時15分に山頂到着した。既に三脚を立てたカメラマンが3人ほど、その向こうにいるのはおそらくあのご夫妻。食事中だったようなので声をかけずにこちらも撮影の準備をする。


    アースシャドウの富士山と満月


    この月の位置だと、山頂の右脇あたりに沈みそうだ。計算よりも少し右に寄った。


    富士山に朝日が射し込み出し、山頂がピンク色に染まる。

 もっと赤く染まってくれるのを期待していたのだが、薄ピンク色に染まった程度で終わってしまった。しかし、この季節にこれだけの姿を見せてくれれば上出来である。この頃にあちらのご夫婦も気付いたようで私のほうにやって来た。みちほさんご夫妻だ。前日富士山麓の森でお会いした時に、今朝の石割山が良いと教えたのは私だが、行けそうにないので撮影して来てくれと依頼した。午前2時起床し、石割神社から登って来られたそうだ。本日はこの後花見隊山行も控えている。


    朝焼けの富士山と満月


    月は富士山右隅に向かって傾いて行く


    白山岳に輝く月


    同上


    富士山の斜面を転がるように月が沈んで行く。


    富士山の斜面に沈む月


    石割山から見る朝富士

 5時、撤収。9時に職場に到着すれば大丈夫なので、時間の余裕はあるが眠い。車の運転があまりにも眠いので、大石公園に立ち寄って1時間ほど眠ってから甲府に戻る。


    二十曲峠から見る朝富士

 この日は御坂山塊の空飛ぶランを見に行く花見隊山行が控えている。たくさん咲いていると良いのだが・・・、その前に体力をだいぶ消耗し登れるのかどうか??

カモメラン観察に花見隊出動  平成26年6月14日

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 昨年群生を発見した御坂山塊某所に空飛ぶラン、カモメラン観察に出動した。昨年はたくさん咲いてくれたが今年はどうなのだろうか?そろそろ見頃を迎えている頃だろう。

 11時に登山口近くの空地に集合し、さらに登山口近くまで車で移動して出発する。新緑の鮮やかな森を登って行くが、早朝の石割山の疲れで既にクタクタ。花見隊のスローペースだから登って行けるが、嶺朋クラブのピッチだったら完全に途中リタイアだ。


    5月の杓子山に続いて花見隊出動! この日はcyu2さんの誕生日。おめでとう(?)ございます!


    新緑の森を行く


    登山道脇にニョキッと現れたヒロメノトガリアミガサタケ


    るたんさんが発見!もうひとつのお目当てヒメムヨウラン


    保護色で森と同化して発見しにくい。


    ヒメムヨウラン

 そして本命の空飛ぶランを発見。昨年よりは少なく、踏み跡がだいぶついてしまっている。踏まれてしまった葉っぱもあってごめんなさいといった感じだ。


    カモメラン発見


    花も葉の数も昨年よりは少ないのが気になる。


    カモメラン


    カモメラン群落


    カモメラン!


    カモメラン!!

 この日はカモメラン三昧だったが、クモキリソウ属の葉も確認した。どんな花を着けてくれるのか楽しみだ。


 花数、葉の数とも減少しているのが気になるカモメランだが、昨年は当たり年だったのでこんなものなのかもしれない。これからも花の変化を見届けて行きたい。

アズマシャクナゲ咲く森 小川山八丁平  平成26年6月15日

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 今年の伊豆のアマギシャクナゲは10年に一度の当たり年だったと聞く。奥秩父のアズマシャクナゲにもかなりの期待をしていた。花見隊2日目は瑞牆山登山道の途中から右に入って八丁平のアズマシャクナゲを見に行くことにした。


    瑞牆山荘駐車場は朝8時で既に満車状態。道路脇にも車が並んでいた。


    登山道脇の湿地にあるクリンソウは年々数が減っているように見える。


    前日の御坂山塊と同様、こちらの花も今年は少ない。


    瑞牆山展望台でさっそく記念撮影。まだ先は長いです。


    富士見平到着。来るたびに綺麗になって行く富士見平小屋。


    本日はテントがいっぱい。

 富士見平小屋に立ち寄って小屋主さんの相川さんに挨拶をして行く。小屋の中に入ると壁に見慣れた写真がずらりと飾られていた。昨年荷揚げした「白き雪山 金峰山」のアルバムに入れた写真を全て額に入れ替えて飾ってくれていた。これには届けた本人がビックリ! まだスペースが空いているからもっと欲しいと言われ、これから検討することにした。今度は瑞牆山の画像を届けられればと思っている。
 小屋主さんにお断りしてクリンソウの咲く水場に行ってみる。今年のクリンソウは外れで、花が少ない。ここにも、盗掘者が現れたことがあるそうだ。ひょっとしたら下のクリンソウもやられているのかもしれない。


    富士見平のクリンソウ


    今年は花数が少ない。

 小屋主さんとの話が尽きず、だいぶ時間を費やしてしまった。八丁平に向かって出発する。途中のシャクナゲはもうほとんど終わってしまっていて、残った花を見る限りでは大当たりという感じでは無い。


    天鳥川下降点から見上げる瑞牆山とアズマシャクナゲ


    小川山登山道から見上げる新緑の瑞牆山


    青空に立つ瑞牆山

 造林小屋跡地で昼食となる。この場所はかつては足の踏み場が無いほどの一面のシロバナノヘビイチゴとキバナノコマノツメのお花畑になっていたが、今ではまばらに咲く程度になってしまった。


    造林小屋跡地。小川が流れ、気持ちの良い広場。


    かつてはびっしり咲いていたシロバナノヘビイチゴも今ではまばらになってしまった。

 八丁平でザックをデポしてその先の秘密のシャクナゲ展望台に行く。このあたりからようやく見ごろを迎えたアズマシャクナゲに出会うことができた。花の色は例年に無く良いのだが、花付きはさほど良い訳では無かった。写真を撮りながら登り、展望台に到着する。


    かつては倒木を何本もまたいで歩いた道は今ではすっかり良い道に変っている。


    アズマシャクナゲ


    今年は花の色が良い。


    森の中に咲くアズマシャクナゲ


    展望台に到着。この場所はまだ少し早そうだ。花付きは決して良いとは言えない。


    アズマシャクナゲ咲く奥秩父の森


    アズマシャクナゲの森


    同上


 存分に撮影して八丁平に戻ると、時間は既に午後2時になってしまった。予定では大日岩を周回って富士見平に戻るはずだったが、帰りが夕暮れになってしまいかねない。ここで折り返して同じ道を戻ることにした。別行動をしていたうーさんは不動の滝から瑞牆山を超えて鷹見岩を往復して富士見平小屋で待っているというメールが届く。週4〜5回山歩きしているうーさんは格段に速い。1時間少々で富士見平小屋に到着し、またしても小屋主さんと話が尽きずに大休憩し、下山となった。


 今年のアズマシャクナゲは例年に比べると良い方だが、大当たりと言うわけでは無い。八丁平よりもやや標高が高い瑞牆山でも、見ごろはあと1〜2週間というところだろう。

山岳レインジャー調査  平成26年6月17日

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 私の所属する山岳会嶺朋クラブは、山梨県山岳連盟に加盟している山岳会で、山岳レインジャー活動に毎年参加している。山岳レインジャーといっても遭難者の救助や捜索を行っているわけでは無く、高山植物の調査と保護が主な活動内容である。1年に3〜5回の出動要請があるのだが、日程がなかなか合わず、私はほとんど参加できていないのが現状である。

 昨年から(だと思うが)新たな山域が加わり、今回は某所の草地の中に咲く稀少植物調査の依頼があった。過去に何度かその山に行ったことはあるのだが、花が咲いているのは一度も目撃したことが無い。ロープが張られて保護されているその草地に踏み込むのはマナー違反なので、双眼鏡と一眼レフカメラに望遠レンズを装着して探すのだが、全く見つかる気配が無かった。しかし、今回は山岳レインジャー活動の一環であるので、腕章をつけて特別にその草地への立ち入りが期間限定で許可されている。登山客がいる可能性が高い休日を避けて、平日調査に入ることとなった。

 他の調査隊メンバー4人は朝7時集合で入山したが、私は仕事があるので午後から合流することになった。仕事を片付けて急いで甲府を出発したが、目的地到着は午後3時になってしまう。おそらくは目的の花は見つからないであろうと予想していた通り、広大な草地を何時間も探しまわってとうとう一株も花を発見できなかったメンバーは、私を待って途中の岩の上で岩盤欲休憩していた。


    山岳レインジャー活動の一環で、許可をもらってロープの向こうの草地に入って花を探す。


    この場所も鹿の食害が深刻で、ようやく保護柵が設置された。

 花は見つからなかったが奇妙な葉っぱを見つけたというので、写真をモニターで見せてもらうと・・・!!これはまさに探していた花の葉ではないだろうか。さっそくその場所に案内してもらう。その場所は、以前に訪れた時にお会いしたこの山域に詳しい女性グループの方から、以前はあそこに咲いていたと教えていただいたまさにその場所だった。


    この葉っぱは!! 今年も咲かなかったあっちの山の葉とそっくり。


    しかし、その周辺は鹿に食べられた草の跡がたくさんある。かろうじて食われずに残っているといった感じだ。


    こちらは小さな株


    大きめの株だが、花芽を持っておらず今年は咲かなそうだ。


    こちらはスズランの花と葉っぱ。良く似ているが、良く見ると明らかに違う。

 もう3〜4年は咲いていないこの草地のこの花、既に鹿の食害で絶えたか、あるいは大輪を咲かせた年に盗掘に遭ってしまったかとほとんどあきらめていた。しかし、数は少ないもののきちんと残っていることがわかった。いつか咲いてくれることを信じて、この草地の調査には毎年参加させていただきたいと思っている。

植生保護と再生への取り組み 三ツ峠  平成26年6月22日

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 全国各地で鹿の食害や盗掘で稀少な植物が絶滅の危機にさらされている中にあって、この山はいちはやく保護に乗り出し、早い時期からの保護柵設置によって食害からも、人の手からも逃れて昔からの植生が維持されている全国でも稀な山である。山頂直下にある三つ峠山荘のご主人中村光吉さんを中心として、環境省、山梨県庁、富士河口湖町、日本高山植物保護協会(JAFPA)、山梨県山岳連盟など、山を愛する多くの人たちの協力によって維持が行われている。今回は山梨県山岳連盟の一員として、三つ峠の保護活動に参加させていただいた。

 天候はあいにくの小雨で、カッパに傘を差しての登山となる。参加者は総勢20名ほど、山岳連盟の自然保護活動グループのメンバーに登山道脇に咲く花の解説をしていただきながら三つ峠山荘を目指し、ヒメムヨウランなど珍しい花なども見つけてもらった。1時間半ほどで三つ峠山荘に到着し、ここでザックを預かってもらい、草刈り鎌を取り出して中村さんの案内で保護柵の中に入れてもらう。大切に保護されている草地の中で、植生保護と再生への取り組み、ここに咲く貴重な植物たちの咲く仕組み、特にラン科植物は種子単独では発芽が困難で、ラン菌との混生が必要で、その菌が育つ環境を保持することが非常に重要であることを教えていただいた。


    解説をする中村さんと山岳連盟の参加者たち。


    足元にはエゾノタチツボスミレがいっぱい。


    保護されているア*ツ*モ*リ*草


    この花だけが保護柵に守られているわけではない。

 柵の中ではもちろん今ではほとんどお目にかかれないあの花が保護されているが、保護されているのはこの花だけでは無い。注目すべきは花の周辺に青々と茂っている草たちである。鹿の食害や人に踏み荒らされていない草地にはこれほどまでに元気な草花が茂ってくれる。足元を踏んだ時に地面のフカフカとした感触はこれらの草花の根が元気にはびこっている証拠である。かつてこの花が咲いていた他の山々も、元々はこういう青々とした草地が広がっていたのだろう。このような環境にこそ、ランを目芽吹かせ花を咲かせる共生菌が生きているのだろう。先日の調査に入った草原、そして咲かなくなったあちらの山、おそらくは植生が変化して山が乾燥し、共生菌がいなくなってしまったことが花が咲かなくなった最大の理由であろうと推測される。


    植生保護と再生のためテンニンソウと笹を除去する山岳会メンバー。


    いつまでも守りたい花たち。


    こちらの花も大切に保護されている。


    植生豊かなこの山には他の稀少植物も咲く。アオチドリ。


    カ*モ*メ*ラン

 ご主人の中村さんにはいろいろなことを質問した。咲かなくなったあちらの山の花は今後どうなるのか?咲かせるために肥料をやるのはどうなのか?バイオ技術で無菌培養した花を山に戻す取り組みはどうなのか?などなど、しつこいほどにいろいろ聞いたが、ひとつひとつ丁寧に教えてくれ、文献までいただいてきた。株数が少ない山のア*ツ*モリ*ソウはもはや子孫を残して行くほどに十分な数では無く、年老いて消滅して行く可能性が高いこと、確実性は低いが肥料をやってみるのも一つの手段かもしれないと教えていただいた。しかし、前述の通り最も重要なのは変わってしまった山の植生をいかに再生させるかということだろう。保護柵設置だけでは、もはや乾燥してカヤツリグサ科の草ばかりが目立つ環境になってしまった山を復元させるのは難しいように思う。

会いたかった御坂山塊の白いラン  平成26年6月23日

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 今は昔、平成20年の事。御坂山塊の山を訪れた時に出会った白いランの花があった。その頃は花の事などまだほとんど知らない初心者だった私は、開花したギンランだとばかり思っていた。しかし、何年か経ってその時の記事を見直してあっと驚いた。それは明らかにギンランでは無い。その後何度かその山を訪れており、探してはみたが確かこのあたりと思った場所にはどうしても見つけることができなかった。

 今年の山岳レインジャー調査の説明の際に配られた資料の中にその花の確認された場所が記されていた。まさに私が見た場所である。もう絶えて無くなっているものだと思っていたのだが、どうやらまだ残っていて、訪れる時期と探し方に問題があったようだ。花探しレベルが上がった今ならばきっと出会えるはず。そして先行して調査に行ってくれたうーさんからの報告では他の場所も含めて結構な数が咲いていて、ちょうど満開らしい。2日後から盛岡出張を控えており、帰って来てからだといちばんの好時期を過ぎてしまうため、午後の内科受診予約を別の日に変更してもらって急遽行ってみることにした。


    テンニンソウが生い茂る道を行く。この山も鹿の食害が著しい。


    稜線の岩場に咲いていたイワキンバイ(だと思う)


    発見!会いたかった花オ*ノ*エ*ラ*ン


    オ*ノ*エ*ラ*ン

 稜線にたどり着いて探すと、容易に2株発見できた。しかし、場所が悪く草に隠れていまいちだ。あたりを探してみると向こう側の崖っぷちに5〜6株まとまって咲いている。さらにその先に進んでみると、そちらにも固まって咲いていた。小さくて花びらの中に変わった模様がついているこのラン、眺めているとほっとして、思わず微笑みたくなる。


    崖の際に咲いていたオ*ノ*エ*ラ*ン


    別の場所


    葉っぱは2枚と思っていたがそうでは無いようだ。


    たくさんの花を付けた株。

 この先にも咲いている場所があると聞いていたが、空模様がいまひとつ。山頂まではまだ遠い。少し先まで行って、引き返すことにした。


    霧に咲くヤマツツジ


    霧に覆われた稜線。今にも降り出しそうなので、ここまでで引き返す。


 何年も前から気になっていた花にようやく出会えた。山梨県ではかなり珍しい花だと思っていたのだが、意外と他の山にも咲いていることがわかってきた。今年はおそらく当たり年だろう。これからもたくさん咲き続けて欲しい。

いざ盛岡へ 平成26年6月24日

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 仕事柄、年に何回か学会なるものに出席してポイントを獲得しないと専門の認定が取り消されてしまうという規定があります。今回は盛岡で会が催され車を使って遠征してきました。23日夜に出発し、福島で車内泊、24日に盛岡入りしました。


    会場となった盛岡グランドホテル


    特別講演。英語の講演は半分も意味がわからない。

 会場で山梨の同業の先生と一緒になり、席に並んで講演を聞きましたが、目を引くような革新的な講演は残念ながらありませんでした。ポスターセッション会場に移動して好意にしている教授にごあいさつし、セッション終了後宿を探しますが、学会でかなりの人が集まっているようで数か所電話しても全て満室。中心部から少し離れたところでようやく空き部屋があり、そこに連泊することにしました。


    宿泊したホテル山王。1泊税込み素泊まりで約4000円という安価。


    夕陽を見ながら町を散策に出かける。


    ビクトリアロード。盛岡生まれの新渡戸稲造博士がビクトリア市で亡くなられたことが縁で姉妹都市になっている。


    新渡戸稲造博士の銅像


    この町は何故かオオバギボウシが良く植えられている。


    盛岡城公園?


    盛岡城公園?


    盛岡城公園?


    本丸付近に立つ南部利祥(としなが)像の台座。南部氏第42代当主で日露戦争で活躍し、その功績を称えて銅像が建てられたが、太平洋戦争の際の軍需資材として銅像は提供され、現在は台座のみが残されている。


 盛岡城公園を散策後、繁華街に繰り出して海鮮料理屋に行って食事となりました。三陸海岸を抱える岩手県は海産物が豊富で新鮮でおいしく、安い! 久しぶりにいただいたホヤは200円という安価で絶品。山梨ではまず食べられないだけにおかわりまでいただいてしまいました。料理長さん、話題が豊富で親切で、盛岡冷麺発祥の店、食道園という店まで歩いて案内してくれました。1時間ほど町を散策して冷麺をいただいてホテルに戻りました。お腹いっぱい、こんなに食べて明日は歩けるのでしょうか? 明日は早起きして、あの有名な薄雪草が咲く山に出かけます。  

固有種咲く早池峰山(前編)  平成26年6月27日

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 至仏山や谷川岳と同様に蛇紋岩というアルカリ性の高い特殊な岩が露出している早池峰山は、この山固有の花が咲くことで知られている。特にハヤチネウスユキソウは有名で、この花を見るために多くの登山者が訪れる。そろそろ咲いている頃だろうが、今回私が見たいのはそちらではなくて、ヒメコザクラというサクラソウの仲間の白い花だ。若干時期が遅いかもしれないが、運が良ければ出会えるかもしれない。

 早朝4時起きで出発のはずだったが、前夜の夜遊びがたたって起きたのは5時。車を飛ばして7時に早池峰山駐車場に到着した。平日はマイカーで登山口まで行けるが、土日・祝日はマイカー規制でバス利用でなければ入山できなくなる。既に10台近い車が止まっている。今回は沢ルートを登って尾根ルートを下る一般的な周回コースを歩く。登り3時間半ほどのコースだが、花を探しながら5時間で登る予定だ。


    沢ルートを登る。


    さっそくノビネチドリを発見。


    タチカメバソウがルート沿いに沢山咲く。


    標高の低い場所からミヤマオダマキが出現。


    沢から見上げる早池峰山。岩ゴツゴツの山。


    沢が枯れたあたりから早くもハヤチネウスユキソウ出現。


    花はまだだが、この葉っぱはおそらく固有種ナンブトウウチソウの葉。


    蛇紋岩でできた早池峰山岩峰が迫る。急騰の枯れた沢を登る。

 沢の中にも蛇紋岩が散らばってはいるが、枯れた沢を上部まで登って尾根に取り付いたあたりからいよいよ固有種を含めた花が咲き出す。初めて見る花が多いだけに、なんとなく名前はわかるが確信が持てない。下山後に図鑑を見て確認ということになる。沢沿いを歩いている時に山岳パトロールの方と運良くお会いし、ヒメコザクラのことを尋ねたところ、かなり詳細に場所を教えてくれたが、おそらく終わっているだろうとの事だった。


    ミヤマシオガマ。向こうに白い花はチングルマ、手前の黄色いスミレはキバナノコマノツメ。


    ハヤチネウスユキソウがあちらこちらに咲いてはいるが、至仏山のホソバヒナウスユキソウのように一面咲いているというわけではない。


    蛇紋岩とお花畑。


    固有種ナンブイヌナズナ。


    ナンブトラノオ


    ホソバツメクサ(?)


    ヨツバシオガマ


    ハヤチネウスユキソウ


    ミヤマハンショウヅル


    ミヤマアズマギク。至仏山のジョウシュウアズマギクに似て、やや華奢な気がする。


    ミヤマキンバイ


    アオノツガザクラ


    山頂付近のナンブイヌナズナ群落

 登山道を真直ぐ登らずに右の岩場左の斜面と探しながらジグザグに登り、再三ヒメコザクラを探したがとうとう見つからなかった。ほぼ予定通りの4時間40分かけて山頂に到着した。


    早池峰山山頂

山頂裏側の人が少ないところでお花畑を眺めながら食事していると別のパトロール隊3人組がパトロールと水場調査のためにやって来た。その中の女性のパトロール員は花についてかなり詳しく、いろいろと教えていただいた。やはりヒメコザクラはもう終わっているとの事。そしてこの山でも盗掘事件があって、稀少な植物が失われてしまい、今年はパトロールを強化しているそうだ。さらに、全国どこの山も同じように、鹿の食害に悩まされているそうで、山の裾野や沢沿いはかなりの被害が出ているらしい。この山も、いずれは保護柵で覆わざるを得なくなってしまうのかもしれない。(後編に続く)

固有種咲く早池峰山(後編)  平成26年6月27日

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 12時少し過ぎた頃に早池峰山山頂に到着すると、10人ほどの登山者が食事休憩中だった。途中でかなりの人に追い抜かれたので、多くの人たちは既に下山して行ったと思われる。裏側(北側)に行くと、そこには大岩のゴロゴロした間にお花畑が広がっていた。そちら側は休憩している人は一人だけ、登りながら途中で花談義して一緒だった人だった。盛岡在住の方で、この地域の山や花情報に詳しく、岩手山のコマクサが素晴らしいこと、秋田駒ケ岳の黄色いスミレがたくさん咲くことなど、いろいろ情報をいただいた。


    早池峰山山頂と避難小屋(中央の赤い屋根の建物)。



    山頂裏側。露出した岩の間にお花畑が広がる。


    山頂のお花畑?


    山頂のお花畑?

 1時近くまでゆっくり休憩して小田越への尾根道を下ることにする。時折青空が見えるが、ほとんどが雲の巻く曇り空だが、おかげであまり暑く無く過ごし易い。まずは木道の整備された稜線を下降点まで進む。


    木道の整備された尾根道。雪が残る。


    木道脇のコバイケイソウの葉とショウジョウバカマ


    お花畑

 下りの尾根道は沢沿いの道に比べると傾斜は緩いが、岩がゴロゴロ、しかも蛇紋岩でできた滑り易い岩なのでスリップに要注意だ。有名な長い2段ハシゴ場があるが、さほど難しい場所では無い。こちらは広大なハイマツの斜面が広がり、登山道脇にはミヤマシオガマやハヤチネウスユキソウ、ミヤマオダマキなどの入り混じって咲くお花畑が広がっている。そして、振り返れば蛇紋岩の圧倒的な岩肌。早く下山しようなどという気にはとうていなれない。


    見下ろす小田越尾根道。下に小さく白く見えるのが小田越小屋。


    蛇紋岩の岩壁。凄い迫力。


    有名な2段ハシゴ場


    山頂方向を見上げる。


    広大なハイマツの斜面が広がる。


    ハヤチネウスユキソウ。こちら側にもたくさんある。


    岩の間にミヤマオダマキの群落


    ミヤマオダマキ大株


    岩の間のお花畑


    見下ろす蛇紋岩の岩山


    振り返って見る蛇紋岩の岩山


    樹林帯に入る直前で見たマルバシモツケ。昨年の北海道遠征以来に出会う花。


    樹林帯の中でツバメオモト


    大きな葉のマイヅルソウ群落


    小田越小屋到着。

 午後2時45分ごろ小田越小屋に到着する。小屋の前に山岳パトロール隊の連絡係の方がトランシーバを持ってパトロール隊と連絡をとっていた。こちらの山も盗掘と鹿対策のために気が抜けないようで、その後続々とパトロール隊員たちが下山してきた。10人ほどいたのではないだろうか。私も山梨県のレインジャー隊として少しだけ同じような業務に携わっているだけに、苦労がわかる。

 休憩してアスファルトの林道を歩いて河原の坊駐車場に戻る。山頂でお会いしたパトロール隊の方に、林道脇にも花が咲いていると聞いていたので、花を楽しみながら、写真を撮りながら楽しみつつ歩く。


    道のかたわらにハクサンチドリが普通に生えている。


    こちらはノビネチドリ。


    ズダヤクシュ


    ハクサンチドリ群生


    ベニバナイチヤクソウ


    一瞬目を疑った。こんなのが道の傍らに・・・ 


    コ*ケ*イ*ラ*ン


    午後4時、河原の坊駐車場に到着。

 固有種満載の早池峰山を存分に楽しんだ1日だった。他にも稀少な固有種が多々あるらしいが、一度歩いただけでそう簡単にお目に出来るものではなさそうだ。いつかは今回出会えなかったヒメコザクラ、そしてこれからたくさん咲くであろうナンブトウウチソウにも出会ってみたい。しかし、遠いこの山、きっと定年後でなければ来る機会は無いだろう。
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